【第十話 暮内ゆかり:柔道】

 犠牲者の名は「暮内ゆかり」。16歳。身長153cm、B83(Eカップ)・W56・H82。まだ幼さが残るが、人を惹きつける顔立ちをしており、背中まで届く髪を頭の上に纏めている。護身術として小学校から柔道を習い、中学三年の時県大会で優勝した程。現在は高校生で、小柄ながら自分より年上で大きな男性でも軽々と投げ飛ばす実力を持っている。
 <地下闘艶場>の顧客の一人だった男の娘で、男は<地下闘艶場>で厳禁とされていた隠し撮りを行っており、その制裁のため娘のゆかりが<地下闘艶場>のリングに上がることとなった。


「なにこれーーー!」
 ゆかりに用意された衣装は、ライトグリーンの極小ビキニだった。着ることを躊躇い、戸惑い、覚悟を決めて身に付ける。小柄ながらメリハリの利いた肢体が最低限しか隠されていない。鏡の前で確認してみて、改めてその卑猥さに呆然となる。
「そうだ! アレを・・・」
 ゆかりは勘違いして持ってきたアレをバッグの中から取り出した。何かごそごそとしていたが、その後ガウンを羽織って控え室を出た。

 リングに上がると、レフェリーだと思われる男性とガウンを羽織った男性がいた。
(え、まさか今日の相手って・・・男の人!?)
 そんなことは聞かされておらず、驚くゆかり。
「赤コーナー、草橋恭三!」
 コールと共にガウンを脱ぐ男。黒いレスリングタイツを身に着けたその体は細身で中背、たいして強そうにも見えない。
「青コーナー、暮内ゆかり!」
 名前をコールされたゆかりがガウンを脱ぐ。その下には、柔道着とTシャツを着込んでいた。
「おい、なぜ柔道着を着てる!」
 ゆかりの明らかな契約違反に、レフェリーが詰め寄る。
「大丈夫、この下にビキニ着けてるから。契約違反じゃないよ?」
「用意された衣装以外のものは身に着けたら駄目だという項目もあっただろうが!」
「えー、そんなのなかったよぅ」
 口を尖らせるゆかり。更に問い詰めようとしたレフェリーをリング下の黒服が呼びつけ、何か指示を与える。何度か頷き、ゆかりを見てレフェリーが薄く笑う。
「まぁ、見てなかったんならしょうがないな。そのままの柔道着姿でいい。ボディチェックだけは受けて貰うがな」
 そう声を掛け、ゆかりに近づくレフェリー。柔道着の上からあちこち押さえ、最後にバストを触る。
「ひゃっ!」
 奇妙な声をあげ、ゆかりはその手を振り払う。
「すまんな、手が滑ったんだ」
 レフェリーは悪びれずに言い、試合開始のゴングを要請する。

<カーン!>

 レフェリーは草橋に何事かを小声で話し、すっと放れる。草橋は軽く頷いてゆかりと向き合い、左手を伸ばしてくる。ゆかりは誘うように伸ばされた左手を掴み、瞬時に一本背負いでリングに叩きつける。
「よーっし!」
 綺麗に技が入って機嫌をよくしたゆかりだったが、草橋はむくりと立ち上がる。ダメージがあるようには見えない。またも左手を伸ばす草橋。同じように一本背負いで投げるゆかり。すると草橋はまたもむくりと立ち上がる。まるでテープを巻き戻し、再生したかのような繰り返し。そして、三度草橋が左手を伸ばす。
(ゆかりの投げが効いてないの?)
 プライドが傷ついたものの、またも一本背負いで投げるゆかり。今度は体ごと巻き込みながら自分も草橋の上から落ちるように投げる。しかしリングに落ちる前に草橋が体を回し、ゆかりが下になって落ちていた。胸を打ち、息が詰まる。動きが止まったゆかりに草橋が近づき、ズボンに手を伸ばすと紐を外し、ズボンを脱がす。
「え、えええぇぇぇっ!」
 慌てて立ち上がり、赤らんだ顔で草橋を睨む。
「は、反則だよレフェリー!」
「何を言ってるんだ、柔道着を着てきた時点でお前の反則なんだよ」
 ゆかりの抗議にもレフェリーは取り合わない。以前、於鶴涼子戦で行って好評だった強制脱衣ショー。それをゆかり相手に行えという「御前」からの指示であった。最初から卑猥な衣装で闘わせるのもいいが、美少女が一枚一枚脱がされていく姿もまた興奮を誘う。ならば柔道着を着ている状況を有効に使うため、ゆかりの柔道着着用が認められたのだ。
「か、返して!」
 草橋に手を伸ばすゆかり。それが耳に入らなかったように、草橋は手にしたズボンを観客席に投げ入れた。たちまち争奪戦が起こる。
「酷い・・・ゆかりの柔道着・・・!」
 涙目で草橋を睨むが、それに気づかないかのように左手を伸ばしてくる。
(そっか、相手が柔道着着てないから掛けられる技が少ないんだ!)
 柔道の投げ技には相手が柔道着、もしくは服を着ていることが前提の技が多い。草橋はタイツしか着ておらず、ゆかりより背が高い。となれば出せる投げ技も決まってくる。選択肢が少なければ受身も取り易い。一本背負いを返されたことから懐に潜り込んで小内刈りを狙うが、足を抜かれ、払い腰で返される。草橋が上に乗るようにマットに投げられ、衝撃に息と動きが止まる。すかさずゆかりの帯を外し、リング外へ投げる草橋。その間に立ち上がったゆかりだが、痛みに顔が歪む。柔道着は紐がないため、抑えがなくなった柔道着の前が開いてしまう。
(まずい、まずいよ。体は痛いし柔道着の上とTシャツしか残ってないし・・・)
 焦るゆかりだったが、またも草橋の左手が伸びてくる。
「!」
 ここでゆかりの体が沈んだ。かにばさみの奇襲で草橋を倒し、横四方固めでフォールする。
「レフェリー、カウント取って!」
 叫ぶゆかりだったが、そのとき草橋がゆかりの小さめのヒップを掴む。
「ひゃっ!」
 可愛らしい悲鳴を上げ、草橋の上から飛び退く。お尻を押さえて草橋を睨むが、またも左手が伸びてくる。かにばさみのような奇襲技は一度しかチャンスがない。もう一回狙ったところで潰されるのが落ちだろう。
 迷いは一瞬だったが、草橋の左手はゆかりの右袖口を掴んでいた。外そうと手を振るが、逆に左袖口も掴まれてしまう。逃げようと腰が引けたところを巴投げで強引に投げられる。勢いよく投げられたため、柔道着から両手が抜け、仰向けに倒れた格好になる。
 またも草橋が柔道着を観客席に投げ込むと、先程と同じように争奪戦が起こり、見も知らない男が柔道着を高く掲げる。それを目の端で見て取り、半泣きになるゆかり。とうとう極小ビキニの上にTシャツを羽織っただけの姿になってしまった。
(どうしよう、Tシャツだけしかなくなっちゃった・・・これを脱がされたら・・・!)
 焦るゆかりに向かってタックルに来る草橋。避けきれず、倒されるゆかりだったが、押さえ込みだけはさせまいと亀の体勢になる。すると両脇の下から草橋の両手が差し入れられて力で引っくり返され、草橋の上に背中が乗った状態になる。両脚も草橋の両脚に絡められ、大きく広げられる。
「・・・きゃぁぁぁっ!」
 自分が取らされた卑猥な格好にゆかりが悲鳴をあげる。そこにレフェリーがゆっくりと近づき、Tシャツを乱暴に引き上げると、ライトグリーンの極小ビキニに包まれた肢体が露わにされる。小柄な体型に似合わぬゆかりのバストに、レフェリーは目を奪われた。
「体はちっちゃいのにおっぱいはでかいな」
 水着の上から両手でバストを掴み、指を沈めるように揉むレフェリー。極小ビキニのため、殆ど直に揉むのと変わらない。
「いやだ! 気持ち悪い!」
 暴れるゆかり。しかし草橋の拘束から逃れられず、バストをレフェリーから好きなように揉まれてしまう。
(初めて胸を揉まれた相手がこんな奴だなんて・・・!)
 しかし、胸だけでは終わらなかった。レフェリーの右手はバストを離れて股間へと向かい、水着越しに秘部の割れ目に沿って感触を楽しむ。
「いやあああぁぁぁっ!」
 あまりの責めにゆかりが絶叫する。その顔を見ながら、レフェリーはバストと秘部を弄り続ける。
「ボディチェックがちゃんと終わってなかったからな。しっかりと調べさせて貰うぞ」
 ゆかりの体を好き勝手に弄ったレフェリーは、最後にはTシャツを脱がしてしまう。脱がしたTシャツを一嗅ぎした後観客席へ投げ入れると、柔道着のとき以上の争奪戦が起こり、遂にはびりびりに破かれ布きれと化す。
 その間ゆかりは草橋からバストを揉まれていた。やめさせようと手を重ねるが、下手に動かすとブラもずれそうになり、思いきったことができない。Tシャツを投げ入れたレフェリーが再びゆかりへと近づき、秘部へと指を這わず。
 暫く感触を楽しんだ後でレフェリーが草橋に指示を出す。草橋はゆかりを捕らえたまま体の向きを変えてうつ伏せになり、レフェリーがゆかりの両手を押さえたのを見て自分は両足を持つ。そのままゆかりを引きずってロープ際まで移動するとサードロープの下からリング下に降り、ゆかりの左足をセカンドロープとサードロープの間に、右足をサードロープの下に入れてそのまま自分の方に引っ張る。ゆかりはサードロープを股で挟むような格好にされ、草橋は表情を変えずにゆかりの両足をリング下から引っ張る。
「痛い痛い! やめてよぉっ!」
 股間にロープ食い込み、痛みに叫ぶゆかり。両手でサードロープを突っ張り、なんとか股間への刺激を逃そうとする。するとレフェリーが近づき、無防備なバストを掴み、揉む。
「やだぁっ! やめてっ!・・・あぅっ!」
 バストを揉むのをやめさせようと左手をロープから放すと、草橋の力に対抗できずに股間への刺激が強まる。仕方なく両手でロープを支え、バストへの責めを受け入れざるを得なくなる。ゆかりが抵抗できないと見たレフェリーは、ブラの隙間から指を入れて乳首を弄る。
「!」
(まさかここまでされるなんて・・・!)
 唇を噛み締め、ひたすら耐えるゆかり。草橋はただ引っ張るだけでなく、掴んだ足を左右に振る。そのため股間がロープに擦りつけられ、新たな刺激を生む。ロープを押さえることしかできず、股間への刺激を防ぐことができない。すると、レフェリーがブラの紐に手を掛け、くいくいと引っ張る。
「やめて、脱がさないで! やめてぇ・・・!」
 脱がされちゃう! しかし手をロープから放せず、言葉で拒否することしかできない。
「脱がされるのは嫌か?」
「い、いや」
「じゃあ、バストを揉まれるほうがいいってことだな?」
「そんな、どっちもいや!」
「どっちも嫌なんてそんなわがままが通るか。じゃあ水着を脱がすかな」
 再び紐を引っ張るレフェリーに、ゆかりの表情が固まる。
「やだ、脱がすのだけはやめてぇっ!」
「じゃあどうして欲しいんだ? はっきり言わなきゃ分からんぞ。揉んで欲しいなら揉んで欲しいと言え」
 紐を軽く引っ張りながら促すレフェリー。いつしか会場も静まり返り、ゆかりの選択を待っている。
(そんな、脱がされたくなかったらおっぱいを揉んで欲しいって言えなんて・・・そんな恥ずかしいこと言えない・・・でも言わなきゃ脱がされちゃう・・・)
 葛藤の後、口を開くゆかり。
「・・・で・・・」
「うん?」
「揉んで・・・ください・・・」
「そんな小さな声じゃ聞こえんなぁ。何を揉んで欲しいのかも言うんだ」
「そんな・・・ちゃんと言ったのに・・・」
 半べそをかきながら小さく抗議するゆかり。しかしレフェリーは黙ってブラの紐に手を掛ける。
「ごめんなさい、言います、言いますから! ・・・も、揉んでください! ゆかりのおっぱいを揉んでください!」
「お願いされたんじゃぁしょうがいないなぁ。もっと大きくなるように揉んでやるよ!」
 ゆかりから無理やり「お願い」を引き出し、レフェリーは思うままにバストを捏ね回す。水着を脱がされるよりはと、ゆかりは涙を浮かべつつも耐えるが、その間も股間はロープに擦り付けられている。レフェリーは水着の上から乳首の辺りを刺激しながら、バストを揉み続ける。
(我慢しなきゃ、我慢しなきゃ水着を取られちゃう・・・でも、あうっ、気持ち悪いよぅ!)
 レフェリーと草橋のセクハラに耐えに耐えていたゆかりだったが、レフェリーが水着の隙間から手を入れ、乳首を弄りだすと表情が変わる。バストを揉まれ続け、股間を刺激され続けたことで乳首が立ち上がってしまったのだ。
「さすがおっぱい揉んでと叫ぶゆかり選手だ。乳首がこんなになってるじゃないか」
 レフェリーは乳首に標的を定め、潰したり、摘まんだり、押し込んだり、しごきあげたりと様々な責めを行う。草橋は無表情なままロープを使った股間への責めをやめない。
「もういやっ!」
 嬲られ続けたゆかりが叫ぶ。叫んでしまった後で表情が強張る。
「なんだ、もう揉まれるのは嫌か。そうか・・・それならもう脱がして欲しいってことだな!」
「違う、違うの今のは・・・」
 ゆかりの弁解を聞き流したレフェリーが背中の紐を外し、水着のブラを前から一気に引っ張ると、体格に似合わぬバストと小さめの乳首が晒される。この光景に観客が興奮に沸く。
「あああっ! 酷い、酷いよぅ・・・」
 とうとう泣き出すゆかり。レフェリーは剥ぎ取ったブラを両手に高く掲げて観客に見せると、ブラを黒服に渡し、マイクを持つ。その間も草橋は股間への責めを止めていない。
「ゆかり選手の着けていた水着は試合終了後にオークションを行います! 皆様奮ってご参加ください!」
 今度も投げ入れられると思っていた観客からは非難の声が上がるが、後方の席からは拍手が起こる。観客の反応を見た後、剥き出しになった乳首に改めて責めを加えるレフェリー。左手は乳首を弄りつつ、右手は水着のボトムの中に進入し、陰核を弄る。
「もういやぁっ! ギブアップ! ギブアップするからもうやめてぇっ!」
 想像以上の責めを受けたゆかりの絶叫が響くが、草橋もレフェリーも責めをやめようとはしない。
「やっぱり契約書はちゃんと読んでおくべきだったな。今回はギブアップを認めない、と書いていたのになぁ」
 レフェリーが草橋にリングに上がるよう指示すると、草橋は言われた通りゆかりの足から手を放してリング上に戻る。レフェリーがゆかりから離れ、草橋が押さえつけようとした一瞬の隙を突き、ゆかりが体を入れ替えて草橋を押さえ込む。剥き出しになった乳房を草橋の顔に押し付けるようにしてひたすら密着する。草橋の手が水着に掛かるがそれすら気にせずに押さえ込む。草橋の動きが徐々に緩慢になり、止まり、最後には痙攣をしだす。
(窒息した・・・の?)
 恐る恐る乳房から解放し、ゆかりは草橋の顔を覗き込む。白目を剥いて失神している草橋を見て、安堵と死んでいないだろうかという微かな心配を抱えながら立ち上がる。しかし、草橋は失神しても水着を放していなかった。その結果ゆかりが立ち上がったことで水着が膝までずり落とされ、淡い股間の茂りが観客の目に飛び込む。
「いやあぁぁぁーーーっ!」

<カンカンカンカン!>

 全裸姿を見られ、泣き崩れるゆかり。顔を覆って泣き続けるゆかりをリング上に残したまま、ブラのオークションが始められた。


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