【第二十六話 森下恋:柔道】

 犠牲者の名は「森下恋(れん)」。23歳。身長167cm、B90(Eカップ)・W65・H92。普段は黒ぶち眼鏡をしており、肩まで届く髪をひっつめにし、主にトレーナーにパンツルックという色気のない格好で過ごすことが多いが、眼鏡を外した素顔はモデル並みで、そのプロポーションは抜群。新進気鋭のカメラウーマン(本人談)だが、大学卒業からこの業界に入った恋にそうそう仕事などある筈もなく、バイトで食い繋ぐ日々が続いた。
 ある日偶然立ち寄ったコンビニで強盗を投げ飛ばし、これが切っ掛けで<地下闘艶場>に目をつけられた。高額のファイトマネー(しかも勝てばボーナス付)と雑誌社への紹介をしてくれるという<地下闘艶場>の誘いに、恋は一も二もなく飛びついた。その狙いが彼女の魅力的な肢体にあるとは想像もせずに。


 彼女に用意された衣装はレオタードと柔道着の上だけ、それに帯だった。さすがに恥ずかしく下着を着けたままレオタードを身に着けると、レオタード生地が薄いこともあり、下着の形がはっきりと浮き出てしまう。その上から柔道着を羽織っても、足元が涼しくて落ち着かない。
(あっちゃぁ、うまい話には裏があるって言うけど、こんな衣装が用意されてるなんて)
 後悔する恋だったが、ここまで来たら逃げ出すわけにもいかない。
(衣装くらいは我慢して、なるべく勝てるように頑張ろう。もし負けたってファイトマネーは貰えるんだもの)

 入場した恋を、観客達の粘つく視線が迎えてくれる。衣装を見たときから薄々と感じてはいたことだが、観客の欲求は恋のあられもない姿なのだろう。
 不快感を堪えてリングに上がると、リング上にはレフェリーとおぼしき男と、リングタイツを身に着けたチャラい髪型の、恋と同年代らしき男の二人が待っていた。
「ちょっと待って、男性選手が相手だなんて聞いてないわよ!」
「おいおい、契約書にはこちらの準備する選手と闘う、と書いてただけで、対戦相手が女かどうかなんてことは書いてなかったぞ」
 レフェリーがにやにやしながら恋の言葉に反論する。
(さっさとギブアップしてリング降りた方がよさそうね)
 理屈を通すことは諦め、男二人を睨む。その考えとは裏腹に、心中には怒りが渦巻いていた。

「赤コーナー、早矢仕杜丸(はやしとまる)!」
 早矢仕は首をコキコキと鳴らしながら、恋の全身を舐めるように視姦する。特に柔道着を下から押し上げる胸元と剥き出しの太ももに視線を止め、口元を緩める。
「青コーナー、『カメラウーマン』、森下恋!」
 恋は自分の名前がコールされてもどういう反応をすればいいのかわからず、軽く手を上げるという中途半端な応え方をしてしまう。

 早矢仕のボディチェックを終えたレフェリーが、恋を見て眉を寄せる。
「おいおい、眼鏡は外せよ。怪我するぞ」
 レフェリーの指摘に、自分が眼鏡を掛けたままリングに上がったことに気づく。やはり緊張しているのだろう。眼鏡を外し、リング下の黒服に渡して元の位置に戻ると、ぼんやりとながらレフェリーが自分の顔を見ているのに気づく。
「なに?」
「あ、いや・・・眼鏡を外すと雰囲気がまるで違うな」
(男って皆似たようなこと言うのね)
 今まで付き合ってきた彼氏達も同じようなことを言っていた。そして決まってコンタクトレンズを勧めてくるのだ。
「眼鏡してるより、してない方が断然美人度が高いぜ。なんなら、視力回復手術ができるとこ紹介しようか?」
「結構です」
 恋のにべもない答えにレフェリーが鼻白む。一つ咳払いすると、一歩近づいてくる。
「・・・ボディチェックをするぞ」
「しょうがないわね。変なとこ触らないでよ」
 レフェリーはしゃがむと、恋の足を下から触っていく。
「ちょっと、なんで素足をチェックする必要があるのよ、軽く柔道着を触るくらいでいいでしょ?」
「じゃあお許しが出たから、こっちを調べるか」
 レフェリーは帯の辺りを触ったかと思うと、すぐにバストを鷲掴みにする。
「どこ触ってんのっ!」
 パァン、と小気味良い音がリングに響き、レフェリーは頬を押さえてたたらを踏む。
「お、お前、レフェリーに向かってなんてことしやがる! 反則負けにするぞ!」
「地が出たわね。ええ、どうぞ、反則負けでもなんでもすればいいじゃない、帰らせて貰いますから」
「・・・試合もしないで帰るってことはどういうことになるか、わかってるのか?」
 レフェリーの低い声に、リングから降りかけた体をレフェリーの方へと戻す。
「ファイトマネーはない、って言いたいんでしょ? いいわよ別に、今すぐ食べるのに困るって訳じゃないもの」
「違うな。これだけの観客の方々を失望させるんだ、賠償金が発生するんだよ。お前、払えるのか?」
「なんで私が・・・!」
 激昂しかけた恋の目の前に、一枚の紙が突きつけられる。
「ほれ、ここ読んでみろ」
「な、なによ・・・」
 近眼のため、紙のすぐ前まで顔を持って行って確認すると、それは契約書だった。レフェリーの指で押さえた部分を読むと・・・
「『体調不良その他の理由により試合を行えない場合、違約金を支払うこと』・・・こ、こんなこと、契約したときは書いてなかったわよ」
「その下にあるサインは誰のものだ? つまり、リングで闘うか、金を払ってリングを降りるか、お前に選べるのは二つしかないんだよ! あと、『ボディチェックを受けること』って項目もあるからな」
 お金などある筈がない。試合に穴を開けたときの高額な賠償金など論外だ。
「・・・わかったわよ、十秒だけ我慢するわ。それ以上触ったらただじゃ置かないから!」
「わかった、十秒だな」
 一度契約書を黒服に渡すために恋から離れたレフェリーは、戻ってくる早々恋のバストを掴む。
「くっ・・・」
「口は生意気だが、おっぱいは輪を掛けて生意気だな。グラビアアイドル並みに大きいじゃねぇか」
 レフェリーは柔道着の上からむにむにとバストを捏ね回し、その感触を楽しむ。もはやボディチェックだと言うことを忘れているらしい。
「も、もう十秒経ったでしょ? やめてよ!」
「おいおい、ちゃんと数えとけよ、俺は十秒かどうかなんてわからないぜ」
 にやつくレフェリーの顔に切れ、掴みかかろうと思ったとき、後ろから羽交い絞めにされる。
「え・・・」
「恋ちゃーん、レフェリーに手を上げちゃいけないよ。リングの上での最低限のルールは守ろうね」
 早矢仕だった。未然に攻撃を防いで貰ったレフェリーは、恋のバストを揉み続ける。
「レフェリー、そろそろ変わってくださいよ。これだけボインボインの美人にお預けくらうのは堪らないんだからさ」
「ちっ、しょうがないな。ヘマするなよ」

<カーン!>

 恋が早矢仕に捕らえられたままで試合開始のゴングが鳴らされる。
「ちょっと、こんな始まり方って・・・」
「それじゃ早速・・・うわぁ、触るとまた感触が堪らないな」
 早矢仕は羽交い絞めを解き、後ろから恋のバストを掴み、味わうように揉む。
(もう怒った! この男だけでも叩きのめしてリングを降りる!)
 恋は早矢仕の左手の指と手首を持ち、逆間接を極めてやる。
「ぐあっ!」
 力が緩んだところで小内刈りで倒し、そのまま胸を押しつけるようにして縦四方固めに入る。早矢仕は恋の背中を叩いてくるが、密着しているためたいした威力はない。何とか引き離そうと恋の柔道着を引っ張っていた早矢仕の体から力が抜けて行き、最後は痙攣を起こしてぐったりとなる。

 恋の母親は柔道選手だった。その母に幼い頃から無理やり始めさせられた柔道だったが、母の血か、生来の負けん気の強さのおかげか、恋はめきめきと実力を付けていき、高校のときには県大会で優勝する程だった。大学を卒業してからは道場に通うこともなくなったが、その実力は錆びついていない。

 恋は早矢仕が落ちたことを確認し、立ち上がってレフェリーを睨む。
「もう馬鹿げた試合は終わり。今度こそ帰らせて貰うわよ」
「おっと、まだ終わりじゃないぜ」
「こうやってKOしてるじゃない!」
 レフェリーの言葉に恋は声を荒げた。
「言い方が悪かったな、この試合は終わりだが、次があるんだよ」
「どういうことよ!」
「こういうことだよ」
 不意に後ろから抱きすくめられ、体の自由を奪われる。
「な、誰!?」
 恋の疑問には、リングコールが応えた。
「只今リングに上がったのは、コンテ・大倉選手です。皆様、大きな声援をお願い致します!」

<カーン!>

 またもゴングが鳴らされ、観客から拍手が起こる。
「レフェリーに手を上げた分のペナルティを受けて貰わないとな。もう一試合追加だ」
「嫌よ、そんなの! 放して!」
 もがく恋だったが、大倉から両腕と胴ががっちりと捕らえられており、体を揺することくらいしかできない。
「さて、ボディチェックが途中だったからな、ここを調べておかないと」
 レフェリーが柔道着の裾を掴んで捲る。
「こうして見ると、なんでか厭らしく感じるな」
「ば、馬鹿なこと言ってないで放しなさいよ!」
 レフェリーは恋の股間に指を伸ばし、秘部を弄る。
「やめて、そんなとこ触らないでよ!」
「ここに凶器を隠してる場合もあるからな。男にはない隠し場所だから、じっくり調べないといけないんだよ」
 適当なことを言いながら、秘裂に沿って指を動かす。
「くっ・・・」
 悔しげな恋の表情を眺めながら、レフェリーは秘部を弄り続けた。

 暫く楽しんだレフェリーは恋から離れ、失神していた早矢仕の頬を叩く。
「起きろ! ヘマするなって言ったのにあっさり落とされやがって」
「お、おっぱいだ、おっぱい地獄だ・・・あれ?」
「なに言ってるんだお前は」
「っと。スンマセン、油断しました。でも、起こしてくれたってことは・・・」
「ああ、大倉と一緒に、な」
 二人は大倉に捕まえられもがく恋に、欲望に満ちた視線を投げる。
「恋ちゃん、さっきは酷いじゃないか、楽しむ前に落とすなんてさ。でもおっぱい固めは気持ちよかったよ」
 目の前に立つ早矢仕に恋が驚く。
「ちょっとレフェリー、こいつはさっきKOしたでしょ! なんでまだここにいるのよ!」
「KOしたって言われてもな。試合終了のゴングは鳴ってないだろ?」
「それじゃ二対一じゃない! 卑怯者!」
「ペナルティとしちゃぁ丁度いいだろが。それじゃ、頑張りな」
 レフェリーは恋の抗議など聞き流し、一度人差し指でバストを弾ませて離れる。
「それじゃ大倉さん、お先です」
「ああ、後で代われよ」
 早矢仕は鼻の下を伸ばしながら恋のバストを揉む。
「でっけぇ・・・でも柔道着って分厚いからあんまり感触がわからないんだよな。それじゃ次は、こうやって・・・」
「ちょっと!」
 早矢仕は柔道着の前をくつろげ、レオタードに包まれたバストを外に出す。
「うはっ、下着の線が浮き出てるよ、やらしー」
そのまま大きなEカップのバストを揉み回す。
「うわぁ、これはいいや。柔道着の上から触るのと全然違う! 大倉さん、おっきくて柔らかくて堪らないっすよ!」
「そろそろ代われよ」
「も、もうちょっとだけ」
 鼻息を荒げ、恋のバストを揉み続ける早矢仕。
「い、いい加減にしなさいよ! 男として恥ずかしくないの?」
「男だからこんなことしたくなるんじゃないか。ああ、堪んねぇ・・・」
「おい早矢仕、代われ!」
 さすがに我慢の限界にきたのか大倉が声を荒げるのに、早矢仕が渋々交代する。恋の両手を押さえ、大倉が後ろから回した手でバストを揉むのを援護する。
「おいおい、これは凄いな。この大きさでこの柔らかさ、反則だぜ」
 大倉は手の平全体と指を使って恋のバストを味わいながら、リングタイツの中で硬くなった逸物を恋のヒップに擦りつける。
「ひっ! 変なもの当てないでよ!」
「入れたりはしないから安心しろよ。しかしお尻の感触も堪らんな」
「マジっすか? 俺もお尻触ればよかった」
 恋の両手を掴んだまま早矢仕がぼやく。
「これから触ればいいさ」
 大倉の勝手な言い草に、恋が切れる。
「いい加減に、しろっ!」
 自分の手首を掴んでいた早矢仕の両手を逆に掴み、捻る。痛みに早矢仕が手を放すと、先程と同じように大倉を小内刈りで倒し、素早く転がって距離を取る。そのときに髪を留めていたゴムが外れ、髪が広がる。
「うわぁ・・・髪型変わるとまた雰囲気が違う・・・」
「おい早矢仕、何やってんだお前」
「うへっ、返す返すもスンマセン」
 大倉に怒られ、早矢仕は頭を掻く。
「まあいい、じゃあこういう作戦で行くぞ」
「ふむふむ・・・了解しました、俺損な役回りですけど」
「黙っていけヘタレ!」
「へいへい」
 早矢仕は上から覆い被さるように恋に掴みかかるが、右手を取られ、一本背負いで投げられる。
「予想通りだったな」
「しまっ・・・!」
 その隙に背後を取られた恋は腹這いに倒され、両手を掴まれ、両脚をフックされて仰向けにされ、ロメロスペシャルに極められる。
「い、痛い・・・!」
「これなら逃げようがないだろ。早矢仕、早く来い!」
「あいてて・・・大倉さん、恋ちゃんの投げって半端ないんすよ、受身取ってもこれだもんな」
 早矢仕は腰をさすりながら立ち上がると、恋の傍らに立つ。
「へへへっ、恋ちゃん失礼しまーす」
 早矢仕は恋の帯を外すとリング外へと放り投げ、柔道着の前を開く。
「あ、やだっ」
「うっわ、やっぱ堪んねぇ!」
 早矢仕は恋のバストを鷲掴みにし、思うままに揉み回す。
「恋ちゃん、こんだけおっきいおっぱいだと、肩凝りが酷いんじゃないの? 俺がよーくマッサージしてあげるからさ」
「か、肩凝りなんかないわよ! 胸から手を放して!」
 もがく恋だったがロメロスペシャルから逃れることは適わず、早矢仕にいいようにバストを揉まれてしまう。
「おい早矢仕、そろそろ交代だ、こいつの腕持ってろ」
「ええーっ、折角盛り上がってきたのに・・・冗談ですよ、そんなに睨まんでください」
 大倉は脚のフックはしたまま両手を放し、恋のバストを掴む。早矢仕は自分の手首を持たれないような恋の腕の位置を持ち、大倉の手の中で形を変える恋のバストを凝視する。
「森下選手、辛そうだな」
 レフェリーがにやけながら近寄り、恋の秘部に指を伸ばし、割れ目に沿って上下させる。
「いやっ、そんなとこ触らないで!」
「こいつはボディチェックの一環なんだよ。さっきは途中で早矢仕の様子を見なきゃならなかったからな。つまり、今ギブアップした場合は試合が成立しなくなるってことだ」
「そ、そんな詭弁が通ると思ってるの!?」
 恋は怒りの表情を浮かべるが、すぐに男達に嬲られる屈辱に歪む。
「詭弁もなにも、俺がそう言ったらそれが正義なんだよ。ここが一般社会と同じだと思うなよ?」
 秘部を弄りながら、レフェリーが恋の顔を覗き込む。
「うわぁ、そこもよさそうだ・・・レフェリー、恋ちゃんの腕持つの変わってくださいよ」
 恋に手出しできない早矢仕は羨ましそうにレフェリーを見る。
「黙れヘタレ。お前そう言って何回ヘマしたんだよ」
「そうだぞ早矢仕、俺達が満足するまでそうやって腕を持っとけよ。後でちゃんと変わってやるから」
 レフェリーと大倉は秘部とバストを責め続けながら、早矢仕の頼みを蹴る。
「えぇー、そんな意地悪言わないでくださいよ!」
 身を乗り出した早矢仕は、つい恋を掴んでいた腕の力を緩めてしまう。
(チャンスだわ!)
 恋は早矢仕の左手首を両手で掴み、間接を極めつつ投げ飛ばす。すぐに大倉の指を掴んでバストから引き剥がし、前転して漸くロメロスペシャルから逃れる。しかし四肢を極められ、男達にバストと秘部を弄られたことで想像以上に体力を奪われていた。
「ったく、言った傍からこれか!」
「でも、さっさと変わってくれない二人も悪いんすよ」
「自分勝手だなお前・・・」
 まだ二対一、いやレフェリーを入れると三対一の構図は崩れていない。男達には軽口を叩く余裕があった。
「それじゃ、次はな・・・」
「了解っす。大倉さん、ヘマしないでくださいよ」
「お前が言うな!」
 大倉と早矢仕は恋を挟むように位置取り、じりじりと間合いを詰めてくる。
(どうしよう、一遍に来られたら捕まっちゃうし、片方を投げてもさっきみたいにもう一人に捕まっちゃう・・・)
 迷う恋の柔道着の右袖が、大倉に捕まれる。
「くっ!」
 振り払おうと思ったが、左袖も早矢仕に持たれてしまう。
(こうなったら!)
 柔道着を脱ぎ捨て、再度距離を取る。
「とうとうレオタード姿だー。体のラインがはっきりわかるのが色っぺー」
 早矢仕の言葉に羞恥心を誘われ、恋は前を隠す。しかしメリハリのあるボディは完全には隠せず、逆に男達の興奮を誘う。
「ブラだけじゃなくパンティのラインも浮き出てるのが、直に見えるより厭らしいな」
「そっすよね・・・あ、柔道着恋ちゃんの匂いがする」
 早矢仕は柔道着に顔を埋め、恋の残り香を嗅ぐ。
「ちょ、ちょっとやめなさいよ変態!」
「なんで? いい匂いなんだからいいじゃんか・・・ああ、なるほど。直接嗅いで欲しいってことか、了解したよ恋ちゃん!」
「ど、どこをどうしたらそんな結論になるのよ!」
 恋の顔は怒りの赤色から羞恥の赤色へと変わる。そんな恋の様子などには構わず、大倉と早矢仕は先程と同じように恋を挟むような位置取りで間合いを詰めてくる。
(よし!)
 一瞬の判断で、早矢仕を投げようと逆に距離を詰める。
「ひぅおっ!?」
 驚いた早矢仕は、自分でも意識しないまま反射的に突き飛ばそうと両手を伸ばす。するとその手が丁度恋のバストへと当たり、男の本能でEカップバストを掴んでいた。
「あ、やだっ」
 突然バストを掴まれた恋は動転し、早矢仕の手を振り払って距離を取ろうとした。しかし早矢仕がしっかりとレオタードごと恋のバストを掴んでいたため、レオタードの薄い生地が音を立てて破れてしまい、下着に包まれたEカップがまろび出る。
「いやぁぁっ!」
 恋は慌てて両手でバストを隠すが、レオタードはバストを残して体に張り付き、まるでEカップバストを強調するような形になってしまう。
「うっわ、おっぱいだけ飛び出てきた! エロいっすね大倉さん!」
「よくやった早矢仕。でもな・・・そのブラはないだろ」
 レオタードの下から現れた下着は、見ただけでわかる安物だった。
「大方バーゲン品だろうが・・・もう少し色気のある下着はなかったのかよ」
「うるさいわね、貴方達に見せるような下着はないわよ!」
 怒りと羞恥に恋の頬が上気する。言葉では強気を装うが、両手はバストを隠すために使っているために動きが制限されてしまう。
「まあそう言うなよ、ブラに色気があろうとなかろうと、俺達はその中身に興味があるんだからよ」
 またも大倉と早矢仕は挟むような位置から近づいてくる。恋はバストを晒すことを躊躇い、ただ後ろに下がったことでコーナーへと追い詰められる。
「もう逃げ場はないぞ。それとも、その色気のない下着を見せながら闘うかい?」
 大倉と早矢仕が恋の前に立ち、にやけた顔で恋の胸元を見つめてくる。
「そ、それは・・・あっ、駄目よ、いやぁっ!」
 胸元を隠していた両手がそれぞれ男達に持たれ、バストから引き剥がされる。如何に抵抗しようとも、男二人の力には敵わず、Eカップのバストが弾む姿を観客にも晒される。
「それじゃ、ブラの上から触らせてもらうか」
「へへっ、恋ちゃん、優しくしてあげるからね」
 大倉と早矢仕は恋の腕を脇の下に抱え込み、空いた手で恋のバストを揉む。男二人に形が変わるほどにバストを揉まれ、恋は表情を歪ませる。
「あっ、やだっ!」
「いい格好だな森下選手。おっぱいだけ出てるのがこんなに厭らしいとは思わなかったぜ」
 レフェリーもバストを責めたそうにしていたが、大倉と早矢仕が占領しているため諦め、恋の前にしゃがみ込み、ヒップを掴む。
「ひっ!」
「おおっ、こっちもいい触り心地だ。目の前には大事な部分もあるしな」
 レフェリーはヒップを撫で回しながら、恋の秘部の匂いを嗅ぐ。
「ちょっと、そんなとこの匂いを嗅ぐなんて・・・あぅぅっ!」
 両方のバストを揉まれ、ヒップを撫で回され、秘部には鼻息がかけられる。試合前から刺激を受け続けてきたことで、恋の体に変化が現れる。
「お、立った立った、恋ちゃんの乳首が立った!」
 ブラ越しにもわかるほど、恋の乳首は固く立ち上がっていた。
「ち、違うわ、これは・・・」
 恋は顔を赤らめながらもなんとか否定しようとするが、言葉が出てこない。
「ねえ大倉さん、俺は乳首立ってると思うんですけど、恋ちゃんは違うって言うんですよ・・・直に見て確認しませんか?」
「え、それは!」
「そうだな、それがいいだろう。早矢仕、やれ」
「了解!」
 早矢仕は恋のブラに手を掛けると、勢い良くずり上げる。
「きゃぁぁぁっ!」
 悲鳴を上げ、首を振って暴れる恋だったが、男三人掛かりで押さえられては逃げることも手で隠すこともできなかった。
「恋ちゃん、しっかり乳首立ってるじゃないか。嘘吐いたら駄目だよ。罰として・・・こうだっ!」
「痛いっ!」
 早矢仕に乳首を抓られた恋は顔を歪ませる。
「早矢仕、女の乳首は敏感なんだからよ、優しく触らなきゃ駄目なんだよ」
 大倉は乳房を揉みながら、人差し指で固くなった乳首を撫で上げる。
「ああ、ごめんね恋ちゃん。お詫びに優しくするから・・・うわぁ、直接おっぱい揉むとまた格別!」
 早矢仕は恋の乳房の感触に我を忘れ、優しくすると言った傍から自分の欲望のままに乳房を捏ね回す。乱暴に右の乳房を、優しく左の乳房を、という具合に左右の乳房に対照的な責めを加えられ、恋は身を捩る。乳首にも責めは加えられ、ますます硬度を増していく。
「気持ち良さそうだな森下選手、今の状態でここを弄られるとどうなるのかな?」
 レフェリーは左手でヒップを揉みながら右手を恋の秘部に伸ばし、秘裂を押さえる。
「いやぁぁぁっ!」
 嫌悪感のあまり、恋はレフェリーの顎に膝を入れ、大倉の足の甲を踏み、早矢仕の頬を張って男達からの拘束を逃れる。
「いってー・・・恋ちゃん、いきなりビンタは酷いよ」
「おつつ・・・やってくれるな」
「ぬぐぉ・・・お前、レフェリーにこんなことしてただで済むと思うなよ!」
 男三人はそれぞれ怒りの表情を浮かべ、恋を睨む。恋はずらされたブラを直し、胸元を隠す。
(とりあえずのピンチは脱したけど、どうしたらいいのよ・・・実質相手は三人、だけどその内一人には手を出すとペナルティを科せられる)
 それに加え、体力が残り少ない。男達への意地で立っているものの、本心ではリングに座り込みたかった。しかし男達は恋が休める暇は作らず、じりじりと恋へと近寄ってくる。
「うぅっ・・・」
 恋は下がりかけた体へ渇を入れ、早矢仕へと突進し、大外刈りで投げ飛ばす。しかしそれは大倉へと背を向けることになり、後ろから抱きつかれてしまう。
「まだ動けるのかよ。少しおとなしくして貰うぜ!」
 大倉は恋の右脇下を通した右手を使い、恋を<ブリザード>でリングに叩きつける。
「あぐっ!」
 疲れた体での受身は完全とはいかなかった。投げられた衝撃が内臓まで届き、痛みにのたうつ。
「あいってぇ・・・もう反撃する力もないと思ったのに、なんて威力の投げ技なんだ。恋ちゃん強すぎるよ・・・」
「油断し過ぎだヘタレ。ほら、俺と同じようにしろ」
 大倉は恋の右手と右脚を自分の両足の太ももとふくらはぎで挟み、半身の動きを封じる。早矢仕も四つん這いで恋に近寄り、恋の左手と左脚を自分の脚で挟む。
「もうやめてよ、こんな格好いやぁ!」
 恋は両手を開かされ、両脚も潰れた蛙のようにM字の大股開脚を強いられている。大倉と早矢仕は自由な両手を使い、恋のバストを気の向くままに責める。
「ねぇ大倉さん、またブラずらしますよ」
「そうだな、やっぱり生の方がいいもんな」
「へへっ、じゃあ早速」
 早矢仕は恋のブラを上にずらし、再び乳首を露出させる。
「おっと、恋ちゃんの乳首、まだ立ったままだ」
「ほう・・・もしかしてマゾっ気でもあるのか?」
「そんなことあるわけないでしょ! やめて、触らないで! いやぁぁぁっ!」
 男二人に乳房と乳首を弄られ、恋は悲鳴を上げる。
「でもさ、乳首はこんなになってるんだよ? 素直になろうよ恋ちゃん」
 早矢仕は恋の乳首を指で弾きながら乳房を揉む。
「まあいいじゃないか。感じてるなんて恥ずかしくて言えないんだろうよ」
 大倉は乳首をしごきながら乳房を震わせるように刺激する。
「揉んでも揉んでも揉み足りないや。恋ちゃんのおっぱい最高!」
 早矢仕は鼻息を荒げ、恋の乳房を欲望のままに揉み回す。
「それはそうなんだが・・・やっぱり、こっちも見たいよなぁ」
 大倉が恋の股間をつつき、早矢仕に同意を求める。
「そっすよね、おっぱいも見たからこっちも見たいっすよ! パンツ! パンツ!」
「や、やめて、そこまではしないわよね? 冗談で言ってるのよね?」
 本当は、冗談でないのはわかっている。しかし一縷の望みを賭けて聞いた恋の耳に、男二人の笑い声が響く。
「恋ちゃんがなんか面白いこと言ってますよ、大倉さん」
「そうだな、今更冗談言ってどうするんだって話だ。早矢仕・・・やれ」
「イエッサ!」
 早矢仕は恋の股間を撫で回した後、レオタード生地を掴み、一気に引っ張った。
「あぁぁぁっ!」
 レオタードの股間部分が丸く破られ、飾り気のない下着が男達の目に晒される。恋は恥ずかしさのあまり顔が真っ赤になり、なんとか股間を隠そうと身を捩るものの、男二人に四肢を押さえられては満足に動くことなどできなかった。
「いやったー! パン、ツー、マル、見え!」
「やっぱり色気がねぇなぁ。スケパンとは言わないが、もう少しそそるもの着けて来いよ」
「俺はこういうのも恋ちゃんらしくていいと思うんすけどね。まぁ、手触りが悪いのは認めますけど」
 大倉と早矢仕はお互いにどちらが秘部を触るのか牽制しつつ、恋の股間を撫で回す。
「やっ、いやっ、触らないで、いやぁっ!」
 下着越しとは言え大事な部分を撫で回され、恋は気色悪さに悲鳴を上げる。
「あ、そういえばまだお尻触ってなかった。どんな感じかなぁ・・・」
 早矢仕は右手で恋の乳房を揉みながら、左手を恋のヒップに伸ばす。
「うっはぁ、おっぱいもいいけどお尻もいい! 柔らかいけど適度な硬さもあって、とにかく堪んねっす!」
 早矢仕は興奮し、乳房とヒップを触り続ける。
「そうだ、こういうのはどうだ?」
 大倉は恋のパンティを持って引っ張り、秘部へと食い込ませる。
「やだっ、やめてよ、痛いから・・・ひぁぁっ!」
「痛いだけか? ほら、どうだ!」
 大倉はパンティを引っ張って食い込ませ、そのまま左右に揺すって秘部を刺激する。
「痛いだけだから、あふぅ、やめてよぉ!」
「その割には声が甘いぞ? それに、この音を聞くとなぁ」
 大倉が下着を動かすたび、湿り気のある音がしている。
「そ、それは・・・」
「感じてきたんだろ? 正直に言えよ」
「れ、恋ちゃん、感じてるの? 俺の愛撫で感じてくれたなんて、感激だよ!」
 恋の秘部が潤みを湛えてきたことを知ると、早矢仕は一層責めを強くする。
「ここも触っちゃえ!」
 早矢仕は下着が食い込まされた恋の秘部に手を伸ばし、指を押しつける。
「あぁぁっ、いやぁっ!」
 早矢仕は指を振動させ、恋から快感を引き出そうとし、大倉は淫核の辺りを押さえ、軽く撫で回してくる。
「そこは駄目、やめて・・・ひぐぅぅぅっ!」
 その間も乳房と乳首は責められ続け、無理やり快楽を引き出されていく。恋の口からは、喘ぎ声と嬌声が洩れ始めた。

「もう、いやぁ・・・」
 嬲られ続け、抵抗も弱くなってきた恋をレフェリーが見下ろす。
「元気がなくなってきたな、森下選手。これがなんだかわかるか? って近眼だったな。ほれ、これでわかるな」
 レフェリーが何かを手に恋に近寄る。
「あ・・・もしかして!」
「そう、森下選手愛用のカメラだよ。今日はこれでお前の晴れ姿、いや艶姿を撮ってやるよ」
 家に置いてきた筈のカメラを手にし、レフェリーがファインダーを覗く。
「おおー、いいねぇその格好」
「やめて、こんな姿撮らないで!」
 恋の願いも空しく、レフェリーはシャッターを切る。カシャリ、という無機質な音が、自分が聞き慣れた音が、自分の猥らな姿がフィルムに焼き付けられたことを教える。男達に嬲られている姿を記録されたことを教える。
「よし、今度は・・・お前ら、手で森下選手の手足を押さえてろ。エロい格好がはっきりとわかるようにな」
 大倉と早矢仕はレフェリーの指示通り、恋の四肢を押さえ込む。そのため、揉み続けられて赤みを持った乳房、尖った乳首、愛液に濡れた下着が晒される。
「やぁ・・・もういやぁ・・・」
「被写体になるのもいい経験になるだろうよ。ほら、こっち向いてー、いいねぇその表情、そそるよ」
 レフェリーはカメラマンになったつもりか、次々とシャッターを切っていく。プロのカメラマンを目指す恋にとって、屈辱以外の何者でもなかった。目尻にじわりと涙が浮かぶ。
「レフェリー、写真できたら俺にもくださいよ」
「バカ野郎、そんな勿体無いことできるかよ」
 男達の会話が遠くに聞こえる。恋は、次第に現実感を失っていった。
(こんな・・・こんなことあるわけないもの。おっぱい丸出しで、パンツも見られちゃって、あちこち触られちゃって・・・夢よ、悪い夢を見てるのよ。目を閉じて、もう一度開ければ布団の上よ。ほら、眠りなおさなきゃ・・・)
 閉じた恋の目尻から、涙が流れ落ちていく。
「おっと、もうフィルムがなくなっちまった。しょうがない・・・後は、森下選手の体を堪能させて貰おうか」
 レフェリーの舌なめずりと共に、またも男達が恋の体に群がってくる。
「いやっ、もういやっ・・・いやぁぁぁっ・・・!」
 恋の悪夢は、まだ終わらなかった。


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