【ルシーラ・フォン・ディルクラント編2】 作 ルシーラさん大好き様


 犠牲者の名は「ルシーラ・フォン・ディルクラント」。16歳。身長161cm、B93(Hカップ)・W56・H86。名匠が筆でひいたような眉、光を宿した大きめな瞳、形の良い鼻梁、ふっくらと膨らんだ桃色の唇。一目見るだけで異性を惹きつける強烈な美貌。流れるような紺碧の髪を先端で纏め、豊かな胸の前に垂らしている。その眼は誇りに煌き、美貌をより輝かせている。

 中東にあった小さな公国の公女。ルシーラが幼い頃に政変が起こり、公王であった父母と共に亡命。公国に進出していた日本企業の伝手を頼り、現在はルシーラのみ日本で暮らしている。


 日本での生活の為、地下闘艷場に何度か参戦して随分と金銭面も安定していたルシーラにまたしても招待状が届いた。お金には今の所困ってはいなかったが亡命後、父母は生活が厳しくなったにも関わらずルシーラに貧しい思いをしないように手を尽くし、最近では日本での生活を用意して仕送りまでしてくれている。そんな父母にルシーラは少しでも金銭を渡そうと考えた。


 花道を進むルシーラの美貌に観客が感嘆のため息。紺碧の髪を揺らし、誇りに輝くその瞳でリングを見据えながら歩くルシーラの姿はそれだけで絵になり、女性を見世物にする<地下闘艶場>だというのに、気高き公女が華麗に勝利を納める姿を見たいリピーター達も現れ始めていた。

(女性の方が相手、ですか)

 当のルシーラはリングに居る人影に少し疑問を覚えながらリングに登る。


「赤コーナー、『M』、唐辻(からつじ)巳詩夜(みしよ)!」

「唐辻巳詩夜」。20歳。身長164cm、B89(Eカップ)・W61・H84。前髪ともみあげは長く伸ばし、後ろは首まででカットしている。前髪で目線を隠しているが、淫靡で陰気な空気を纏っている。

 今回は浴衣を召しているが、上は着崩しており、胸にはサラシを巻いていてその丈は膝丈までしかない。

「青コーナー、『亡国の公女』、ルシーラ・フォン・ディルクラント!」

 続いて自身の名前がコールされ、ルシーラは少しだけの躊躇うもすぐにガウンを脱ぐ。

 今回の衣装は側にいるレフェリーと戦った時と同じ生地の薄い純白のワンピースだった。

 身体にぴったりと張り付いてボディラインは勿論の事、生地が薄いことで下着のピンク色も照明に透けて見えている。

 

<カーン!>


 レフェリーはボディチェックをせずにゴングを要請。

(くそっ、今日こそはボディチェックをするつもりだったのに!)

 心の内でレフェリー舌打ち。

 これにはちょっとした訳があった。

 <地下闘艶場>でのルシーラの華麗な勝利は多くの観客を魅了し、その熱烈な人気故に観客が変な横槍を入れぬよう沢山の抗議があったと言う。

 <地下闘艶場>としては無視しても良かったが、あのレフェリーがボディチェックをおこなおうとしてもルシーラは既にレフェリーを警戒している。しようものなら傘を先端を向けるだろう。

 ならば観客の要望に応えておき、<地下闘艶場>の支持を得る。そう考えてレフェリーにルシーラへのボディチェックをなしにしたが、そのまま引き下がるレフェリーではなかった。

 レフェリーはルシーラの対戦相手に巳詩夜を指名。巳詩夜であればそのタフネスで傘による打撃は耐えられる。

 同じ理由で尾代も考えたが、巳詩夜ならば関節を極められてもそれによって半狂乱となって勢いで攻めきれるかもしれない。

 それに武器を持たない女性であればルシーラも少しは手心を加えると考えた。


「うふふ・・・ルシーラちゃん、本物のお姫様なのね・・・とっても美人さん・・・」

「・・・・・・」

 ゴングが鳴り、巳詩夜はゆらゆらと不気味に身体を揺らしながらルシーラの肢体を舐めるように見る。ルシーラはその視線が不快だったのか整った眉をひそめる。

(厭らしい視線が不快ですね。ですが、武器も持たずに一人・・・何かありますね)

 無手の女性が相手だが何かあるーーーそう思いながらルシーラは警戒しつつ巳詩夜の出方を伺う。

「来ないなら、こっちから行くね・・・?」

「!!」

 巳詩夜が姿勢を低くし、ルシーラへとタックルで迫る。先程までの不気味でゆらゆらとしていた動きからは想像も出来ないような瞬発力にルシーラは驚くがすぐに前方へ傘を開いて牽制。

「・・・!」

 巳詩夜もそれに対してつい反応してしまい、動きを止めたが巳詩夜は自ら左側へとバランスを崩して転がる。

 すると、一瞬後に傘を畳んだルシーラの左脚の下段の前蹴りが巳詩夜のいた場所へと放たれていた。

 初戦の亀河でも使った戦法だがルシーラは回避される事も予測していたのか傘を左手に持ち替えて転がった巳詩夜を突く。

 巳詩夜は転がっている最中だった事もあり、急所こそ突かれなかったものの左肩にダメージを負う。

 しかし、巳詩夜は痛みを感じていないかのようにそのままルシーラへと飛び付く。

「ッ!」

 ルシーラは驚愕しながら大きくバックステップで巳詩夜を躱し、それにより巳詩夜は自らリングに倒れ込むような形になる。

 すかさず追撃をかけようとルシーラは傘を向けようとしたが、視界内のレフェリーがルシーラに忍び寄っていた事に反応し、再度右手に傘を握って向けるとレフェリーは慌てたように両手を上げてとまる。

 だが、一瞬とはいえルシーラが反応したのを前髪に隠れた双眸で捉えた巳詩夜はリングを跳ねるようにして再度飛び付く。

「・・・!!」

 今回ばかりはどうしようもなかった。レフェリーにも気を割いた上に女性ながらにタフネスの高い巳詩夜のさらなる追撃にルシーラは対応出来ず体当たりを受け、コーナーポストの手前だった事もあり、そこへ押し込まれるような形で背中を強打する。

「ぐはっ・・・!」

「うふふ・・・ルシーラちゃん、痛かった?でも、私も痛かったからこれでおあいこ・・・」

 巳詩夜は自身の身体とコーナーポストに挟まれ、苦悶の表情を見せるルシーラを見てそう言うと右手でHカップのバストを揉む。

「んっ・・・柔らかい・・・」

「・・・っ、どこを触って・・・!」

 巴詩夜に胸を揉まれ、ルシーラは顔をしかめる。

「ルシーラちゃんのおっぱい・・・大きくて柔らかいね・・・」

 巳詩夜はいやらしく弾ませるような手の動きでルシーラのバストを堪能する。

 幸いにも手放さなかった右手の傘で巳詩夜を引き剥がそうと考えるが、巳詩夜の左手が手首を掴んで阻止され、そのまま左手も巳詩夜の右手に手首を掴まれてしまう。

「危ないのは、駄目・・・ほら、もっと気持ちよくしてあげる・・・」

 巳詩夜はそのまま右足をルシーラの脚の間に入れ込むと膝を少し上げる。

「あっ!」

 ワンピースのスカートが巻き込まれた為に下着の上からではないものの、互いの衣装越しに巳詩夜の太腿がルシーラの大事な所へと当てられてルシーラは息を呑む。

 巳詩夜は太腿を揺らし始め、ルシーラのアソコを刺激し始める。

「くうぅ・・・っ、やめて下さい!」

 ルシーラは声を上げ、身を捩るが意味を為さない。

 手は掴まれて動かせず巳詩夜とは密着している状態の為、膝蹴りも出来ない。

「やめない・・・気持ちよくしてあげる・・・」

「ひぅぅっ!」

 膝から与えられる振動にルシーラが声を上げる。

 巳詩夜は小刻みに膝を揺らして股間を責めていき、強制的にルシーラに快感を与えていく。

「んっ・・・くぅっ・・・!」

 ルシーラは頬を染めて振動に耐えるが、巳詩夜は少しずつ振動を強める。

「おっと、手が滑ってしまった」

「あん・・・レフェリー・・・」

 その光景を見ていたレフェリーが巳詩夜の背後から近寄り、密着したルシーラと巳詩夜のバストの間に手を入れ、右手でルシーラのバストを、左手で巳詩夜のバストを揉みながら腰を振って巳詩夜のお尻に自身のズボン越しに勃起した一物を打ち付ける。

「おお・・・唐辻選手のおっぱいもいいが、公女様のおっぱいはたまりませんなぁ」

「何をして・・・んんっ・・・」

 鋭い視線で睨み、一喝しようとするも股間への刺激によって阻止されるルシーラ。

「心臓マッサージですよ。公女様。唐辻選手も沢山マッサージしてやるからな」

「んっ、お願い・・・」

 レフェリーは勝手な事を言いながら二人のバストを揉む。ルシーラは唇を歪ませて二人からのセクハラに耐え、巳詩夜はルシーラの表情と揉まれる感触、ヒップに擦り付けられる一物の感触に興奮を高める。

「ルシーラちゃん・・・もっと激しくしてあげる・・・我慢しないで・・・・気持ちよくなっていいからね・・・?」

 巳詩夜はルシーラへの責めを強めようと膝をさらに動かそうとする。

 その瞬間ルシーラの瞳が光る。

 巳詩夜のほんの僅かな身動ぎの一瞬の隙にルシーラは巳詩夜の足の甲を思い切り踏みつける。

「あっ、ぐ・・・」

 足の甲を骨がいくつか折れ、さしもの巳詩夜も踏ん張れずにバランスを崩してしまう。その瞬間にルシーラは右手を動かして傘の持ち手で巳詩夜の眉間の辺りを打ち、巳詩夜の身体がレフェリーの方へとぐらついて間合いが出来たのを見ると鳩尾を押すように蹴りつける。

 巳詩夜はレフェリーごとリングへと倒れ込み、レフェリーと隣同士で仰向けになった所を傘の先端で鳩尾を突かれてしまう。

 それでも意識を繋ぎ止めるが、ルシーラは冷めた視線で同じ個所を再度突き、素早く引いてもう一度突く。

「が・・・ぐ・・・ルシーラ、ちゃ・・・」

 高速の三連撃に巳詩夜の意識はとうとう闇の中へ落ち、レフェリーはゴングを要請。


<カンカンカン!>


 ゴングの音が鳴るとルシーラは立ち上がったレフェリーへと向き直ると一言。

「どうやら貴方はわたくしの言葉をお忘れのようですね」

「い、いえ!そんな事は・・・公女様は怒ると・・・がふぅっ!」

 返事を言い終える前にレフェリーの首ーーー否、身体が反り上がり、僅かに浮遊して後頭部から倒れる。

 顎を蹴り上げて砕いたルシーラは気を失ったレフェリーを冷たく一瞥すると花道を歩いて去っていった。

 華麗な逆転劇と調子に乗ったレフェリーへの制裁。

 そして、公女の美貌に観客達はただただ称賛の拍手を送り続けたーーー



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