【第三十三話 笹塚水華:ボクシング】

 犠牲者の名は「笹塚水華(みか)」。23歳。身長158cm、B85(Dカップ)・W58・H87。今年から小学校で教鞭をとることとなった新人教師。肩までの長さの黒髪と優しげな眼差しを持つ。楚々とした風貌ながら明るい性格で、子供たちだけでなく両親(特に父親)にも人気が高い。スーツ姿に隠された肢体は魅力的で、形の良いバストも然ることながら股下81cmという美脚の持ち主。
 彼女の受け持つクラスの保護者に<地下闘艶場>の顧客がいたことが、彼女の運命を狂わせた。


 ある日突然、水華の元に差出人不明の封筒が届いた。中には隠し撮りされた水華の風呂上りの半裸写真があり、<地下闘艶場>に参加しなければこの写真を彼女の通う小学校に張り出すという脅迫状が同封されていた。水華に拒める筈もなく、怒りと得体の知れない相手への恐怖に身を震わせながら参加を受け入れた。


「なに、この卑猥な衣装・・・」
 水華に用意された衣装は、上はミニTシャツ、下はミニのタイトスカートだった。
 Tシャツのサイズは小さめで体にピタリと張りついて形の良いバストを包み、ブラの形を浮かび上がらせる。形のいいおへそと括れたウエストが露わになっており、しかもミニスカートには両側に深いスリットが入れられ、殆ど用を成していない。そのため彼女の滑らかな太ももが惜しげもなく晒され、殆ど日に当たらない白い脚線美が目を打つ。
「なんで、なんでこんなことになったの・・・」
 控え室で一人呟く水華だったが、答えてくれる者はいなかった。

 水華が入場口から姿を現すと、観客の興奮した熱気が卑猥な声援とともに押し寄せて来る。ともすれば震えそうになる体を叱咤し、水華はリングへと向かった。

 リングで彼女を待っていたのは、レフェリーらしき男と口元に厭らしい笑みを浮かべた男だった。男は蜘蛛が描かれたマスクを被り、両腕が異様に長い。
「え・・・対戦相手って、男性なんですか?」
 レフェリーと男の向けてくる視線に体を庇いながら、水華が尋ねる。
「そうだが、何か問題があるか?」
「だって、こんなの勝負になるわけが・・・!」
「笹塚先生が勝ったら、ファイトマネーと一緒に写真とネガを渡す」
 レフェリーの一言に、水華の抗議が止まる。
「ほんとに・・・ほんとに、勝てば写真とネガを渡してくれるんですね?」
「ああ、ちゃんと契約書にも書いてただろ? 契約は守るさ」
 レフェリーは頷くが、その口元には嘲るような笑みが張りついている。水華の胸に不安が沸いたが、相手を信じるしかなかった。

「赤コーナー、マスク・ド・タランチュラ!」
 マスク・ド・タランチュラの名前がコールされると、観客が一斉に沸く。<地下闘艶場>の実力派として数々の女性選手を嬲ってきたその経歴に、今日も期待を寄せているのだろう。
「こんな綺麗な教師なら毎日でも学校に通いたい! 青コーナー、『キューティ・ティーチャー』、笹塚水華先生!」
 水華の名前がコールされると、観客から様々な言葉が投げかけられる。まともな声援は一つも無く、全てが耳を覆いたくなるような言葉だった。水華は顔を青ざめさせながらも、逃げ出そうとはせずにリングに踏みとどまった。

「ボディチェックだ、笹塚先生」
 レフェリーは水華の前に立つと、バストと太ももを粘るような視線で眺め回す。
「で、でも、貴方男性じゃないですか。セクハラです」
 水華の弱気な抗議に、レフェリーはため息をつく。
「こっちは仕事でやってるのにな。まあボディチェックを受けなくてもいいけどな、その場合は反則負けだ。無条件で学校に写真を張り出すが、それでいいか?」
 明らかな脅しに、水華の表情が強張る。レフェリーはにやにやと笑うだけで、それ以上話そうとはしない。
「・・・わかりました、ボディチェックをしてください」
 水華は諦め、体を庇っていた両手を下ろす。
「さすがは先生、物分りがいいな。ただし、ボディチェック中は動くなよ」
 そう言うとレフェリーはしゃがみ込み、リングシューズを軽く触った後太ももに移る。
「しかし長い脚だな・・・感触も堪らねぇ・・・」
 欲望剥き出しにレフェリーの手が太ももを撫で回す。水華は口を結び、不快感を耐える。レフェリーの手はそのまま上へと上がり、スカートの上からヒップを撫でる。
「・・・くぅっ」
「笹塚先生、結構可愛いパンツ履いてるんだな。でも似合ってるよ」
 レフェリーは下から水華の下着を覗き込みながらヒップを撫で続ける。
「ま、まだ終わらないんですか?」
 水華の言葉に、レフェリーが立ち上がる。これで終わったとほっとした水華だったが、レフェリーは水華の後ろに回り、バストを鷲掴みにする。
「レフェリー、そこは!」
「動くな、と言っただろ。それとも、反則負けになるか?」
 レフェリーは手を緩めたり、また掴んだりしてバストの感触を楽しむ。水華の艶やかな髪に顔を埋めるようにして匂いを嗅ぎ、耳元で囁く。
「笹塚先生、厭らしい体つきだなぁ。この身体で校長や男の先生、保護者の視線を独り占めしてるんだろ?」
「そ、そんなことありません!」
「そうなのか? 折角だから、胸の谷間が見えるような服を着て、ミニスカートで授業したらどうだ? 大人にも子供にも大人気になるし、教え子への性教育にもなるだろうに」
 馬鹿にしたように言いながら、レフェリーはバストを揉み続ける。
「ひどい・・・ひどいです・・・」
 水華は拳を握り、手を上げそうになる衝動に耐える。ふと気配を感じて顔を上げると、マスク・ド・タランチュラが目の前に立っている。
「っ!」
 思わず息を呑む。にやりと笑ったマスク・ド・タランチュラは水華の太ももを撫でてくる。
「レフェリー、この人・・・!」
「まだボディチェックは終わってないぞ。動くなよ」
 レフェリーも気づいている筈なのに、マスク・ド・タランチュラに注意を与えるでもなく水華のバストを揉んでいる。
「ほんとに長い脚だなぁ。でも、俺はこっちも好きなんだよ」
 マスク・ド・タランチュラは左手で太ももを撫で回しながら、右手で水華のバストを掴む。男二人からバストと太ももを弄られ、水華の顔が羞恥に赤らむ。
 暫くそうやって嬲られた後、レフェリーはマスク・ド・タランチュラを水華から離させ、試合開始の合図を出す。

<カーン!>

 ゴングが鳴り、マスク・ド・タランチュラが一歩踏み出すと水華はびくりと肩を竦ませ、二歩後ろへ下がる。
(練習通り、練習通りすればいいんだから)
 必死に闘志を掻き立てて前に出ようとするが、恐怖が体を縛る。水華はボクシングジムに通っているが、あくまでボクササイズの延長にしか過ぎない。ミットやサンドバックを叩いたことはあるが、スパーリングは一度も行ったことがない。それでも覚悟を決め、前に出ようとした瞬間、マスク・ド・タランチュラからスカートの前をめくられる。
「きゃぁっ!」
 可愛い悲鳴をあげ、慌てて前を押さえる。すると今度はスカートの後ろをめくられる。水華の下着が見えるたび、観客から下卑た笑いが起こる。
「スカートめくりなんて小学校以来だな。今やっても結構楽しいもんだ」
「こ、こんなことして楽しいんですか!」
 思わず叫んでいた。しかしマスク・ド・タランチュラはけろりとしている。
「美人のお姉ちゃんと戯れる、これ以上楽しい遊びがあるかよ」
(遊び・・・)
 必死になってリングに立っている自分が遊びの対象だと言う。それにショックを受けて動きが止まる。その隙にまたもスカートをめくられ、それならとスカートの前後を押さえると、無防備なバストを触られた。
「やだっ!」
 慌てて胸を隠すと、またもスカートをめくられる。胸とスカートの前を隠すと、スカートの後ろをめくられる。胸とスカートの後ろを押さえるとスカートの前をめくられる。先程の言葉通り、水華はマスク・ド・タランチュラに遊ばれていた。
「餓鬼っぽいパンツなのに、おっぱいはちゃんと大人のおっぱいだな。水華先生、まだ遊ぶかい?」
「もう遊ばないでください!」
 水華が叫ぶと、マスク・ド・タランチュラの纏う雰囲気が変わる。今までへらへらと緩んでいた顔が、唇の笑みを残して格闘家のものになる。その視線に、水華は先程の発言を少し後悔する。遊びの延長なら、恥ずかしいだけで済んだのではないか。そんな小さな予感が水華の胸に過ぎる。
(でも、行かないと、闘って勝たないと、恥ずかしい写真を皆に、子供たちにも見られちゃう!)
 覚悟を決めた水華は思い切り踏み込んでワンツーを放つが、マスク・ド・タランチュラの鍛えられた腹筋に跳ね返される。
「水華先生、なにかしたかい?」
 マスク・ド・タランチュラはにやにやと笑うだけでふらつきもしない。
「えいっ! やぁっ!」
 掛け声だけは勇ましく水華は連打を放つが、腹部を打たれるマスク・ド・タランチュラは余裕の表情だった。
「そろそろ俺のターンだぜぇ」
 マスク・ド・タランチュラは長い両手を広げ、水華を胸の中に抱え込む。両腕は水華の細いウエストを一周し、水華のバストを掴んでいる。
「あぅぅっ!」
 胴を締められる苦しさとバストを弄られる気持ち悪さが水華を襲う。両手でマスク・ド・タランチュラの胸板をぽかぽかと叩いてみるが、捕らわれた小鳥の足掻きにしか過ぎない。
「水華先生、そんなに優しく叩いても俺には効かないぜ。それとも、もっとおっぱい揉んで欲しいっていう催促かい?」
「そんなわけないでしょう! 放して、放してください!」
 なんとか逃れようとマスク・ド・タランチュラの胸板を叩いたり押したりするが、びくともしない。もがく水華の後ろにレフェリーが立ち、水華のヒップを撫でる。
「ひっ!」
「笹塚先生、ギブアップか? ギブアップした場合は、もれなく写真貼り出しの罰ゲームだけどな」
 レフェリーは暗にギブアップは認めないと匂わせながら、それでもヒップを撫でながらギブアップの確認をしてくる。
「う、うぅっ・・・」
 本音ではギブアップしたいが、写真のことを考えるとギブアップはできない。バストとヒップへの責めを耐えていると、レフェリーはスカートを捲って下着の上からヒップを撫で回してくる。
「いやっ、やめてください!」
「へぇ、先生ヒップが弱いのか? おっぱいの感度は良くないのかなぁ」
「お尻の感触もたまらんなぁ。このままずっと触ってたいくらいだ」
 責められ続ける水華だったが、何を思ったか両手をマスク・ド・タランチュラの顔に伸ばす。
「ん? なんだ?」
 訝るマスク・ド・タランチュラのほっぺを掴み、力一杯捻ってやる。
「ふがーっ!」
 この馬鹿馬鹿しい攻撃に、マスク・ド・タランチュラほどの男がベアハッグを解いてしまう。
「おい、なにやってんだお前」
 呆れるレフェリーに、ほっぺたを擦りながらマスク・ド・タランチュラがぼやく。
「いってー・・・ほっぺたでも思い切り抓られると結構くるなぁ」
 やれやれと首を振る姿に、緊張した部分はまるでない。
「まあいいや、次はなにをしようかなぁ」
 悪戯っ子のようなその物言いが、逆に恐ろしい。水華の前に出ようという気持ちが一気に冷める。
「あれ? 水華先生、来ないのかい? 勝たなきゃ写真を皆に見られちゃうんだろ?」
 マスク・ド・タランチュラの嘲るような物言いにも、足が震えて前に出られない。
「来ないのならそれでもいいぜ。こっちが行くだけだからなぁ」
「ひっ!」
 思わず背を向けてしまった水華だったが逃げられるわけもなく、後ろから抱きつかれ、バストを揉みしだかれる。
「や、やめて!」
「この感触はやめられないなぁ水華先生。まぁでもそう言うなら・・・」
 マスク・ド・タランチュラはバストを揉みながらゆっくりと水華を持ち上げ、ゆっくりと後ろに倒れていく。
「やっ、やっ、やぁぁっ!」
 平衡感覚が裏返ったような気持ち悪さに水華が悲鳴をあげる。ゆっくりだとは言え、後頭部をリングにぶつけられ、動きが止まる。
「さて、次はこれだ!」
 マスク・ド・タランチュラは一度水華から離れ、頭側に回り込む。そのまましゃがみ、水華の手を自分の脚の間に挟む。
「え、な、なにを・・・」
 両手をマスク・ド・タランチュラの太ももとふくらはぎに挟まれ、水華は動きを封じられた。水華の不安げな表情を見下ろしてにやりと笑うと、マスク・ド・タランチュラは長い両腕を伸ばし、水華の足首を掴む。
「さーて、ご開帳といきますか!」
 マスク・ド・タランチュラの宣言に、会場が沸く。マスク・ド・タランチュラは掴んだ水華の足首を少しずつ広げていく。
「いやだ、やめてください!」
 水華は両膝を閉じ、抵抗を試みる。しかしマスク・ド・タランチュラの力には敵わず、じりじりと足を開かれていく。徐々に露わになっていく水華の下着に、観客も息を呑んでその瞬間を待つ。
「そぉら、水華先生の大開脚だ!」
 最後は一気に開き、完全に開脚させる。水華の長い脚はピンと張られ、その脚線美と可愛らしい下着が惜しげもなく晒された。
「いやぁぁぁっ!」
 悲鳴を上げながら暴れる水華だったが、動かせるのは頭だけだった。
「この格好で見ると、尚更脚の長さがわかるなぁ笹塚先生」
 レフェリーは水華のふくらはぎを撫でながら、水華の下着に守られた股間をじっと見つめる。
「ああっ、いやぁっ! 見ないで、見ないでください!」
 レフェリーの手の感触と視線におぞましさを感じ、水華はそれから逃れようと暴れるが、マスク・ド・タランチュラに押さえつけられた身体はまるで動かない。レフェリーの手はふくらはぎから太ももへと移り、肌の滑らかさを楽しむように撫で回す。
「太ももの感触がまた堪らんなぁ。見て良し、触って良し、一級品の脚だぜ」
「ううっ・・・」
 なんとか不快感を堪える水華だったが、レフェリーの手が更に動き出すと顔色が変わる。
「まさか、そんな・・・」
「そのまさかだよ、笹塚先生。先生の大事なところをたっぷり弄ってやるからな!」
 レフェリーの手が水華の股間へと辿り着き、下着の上から秘部を撫で回す。
「ぁぁぁ・・・」
 衝撃の余り、水華は声も無かった。秘部を初めて男に触れられたことは精神的なショックが大きく、喪心状態となってしまう。レフェリーはここぞとばかりに秘部を弄りまくるが、それを見ていたマスク・ド・タランチュラの顔が険しくなる。
「おいレフェリー、自分だけ楽しんでんじゃねぇ! ちょっと右脚もってろ!」
「わかったわかった、そう怒るな」
 レフェリーは水華の右の太ももを抱えたまま秘部を弄り続ける。マスク・ド・タランチュラは自由になった右手で水華のバストを揉む。
「や、やめて、やめてください!」
 漸く声が出たが、男達は笑うばかりでセクハラをやめる気配はない。
「さて、今度は俺がこっちだ」
「仕方ないな、俺はおっぱいを揉むか」
 責めるところを入れ替え、マスク・ド・タランチュラとレフェリーは水華の身体を貪るように弄る。
「いやっ、いやぁっ!」
 拒絶する水華には構わず、好き勝手に嬲る。
「やめてぇ・・・!」
 リングに、水華の悲鳴が虚しく響いた。

 どれだけ嬲られただろうか、目に涙を湛え、それでも耐える水華にチャンスが訪れた。
(あ、足に隙間ができてる・・・)
 マスク・ド・タランチュラが水華の体に夢中になったせいか、水華の両手を挟んでいた太ももとふくらはぎの間に隙間ができていた。
(今なら、逃げられかも!)
 タイミングを計って腕を抜き、レフェリーを突き飛ばして前に倒れ込む。
「おっと、そんな簡単には逃さないぜ」
 マスク・ド・タランチュラは後ろから水華の両手首を掴み、両脚をフックしたままリングを転がり、ロメロスペシャルに捕らえる。
「あぐぅぅぅっ!」
 高く掲げられた水華の四肢に痛みが走り、水華は苦鳴を洩らす。
「水華先生、痛いかい? でも、痛いだけじゃないんだなぁ」
 マスク・ド・タランチュラの両脚が動き、水華の両脚を広げる。
「!」
 水華は自分が取らされた恥ずかしい姿勢に気づき、痛みと羞恥に顔を赤らめる。
「やめて、降ろしてください! こんな格好いやぁ!」
「まだまだ、こんなもんじゃないぜぇ」
 マスク・ド・タランチュラの両手が水華の手首から放れ、水華のバストへと伸びる。
「やだっ、こんな・・・あぅっ、こんなこと、しないでくださいぃっ!」
 バストを揉まれ、脚を大きく開かれ、余りの羞恥に半泣きになる。しかし、尚も追い討ちが待っていた。
「笹塚先生、レフェリーを突き飛ばすのは酷いなぁ。ちょっとお仕置きを受けてもらおうか。学校でも、悪いことをした子は罰を受けるだろ?」
 レフェリーはにやにやしながら、またも水華の秘部に手を伸ばす。
「そんな、あぁっ! それとこれとは違います!」
 当然の抗議も、男達には通じなかった。バストと秘部は男達の厭らしい動きで汚され、その姿を観客から視姦される。幾らもがいても拘束から逃れることはできず、逆に男達の興奮を誘う結果となってしまう。
「水華先生、脚だけじゃなくておっぱいもいい仕事してますね〜」
 マスク・ド・タランチュラは自分の手を掴んで抵抗する水華など気にも留めず、バストを捏ね回す。
「こっちもパンティ越しとは言え、柔らかさが堪らんぞ」
 レフェリーは下着の上から秘部を撫で回し、淫核の辺りを刺激する。水華にとって、男二人から受ける責めは大きな精神的苦痛だった。
「もう、やめてください・・・お願いします!」
 水華の涙声の哀願に、レフェリーが暫し考え込む。
「うーん・・・それじゃあ、今ならギブアップしても写真を貼り出すのはやめてやるよ」
「ほ、ほんとですか?」
「ああ、ただし写真とネガは返せないけどな」
「そんな・・・あぅぅっ!」
 写真とネガが返されなければ、いつそれが他人の目に触れるか、またどんな理不尽な要求を突きつけられるかわからない。
「う、うぅっ・・・」
 同時にバストと秘部を責められる刺激に、必死に耐える。そんな水華を嘲笑うかのように、マスク・ド・タランチュラの手がTシャツの裾に伸びる。
「まさか、そんな・・・」
「そのまさかなんだなぁ。ほーら、水華先生のブラジャー大公開だ!」
 マスク・ド・タランチュラの手が、Tシャツを一気に引っ張り上げる。
「いやぁぁぁっ!」
 パンティと同じように、子供っぽいブラが露わにされる。マスク・ド・タランチュラはブラに包まれた水華のバストを両手で鷲掴みにし、揉み込むように刺激する。その間にもレフェリーは秘部に粘つくような愛撫を与えている。
「やめて、もう、やめてください・・・」
 首を振る水華だったが、その声も弱い。しかし、マスク・ド・タランチュラの指がブラの中に潜り込むと、その目を大きく広げる。
「きゃぁぁぁぁぁぁっ!」
「なんだ? 水華先生、そんなに喜んでくれたのか?」
「そうか、なら俺も喜んで貰おうか」
 今まで下着の上から秘部を弄っていたレフェリーも、下着の中に直接手を突っ込む。
「ひぃっ!」
 息を飲んで硬直する。しかしそれも一瞬だった。
「ギ、ギブアップします! もう、許してぇ・・・!」

<カンカンカン!>

 水華のギブアップの宣言に、終了のゴングが鳴らされる。ロメロスペシャルから解放された水華は、身体を庇って泣き崩れた。
「残念だったなぁ、先生。写真を返して欲しけりゃ、またおいで」
 レフェリーは最後に水華のヒップを撫でると、マスク・ド・タランチュラと笑いながらリングを去った。残された水華の脳裏に、なぜか教え子たちの顔が浮かんだ。その顔は、水華を冷たく見下ろしていた。


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