犠牲者の名は「未作良(みさくら)悟良(さとら)」。19歳。身長167cm、B91(Eカップ)・W63・H89。
未作良(みさくら)美咲(みさき)の従姉妹。昔から実の姉妹のように仲がよく、美咲のことは「咲ねえ」と呼ぶ。
裏表のない明るい性格だが、意外と照れ屋。肩まではいかない黒のショートヘア。感情に合わせてよく動く丸い目が特徴的な容貌を持ち少年のような印象。顔立ちだけなら男子に間違えられるかもしれない。歯を見せてニカッと笑うと、男子よりも女子の方がドキドキする。口調も荒くはないがやんちゃな少年のような感じで、敬語は使わない。
スタイルのほうも負けずに魅力的で、バストやヒップのみならず、肌そのものに内側からの生命力ではち切れんばかりの張りがある。ただ若さが目立つ分、女性らしいラインはまだ見られず、熟す前の青い果実といった印象だ。
前回は、病気で倒れた柔道家の父の手術費用のために美咲と共にリングへ上がった。
だがその結果初めての絶頂を味わわされたばかりでなく、美咲と一緒に徹底的になぶられてしまう。
<地下闘艶場>から手術費用は獲得したものの、その返済という名目で再びリングへ招かれた。
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花道を進むガウン姿の悟良を、早くも大きな歓声が包む。
前回の痴態から、今回の試合でもそれを期待するもので、卑猥な野次が多く飛ばされている。
「・・・」
聞こえているだろうに、凛々しい表情を変えることなく悟良はリングへとたどり着く。
リング内には前回と同じレフェリーと、同じく前回参戦していたレスリングタイツの黒人選手が待っていた。
「赤コーナー、『ブラックネスト』、ジョルジュ・マホーニー!」
コールに応えて両腕を上に掲げるジョルジュ。前回の活躍を覚えている観客からは大きな歓声と拍手が送られる。
「青コーナー、『不屈の孝行娘』、未作良悟良!」
コールとともに悟良はガウンを脱いだ。
今回の衣装は紺のブルマと、半袖の体操着。そして右手には黒帯を持っている。
薄手の体操着を押し上げる胸の膨らみに、ブルマに包まれたヒップ、肉付きのいい太ももと悟良のスタイルの良さが強調されている。
早くも観客から大きな歓声が上がる。前回の試合内容を交えた野次まで飛んでいた。
(こいつら・・・)
強い不快感を跳ね返すように悟良は腕組みをするが、それにより強調される胸の大きさに、観客からの粘ついた視線がより注がれていく。
「悟良選手、帯もちゃんと持ってきたようだな。道着はそこだ」
ジョルジュのボディチェックを簡単に終えたレフェリーが、青コーナー近くのロープにかけてある白道着を指差す。ズボンはない。
「ここで着るのにどういう意味があるんだよ」
「まあ趣向だよ趣向。おっと、まずその前にボディチェックを受けてもらうぞ」
「・・・ちっ」
「不満があるのか?この試合が成立しないと美咲選手も呼ぶことになるぞ」
「わかってるよ・・・」
悟良と美咲は前回の試合に出場したことにより、<地下闘艶場>から父親の治療費や生活費など大きな援助を受けた。
そして敗北による返済のための再出場の要請は、悟良だけにあった。悟良のシングルマッチが見たいという要望があったからだという。
美咲にこれ以上の負担をかけたくなかった悟良は、美咲に伝えずにその条件を呑んだ。
黒帯の持参も、その中の条件だった。
「よし、わかればいいんだ」
いやらしく笑ったレフェリーは、早速僅かに下着の透けている体操服のバストに手を伸ばす。
一瞬体を固くした悟良だったが、すぐに持ちなおす。
「お、下着が少し透けてるな」
その反応を知ってか知らずか、Eカップのバストを揉みながらレフェリーはからかうように言う。
「だったらなんだよ」
「つれない反応だなあ」
「・・・知るかよ」
下手に反応しては相手を喜ばせるだけだと、あえて悟良はぶっきらぼうに返す。
「よく見れば青地に白の水玉じゃないか。気に入ってくれたのか?前回の試合で」
「っ!」
レフェリーの言葉通りスポーツブラの柄は、前回の試合で身につけたエプロンや水着と同じものだった。
「衣装と同じに用意されてたんだよっ!」
前回の内容を思い出しそうになり、反射的に言い返す。
「おっとそうだったのか、まあ契約の内だ。美咲選手の安全のためにも守ってもらわないとな」
(こいつ・・・!)
噴出しそうな怒りを、美咲の名を出され抑えるしかない悟良。
それを知ってか知らずか、レフェリーは悟良の体を触り続ける。
「おっと、美咲選手といえば思い出した・・・」
そう言うとレフェリーは正面から悟良の胸元に顔を埋め、両手を伸ばしてブルマに包まれた尻を鷲掴みにする。
「うわっ!?」
「いやあ、思い出すなあ。美咲選手の最初の試合でもこうしたんだよ。彼女は全然動じなかったがな。」
(こ、こいつ・・・)
指のいやらしい動きと鼻息もだが、それ以上に美咲へのセクハラを得意げに語られることが不愉快だ。
それでも試合をしなければ、美咲に魔の手が及ぶことを防げない。
(試合に勝って、こいつも叩きのめしてやる!)
「いやあおっぱいも尻もいい感触だ。前回より魅力的に仕上げてきたのか?」
「・・・鍛えてきた、の間違いだろ?」
静かな声に、凄まじい怒気が込められている。
「・・・ふ、ふん。まあせいぜい披露することだな」
圧倒されそうになるレフェリーだが、自分が優位な立場にいることを思い出しセクハラへと戻る。
「おっとこの太もももいい感じだな。肉付きが良くなってる・・・」
レフェリーはしゃがみこんで、太ももを両手で優しく包むようにして念入りに撫でる。
「おい、今ビクッてしなかったか?感じたときは素直に反応してくれていいからな・・・」
悟良は構わず、静かな呼吸を続けている。
レフェリーは舌打ちをして、手の動きを再開させた。
「よし、もういいだろう。道着を着けろ」
それからもしばらく悟良の体を弄っていたレフェリーだったが、観客からの不満の声が上がりだしたのを聞いて離れた。
(偉そうにしやがって・・・)
屈辱に耐えるために握りしめていた拳を開いてほぐしつつ、悟良は深呼吸して道着を手に取る。
袖も丈も通常のものだが、両足はむき出しになる。
より観客の視線が集中するような気がした悟良は、振り払うように強く帯を締める。
悟良の様子を確認し、レフェリーはゴングを要請した。
<カーン!>
「ふっふっふ、お元気でしたかー?」
ゴングを待ちかねたとばかりに、はしゃいだ様子で距離を詰めてくるジョルジュが、悟良を挑発するよう話しかける。
だが、
「おおおっ!」
「What!?」
喋り終えるのを待たずに、悟良は檻から放たれた猛獣のようにジョルジュへ迫った。
挨拶代わりの飛び蹴りをかわされると、着地からの受け身ですぐ立ち上がり再び距離を詰める。
「ふんっ!」
迎撃しようと構えるジョルジュの反応よりも早く懐へ飛び込み、勢いそのままにみぞおちへの左肘打ちを決める。
「Ahh!」
「まだだあっ!」
そのまま悟良は打撃を繰り出し続け、ジョルジュが体勢を崩したところを大内刈りで押し倒し、マウントポジションに入ろうとする。
「な、なんのこれしきでーす!」
ジョルジュは悟良がのしかかってきた勢いを利用し、道着をつかんで無理やり悟良を引きはがす。
「ちっ!」
これも受け身を取って立ち上がる悟良は、隙あらば飛びかかろうという気迫を放っている。
前回の戦いの序盤、悟良は自身の技を受けたジョルジュが平然としていたことに焦り、そこで逆襲を受けた。
しかし実際はジョルジュに十分通用しており、隙ができるのを狙ったやせ我慢だったのだ。
それに気づいていた美咲は、試合後に悟良を慰めるつもりで伝え、悟良は悔しさの中で鍛錬を続けた。
参戦を決めてからは一層その技に磨きをかけている。
(前回の借り、きっちり返してやる・・・!)
「今度はこっちから行きまーす!」
ジョルジュは一旦悟良から距離を取り様子をうかがっていたが、距離を詰めてきた悟良に反応し正面から迫る。
「上等だっ!」
悟良も勢いのまま打って出ようとする。
だが、
「Ha!」
ジョルジュは悟良の突きが当たる寸前に身を翻し、その腕を掴む。
「あっ!?」
「そーれっ、でーす!」
そのままロープに投げると、跳ね返ってきた悟良をパワースラムでマットへ叩きつける。
「がはっ!」
全身がバラバラになりそうな衝撃に、悟良は呼吸することも精一杯だ。
「ふふふ、強くなったのが自分だけ。なんて思い違いも甚だしいですよー?」
そんな悟良の様子に満足そうなジョルジュは、会場全体へ見せつけるように両腕を高く挙げ力を込める。
たくましい両腕がさらに太く、固くなるさまに客席からどよめきの声が上がる。
(く、そ・・・油断した)
「よし、それじゃボディチェックの続きといくか」
「了解でーす!」
ジョルジュは悟良を無理やり立たせると、左腕で背後から抱え込むようにして拘束する。
ジョルジュが右腕で悟良の胸を、レフェリーが道着をめくって股間をいじりだす。
「や、め、ろ・・・」
無理やり立たされた状態で、悟良は声を絞り出すのが精一杯だった。
「そうはいかんなあ」
「前の時より気持ちいいでーす!」
ジョルジュは道着の中に腕を入れて、体操服の上からバストの感触を味わう。
レフェリーも指の腹でブルマ越しに秘裂の位置を探り当て、擦り上げるように刺激してくる。
「そういえば悟良選手、前回の試合の後から随分男にもてはじめたらしいな?」
「!」
レフェリーの言葉に、もがいていた悟良の体が固まった。
前回の試合の後、費用を手に入れた美咲と悟良はお互い励ますようにしてひとまず元の日常へと戻った。
だが悟良は、周囲にいた男友達の態度に違うものを感じた。
それまで気楽な友人関係だったのだが、妙に浮ついた態度になったりデートに誘ってきたり、真面目に彼氏でもできたのか、と聞かれた。
悟良も最初は戸惑い、そんな態度をからかったり笑いながら否定していたが、そのうち男達が自分へ向ける性的な関心を、敏感に感じるようになったことを自覚してしまった。
町を歩いていて男から受ける、また道場で稽古中にふと背中に感じたりする視線に、自分の中でこれまでと違う神経が反応するのを感じてしまう。
そんな変化にリングでの経験を思い出して怒りながらも、美咲に相談することもできずにいた。
「お〜それならスタイルも良くなりまーす」
そんな悟良の心中もお構いなしにバストを揉んでいたジョルジュの下世話な発言が、悟良の闘志に火をつける。
(こんな連中に、負けてたまるかっ・・・!)
自らを奮い立たせるように拳を握ると、悟良は反撃に移る。
「ざけんなっ!」
胸に夢中でゆるくなっていた拘束から腕を引き抜くと、ジョルジュの顔面に肘打ちを入れる。
「Ouch!」
続けてレフェリーの顔にも頭突きを入れ、空いた隙間から転がり出るようにして脱出する。
「お、お前レフェリーにまで・・・」
「だったらレフェリーらしいことだけしてろ!」
悟良は鼻を押さえるレフェリーに怒鳴ると、すぐに構える。
(余計なこと気にすんな。こっちの攻撃は通用してるんだ・・・)
ジョルジュも大分効いたのか、ロープ際に下がり右手でロープをつかみ、左手で顔面を押さえている。
「このまま決めてやる!」
回復される前にと、悟良はジョルジュに迫る。
「・・・一旦仕切りなおしましょー!」
「うわっ!?」
だが素早く身を伏せたジョルジュが、悟良をショルダースルーでリング外へ放りだす。
突然のことに受け身の余裕もなく、悟良はリング下に落下する。
(くそ、やられた・・・)
頭から落ちることは避けられたがダメージは大きく、それでも悟良は柵に手をつきどうにか立ち上がる。
「悟良選手、早く戻らないとカウントを取るぞ!」
リング上のレフェリーの声も頭の中で響くようで、呼吸を整え少しでも回復しようとする。
しかし、
「うわっ!?」
柵の向こう側、観客席からいくつもの手が伸びて悟良を
捕まえる。
いや、それだけでなく遠慮なく体中を触ってきた。
「は、離せこの!」
自由が効かない中でもがくものの、より多くの手が絡みついてくる。
ある手は太ももを撫である手は帯を解こうとし、他の手は、触れないならと道着を掴んで動きを封じようとしてくる。
「おー、大人気ですねー」
「悟良選手、戻らなくていいのか?」
ジョルジュもレフェリーもにやけながら悟良をからかってくる。
「言われなくても・・・わっ!?」
あちこちから伸びてくる手を力任せに振り払おうとしたその時、的確にお尻を撫でる手の感触に、悟良は身を硬くした。
「ああ、いいお尻だねえ」
群がる観客の中、小柄な男がいつの間にか悟良の真後ろを自身の陣地のように占領している。
道着の裾をくぐるように悟良のブルマへ、両手を八の字の角度で押しあて、手のひらと指を蠢かせその感触を味わう。
(き、気持ち悪い!)
引き剥がそうともがくものの、すでにあちこちを掴まれ体をくねらせるくらいしかできない。
「いい反応だねえ、若さかな?」
気を良くしたらしい小柄な男は、指先をお尻の側から太ももの間を通し前も刺激しようとする。
「や、やめろっ!?」
怒鳴りつけようとした瞬間を狙ったように刺激を強くされ、力の抜けた瞬間に拘束が強まり観客席に引きずり込まれそうになる。
「ジョルジュ、ぼちぼち引っ張ってこい。タッグマッチじゃないしメインはリングの上で、だ」
「そうですね〜一息つけましたし。それでは・・・」
ロープをくぐりリングを下りたジョルジュが悟良へ近づいていく。
悟良はそれを確認しながらも、その場から動けなかった。
「あっとお迎えかな?じゃあせめてここをもっと・・・」
小柄な男もそれに気づき、悟良の道着の裾をめくって緩んだ帯と道着の間に挟むと、両手で悟良の腰を掴みブルマに包まれたヒップへ顔を押し付ける。
「な、何してんだ・・・に、匂い嗅ぐなあっ!」
感触から男の行為に気づいた悟良は、嫌悪と怒りで爆発的な力を発揮した。
「いい加減に・・・しろおっ!」
男の顔の位置を狙い、片足を後ろへ跳ね上げるように踵で蹴り上げる。
「あだっ!?」
顎のあたりを蹴られた男は悟良を掴んでいた手を離し、他の観客も巻き添えに後ろへ倒れた。
開放された勢いと、蹴りの反動で悟良の体が勢いよく前に倒れそうになる。
「What?」
近づいていたジョルジュとの距離が一気に縮まる。
ジョルジュにも意外だったのか、反応が遅れている。
(チャンス!)
それに気づいた悟良は攻撃に移る。
つんのめった勢いを足に乗せて踏み切り、胴回し回転蹴りでジョルジュの顔面を狙う。
「Oh!?」
急所は外れたがダメージは大きく、片手で顔をかばいながらジョルジュは後退する。
(まだだ!)
チャンスを逃すまいと、すぐに立ち上がった悟良は追撃にかかる。
「おー、もう一度仕切り直しませんかー?」
「ふざけんなっ!」
防ぎながら後退するジョルジュに、悟良は打撃を叩きこみ続け追いつめようとする。
だが、
「Ha!」
ここでジョルジュが一歩前に出ると同時に、雄叫びとともに全身に力を込めた。
「あっ!?」
悟良の突きが当たった胸板が膨張し、受け止めるどころか勢いよく弾き返した。
全身に力を込め、筋肉を一時的に鎧にする「剛体法」だった。
悟良の動きを止めると、ジョルジュは素早くロープをくぐりリング内へと逃れる。
「何やってんだ、しっかりしろ!」
「ちゃんと連れてきたじゃないですかー」
すでにロープ際から避難していたレフェリーは、ジョルジュを叱りつつ悟良の様子をうかがおうとする。だがすでに悟良は、トップロープの上にいた。
「逃がすかあっ!」
そのまま跳躍しジョルジュめがけて両足で飛び蹴りを放つ。
「Ouch!」
脇腹に受け、ジョルジュは大きくぐらつく。
だが倒れそうな状況から、悟良を逃がすまいと手を伸ばし、帯を掴んでこらえる。
「今度はこっちの番でーす!」
そのまま道着を掴んで引き寄せようとする。だが、すでに観客たちの手でだいぶ着崩れていたせいか、道着がずれるぐらいだった。
(今だ!)
悟良は自分で帯を解き道着から体を抜くと、そのままジョルジュの頭に被せる。
「Oh!?」
「欲しけりゃくれてやる!」
視界をふさがれたジョルジュが、慌てて剥がそうとする腕のない角度から、悟良は渾身の回し蹴りを叩き込む。
「Gyaaaa!?」
硬い者同士が激突するような打撃音が響き渡り、ふらつくジョルジュはゆっくりマットへ膝をつく。
「お、おいジョルジュ!」
「これで、終わりだっ!」
慌てるレフェリーを尻目に、悟良が止めの一撃を放とうとする。
だが、まさにその時。
「ほほほ、いけませんなあ」
「・・・ひゃっ!?」
背中に触れられた感触があった次の瞬間、悟良の体を甘いしびれが襲う。
謎の攻撃の主は、いつの間にかリングへ乱入した小太りの、頭頂部が簾模様の男だった。
「ほほほ、貴女が未作良悟良さんですかな」
「な、なんだお前!レフェリー、乱入だろ!?」
攻撃を中断され、男を確認した悟良はレフェリーに食って掛かる。
「ふん、これはだな・・・」
「観客席の皆様にお知らせいたします」
男を見て事情を察したレフェリーが得意げに答えようとしたその時、リング下でマイクを持った黒服がアナウンスを始めた。
「先ほど未作良選手はあろうことかにお客様に攻撃を加えました。これよりペナルティとして、『黄玉』、山森黄一郎選手を加えたハンディキャップマッチといたします!」
山森の名とハンディキャップマッチの言葉が出た瞬間、大きな歓声が上がる。
「・・・そういうことだ!」
「偉そうに言うな!大体手出したのは向こうだろ!?こんな・・・わっ!?」
レフェリーになおも叫ぶ悟良だったが、素早く近づいた山森に脇腹を突かれ、再び注意をそらされた。
(な、何だよこれ!?)
「まあそう言わずに。あの美咲さんならお客様に捕まっても手は出さなかったですぞ。ねえレフェリーさん」
「お、おおその通りだ。一度戦ったお前だしな。」
「なにっ!?」
不思議な技に反射的に距離を取った悟良は、美咲の名を出され驚く。
「ええ、以前お一人で三連戦を勝ち抜かれた時の最後の相手が私です。その時も二対一でしたよ。サンダー枡山さんと一緒に随分楽しませてもらいましたなあ」
「・・・お前っ!」
前回の試合で乱入し、美咲を念入りになぶった男の名を出され、頭に血が上った悟良は即座に攻撃に移る。
「おっと」
「んんっ・・・!」
しかし、避けられると同時に軽く触れられるだけで動きが止まってしまう。
「があっ!」
全身に走る甘いしびれを気合で無理やり吹き飛ばし、構えなおす。
「ふほほ、流石ですなあ」
だが山森は予想通りの反応とばかりに笑い、拍手さえしている。
(何なんだ、こいつの技・・・!)
「疑問でしょうからご説明しましょう」
技の正体を考えていると、山森から説明しだした。
「私の修めた技は対女拳、女性の淫経絡を刺激し快楽で無力化するのですよ」
「くうっ!」
説明しながら出してくる指を防ぎ払おうとするも、腕、脇腹、太もも、首筋と次々と突かれるたびに体の奥から未知の刺激が湧き出てくる。
(ふ、防げない!)
「さっきも言いましたが」
感じていることを隠せず、消耗しながらも闘志を失わない悟良を楽しげに見ながら山森は口を開く。
「美咲選手のときにも効果は抜群でしたぞ。リングの上で淫らに身をくねらせながらも戦ったのですからな」
「・・・!」
挑発とわかっているが、うかつに近づけない。
(なんとかしてまず一撃を・・・)
攻めこむ隙を探っていた悟良は、背後から迫る影に気づけなかった。
「相手はこっちにもいますよー!」
「あっ!?」
急に体が浮かんだかと思うと、そのままリングに背中から落とされていた。
「お待たせしましたー復活でーす!」
そう言ってジョルジュは両腕を上げて、回復をアピールするようにポーズを取っている。
「ようやく復活かお前」
「ふほほ、すっかり元気ですなあ」
「面目ありませーん、危ないところでしたー」
(く、そ・・・)
不意打ちの投げで受け身も取れず、疲労も蓄積した悟良は立てないまま男たちをにらむ。
「さて、レフェリーさん」
その様子に気づいた山森は、ニヤリと笑った。
「まずは、不快な思いをされたお客様にサービスしませんかな?」
山森は悟良に蹴られた部分を押さえる小柄な男を見て、レフェリーに提案する。
「おっと、それもそうだな」
「いいですねー」
レフェリーとジョルジュも、悟良が動けない様子を見て同意する。
「さー、こっちですよー」
ジョルジュが悟良を抱えリング下へ運ぼうとする。
「は、離せ・・・あんッ!」
「ふほほ、まだ元気がありますな」
悟良は脱出できずに山森によって抵抗を封じられ、運ばれていく。
(まさか!)
そうして悟良はさっき拘束されていた場所の小柄な観客の前で、ジョルジュに羽交い締めにされる。
体操着姿の悟良への観客たちの視線は、まるで突き刺さるようだ。
そして山森が小柄な観客に声をかける。
「お客様。試合はまだ続くので長くはありませんが、お詫びのかわりにどうぞお楽しみください。今度はもう・・・」
「あっ!」
「しっかり拘束し、この通り抵抗させませんので・・・」
「お、おお素晴らしい!」
山森が言い終える前に小柄な男は悟良の乳房へ手を伸ばす。
「しばし他のお客様はご辛抱くださーい。このお客様へのお詫びなのでーす」
拘束しているジョルジュが悟良の抵抗を抑えつつ、手を出そうとする他の観客に注意する。
「は、離せこの!」
後ろからもだが、正面から欲情した男の顔を見ながら胸を揉まれるのは気持ち悪かった。
そして何より、
「乳首はこのあたりかな?」
「んんっ!」
対女拳の影響なのか、さっきまでと違い体が敏感に快楽を受け入れているような感覚が恐ろしかった。
「おい山森」
リング上で見物していたレフェリーが山森に声をかける。
「せっかくだ。この試合で初めてイカせる役目をそのお客様に務めてもらえ」
「ふほほ、なるほど・・・」
「はあっ!?ふ、ふざけん・・・ひゃっ!」
信じられない発言に反撃に出ようとした途端、乳首を強くつままれて声が出た。
「ほ、本当かい?いいのかい!?」
興奮した観客は鼻息を荒らげている。
「ふほほ、もちろんです。お手伝いさせていただきますよ。まずはこのあたりを・・・」
言うなり山森は小柄な男に、突くべき場所を指示しだす。
(や、やばい!)
悟良は男たちの本気を感じ取り、襲い来る快感への恐怖からなりふり構わず振りほどこうとする。
「おっと、いけませんねー」
ジョルジュがそれを許さず、拘束を強める。
「ペナルティーはちゃんと受けましょー」
「や、やめろよおっ!」
怒鳴る悟良の耳元で囁いてくる、ジョルジュへの嫌悪感に声を張り上げる。
「元気がいいねえ!」
だがそれさえ刺激になるのか、観客は次々と山森の指定するポイントをついてくる。
「はアンッ!」
突かれるたびに体の奥から湧き上がる快感が、自然と喘ぎ声になる。
(い、嫌だ。このままじゃ・・・)
前回の試合での悪夢を思い出してしまう。
淫らな男たちの手で、未知の快感を教えられた時のことを。
唇を奪われ、気絶するまで一方的な快感を与えられ続けたことを。
「そろそろですかな・・・良し、ここをどうぞ」
小刻みに震える悟良の様子を見て、山森は観客に止めのいくつかの場所を示す。
(やめろやめろやめろ・・・)
せめて相手の思いどおりになるまいと、歯を食いしばり拳を強く握り耐えようとする。
だが、
「こ、このあたりだねえ・・・?」
興奮が頂点に達しつつある観客は早くもコツを掴んだのか、じっくりと淫経絡を刺激していく。
そして最後の一つで、限界の時がやってきた。
「はあっ、あっあっ・・・うああああっ!」
悟良の中で快楽の火花が弾け、体が大きく震えのけぞる。一度だけでなく、悟良にも制御できないような波が、その体を繰り返し跳ねさせる。
「おー、この反応も前より大きいですねー」
ジョルジュは驚きながらも、拘束が外れないよう力を込める。
「ふ、ふふふ、これはすごいなあ・・・」
観客も荒い息を吐いている。
周囲の男たちが、望まぬ絶頂に翻弄される少女を劣情に光る目で見つめていた。
「いかがでしたかな?」
絶頂の波が引き、肩で息をする悟良の様子に山森が例の観客へ訊ねる。
「いやあ、たまらないねえ・・・大満足だよお」
鼻息を荒げている観客は、興奮を隠せない様子で答える。
(こ、こんな奴らの前で・・・)
「おっと、どうしましたー?」
疲労と悔しさから顔を下に向けている悟良に気づき、ジョルジュが声をかけ、手を伸ばしてくる。
「まだまだ刺激が足りないですかー?それとも、泣いちゃいましたかー?」
顎に手をかけ顔を起こそうとする動きに気づき、悟良は反射的に振り払う。
だがそれは反撃というより、駄々っ子がもがくかのようだった。
(くそっ、まず、まずはここを離れる!)
悟良は必死に身をよじり、どうにか拘束を逃れリング内へ戻っていく。
「おっとー逃げられてしまいましたー。ごめんなさい」
「ふほほ、構いませんぞ。やはりリング上で決着のほうが盛り上がりますからな」
それほど慌てた様子もなく、ジョルジュと山森は続いていく。
(くそっ、あいつらどう倒せばいいんだよ・・・)
悟良は対抗策を立てようとするも、絶頂の余韻さえいまだ引かずに考えがまとまらない。
(でも、咲ねえのためにも、負けるわけには・・・)
「おいおい、大した恥のかきよう、いや、イキっぷりだったなあ悟良選手」
そこへ背後から待ってましたとばかりにレフェリーが抱きつき、乳房を揉んでくる。
「な、何してんだ!」
「いや、リングまで響くような声だったからな。体調は大丈夫かと不安になってなあ・・・」
勝手なことを言いながら、レフェリーは腰をブルマに擦りつけつつ胸を揉むことをやめようとしない。
(き、気持ち悪い!のに・・・)
体が言うことを聞かず、振り払えない。
むしろ刺激に敏感に反応しているように見え、観客席から歓声があがる。
「よし、じゃあ次はここを・・・」
「レフェリーさん、少しよろしいですかな」
観客の反応に、今度は下半身に手を出そうとするレフェリーへ、戻ってきた山森が声をかける。
「おい、もう少し待て」
「いやいや、ちょっと面白いことを考えましてな」
「うん?」
脱ぎ捨てられていた道着を手にした山森の言葉に、レフェリーが手を止める。
(い、今しかない!)
その隙に悟良はレフェリーから逃れ、二人から距離を取る。
「あ、おい、逃げられただろ!」
「まあまあ、こんなのはどうです・・・?」
レフェリーをなだめつつ、山森はその耳元に話しかけだす。
聞いているうちにレフェリーの不満げな顔が、にやけたものに変わっていく。
(な、なんだか分からないけど、絶対ろくなことじゃない!)
その様子に戦慄した悟良は、先に仕掛けようとする。
だが、
「おおっと、慌てないでくださーい」
いつの間にか背後から迫っていたジョルジュが、悟良を抱きすくめる。
(しまった!)
両腕ごと締めつけられ、身をよじるくらいしかできない。
「おーう、まだこれだけ抵抗できるなんて偉いですね〜」
予想以上の抵抗に、ジョルジュは大げさに驚いてみせる。
「でもそれなら・・・これぐらい大丈夫ですよねー!」
ジョルジュはまず悟良の膝裏を持って、開脚させたまま持ち上げる。
そのまま肘の部分で悟良の膝裏を支えつつ、両手首を悟良の首後ろで組んで腕に力を込めていく。
(い、痛い!)
両脚がV字に開かれ、両腕は羽交い締めにされたまま体が折りたたまれていく。
空中で恥ずかしい姿勢に極められた悟良の苦しげな様子と、それを可能にするジョルジュの筋力に観客席から歓声と驚きの声が上がる。
「レフェリーさーん、すこーしこの子お借りしますねー」
「面白そうだな。まあいい、少しだぞ」
「ありがとうございまーす!」
するとジョルジュは悟良を抱え上げたその姿勢でリング内を歩いていく。
「な、何すんだ!下ろせ!」
痛みと恥ずかしさにもがく悟良だが拘束は強く、さらに肘の内側に自分の膝が押し付けられて手をばたつかせるくらいしかできない。
「できませんよーここからが本番でーす!」
「何言って・・・んんっ!?」
抱えた悟良の股間に、ジョルジュは片足の膝を押し当て刺激する。
「こんなのはどうですかー?」
また数歩歩くと、悟良の股間をロープに押し当てゆっくりと体重をかける。
「やっ、やめろよおっ!」
「おーいい反応ですねー、どんどん行きましょー!」
その後もジョルジュはリングを回りながら悟良の体を刺激し、その度に悟良の体は敏感に受け入れて反応してしまう。
「ほっほーう、そんなんじゃ美咲さんみたいに逆転できるか分かりませんよー?」
「っ!」
(こいつは、絶対に・・・ぶっ倒してやる!)
美咲の名を出され、悟良は折れそうな闘志を燃やし刺激に耐える。
そんな悟良の様子を、レフェリーと山森は愉快そうに見つめていた。
そうしてリングを二、三周したあたりでジョルジュは止まる。
「さて、そろそろですねー」
ジョルジュは悟良の膝裏から腕を素早く抜くと胴体へ回し、ゆっくりと後ろへ倒れながら投げを打つ。
「うっ・・・!」
対応が間に合わず悟良は投げられ、倒れた状態から動き出すことができない。
「ジョルジュさん、早速ですが下準備を一つ手伝ってもらえますかな?」
「はーい勿論でーす」
腕を回してほぐしているジョルジュに声をかけ、山森が悟良に近づく。
「ずいぶん汗をかかれましたなあ、悟良さん。涼しくなりましょうか?」
「・・・は?」
言うが早いか、山森はジョルジュと二人で悟良の体操着を脱がしにかかる。
「は、離せっ、このおっ!?」
悟良にはもはや抵抗する力はほとんどなく、ダメ押しとばかりに対女拳で動きを封じられる。
「おいジョルジュ、オールヌードはまだ先だぞ」
「おー、そうなんですか?」
「ふほほ、盛り上げるためでしてな。今は体操着だけですぞ」
(こいつら・・・)
勝手な会話をする男たちの手によって、悟良は水玉模様のスポーツブラとショーツのみにされてしまった。
「おーその模様はよく似合ってますねー」
ジョルジュがレフェリーに脱がせた体操服を渡しつつ言う。
「スタイルもいいですし、これは可愛がりがいがありそうですな」
同じく脱がせたブルマをレフェリーに渡しつつ、山森も笑っている。
「うん・・・まあ・・・全くな・・・」
そしてレフェリーは渡された2つの匂いを嗅ぎつつ、名残惜しそうにリング下の黒服に渡す。
「それでは私の番ですな、ジョルジュさん」
「おっほほっう、手伝いましょー!」
動けない悟良へ、男たちが手にしたものを見せつける。
「まずはこれでーす!」
ジョルジュは悟良の黒帯、
「くれてやる、と言うならありがたく使わせていただきましょうかな」
そして山森は道着を持っていた。
「ど、どういう意味だよ!」
「すぐにわかりまーす」
まずジョルジュは悟良を立たせると道着に袖を通させ、手首を黒帯で縛り自分で持つ。
そして山森は、
「お邪魔しますぞ」
「うわっ!?」
後ろから道着の内側に入り、レフェリーも協力の上で内側と外側の紐を縛る。
(き、気持ち悪い・・・)
道着の中で男が密着してくる感覚に体が総毛立つが、脱出に使えるほどの体力がなかった。
「ふほほ、まあそう言わずに・・・」
そして完成した悟良との二人羽織の姿に、観客席には興奮と戸惑いの声が上がる。
「お客さんたちも楽しそうだぞ」
「いい加減にしろこの変態ど、もっ!?」
レフェリーに叫ぼうとすると、道着の中で山森の手が動く。
「ふほほ、本番はここからですぞ」
「お手々引きますからねー」
ジョルジュが黒帯を引っ張り、それに引かれる形で悟良も二人羽織状態のまま歩き出す。
ロープ際を練り歩き、観客の視線は道着の中の山森の対女拳、そしてそれを受けるがままの悟良の表情へ集まる。
(見られ、てる・・・)
欲望に満ちた視線が道着を貫き、肌へと刺さるような気さえする。
そしてそんな反応を見つつ、
「このあたりはどうですかな?」
「やっ!?」
観客の要求に答えるようなタイミングで、山森は悟良の体を刺激する。
「実に素直な反応ですな。美咲さんも中々でしたが」
「お、お前咲ねえにも・・・んんっ!」
「楽しませてもらいましたなあ。五回は達し、いやイカれましたかな?また会えないものかと思っておりましたが・・・」
「本当ですねー今回も相手をしてほしかったでーす」
黒帯を引く力で悟良を逃さず誘導しながらジョルジュも同意する。
「か、覚悟・・・してろよ・・・っ・・・必ずぎゃ、逆転して、や、やるからなあっ!」
「おやおや、一息で喋ってくれて構いませんぞ?」
「じゃ、邪魔するから、だ、だろおおっ!?」
そうして山森は悟良の反抗心を煽りつつ、またそれを快楽でくじくようにしながら歩き続ける。
(今は、耐えろ・・・少しでも回復して、必ずこいつらを叩きのめしてやる!)
屈辱の行進は悟良を絶頂へは導かず、引き回すように続く。
「よし、サービスはこのくらいでいいだろう。お前ら、仕上げといくぞ」
そうしてゆっくりリングを回った後で、男たちは中央へ戻る。
「大丈夫か悟良選手。気持ち良すぎて気を失っていないだろうな?」
おぼつかない足取りの悟良の、太ももを撫で回しながらレフェリーが聞く。
「ふざ、け、んな・・・」
うつむいて目元は見えないが、返事ははっきりしている。
「ふほほ、大したものですな。あれから一度も達しないとは」
「っ!」
「達するでわかるか?イク、ってことだぞ悟良選手」
山森は両手で悟良の乳房を弄りつつわざとらしく褒め、レフェリーも笑っている。
「偉いですねー敵ながらあっぱれでーす」
今なお刺激に抵抗する悟良の頭を、ジョルジュがわざとらしく優しく撫でる。
(こい、つら・・・)
「お〜そんな怖い顔しないでくださーい」
「よし、まだ元気そうだな」
やり取りを見ていたレフェリーが、山森と顔を見合わせ笑う。
「ふほほ、それではお待ちかね。最後まで脱いでみましょうか」
山森もうなずき、道着の内側の結び目を解きにかかる。ジョルジュも手首をつかんだまま黒帯を外す。
(よし、チャンスは、ここしかない・・・)
悟良は力の抜けた状態を装いつつ呼吸を整え、反撃のチャンスを待つ。すると、
「ご苦労だったな、悟良選手。お客さんも盛り上がってるぞ」
レフェリーが顔を近づけてくる。
「注目されながらリングを回るのはどんな気分だった、えぇ?」
「・・・」
レフェリーに返事はしなかったが、悟良は歩かされた間も今も、自分に淫らな視線を送る男たちの表情を意識してしまう。
「おいおい、無視しないでくれよ。ちゃんと反応する元気が残るように・・・山森に加減させたんだぞ?」
「・・・え?」
「レフェリーさん、内側は外しましたぞ」
「こちらもOKでーす」
思わず声の出た悟良ににやつくレフェリーへ、山森とジョルジュが声をかける。
「よし、たっぷり体を温めた悟良選手の、オールヌード披露と行くか!」
「な、何っ!あ、ああんっ!?」
レフェリーの声に観客たちからひときわ大きな歓声が上がる。
慌てて脱出しようとした悟良の動きは、対女拳で封じられる。
「まずは道着でーす!」
その隙にジョルジュが、力任せに引き抜き脱がせてしまう。
「あ・・・」
山森を身を引き、支えを失った悟良の体はその場で尻餅をつく。
「おうおう、いい姿だな悟良選手」
全身が汗でまみれ、消耗でわずかに震える肢体は淫らな輝きを放つようだった。
「次はブラですねー。さあ、万歳しましょー!」
ジョルジュは片手で悟良の両手をひとまとめに掴んで立たせ、もう片方の手でスポーツブラも一気に脱がそうとする。
「は、離せ!」
どうにか防ごうとするもそんな抵抗に焦れたのか、ジョルジュが引きちぎらんばかりの勢いで引き抜いてしまう。
勢いよくこぼれ出たEカップが、存在を主張するように柔らかく揺れる。
「ひゃああっ!」
「おいおい、乱暴すぎるだろ。ちぎれちゃもったいないぞ」
「おーう、失礼しました」
謝りつつも、ジョルジュは乳房を隠そうとする悟良を羽交い締めにする。
また両足も踏みつけ、蹴りも封じてしまう。
「まったく・・・」
言いつつもレフェリーは、素早くショーツを掴んでしまう。
「よ、よせ変態!」
「ふん、レフェリーになんて言い草だ。・・・いや、そうだな」
不機嫌そうに鼻を鳴らしたレフェリーが、ショーツから手を離す。
そして悟良の乳房を両手ですくい上げるように持ち、顔を近づける。
「すっかり乳首が立ち上がっているな、どれ・・・」
乳首が中央に集まるように寄せていき、両方をまとめて口に含むと一気に吸い上げる。
「ああああっ!?」
電流のような快感が走り、悟良は絶叫してしまう。
レフェリーはそのまま吸い続けつつ、両手をショーツの中へ突っ込み尻肉を思いのままにこね回す。
「・・・っっ!」
再び凄まじい快感が襲うも、どうにか声が出るのをこらえる。
(ま、また変な感じになるとこだった・・・)
絶頂を避けられたことに安堵したが、レフェリーは口を離してショーツの手をかける。
「あっ!」
「イクまでじゃなかったか、まあいい。よしじゃあ今度こそ、オールヌードのお披露目だ!」
膝に達するまではわざとゆっくり下ろし、ジョルジュが足を浮かせたところで一気に引き抜いた。
「うわあああっ!」
最後の一枚を脱がされた悟良の悲鳴と、観客の雄叫びとが同時に上がる。
「か、返せ、返せよっ!」
叫ぶ悟良を尻目に、レフェリーは脱がされた上下をリング下の黒服に渡してしまう。
「ふほほ、高い値がつくのでしょうな」
「道着もそうしたかったんだがな・・・お前も着てたわけだし」
「今更それはなしですぞ、レフェリーさん」
(こいつら・・・こいつらぁ!)
恥ずかしさと怒りで悟良の頭に血が上る。
「おっとそう言えば・・・」
ここでレフェリーが、ジョルジュが解いたあとリングに落ちたままの黒帯に気づいて拾う。
「これは悟良選手にとって大事な品だったな」
「!」
悟良はもともと柔道家の父親に柔道の指導を受け、段位も取得していた。
だが、女子の黒帯は一本白い線が入っている。そこが疑問、というより不満だった悟良は父に許可を取った上で空手に転向。無事に段位を取り黒帯を手にした。
悟良にとっては親の影響ではなく、自分で決めて始めたことで手に入れた、自分の強さの証、それこそ勲章に近い。
「さ、触るなっ!」
「安心しろ、試合が終わったら返してやるさ。だが・・・そうだな」
口元を歪めたレフェリーが、ジョルジュと山森に目配せする。
するとまずジョルジュが羽交い締めを解き、両手首を掴むと同時に膝で悟良の膝裏を蹴ってひざまずかせる。
そして悟良の手首を腰の後ろあたりでひとまとめにする。
「よし、ジョルジュそのままだ・・・」
レフェリーは帯の中央あたりで悟良の手首を結ぶと、余った両端を足首に結ぼうとする。
「よ、よせっ・・・ひゃあっ!?」
「暴れられては困りますなあ」
そのまま結ばれたらどうなるか、恐ろしい結果に気づいた悟良の抵抗は、山森に封じられる。
「よし、できたぞ!」
悟良は自身の誇りである黒帯で、両手首を腰の後ろに、そして足首がM字開脚になるよう拘束されてしまった。
膝を合わせるぐらいはできるが、足首を合わせるには長さが足りない。両手首も強く結ばれ、引き抜けそうにない。
乳房も、秘部も隠せない。
「あ・・・あ・・・」
そんな武道少女の姿に観客は歓声を上げ、本人は自身のあまりに惨めな姿に言葉が出なかった。
「よし、我ながらいい出来だな」
レフェリーはそんな悟良、観客両方の反応に満足そうにしている。
「おーうそんなに恥ずかしいですか、じゃあ・・・」
「うわっ!?」
ジョルジュは悟良を自分の方へ向かせて、もも裏を持って一気に膝の上に乗せる。そのまま尻を両手で鷲掴みにして支え、悟良の顎を自分の肩に乗せて支えにする。
観客席からは全裸の前側が隠されたことの不満と、強気な少女がますます卑猥な体勢にされたことへの興奮の声が上がる。
「は、離せ!」
「どうしてですかー?せっかく隠してあげたんですよー」
「ふほほ、いい眺めですなあ」
「お客さんも目が離せないとさ」
山森とレフェリーが、観客の視線をさえぎらないよう斜め後ろに立つ。
「このお尻も、胸に劣らず魅力的でーす!」
「んっ!?」
ジョルジュは軽くヒップを叩くと、優しく撫で、また強く掴んでは刺激する。
「ジョルジュさん、しっかり支えてあげてください」
「ひゃあっ!」
「おいおい、ずいぶん可愛い声が出るじゃあないか」
「耳元で聞くには、ちょっと大きいですけどねー」
「贅沢なお悩みですなあ・・・」
山森とレフェリーも手を伸ばし、背中に太もも、また横から乳房を刺激する。
快楽に抗おうとすれば首にも力が入り、ジョルジュに強くしがみつくような形になってしまう。
(に、逃げられない!)
観客席の喝采の中、どうしたらいいか分からないまま快感が蓄積していく。
「ふほほ、対女拳がいらないくらいの反応ですなあ」
「ふわあああっ!?」
体の反応は悟良のコントロールを超え、勝手に震え、跳ねてしまう。
そして間もなく、
「あっあっ・・・っ、あああああっ!」
憎い対戦相手の膝の上で体をのけぞらせ、悟良は二度目の絶頂を迎えてしまう。
(なんで、こんな奴らに・・・)
頭が真っ白になり、悟良は切なげな表情で荒い呼吸をするしかできない。
「おー凄かったですねー、癖になりそうですかー?」
そんな悟良の頭を、ジョルジュが楽しそうに、荒っぽく撫でまわす。
(こい、つ・・・)
屈辱的な行為、しかしそれでさえ悟良の体は喜んでいるかのように震えてしまう。
「よしジョルジュ、お客さんたちにも悟良選手のヌードをよく見てもらおう」
「了解でーす。なら場所は・・・」
「ふほほ、一つですかな」
「!?」
そしてジョルジュが悟良の両脇に手を入れ体を抱えると、例の観客の前のロープ際へ移動する。
ジョルジュはまず悟良をリングに下ろし、観客席を向かせる。
そして後ろから抱えあげ、再び自分の膝に乗せようとする。
「や、やめろ・・・」
観客席からの、特に小柄な男のぎらついた視線から逃れるように悟良はもがく。
空中にある膝を必死に合わせ、開こうとするジョルジュの膝に抵抗する。
「おいおい、まだ抵抗できるのか」
悪あがきに近い抵抗に、レフェリーが感心したように驚く。
だがその動きはあまりに弱々しく、むしろ男たちの興奮を誘い、観客席からジョルジュへの声援が飛んでくる。
「ふむ、お客さんを焦らして喜ばせようというわけですかな」
「ほっほう、お上手ですねー!」
「やめろっ、やめろぉっ!」
そしてまもなく悟良の太ももの間にジョルジュの片膝が入り、すぐに両方が入ってしまう。
「いい加減、観念するんだな」
レフェリーと山森は悟良の膝を抑えジョルジュの膝の外側に固定する。
そしてジョルジュが体を反らしながら足首の動きで徐々に自身の膝を開いていく。
「いやだ、やだああっ!」
「さあ、ご開帳の時間だ!」
レフェリーの一声で、悟良の一糸まとわぬ開脚姿が観客に晒され、大歓声が響きわたる。
少女から大人の女性になる過程の初々しさを備えた体。
鍛えられているのはわかるが、女性的な魅力も失っていない武道少女の肢体。
そして自身の黒帯で屈辱的な姿勢で拘束され、汗とみだらな液体で輝く裸体。
それはおびえるように震えながら、観客の視線を釘付けにしている。
(ちくしょう、ちくしょう・・・)
拘束された痛み以上に、恥ずかしさと悔しさがこみ上げる。
だが、屈辱の時間は終わっていない。
「ふほほ、見事な体をお持ちですなあ」
「ひゃあっ!?」
山森に右乳房の下のあたりを突かれ、悟良は全身に走る刺激に身を震わせる。
「お客さんも大喜びだな。まあまだ終わりじゃないんだが・・・」
レフェリーも左側から手を伸ばし左乳房、尻たぶ、太ももを好き勝手に触ってくる。
「やっ、ああっ、あんっ!こ、このおっ・・・」
すでに抵抗力も残っていない体は、その不快な刺激も無抵抗に受け入れてしまう。
顔を背け、胴体を必死に動かしても、逃れようがない。
(だ、だめだ、このままじゃまた・・・)
絶頂してすぐの責めに、快楽はたちまち体中に広がっていく。
「・・・これじゃアソコを触ったらすぐ終わっちまうな。よし山森、ちょっと待て」
その反応にレフェリーが山森を止め、自身も手を止める。
「悟良選手、まだ伝えてなかったな」
楽しそうに口元を歪めて笑い、レフェリーが悟良に話しかける。
「もしこのまま負けた場合、返済には不十分ってことで、もう一試合協力してもらう」
「なにっ!?」
「何、試合に出るってわけじゃない。近々開催の試合にスタッフとして参加してもらうだけだ。まあ巻き添えになる可能性はあるがな。そしてもちろん・・・」
その言葉に嫌な予感がする。聞きたくない。だが、
「美咲選手も一緒にだ!」
「・・・うわああっ!」
「おっと、危ないでーす!」
一瞬、体中の快楽さえ忘れる怒りで暴れながらも、すぐジョルジュによって抑え込まれる。
(咲ねえは、咲ねえだけは守らなきゃ!)
前回の、男たちになぶられる従姉妹の姿が脳裏に浮かび、それだけは防ごうと無我夢中で暴れる。
「ふほほ、往生際の悪さは同じくですかなあ」
「ふあっ!?」
だが山森が素早く脇腹、太ももなどを突いて、悟良の怒りは快楽の熱に上書きされてしまう。
「レフェリーさーん。私も仲間に入れてくださーい!」
レフェリーの返事を待たずに、ジョルジュは背後から両手で悟良の胸を鷲掴みにする。
「しょうがない、決めにいくか」
レフェリーも加わり、男たちは色責めを再開する。
これまでより直接的に乳首、秘裂、淫核をつまみ、つねり、擦り上げる。
その度に悟良の体は大きく跳ね、淫らな声を上げてしまう。
「ああくそっ、離せっ、離せよおおっ!」
全身から襲う快楽に翻弄され、もう悟良には首を振り、震え、叫ぶしかできない。
観客席も終わりの近いことを感じ、ひときわ大きな声援を送る。
「あ、あ・・・」
悟良の体が小刻みに震えだし、だんだん大きくなっていく。
「よしお前たち、タイミングよくいくぞ」
それを見たレフェリーの合図で、男たちの責めも加速する。
「っ、っ、・・・っうあああああ!」
そして一瞬動きが止まったその次の瞬間、悟良は今日一番の絶叫とともに体を大きく震わせる。
「おー、これはすごいでーす!」
止まらない震えに、ジョルジュが慌てて支えにかかる。
「ふほほ、それなら今ひとつ・・・!」
ジョルジュが支える体のあちこちに、山森が追撃をかける。
「ああやめろっ、イッてる、イッてるんだからあっ!」
引くかと思った瞬間に、さらなる快楽を叩き込まれ、悟良は男たちに聞かされた表現さえ使って身悶えする。
それを聞いた観客席の盛り上がりも、最高潮へ達している。
(・・・あ)
自分の口から出ているはずの、自分のものでないような嬌声を聞く中で、悟良はふと観客席に目を向ける。
そして、自分に獣の視線を向けるあの小柄な男と目が合う。
男もそれを感じたのか、顔をいやらしく歪めて一層粘ついた視線を悟良に向ける。
(ごめん、さき、ねえ・・・)
その視線に撃ち抜かれたかのように、悟良の意識は闇に沈み、首がゆっくりと折れる。
「・・・おっと、ここまでか」
それに気づいたレフェリーが悟良の気絶を確認し、ゴングを要請する。
<カンカンカン!>
試合終了の合図に、観客席は大きな歓声と拍手で盛り上がる。
「いやー、大したお嬢さんでしたー」
ゆっくりと悟良をリングに下ろし、黒帯も解いたジョルジュが感嘆のため息をつく。
「まあよく頑張ったな・・・負けは負けだが」
「ふほほ、美咲さんの方はしっかり団体を守りましたからなあ」
男たちは勝手な感想を述べる。
「おーうそれもそうですね〜、お仕置きがいるんじゃないですかー?」
「ふむ、次の試合までは地下室で【待機】だからな。だがそうなってからじゃあ・・・」
「我々も好きには手が出せませんなあ?」
男たちはにやついた顔を見合わせて、横たわる悟良の体に手を伸ばしていく。
▼△▼△▼△▼△▼△▼
そしてリングで目覚めた悟良には、新たな恥辱が待っていた。
「ほーら、高い高いでーす!」
悟良が起きたのを見るとすぐ、ジョルジュは仰向けになり、リバースロメロで悟良を空中に拘束した。
「お、下ろせよ!試合は終わっただろ!?」
裸のまま全方向からの視線にさらされ、肌赤く染めた悟良は抗議する。
「いやあ大人気だったな悟良選手」
それを聞き流し、悟良の周りをゆっくり歩きながらレフェリーはにやつく。
「次の試合までまだ間があるからな、それまでは地下室で待機だ。そこで色々と働いてもらう」
「何だと!?」
「いちいち大声を出すなよ。まあいい、山森」
「ふほほ、これは腕の振るいがいがありますなあ」
少し離れていた山森が、あらゆる方向から悟良の体を突いていく。
「や、やめろ変態!」
悟良に逃げ場はなく、ジョルジュに支えられたまま体に快感が蓄積されていく。
「この先こういったことが待ってるからな。いきなりは気の毒と思って心の、いや体の方も準備をさせてやるってわけだ」
自らも悟良の乳房を手で支えつつ撫で回し、レフェリーがささやく。
「やめろ、やめ、あっあっ・・・あああっ!?」
一方的に与えられる快楽に抵抗することもできず、悟良は絶頂を迎え気を失う。
「Oh、もうお休みですかー?」
「よし、下ろせジョルジュ。次はこいつを使う」
そう言うレフェリーの手には試合で脱がせた道着があった。
「ど、どこ舐めてんだ!?」
「ん、何だここの呼び方がわからないのか?」
次に目が覚めた悟良には、素肌に道着が着せられていた。
そしてジョルジュに立たされ背後から拘束されると、膝をマットに着けたレフェリーは道着の裾から頭を突っ込んで秘部に舌を這わせる。
「違う、やめろって・・・ひゃあっ!?」
悟良が腰を引こうとすれば、レフェリーの両手がヒップをガッチリと固定し、更にいやらしく揉んで刺激を送ってくる。
「一度裸にした後で着せるというのも中々面白いですなあ。観客の皆様もその中を十分想像できるというもの・・・」
「んんっ、うる、さい!」
山森はあえて道着の上から乳房周りを刺激し、観客の存在を認識させて悟良の反応を引き出す。
「はーい、それじゃこんなのどうですかー!」
悟良の両脇の下から腕を差し込んでいたジョルジュが、そのまま悟良の両手に手を伸ばす。
そして自分の手で悟良の人差し指と中指以外を握ると、顔の前まで運んで無理やりピースサインを作らせる。
「な、何だよ、離せっ!」
まるで自身が喜んでいるようなサインに、悟良は振り払おうとするが、強く握り込まれむしろ自由な二本の指が大きく開いてしまう。
全裸とはまた違った趣向に観客席からも新たに歓声が上がる。
「お、いいな!よし、山森このままやるぞ」
「ふほほ、お任せください」
レフェリーと山森も興奮したのか、責めを加速させ悟良を追い込みにかかる。
「ふざけんな、離せ!こんなポーズで・・・」
「こんなポーズで、何だ?」
「!」
「イッたら気持ち良すぎちゃう、ってか?」
レフェリーのからかいに、悟良は言葉を詰まらせる。
(あ、あたし、何を言おうと・・・?)
みるみる顔も赤く染まっていく。
その反応にレフェリーは満足そうに笑う。
「ふふ、いや気にするなよ?まだまだ恥ずかしいならやりがいがある」
「ち、違うっ違うった、ら、あ、あああああ!?」
そのまま身をくねらせ、指も大きく伸ばした屈辱的なピースサインを示しながら、悟良は絶頂の中で気を失う。
「さて、そろそろお開きですかな。悟良選手、あともう一仕事していただきましょうか」
「う、うるさい!まだ、勝負は、あああんっ!」
左手に悟良の黒帯の端を持つ山森は、右手で膝立ちの悟良の体を突いてその反応を楽しんでいる。
そしてもう一方の端はその悟良の股間を通り、背中に回した悟良の左手に握られている。
「大した根性だな悟良選手。美咲選手がそんなに大事か?」
「だったら何だ!」
「そんなに怒鳴るなよ。さっき説明した通り、山森から黒帯を奪えればお前の勝ちだ」
さっきの気絶の後、顔に冷水をかけられ意識を取り戻した道着姿の悟良は、レフェリーから山森を相手にしたゲームの提案を受けた。
それぞれ左手に悟良の黒帯の端を持ち、何でもありの勝負で先に帯を奪った方の勝ち。
もし悟良が勝てば悟良はともかく、美咲を呼ぶ件だけは撤回してやるという。
どのみち悟良に拒否権はなく、美咲を巻き込まないチャンスに乗った。
だが始まった途端、ジョルジュが悟良の左足を取って黒帯を無理やりまたがせ、更に膝裏を蹴って膝立ちにさせたのだった。
「そうですね〜まだまだ頑張りましょー!」
ジョルジュはそれにとどまらず、自分の左手で悟良の左手ごと黒帯を握ると一気に引き上げようとする。
「うわっ!?」
黒帯が股間に当りそうになるのを右手で押さえるものの、爪先立ちになるところまで引き上げられてしまう。
蹴りを出そうとすれば黒帯ごと体を持ち上げられバランスを崩してしまうし、頭突きも大した威力が出そうにない。
「どうした悟良選手、脚が震えているぞ?」
「ひっ!?」
レフェリーは左側から悟良の左太ももを両手で包むように撫でまわす。
「おーう、大丈夫ですかー?」
ジョルジュも右手で悟良の右太ももや、ヒップを刺激する。
「ふほほ、反撃しないなら遠慮なくいきますぞ?」
「んんっ!」
そして山森は正面から対女拳を使い、どんどん悟良の快楽を引き出していく。
(い、一体どうしたら・・・)
すでに立っているのもやっとの疲れた状態では、脱出の考えも浮かばない。
そんな中、山森が口を開いた。
「レフェリーさん、美咲さんの時もこんな状況でしたな?」
「おお、そうだったな。爪先立ちで両手を封じたのに、最後は逆転されちまったなあ」
「え・・・?」
美咲の名前に、悟良は思わず反応する。
「おーう、そうなんですかー?」
「ああ。だがあの時は桝山が油断したからな。それにしても逆転したのは大したもんだ。だが、この前も今回も・・・」
そこまで言って、レフェリーは悟良の顔を見る。
「う、う、うわああああっ!」
レフェリーの言おうとすることを察し、悟良は必死にもがく。
自分のせいで美咲が危険な目に遭わされる。
元をたどれば<地下闘艶場>のせいなのだが、それに気づく余裕はもう悟良には残っていない。
前回の自身のピンチ、そして今回すでに喫した敗北。
それが美咲を追い込み、これからもそうなると突きつけられ、悟良は悔しさと罪悪感から最後の力を振り絞ろうとする。
体をよじり、両手に力を込め、脱出を試みる。
(咲ねえ、お願いだよ。力を貸して!)
「ふほほ、まだここまで動けますか、しかし・・・」
だがそれは悲しいまでに弱く、儚い抵抗だった。
「残念でーす!」
「きゃんっ!?」
ジョルジュのスパンキング一発で、悟良の動きは止まってしまう。
背中を反らし、天井を向いたその顔の切なげな表情に、観客席も注目し一瞬の沈黙が流れる。
「・・・よく頑張ったな悟良選手、だがもういいぞ!」
「あっあっ、やめろっ、やめろったらあああ!?」
男たちも一瞬間を置いたが、すぐに責めを再開する。
すでに悟良は快楽をただ叩き込まれるしかなかった。
「よし止めだ。ジョルジュ、山森!」
「OKでーす!」
「楽しかったですぞおっ!」
「ごめんっ、ごめんっ・・・咲ねええっ!ああああっ!」
喘ぎ声を響かせ、体を大きく震わせて悟良は最後の絶頂を迎えた。
二度、三度と続いた波が収まると、体はゆっくりとリングへ倒れていく。
その左手から、黒帯もすり抜ける。
(咲ねえあたし達、どうなっちゃうのかなあ・・・?)
薄れゆく意識の中、自分達の行く末に暗黒を見る悟良の目からは涙がこぼれていく。
その後も悟良は絶頂による気絶と、色責めによる覚醒を繰り返しながらなぶられ続け、観客席の熱も冷めることがなかった。
そして最後に気絶したまま運ばれていく悟良の両手首には、男たちの手で黒帯が蝶々結びにされていた。
地下室で待つ獣たちへの、贈り物だと言わんばかりに。