【第九十六話 比良木寿絵梨:ボクシング+柔道】
犠牲者の名は「比良木(ひらき)寿絵梨(じゅえり)」。17歳。身長159cm、B83(Cカップ)・W58・H85。細眉とラメ入りのルージュ、それに両耳のダイヤモンドピアスがトレードマーク。ライトブラウンに染めたボリュームのある髪に緩いウェーブを当てており、大きくも目尻が上がった眼は独特の魅力で男性を惹きつける。既に化粧を覚えているものの、化粧を落としても学校のクラスで一二を争う可愛さを誇る。
今時の女子高生だが、極端に口が悪い。もし寿絵梨に痴漢でもしようものなら、反撃を食らうどころでは終わらず、鉄道警察に突き出されるまで延々と口撃され、肉体的にも精神的にも滅多打ちにされてしまう。
数多の加害者たちから逆恨みを買い、寿絵梨は<地下闘艶場>へと堕とされた。
「ちょっとちょっとちょっと! なにこれ、どういう意味? わけわかんないんですけど!」
目の前の銀髪の女性黒服に、寿絵梨が噛み付く。
「お前が今日着る衣装だ。さっきも言っただろう? それとももう耳が遠くなったか?」
「ババァじゃねっての! 聞こえたけど、意味がわかんないっつーの!」
「それを着て闘うのがお前の今日の仕事だ。それとも、この写真をお前の彼氏に見せたほうがいいか?」
女性黒服の手には複数枚の写真があった。
「あっ、それ・・・」
それこそが、寿絵梨を<地下闘艶場>へと堕とした原因だった。写真の中の寿絵梨は満員電車の中、中年男から痴漢を受けていた。それだけなら被害者としてなんら恥じることはないが、その表情が問題だった。十人中八人までが、それを官能の表情だと判断するだろう。
「痴漢されながら感じるなんて、恥女もいいところだな」
「か、感じてなんかないって! これは、その・・・」
上手い反論も思いつかず、寿絵梨は唇を噛んで黙り込んだ。
「それで? 結局どうするんだ?」
わざとらしく写真を振って見せる女性黒服を睨んだ寿絵梨は、乱暴に衣装を手に取った。
(ったく、あのオバサン、えっらそうにしてさ!)
ガウン姿で花道を進む寿絵梨は、先程の女性黒服に対してまだ腹を立てていた。そんな寿絵梨に、観客席から卑猥な野次が飛んでくる。
「うっさい変態オヤジ! こんなとこに居ないで、さっさと家に帰って○○○○こいてなよ!」
それを上回る下品な返答をした寿絵梨に、一瞬静まった観客席から激しいブーイングが起こる。しかし寿絵梨は一度鼻を鳴らしただけで、男性選手が待つリングへと上がった。
「赤コーナー、『執行人』、草橋恭三!」
寿絵梨の対戦相手は、いぶし銀と呼ぶのが相応しい草橋だった。
「青コーナー、『小悪魔JK』、比良木寿絵梨!」
自分の名前がコールされ、寿絵梨はぶすりとした表情のままガウンを脱いだ。その下にあったのは、寿絵梨が通う学校の制服に似た衣装だった。純白のワイシャツに首元には赤いリボン、学校指定のものよりまだ短いミニスカートは紺色で、同色のサスペンダーで吊っている。オープンフィンガーグローブとリングシューズを履いた寿絵梨に、欲望の叫びが浴びせられる。
「ったく、変態オヤジばっかりじゃん」
寿絵梨は口を尖らせ、手首と足首をほぐした。
草橋のボディチェックを終えたレフェリーが、寿絵梨へと歩み寄る。
「ボディチェックを・・・」
「キモっ! あんたみたいなオヤジが触るのはマジセクハラ!」
「誰がオヤジだ! 俺はまだ37だ!」
「オヤジじゃん! アタシの倍以上生きてるじゃん! オヤジじゃなきゃなに? オッサン? ジジイ?」
「ど、どっちでもない!」
「どっちにしてもウザっ! キモっ! マジやめて! マジ勘弁!」
「・・・そこまで言わなくても」
「うげっ、今度は泣き入ってるし! オヤジの泣き顔なんて誰が喜ぶんだっての!」
寿絵梨の口撃に本気で落ち込んだレフェリーはボディチェックも行わず、ゴングを要請した。
<カーン!>
「このムカツキ、あんたにぶつけるから!」
草橋を睨みつけた寿絵梨は、ジャブの二連打を草橋の顔面に叩きつける。怯んだ草橋との距離を詰め、背負い投げの体勢に入る。
「はわっ!」
しかし何故か背負い投げを途中で止め、草橋を突き飛ばす。
「ちょ、ちょっとレフェリー! 今この人、私の胸触ってきたんですけど!」
「だからなんだ? ほら、ファイト!」
寿絵梨の抗議にも取り合わず、レフェリーは試合を続けさせる。
「・・・あっそ。そういうことなら、こっちにも考えがあるから!」
レフェリーに鋭い視線を突き刺し、素早く草橋へと戻す。ボクシングのステップで草橋の周りを回りながら、徐々に距離を詰める。
(今っ!)
レフェリーが草橋の背後に来るような位置取りをした瞬間、寿絵梨は鋭い踏み込みで距離を詰めていた。
「フッ!」
軌道の低いアッパーが草橋を捉えたが、その一発で草橋が悶絶する。
巧みなポジション取りでレフェリーの死角を取った寿絵梨は、草橋に反則のローブローを叩き込んでいたのだ。
「せいっ!」
そのまま大外刈りで草橋の後頭部をリングに叩きつけ、失神させる。
「ほい押さえ込み、っと。レフェリー、カウント」
寿絵梨の手招きでの要請に、レフェリーは歯噛みしながらも腹這いになる。
「ワーン・・・ツーゥ・・・」
「んもー、遅すぎだっての! ほらほら、さっさと最後の一つを叩きなよ!」
レフェリーはちらりと草橋に目をやるが、失神したまま動きそうにない。
「くそっ、スリーッ!」
<カンカンカン!>
「あーもー最悪! 人の胸触ってくる? 思いっきりセクハラじゃん!」
立ち上がりながら胸の前を払った寿絵梨は、腹立たしげに草橋の頭を蹴る。
「おい! なにやってるんだ!」
「はぁあ? セクハラのお返しですけどなにか?」
胸の下で腕組みした寿絵梨が、反抗的な視線を浴びせてくる。一瞬その盛り上がった胸元に目を奪われたレフェリーだったが、緩んだ表情をなんとか仕事用へと戻す。
「試合が終わった選手を足蹴にするなど、冒涜も甚だしい。よって、罰としてもう一試合してもらう!」
「はぁぁぁっ!? わっけわかんない! するわけないじゃんそんなの!」
「うるさい! 試合をしないなら、写真をばら撒くぞ!」
切り札を握られていては、反論も断りもできない。
「・・・ずっりぃオヤジ。マジ最悪」
寿絵梨にできるのは、せいぜい悪態をつくくらいだった。
「やるのか? やらないのか?」
「やればいいんでしょやれば。は〜い、やりますやりま〜す!」
最後はやけくそで叫ぶ。レフェリーは何か言いたげだったが、結局は何も言わず、リング下の黒服に声を掛けた。
数分が経ち、花道に人影が現れる。その姿を見て、何故か観客席がざわめく。銀髪を煌かせ、首には漆黒のチョーカーを巻き、ダークスーツの上下を着こなした女性は余裕の笑みを浮かべ、リングへと上がった。
「赤コーナー、『銀豹』、ナスターシャ・ウォレンスキー!」
寿絵梨の新たな対戦相手は、「御前」の側近であるナスターシャだった。上着を脱いでリング下の黒服に渡し、襟を緩める。
「青コーナー、『小悪魔JK』、比良木寿絵梨!」
二度目のコールにも応えようとはせず、寿絵梨は不機嫌にキャンパスを蹴る。それを横目で見ながら、レフェリーがナスターシャに近寄る。
「頼むナスターシャ、あの小娘にきっついお仕置きをしてやってくれ」
「お前に頼まれる筋合いはないな」
哀願に近いレフェリーの頼みだったが、ナスターシャは冷たく返す。
「そ、そこをなんとか」
「さっきも言ったろう? お前に頼まれる筋合いはない。このまま盛り上がりもなく終わらせるわけにはいかないから、な」
ナスターシャの皮肉に、レフェリーの表情が明るくなる。
「わかったらゴングを鳴らせ」
「わかった! ゴング!」
<カーン!>
ゴングが鳴り、寿絵梨は不機嫌な表情のままナスターシャを睨む。
「オバサン、さっきの借り返してもらうから」
「これだから小娘は嫌だ。自分がそのオバサンの年齢になることもわからず、自分の頭の範囲でしか発言できない。特にお前のような脳味噌が軽い小娘は、な」
「誰の脳味噌が軽いって!?」
「お前しか居ないだろう? そんなこともわからないから脳味噌が軽い、と言うんだ」
口であっさりとやり込められ、寿絵梨は奥歯を噛み締める。
「もういい、ぶっ飛ばすから!」
「語彙が少ないと可哀相だな。まるで恐く感じないぞ。もう少し日本語を勉強することだ」
どう見ても外国人のナスターシャから日本語の勉強をしろと嘲られ、寿絵梨の頭に血が上る。
「・・・っざけんなっ!」
左ジャブの三連打から右ストレート。しかし、ナスターシャには掠りもしない。
「どうした? その程度か?」
更に追い討ちの挑発。寿絵梨の怒りが沸騰する。
「あああああっ!」
ボクシングの技術も頭から吹っ飛び、怒りに任せて両手を振り回す。
「どうした、まるで当たらないじゃないか。ほら、もうちょっと頑張れ」
対戦相手である筈のナスターシャから応援をされ、寿絵梨の表情が歪む。
(なんで、なんで、なんで! なんで当たらないのよっ!)
さっきは男をあっさりと叩きのめしたじゃないか。それなのに、目の前のムカつく女に一撃も与えられない。どれだけ手を伸ばそうと、拳を振ろうと、その服にすら触れられない。それでも寿絵梨は、何かに憑かれたかのように手を振り回す。
「やれやれ、まだ続ける気か」
振り回していた両手を掴まれ、何故かナスターシャの襟元を握らされる。
「お前、柔道もできるんだろう? ほら、投げてみせろ」
予想外の行動と嘲弄に、寿絵梨の中で何かが切れた。
「う・・・うわぁぁあぁっ!」
無理やり投げの体勢に入ったため、ナスターシャのブラウスのボタンが幾つか飛ぶ。体を回しながら背中をぶつけるようにして背負い投げに入る。
(浮いた!)
背中にナスターシャの体重を感じる。
「だぁぁぁっ!」
気合い諸共ナスターシャをリングに叩きつける。否、叩きつけた筈だった。
「この程度、か?」
ナスターシャは何事もなかったかのように寿絵梨の目の前に立っていた。ボタンが飛んだために胸元が開き、ラベンダー色のブラが覗いている。
「うそだよ・・・だって、今、投げたのに・・・」
ナスターシャの体を投げた感触はまだ残っている。その感触は、目の前に立っている姿と一致しない。呆然と立ち尽くす寿絵梨は、意味もなく首を振る。
「もう心が折れたか。他愛もない」
その声がまだ耳に残っている間にリングに叩きつけられていた。
「あ・・・んぐぅ・・・」
いつ投げられたのかもわからない。背中を押さえて痛みに耐えるしかできない。
「柔道をしている人間が、一発の投げで寝るな」
しかし髪を掴まれ、無理やり立たされる。
「そら」
またも痛みで投げられたことを教えられる。
「痛い・・・苦しいよぉ、息が・・・ううっ」
内臓に与えられた衝撃が、呼吸を上手くさせてくれない。
「お、ようやくボディチェックができそうだな」
呻く寿絵梨を見下ろし、レフェリーが圧し掛かろうとする。
「待て、何をしようとしている」
しかし、ナスターシャがその襟首を掴む。
「何って、ボディチェックだよ」
「お前の欲望を満たしたいだけだろう」
「待て待て、観客の皆さんもボディチェックを望んでるんだよ。ほれ、観客席を見てみろよ」
見なくてもナスターシャにはわかっていた。それでもレフェリーを止めたのは、ただの嫌がらせだ。
「な、いいだろナスターシャ」
「ふぅ・・・ま、今回は許してやろう」
拝むように手を合わせたレフェリーの襟首を離した途端、レフェリーは寿絵梨に馬乗りになり、バストを揉み始めた。
(このオヤジ! 人が動けないってのに!)
動けないからこそレフェリーはセクハラをしているのだが、寿絵梨にとっては屈辱でしかない。それでもまだ体は上手く動かず、レフェリーの手を振り払う力も出ない。
「<地下闘艶場>に出る高校生は、どいつもこいつも厭らしい身体しやがって。まったく、けしからんな」
勝手な理屈を言いながら、レフェリーは寿絵梨のバストを乱暴に揉みくちゃにする。
(痛い痛い! このオヤジ、変態でヘタクソ!)
胸から与えられるのは痛みと不快感だけだ。それが徐々に怒りへと転じ、痛みを追いやっていく。
「さて、ブラを拝見するか」
レフェリーはワイシャツの胸元に手を掛けると、ボタンが飛ぶほど乱暴に左右に開く。
「こらぁっ! なにすんのっ!」
寿絵梨は反射的にレフェリーの両手首を掴み、巴投げで投げ飛ばしていた。
「ぬおお・・・いてて」
腰を押さえて呻くレフェリーを見下ろすナスターシャだったが、その視線は冷たかった。
「全く、お前という奴は。情けなさ過ぎるぞ」
「す、すまん。返す言葉もない」
「もう一度だけチャンスをやろう。これで失敗しても後は知らないぞ」
ナスターシャの鋭い視線が寿絵梨を見据える。ようやく立ち上がった寿絵梨は、思わず身を固くしていた。
「こ、こっちこないでよ・・・いや、くるな、こないでぇぇぇっ!」
ブラを隠すこともせず、寿絵梨は後退する。ナスターシャに折られた心は、立ち向かうことを拒否していた。
「悪いが、こちらも仕事でね」
寿絵梨が下がった分、ナスターシャが前に出る。下がり続ける寿絵梨の背中に何かが当たる。
「それ以上は下がりようがないぞ。さて、どうする?」
リングの角にまで追い詰められた寿絵梨に、ナスターシャが笑みを浮かべる。普通の高校生活では絶対に見られないであろう肉食獣の笑みを。
「・・・ふっざけんなぁぁぁっ!」
ナスターシャの笑みが、寿絵梨の中の何かを壊した。鋭い出足で渾身の右ストレートを放つ。ナスターシャが驚きの表情を浮かべるのが、何故かスローモーションで見えた。
(この一発! 絶対ぶち当てる!)
足裏でキャンパスをしっかりと掴み、腰の回転で拳の速度を加速させる。
(食らえってのぉ!)
右拳がナスターシャを捉える。否、皮一枚だけ削って掠めていく。ナスターシャの笑みが、肉食獣のそれが、今度もはっきりと見えた。
(うそ! 絶対当たったと思った・・・)
「えぐぇっ!」
伸びきった右腕を掴まれ、一本背負いでリングに叩きつけられていた。
「まさか、傷をつけられるとはな。油断はしないように気をつけていた筈なのに、反省材料だな」
一筋の血線が浮いた左頬を撫でたナスターシャが、寿絵梨の腹部を踏みつけた。
「あぐぅぅっ!」
軽く足を乗せただけのように見えるのに、寿絵梨の腹腔内で爆発が起きたようだった。投げの痛みに力が入らない状態で踏みつけられたことで、倍する痛みに襲われたのだ。
「痛い! うげぇ、マジヤバイ、ヤジヤバイって! 足、のけ、てぇ・・・!」
「・・・ふん」
ナスターシャがようやく足を退ける。寿絵梨はお腹を押さえ、呻くことしかできなかった。
「さすがにもう動けないか」
ナスターシャは横たわった寿絵梨を軽々と立たせ、コーナーポストへ寄り掛からせる。そのまま寿絵梨の両手首をロープで戒め、足首も同様にする。
「ほら、変態レフェリー。後は好きにしろ」
「変態は余計だが、まあいい。後は任せて貰おうか」
唇を舌で濡らしたレフェリーは、寿絵梨のブラに包まれたバストを掴む。
「よくもまあ散々馬鹿にしてくれたな、ええ?」
そのままゆっくりと揉み込んでいく。
「レフェリーへの侮辱は重罪だぞ。世間知らずの女子高生には、身体にしっかりと教えてやる」
「・・・へ、変態レフェリー、のくせに」
寿絵梨は苦しみを堪え、レフェリーを睨む。
「ぼそぼそと喋っても聞こえないぞ」
ブラの上から乳首を引っ掻くように刺激し、レフェリーが薄ら笑いを浮かべる。この表情に寿絵梨の負けん気が頭をもたげる。
「変態レフェリーのくせに、触らないでよ!」
痛みも忘れて叫ぶ。
「うるさい奴だ。やっぱりお仕置きが必要だな」
厭な笑みを浮かべたレフェリーは、ブラの真ん中を掴むと勢い良く上にずらす。
「あ、ちょっ!」
寿絵梨が止める間もなく、形の良いCカップの乳房が現れる。しかし、ブラをしていたときのようなボリュームは感じられない。
「なんだ、寄せて上げてたのか。見栄を張るなよ」
「う、うるさいっての! クラスじゃ大きいほう・・・」
「<地下闘艶場>じゃあ小さいほうだな」
寿絵梨の見栄を途中で遮ったレフェリーは、改めて寿絵梨の乳房を揉み始める。
「なんだ、結構柔らかめだな。見た目どおり、やっぱり遊んでるおっぱいだな」
「別に、そんなんじゃ・・・っていうか、触らないでよ!」
寿絵梨は身を捩るが、レフェリーの手の中で乳房を揺らすだけだ。
「なんだかんだ言いながら、乳首が硬くなってきたじゃないか」
レフェリーの指摘どおり、寿絵梨の乳首は硬度を増し、徐々に立ち上がっていく。
「嫌だ嫌だと言いながら、乳首を硬くしやがって。どっちが変態だ?」
レフェリーは寿絵梨の乳首を摘み、わざとらしく引っ張って見せる。
「そ、それは・・・これだけ弄られたら硬くなるに決まってるでしょ!」
「変態オヤジに触られて、か? 誰に触られても乳首硬くする変態女子高生だな」
「ち、違うって!」
どんなに言葉で否定しようとも、硬くなった乳首は誤魔化せない。
「おっぱいだけでこれだけ喜んでくれるんだ、こっちはどうだ?」
レフェリーが無造作に秘部を弄る。
「あっ、ちょっ! どこ触ってんの!」
「どこだって? お前の大事なところだよ、わかってるだろ?」
下着の上からとはいえ、レフェリーは好き勝手に秘部を弄り回してくる。
「こっちでも気持ちよくなれるんだろ?」
「あ、あんたみたいな変態に触られて、そんなわけない!」
「そうか、それじゃ試してみるか」
寿絵梨の強がりをあっさりと受け流し、レフェリーは秘部を丹念に刺激する。
(ぜ、絶対感じる筈ないって!)
そう念じる寿絵梨だったが、今まで蓄積された快感は寿絵梨の想像を超えていた。レフェリーの指の動きに反応し、秘部が潤んできたのだ。
(う、嘘!)
信じられない寿絵梨だったが、レフェリーにもそのことを気づかれてしまう。
「お、濡れてきたか?」
「ぬ、濡れてなんかないし!」
「本当か? それじゃ、直接確かめてみるか」
レフェリーは制服風のミニスカートを捲り、股間を覗き込む。
「なんだ、やっぱり濡れてるじゃないか。実はお前、人前で触られるのが気持ちいいんだろ?」
「ん、んなバカなこと・・・んぁぁっ!」
否定しようとした口は、秘部への刺激で喘ぎ声を零す。
「ほれみろ、気持ち良さそうな声出しやがって。ええ?」
レフェリーは寿絵梨の秘部に振動を送り込みながら、厭らしい笑みを浮かべる。
「違う! 違うし!」
必死に否定しても、秘部の潤みはどんどんと増していく。
「何が違うだ、ほれ、ほれぇ!」
レフェリーが激しく指を動かすたび、水音すら立ってしまう。
「聞こえてるだろ? ええ? この音はなんだ?」
「違うから! 違うからぁ!」
否定の言葉が空しく響く。
「だから、何が違うのか言ってみろよ!」
「ひぎぐう!」
下着の上からとはいえ、レフェリーは秘裂だけでなく、淫核にまで指を伸ばし、振動を送り込んでくる。
「あ、はっ! はぎぃぅ!」
無理やりに与えられる刺激に頭の中がぐちゃぐちゃで、もう何が何やらわからない。
「もう無理! 無理だから! 無理だからぁ!」
それでも言葉を発せずにはいられない。
「そうだなぁ。触られるのが気持ちいい変態女子高生だって認めれば、止めてやらないこともないぞ」
レフェリーの提案、否、嘲りだったが、今の寿絵梨にはそれにすがるしかなかった。
「認める! 認めるからストップストップぅ!」
「ちゃんと自分の言葉で言うんだよ。人の言葉尻に乗るな!」
怒声と共に高い音が鳴るほど内腿を叩かれ、寿絵梨は大きく叫んだ。
「わ、私は触られるのが気持ちいいの! 変態女子高生だから!」
無理やり言わされたとは言え、寿絵梨の口から自らを「変態」だと認める言葉が発せられると、観客席が大きくざわめく。
「も、もういいでしょ? ちゃんと言ったじゃない」
恥ずかしさに顔を赤くした寿絵梨を見下ろし、レフェリーが小悪党の笑みを浮かべる。
「何がもういいんだ? ええ?」
その左手が、下着の上から寿絵梨の秘裂をなぞる。
「待って! 約束が違う!」
「何言ってやがる。変態女子高生のお望みどおり、嫌って言っても触ってやるよ!」
そう言うや否や、レフェリーは直接下着の中に手を突っ込んだ。
「な、なにしてんのよっ! 直接なんて・・・ひああっ!」
「直接のほうが気持ちいいだろ? ええ?」
心ならずも喘いでしまい、レフェリーから言葉でも責められる。秘裂を弄られるたびに愛液が生み出され、淫核を責められると喘ぎ声が零れてしまう。
(嫌だ、こんな変態オヤジに弄られて! か、感じちゃうなんて・・・っ!)
必死に否定する寿絵梨だったが、快感を知る身体はどんどんと頂へと向かってしまう。
「随分気持ち良さそうじゃないか」
レフェリーの嫌味にも首を振ることしかできない。
「どうだ? 自分が馬鹿にした男からイカされる気分は?」
(イ、イカない、絶対イッたりなんかしない! こんなオヤジに・・・っ!)
寿絵梨の心とは裏腹に、身体はどんどんと昇り詰めていく。
「お、どんどん濡れてきてるな。後から後から溢れてきてるぞ」
レフェリーの指が下着の中で激しく動く。しかし水音も激しさを増し、寿絵梨の頬も赤みを増していく。
(ウソ・・・イク、イッちゃううううっ!)
唇を痛いほどに噛んで声だけは堪えたが、腰は何度も跳ね、秘裂から愛液が迸る。
「おーおー、たっぷり濡らしたもんだ。ほれ」
レフェリーは下着から抜いた手を寿絵梨に見せただけでなく、寿絵梨の愛液を頬に塗りたくる。
「ほれ、お前が汚したんだから、お前が綺麗にしろ」
それだけでは終わらず、愛液に塗れた指を寿絵梨の口に突っ込んでくる。
「ぶっ、えぶぅっ、うげぇ・・・!」
吐き気を堪える寿絵梨にもお構いなしに、レフェリーは指を前後させる。普通の状態の寿絵梨ならば噛みついてでも止めさせただろうが、今は噛みつく気力すらない。
ようやくレフェリーの指が口から抜かれる。愛液に塗れていたレフェリーの指に、今度は唾液が纏わりつく。
「綺麗にしたつもりが唾だらけだぜ」
舌打ちしたレフェリーは、唾液を乳房に厭らしく塗り込める。
「テカテカになっておっぱいも厭らしさを増したな。本人が厭らしいとおっぱいまで厭らしいぜ」
自分がそうしたというのに、レフェリーは寿絵梨を嘲笑う。
「なんとか言えよ、おい」
「はふぅっ!」
尖った乳首を強く摘まれ、顎を上げる。
「なんだ、物足りないってことか? そいつは悪かったな」
そのまま乳首をいたぶられ、再び秘裂を直接弄られる。
(やっ、やぁぁ! やなのに、やなのにぃ!)
乳首は更に硬さを増し、秘裂からは蜜が溢れる。一度達した身体は、大嫌いな筈のレフェリーから与えられる刺激によって高まっていってしまう。
「も、もう・・・勘弁して、よぉ」
苦しい息の下から、ようやく声を絞り出す。しかし。
「おいおい、そうやって誘ってくるテクニックか。まったく、とんでもない女子高生だな」
レフェリーは尚も寿絵梨を責めてくる。乳房を揉み回し、乳首を扱き、ヒップを揉みしだき、秘部を弄くる。
「あああっ! 違うぅ! そうじゃ・・・ひいぃっ、そうじゃないってばぁ!」
どんなに寿絵梨が言い募ろうとも、レフェリーは責めをやめるどころか加速させる。
「お前の『違う』はしてくれってことだろ? ちゃんとわかってるって」
「あひいいいぃっ!」
一度絶頂に達した身体が、またも絶頂目指して昇っていく。
(もうダメ、これ以上されちゃったら・・・!)
恐怖がプライドを上回った。一度きつく唇を噛んでから、寿絵梨は震える声で許しを請う。
「・・・ごめん、なさい」
「やっと素直になれたじゃないか。そら、ご褒美だ!」
レフェリーの指が、秘裂の中で素早く往復する。
「いやぁぁあっっ! もういや、もうだめ! やめてぇぇぇっ!」
その叫びを契機としたように、目の奥で火花がスパークしていく。
(ま、また・・・イッちゃううううっ!)
「ふわあーーーーーっ!」
絶叫と共に派手に潮を噴いた寿絵梨の首ががくりと折れる。
<カンカンカン!>
これ以上は危険だとの判断なのか、レフェリーの合図もなしにゴングが鳴らされた。
「なんだよ、まだまだこれからだってのに」
不満気なレフェリーだったが、それでも寿絵梨のパンティから手を抜く。
「もう二度と男を馬鹿にしないことだな」
容易く二度目の絶頂を迎えた寿絵梨の頬を叩き、レフェリーはリングを後にした。
一人リングに残された寿絵梨は、四方からの視線に犯され続けていた。