【第九十七話 原塚和泉:剣道 其の二】

 犠牲者の名は「原塚(はらつか)和泉(いずみ)」。18歳。身長162cm、B86(Eカップ)・W58・H82。腰まで届く艶やかな黒髪を前髪だけ残し、後ろで束ねている。長い睫毛を持つ切れ長な目は凛とした光を放ち、口元は常に強く結ばれている。その勝気な美貌は異性よりも同性に人気が高い。
 宇賀原(うがはら)夏花(なつか)が通う剣道道場の先輩。県内屈指の実力の持ち主で、全国大会高校生の部でベストエイトに残ったほど。
 夏花の仇を討とうと上がった<地下闘艶場>で、湖童(こどう)陣(じん)に完膚なきまでに叩きのめされた。修練を積んだ和泉は、再度陣との対戦を望み、自ら恥辱のリングへと舞い戻った。


「ま、またこのような衣装を・・・」
 控え室で渡された衣装に、和泉が怒りの表情を浮かべる。
「それを着て試合に出て頂くのも条件の一つです」
 黒髪の女性黒服は、柔らかくもどこか冷たい笑みを浮かべる。
「わかっています・・・でも、文句の一つも言いたくなるじゃないですか」
「そうですか。では、そろそろ試合も始まります。手早くお着替えください」
 女性黒服は前回同様和泉の怒りに取り合おうとはせず、控え室から姿を消した。閉められたドアを暫く睨んでいた和泉だったが、最後には衣装を手に取り、諦めて着替え始めた。

 和泉が花道に姿を現した途端、否、姿を現す前から会場内はざわめいていた。しかし和泉がそれを知ることもなく、硬い表情で花道を進んでいく。
(え?)
 リングに待っていた対戦相手に、和泉は戸惑いを覚えた。予想していた男性選手ではなく、なんと女性だったのだ。
「何をしてるんだ、早く上がれ」
 レフェリーの催促に、和泉は再び<地下闘艶場>のリングへと足を踏み入れた。そのままレフェリーに抗議する。
「なぜ、この前の対戦相手じゃないんですか!」
「おいおい、あんだけぼろぼろにされといて、すぐさまリターンマッチが組まれるわけないだろ? 今日の試合に勝てば、考えて貰えるとさ」
 てっきり今日は湖童陣と闘えるものだと思い込んでいたが、<地下闘艶場>はそんなに甘くなかった。
「帰っても構わないが、それだと後輩の仇は永遠に討てないことになるな」
 そう言われては、和泉の性格から引き下がれなかった。
「湖童の奴と闘いたいなら、今日の試合にきっちり勝つんだな」
 それしか方法がないのなら、たとえ女性が相手でも勝利を挙げる。決意も新たに、和泉は大きく息を吸った。

 やがてリング下にマイクを持った黒服が姿を現す。
「赤コーナー、『ヴァーミリオン』、朱花紫檀!」

 ガウンを脱いだ和泉の対戦相手は、<地下闘艶場>初登場となる「朱花(あけばな)紫檀(したん)」だった。18歳。身長163cm、B85(Dカップ)・W61・H92。長い黒髪と切れ長の目が特徴的で、ボリュームのある前髪を纏め、残りは縛って後ろに垂らしている。何故かはわからないが、どこか男の嗜虐心をそそる雰囲気を発している。

 紫檀の衣装は男性用の着流しで、足元は足袋と草鞋。帯には十手を手挟んでいる。裾が割れるのが気になるのか、紫檀は何度も裾を直す。そんな仕草に観客席から野次が飛ぶ。
「青コーナー、『サムライソード』、原塚和泉!」
 自分の名前がコールされ、和泉は諦めてガウンを脱ぐ。その下から現れたのは、和風甲冑姿の和泉だった。とは言え、普通の甲冑ではない。材質は軽いビニール素材で、肩当、胸当て、前垂れしかない。とても実用的なものではなく、ファンタジー世界のサムライと言ったほうがぴったりくる。
 今回は二人とも女性選手で、しかも武器戦。試合がどう進むのかわからず、観客席はざわめいていた。

「それじゃ、まずは朱花選手からボディチェックを行う」
 レフェリーが紫檀の前に立つと、紫檀は唇を噛んで顔を背けた。
「おいおい、そんな態度でいいのか? ファイトマネー、絶対に必要なんだろ?」
 レフェリーの言葉に、紫檀は俯くように頷いた。
「なら、おとなしくボディチェックを受けることだな」
 紫檀の背後に回ったレフェリーは、着流しの襟元から右手を差し込む。
「下手に動くと失格になるからな、気をつけろよ」
 左手では臀部を揉みしだきながら、レフェリーは紫檀の耳元に囁く。
(ま、またあんな厭らしいことを!)
 レフェリーにセクハラボディチェックを受ける紫檀を見て、和泉は憤慨を覚えていた。紫檀の表情を見れば、決して望んでボディチェックを受けているのではないことがわかる。それでも試合をしなければならない理由があるのだろう。
(いけない、相手に同情しては勝てるものも勝てなくなる)
 勝負において、相手への同情や労わりなど持ってはいけない。それは攻撃への意欲を失わせ、敗北へと導いてしまう。とはいえ、レフェリーのセクハラボディチェックには怒りが沸く。
「さて、ここも調べないとなぁ」
 和泉の憤懣など知らず、レフェリーの左手が裾を割り、紫檀の股間へと伸ばされる。
「っ!」
 紫檀の身体がびくんと跳ねる。しかし何かを耐えるように、何かを諦めるように目を閉じ、レフェリーの手から逃れようとはしない。
「別に声を出しても構わないからな」
 レフェリーの下世話な冗談に、紫檀の肩がぴくりと動く。しかし言葉にはせず、唇を噛んだまま耐える。
「本当に我慢しなくていいんだぞ? ええ?」
 下着の上からバストと秘部を弄りながら、レフェリーが薄く笑う。それでも、紫檀は何も言おうとはしなかった。

「よし、それじゃ朱花選手のボディチェックは終わろうか」
 ようやく終わったボディチェックに、紫檀が安堵の表情を浮かべる。
「ところで、原塚選手はボディチェックを受けてくれるのかな?」
 近寄ってきたレフェリーの顔には、下品な笑みが浮かんでいた。湖童陣と闘うためにはセクハラボディチェックを受け入れるしかなく、和泉は悔しげに頷く。
「おいおい、ちゃんと言わないとわからんぞ」
 本当はわかっているだろうに、レフェリーは和泉を追い込む。歯軋りしそうな和泉だったが、大きく深呼吸する。
「ボディチェックを、お願いします」
「そう言われちゃあしょうがないな。お望みどおり、じっくりとボディチェックしてやるよ」
 にやりと笑ったレフェリーは、おもむろに胸の谷間へと指を這わせる。
「衣装が邪魔だな」
 勝手な文句を言いながらもバストの感触を味わう。
「どれ、こっちは、と」
 おもむろに伸ばされたレフェリーの右手が、前垂れの横から滑り込んで秘部を弄る。
「くっ・・・」
 思わず零れた声に、レフェリーが嬉しげに笑う。
「気持ちいいのか? 別に声は我慢しなくていいんだぞ」
 指の動きは止めず、バストと秘部を弄り回してくる。
(そんなわけないでしょう!)
 叫びたい気持ちをぐっと抑え、とにかく試合が始まるまでだと自分に言い聞かせる。それでも、不快感が消せるわけではなかった。

「よし、何も隠していないようだな」
 ようやくレフェリーが離れ、和泉は無意識に止めていた息を大きく吐いた。
(落ち着いて・・・落ち着いて闘って、あの男にもう一度挑む!)
 後輩の仇である男の顔を思い浮かべ、なんとか気持ちを宥める。不思議なことに、憎い筈の湖童陣の顔が落ち着きを取り戻させてくれた。

<カーン!>

 ゴングが鳴り、向かい合う二人の顔つきが引き締まる。
「貴女には恨みはないけど、絶対に負けられないの」
 気迫の篭った視線で、紫檀が十手を構える。その十手は鉄製ではなく、木製のものだった。下端にある丸い輪からは、捕縛紐が垂れている。
「負けられないのはこちらも同じです」
 竹刀を青眼に構え、和泉が応じる。凛とした美少女が向かい合うリングに、観客の視線が集中する。
「・・・エェイッ!」
 先に仕掛けたのは和泉だった。竹刀の先を揺らしてフェイントを掛け、一気の飛び込みで小手を狙う。
「っ!?」
 反応が遅れた紫檀だったが、なんとか十手で弾き返し、一旦距離を取る。
(いける!)
 先に攻撃を仕掛けたことが和泉に余裕を持たせた。下がった紫檀を追い、更に攻撃を続ける。
「イヤァァァッ!」
 面、胴、小手打ちを連続して放ち、少しも手を緩めない。火の出るような連続技だったが、紫檀も十手を振るって竹刀を跳ね返し続ける。
「くっ!」
 仕留められないことが僅かに焦りを生んだ。上段に振り上げた竹刀を、一気に振り下ろす。しかし、その一撃には速さだけで切れがなかった。
 紫檀は左手で十手を持ったまま右手で捕縛紐を握り、上に差し上げる。そのまま捕縛紐で竹刀を絡め取りながら、体を反転させつつ左肘を叩き込んでいた。
「げはっ!」
 鳩尾に決まった一撃に和泉が苦鳴を洩らす。
「ふっ!」
 紫檀の気合いと共に和泉の体が宙を舞う。紫檀の投げに背中から落とされたが、痛みに呻くことも堪えて転がり、握ったままだった竹刀を膝立ちで構える。
「・・・」
 追撃を狙った紫檀だったが、和泉が竹刀を向けてきたことで十手を構え直す。
「・・・ふぅぅぅっ」
 和泉は静かに呼吸を整えながら、ゆっくりと立ち上がる。
(この人にも、負けられない理由がある)
 紫檀は言った。絶対に負けられない、と。
(でも、それは私も一緒)
 紫檀に同情などしない。なぜなら。
(絶対、あいつを倒すのよ・・・そして、夏花の仇を討つの!)
 脳裏に浮かぶのは、手も足も出なかった相手。後輩の仇・湖童陣だ。湖童の顔を思い浮かべた途端、痛みを忘れ、闘志が沸く。
 青眼に構えた竹刀が、紫檀を威圧する。湖童陣に勝つ、その一念で積んできた修練が、闘志となって竹刀から迸っていた。
 てらいもない素直な一撃が、紫檀に襲い掛かった。
「面ぇぇぇんっ!」
 裂帛の気合いと共に、竹刀の鋭い一撃が紫檀の額を捉えていた。堪らず崩れ落ちた紫檀の様子に、レフェリーが即座に試合を止める。

<カンカンカン!>

 和泉の勝利を告げるゴングが鳴らされる。
「見事な勝利だったな原塚選手。それじゃ、退場してくれ」
「? わかりました」
 何か因縁をつけられるのではないかと思った和泉だったが、退場を促す言葉に違和感を覚えながらも花道を下がっていく。
(次こそは、あの男と)
 その思いが、和泉に決意の表情を取らせていた。

「・・・さて」
 和泉の姿が見えなくなったのを見届け、レフェリーは紫檀へと歩み寄った。
「ほら、起きろ。いつまでも寝てるな」
 レフェリーが紫檀の頬を軽く叩く。何度目かのとき、紫檀の目が開く。
「私・・・ っ! まさか!」
「そのまさかだよ。お前の負け、だ」
 意識を取り戻した紫檀に、レフェリーは残酷に告げる。
「覚えているよな? 勝てばお前にファイトマネーを支払う。負ければ・・・」
 わざと言葉を切ったレフェリーが、厭らしい笑みを浮かべる。
「試合後、玩具にされること」
 途端に紫檀の顔が蒼白となる。
「なんなら、試合前に交わした契約書を見るか?」
 この言葉に紫檀は首を振るが、見なくてもいいということなのか、信じられない気持ちの表れなのかはわからない。
「約束は守って貰わないとなぁ・・・さて、どうする?」
 レフェリーの確認に、横たわったままの紫檀は弱々しくとではあるが、はっきりと頷いた。
「さて・・・まずはおっぱいの感触を堪能させてもらおうか」
 レフェリーは早速紫檀の襟元をくつろげ、ブラに包まれたバストを露出させる。
「なんだ、可愛い系か。イメージと違うな」
 ピンクと黒のチェック柄にフリルが付いたブラは、確かに可愛い系と呼びたくなるものだった。
「だが、似合ってないこともないか」
 一度ブラを撫でたレフェリーは、おもむろにバストを鷲掴む。
「っ」
 眉根を寄せた紫檀だったが、言葉には出さない。
「声は出していいからな、遠慮するなよ」
 下卑た笑みを零しながらバストを揉み回し、自らの欲望を満たしていく。
「・・・っ・・・っ・・・!」
 時折紫檀の身体がぴくりと跳ねるが、声には出さずにじっと耐える。
「我慢しなくていいのになぁ。まあ、好きにしろよ。こっちも好きにさせて貰うからな」
 にやりと笑ったレフェリーは、両手でバストを揉み続けた。

「よし、立て」
 散々バストの感触を堪能したレフェリーは、手招きで立ち上がらせる。衣服の乱れを整えてから立ち上がった紫檀に、レフェリーが冷たく告げる。
「まずは、自分で帯を外せ」
「えっ・・・」
「なんだ、聞こえなかったのか? 自分で帯を外せ、と言ったんだ。それとも、俺に外して欲しいのか?」
 レフェリーの冗談には聞こえない響きに、紫檀は躊躇しながらも帯へと手を回した。要を外し、そっと手を放す。すると、帯の自重でしゅるしゅると帯が解けていく。
 帯が落ちると、着流しの前が開きかける。慌てて前を押さえた紫檀に、またもレフェリーの命令が飛ぶ。
「よし、次は着物を脱げ」
「これも、ですか・・・」
「当たり前だろ。今更何を言ってやがる」
 鼻を鳴らしたレフェリーが手を振る。
「ほれ、着物を脱ぐんだよ。観客の皆さんが喜ぶように色っぽくだぞ」
「・・・」
 暫く沈黙していた紫檀だったが、諦めたのか前を押さえていた手を放し、襟元を後ろにずらす。着物が自重で背中へと滑り、ぱさりとリングに落ちた。
 ブラに続き、パンティも観客の目に晒される。パンティはブラとお揃いのピンクと黒のチェックだった。
「なかなかいい脱ぎ方だったじゃないか。ええ?」
 紫檀の正面から近づいたレフェリーは、両手でバストを揉み始める。顔を逸らした紫檀のことなど関係ないとばかり、自分の好き勝手にブラの上から揉み回す。
 やがてレフェリーの手がバストから離れる。ほっとしかけた紫檀だったが、それで終わりではなかった。
「よし、ブラを外せ」
「っ!」
 息を止めた紫檀だったが、震える手を背後に回す。カチリ、という硬い音がしてブラ紐が前に垂れる。
「おい、固まってるんじゃない。ブラを外せ」
「・・・」
 俯いた紫檀は肩紐をずらし、左手をブラの下に入れ、乳房を隠しながらブラを外す。
「それじゃ、ブラを貰おうか」
 レフェリーが突き出した手にブラを乗せると、レフェリーはリング下の黒服に渡す。
「どうした、いつまで隠しているつもりだ?」
 泣きそうな表情の紫檀だったが、それでも両手を胸元から放し、両脇に垂らす。
「そうそう、ちゃんと気をつけをしろ。おっぱいを突き出すようにな」
 レフェリーは紫檀の背中を押し、右手で乳房を弾ませる。
「そのままその場で一周しろ。ゆっくりと、お客さんがしっかり見えるようにな」
「っ・・・はい」
 僅かに頷いた紫檀は、気をつけの姿勢のまま体を回す。
「速過ぎだ、もっとゆっくり」
「・・・」
 レフェリーの指示に従い、恥ずかしさを堪えて少しずつ体の向きを変えていく。隠すものもない乳房が自分たちのほうに向くと、観客が野次や指笛を浴びせる。
 ようやく一周が終わる頃には、紫檀は猫背となっていた。
「ほら、胸を張るんだよ!」
「ひぃっ!」
 レフェリーに容赦なく尻を叩かれ、紫檀は慌てて胸を張りなおす。その弾みで乳房が揺れ、観客席から拍手や野次が飛ばされる。
「そんなに丸まってちゃお客さんに見えにくいだろ? んん?」
 紫檀の背後から両手を伸ばしたレフェリーは、そのまま乳房を鷲掴みにする。
「ほら、おっぱい揉まれる様をお客さんによーく見て貰え」
「そんな・・・」
 声を洩らした紫檀だったが、それでも逃げようとはせず、レフェリーの手が乳房を揉みくちゃにする間も気をつけの姿勢を崩さない。
「お、乳首が硬くなってきたぞ? 朱花選手も喜んでくれてるじゃないか」
「ち、違います、そんな筈が・・・」
 言葉で否定する紫檀だったが、本当は気づいていた。乳首が硬く立ち上がりかけていることを。
「違うと言われてもなぁ、ほれ、俺の指が引っ掛かるぞ?」
 人差し指で乳首を引っ掻きながら、レフェリーが言葉でも責める。
「うっ、ううっ・・・」
 恥辱と屈辱を、紫檀は唇を噛みながらも受け入れるしかできなかった。
「どれ、それじゃこっちはどうだ?」
 乳房から放れた右手が、わざとゆっくりと下りていく。その間も左手は乳房を揉み続けている。
「ああ・・・そこは・・・」
「ん? どこのことだ? はっきりと単語で言ってくれればやめるかもしれないぞ?」
 紫檀の下腹部を撫で回し、レフェリーがにやつく。
「そ、そんなこと・・・言えない・・・」
「なら、駄目だな」
 レフェリーはパンティを撫でると、その上から秘部へと指を伸ばす。
「あっ!」
「なんだ、感じてるのか?」
 勝手なことを言いながら、レフェリーの指が秘部の上を這いずり回る。下着越しだとはいえ、不快な感触が減じるわけもない。
「おいおい、黙りこくるなよ。サービスが悪いな」
「ひあっ!」
 とうとうレフェリーの手がパンティの中に侵入する。
「そうそう、そういう風に声を出したほうが観客も喜ぶんだよ」
 股間の叢を撫でたレフェリーは、淫核をつつく。
「うくっ」
「やっと声が出てきたな。それじゃ、こっちはどうだ?」
 レフェリーの指が進み、秘裂をなぞる。
「ほれ、どうだ? ん?」
 しかし紫檀は唇を噛み、声を出すことを拒む。
「それなら、こうだ!」
 レフェリーは左手で乳首を弄りながら、右手で淫核と秘裂に同時に振動を送り込む。
「ひああぁっ!」
「こういうのが好きみたいだな。それじゃ、暫く続けてやるよ」
 乳房を揉み、乳首を苛めながら、レフェリーは紫檀のパンティの中で指を蠢かせ続けた。

「あふ・・・ふぅぅ・・・」
 荒い息を吐く紫檀のパンティから、ようやくレフェリーが指を抜く。
「さて、それじゃ最後は・・・」
 レフェリーが、遂に紫檀のパンティに手を掛ける。
「待ってください、それだけは!」
 羞恥心から、紫檀は思わず唯一残された下着を庇っていた。しかし、唇を噛みしめてから震える手を元に戻す。
「素直じゃないか。まあ、ここはお楽しみに取っておくか」
 そう言うと、レフェリーはパンティから手を離した。
「今日はここまでにしておくからな」
 最後にレフェリーは紫檀の尻を撫で、ようやく責めを止めた。
「朱花選手、次が楽しみだな」
 レフェリーが投げかけた言葉に、紫檀は下を向いて唇を噛んだ。彼女が何故ここまでの責めを耐えなければならないのか、観客は知る由もなかったが、嬲られた紫檀に卑猥な野次を飛ばし続けた。


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