【A&A 其の六−9】   投稿者:小師様  推敲手伝い:事務員


「暁・・・」

 誰かに呼ばれている気がする。頬にも何かが当たるような感触がある。

 「・・・子。あ・・・こ・・・」

 誰だろう。この暖かさは知っている気がする。

 「あき・・・、暁子・・・」

 (この声は・・・お嬢様?)

 「暁子ってば!」
 「は、はい!」

 長い間に培われた条件反射だろうか。飛び起きてしまい、暁子は眼前に居た綾乃の額に自分の頭をぶつけてしまった。

 「いた・・・お嬢様、大丈夫ですか?」
 「痛いよ、暁子・・・」
 「も、申し訳」

 その瞬間だった。綾乃が暁子に飛びついてキスをしたのだ。

 「んむうっ!?」

 突然の出来事に体が固まってしまう。三戦目が始まる前に唇を重ねてはいるが、そのときには綾乃に水を飲ませるという目的があった。しかし今はなんの心の準備もなく、奇襲に等しい。振りほどこうとか、
逃げ出そうとか、そういう考えまでたどり着けない。
 綾乃は暁子の両手をなんと片手で拘束し、キスをしたまま暁子の衣装を破り取っていく。まるで、自分と同じ全裸にしなければ気が済まない、とでも言うかのように。

 「んんっ・・・」

 (お嬢様に手をあげることは・・・しかしこのままでは・・・!)

 逡巡している間に、綾乃の手が本紫の下着にかかった。

 (くっ、お嬢様! 御免!!)

 無理矢理片腕を引き抜いて首を抱え込み、巴投げもどきで綾乃を引きはがそうとした。しかし綾乃はそこまで見抜いていたのか、投げられた直後に手を放してリングに着地した。

 「酷いよ暁子・・・私の事、きらい?」

 いつもの可愛らしい笑顔でこちらを見ているが、その目に光は無い。まるで蝋人形のようだった。

 (まさか、あの男か・・・?)

 なんとしても綾乃に正気に戻ってもらわなければ。

 「私は大好きなのにな」
 「!?」

 手首を捕まれた、と気づいたときには既に宙を舞っていた。それほどの速さだった。

 「がはぁっ!」

 背中から落とされ、呼吸が一瞬止まる。
 それでも立ち上がろうとする暁子の腹に、綾乃が馬乗りになった。

 「今日は暁子を慰労するからね」

 そう言いながら暁子のブラをずらし、乳房を直に揉みだす。

 「なっ、やめ、やめてください!」
 「大丈夫、力を抜いてね」

 奇怪な術のせいか、話が通じない。それでも何とか綾乃を傷つけずに脱出しようと試みる。

 「もう、恥ずかしがり屋なんだから!」
 「あひいいっ!」

 稲妻に打たれた。綾乃がもう片方の乳房に吸い付き、乳首を甘噛みしたのだ。同性故か、下手くそな男共とは違い、的確にツボをついた一撃に暁子も翻弄されてしまう。

 「あっ、はあっ、あうんっ」

 暁子の口からは喘ぎ声が紡がれる。頬も紅潮し、艶めかしい。綾乃は暁子の乳首を舐めしゃぶり、軽く歯を立て、吸いつく。そのたびに緋色の電流が乳首から全身に走り抜ける。

 「おっぱいだけじゃ足りないかな? 我慢しちゃだめだよ?」

 乳首から唇を放した綾乃が、一度乳房を弾ませてから、その手を暁子の秘部へと下す。そのまま下着の中へと手を入れ、秘裂を愛撫する。

 「ふわっ!! あ、やめ・・・! 触ったら・・・!」
 「大丈夫、触るだけじゃないからね?」

 秘部を撫でられただけでなく、中をぐちゃぐちゃにかき混ぜられる。綾乃の責めで濡れた膣は綾乃の指をすんなりと飲み込み、潤滑油となって快楽責めを補助してしまう。

 「あっ! あふっ! ふうああっ! ああんんっ!」

 あまりの快感に意識が飛び、すぐに戻ってくる。視界の明滅と共にそれが繰り返され、暁子の体にも朱が差していく。

 「おねが・・・ああっ・・・やめ・・・んううっ・・・あはあっ!」

 背徳の快楽は火種に油を注ぐがごとく一気に燃え上がり、暁子を内側から苛む。強すぎる刺激に声を抑えきれない。それでも主を救うべく、意志の力で快感を押さえつける。

 「やめて・・・っ、お・・・嬢さ・・・義姉さん・・!」

 その言葉が響いたとき。突如綾乃の動きが止まり、暁子の上に倒れ伏してしまった。美少女二人の乳房が重なり、撓む。

 「あら、切れちゃったか。もうちょっとだったのなぁ」

 政哉が残念そうに呟く。

 (やはり、この男が・・・)

 奇怪な術で綾乃を操り、暁子を辱めた。しかも綾乃の責めは、的確に暁子の官能を高めてしまった。暁子は綾乃を横にどけることもできず、重なったままの体勢で政哉を睨む。しかし快感に薄っすらと汗ばん
だ頬は高潮し、息は荒い。

 「なに、いい見世物だったぜ。暁子も楽しんでくれたようだしな」

 氏継が唇の端を上げ、暁子を愚弄する。

 「暁子ちゃんも出来上がったし、あとは氏継さんに任せるよ」
 「ならお前は綾乃ちゃんの脚を持ちな」

 そう言われた政哉は素直に従い、暁子の後ろに座り、体を自分に寄りかからせるようにしてから綾乃の脚を持つ。氏継は綾乃を自分の体に寄りかからせ、暁子の両足首を持ち、綾乃と暁子が絡むようにセッテ
ィングする。

 「政哉」
 「OKです」
 「よし、引っ張れ!」

 二人が一気に足首を引っ張る。

 「あふぁっ・・・!」
 「ひあっ!!!」

 綾乃と暁子の秘部がぶつかり、二人が甘い声を漏らす。

 「そら、気持ちいいか?」
 「ううっ・・・この程度では・・・!」

 下着に秘部を守られた暁子はまだまだ耐えられそうだったが、全裸の綾乃はそうはいかなかった。

 「あはあっ! あ、ふわぁっ!」
 「お、お嬢様、そんなに激しく動かないで・・・あうっ!」

 綾乃の腰は耐えられずに跳ね回り、逆に二人に余計な刺激を与えてしまっていた。

 「綾乃ちゃんは気持ちいいみたいだね?」
 「ふうっ、あふっ・・・」

 政哉の呼びかけも綾乃には聞こえないのか、喘ぎ声を洩らすだけだ。

 「じゃあ天国にイっちゃいな」

 そういうなり政哉が綾乃の脚を強く引っ張った。それだけではなく、細かい振動まで加える。

 「ふぁっ・・・あふあああっ!!!」

 引っ張られたときに淫核が当たったのか、綾乃は一気に絶頂してしまった。

 「お、お嬢様! お嬢様ぁ!」

 綾乃に必死に声をかける暁子に、レフェリーが近づいていく。

 「まだまだ足りないか、真里谷選手」

 耐える暁子の乳房を鷲掴みにして揉み回し、もう片方の手は下着の中に侵入し、秘部を弄り回す。

 「レフェリー、触るなって言ったの忘れたか?」

 鋭い声がリングの上に響き渡る。

 「もう試合は終わったからいいじゃないか」
 「ならこっちで俺と代われ。両脚つかんで絶対放すなよ」

 どこか憮然としたレフェリーだったが渋々言う通りにし、氏継と交代する。その氏継は暁子にのし掛かり、乳房を鷲掴みにして揉み回し、淫核を転がす。

 「ふあっ、あ、あふっ」

 胸を揉まれ、乳首を抓られ、秘部を擦られ、淫核を転がされる。第一戦から男共に責められ、第三戦終了後に綾乃に責められ、そして今も女の急所を同時に責められる。しかも女の快楽を知ってしまった今の
暁子は忍耐力も下がってしまっており、加えて目の前で主が既に登り詰めてしまっているのだ。

 「ほら、さっさとイっちまいな」

 氏継の指が一層激しさを増す。

 「・・・誰が、お前などに・・・ふぁあっ!」

 どんなに堪えようとしても、連戦の最中に蓄えられた快感は消えなかった。否、消えるどころか勢力を増して襲い掛かってくる。先程まで綾乃の手によって的確に責められ、煽られた官能の炎が更に大きく燃
え盛る。

 「もう一杯一杯なんだろ? 諦めな、『小弓』暁子!」

 暁子の旧姓を呼んだ氏継が、乳房、乳首、淫核、秘裂、膣へと同時に責めを与える。その強烈な猛撃は、暁子が精一杯張った防壁を一気に打ち崩した。

 「あ、っ・・・ふわああぁぁぁぁぁっ・・・っ!」

 暁子の頬が朱に染まり、艶やかな唇が嬌声を放つ。それはまさしく、快楽に屈した「女」の叫びだった。前回の試合、そして今回の三連戦、男たちから責められ続けても耐え抜いていたあの真里谷暁子が、遂
に陥落した。公衆の面前で盛大に達してしまった。観客が巻き起こす歓声が、更に一段と大きさを増した。

 「そら、オマケだ!」
 「あ・・・・・・あぁ・・・っ」

 最後は乳首と淫核を思いきり潰された。快感を覚えてしまった身体に淫らな電流が走り抜け、帯電する。

 (ふあぁ・・・妾、は・・・こんな・・・ああああああああっ!)

 一度激しく体を反らせた後、暁子はグッタリとなって小さく痙攣していた。観客席からは、初めて絶頂失神に達した暁子へと欲望の視線が、卑猥な野次が、甲高い指笛が飛ばされ続けていた。


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