【募集選手特別座談会】

「皆さんどうも! 来狐遥です! 今回は、<地下闘艶場>を見てる人から推薦してもらい、【特別試合】に登場した女性選手の皆さんを集めて座談会を行いますよー!」
他の一同「・・・」
「あ、あれ? なんか皆テンション低くないですか?」
聖歌「だって、あんなに酷いことをされたら・・・」
紅子「そうよね。私だけじゃなくて皆も酷い目に遭ってるんでしょ? それなら盛り上がれないわよ」
「あ、えっと、その・・・」
栗子「それくらいでテンパってたら〜、進行なんてできないよ〜」
「そうですよね! では改めて! 今日の司会進行の来狐遥です! 17歳の高校生で、プロレス同好会を立ち上げて活動中です! ってことで、格闘スタイルはプロレスになりますね。それじゃ、登場順に自己紹介をお願いします! 最初は・・・聖歌さん!」
聖歌「最上聖歌です。私も17歳の高校生で、格闘スタイルは空手になります」
「次はチェリールビーさんですね」
紅子「どうも。チェリールビーこと朝雛紅子、20歳。覆面で闘うプロレスラーで、格闘スタイルもプロレスよ。サングラスをしているのは勘弁してね」
「ありがとうございました。あ、後でサインください!」
紅子「え、ええ、いいわよ」
「わーい、やったね! じゃ、次は燈夏だね」
燈夏「・・・藤森燈夏。17歳。高校生。格闘スタイルは、修斗」
「相変わらずノリが悪いなぁ。まあいいや、次は沙耶さん、お願いね」
沙耶「笹葉沙耶です。私も17歳の高校生です。格闘スタイルは、一応キックボクシングですね」
「じゃ、次は栗子さんです」
栗子「は〜い。堅山栗子でぇす。24歳のOL〜。格闘スタイルはぁ、レスリング〜」
「・・・(のんびりペースな人だなぁ)。あ、それじゃ最後は鴫原姉妹のお二人、どうぞ!」
「鴫原槙です。19歳で、女子大生です。格闘スタイルは柔道です」
椿「鴫原椿です。槙と同じく19歳の女子大生です。私も格闘スタイルは柔道です」
「槙さんと椿さんは、双子の姉妹さんだそうです。本当にそっくりですよね」
椿「(照)」
紅子「なんでそこで照れるの?」
「なんと今回は私を入れると8名の大所帯です。うわー、初めての司会でこんな大人数、うまく回せるかなぁ」
燈夏「人数、分ける?」
「あ、それ採用! ってことで、今回は各試合ごとにインタビューしていきますよ! あ、燈夏もお手伝いよろしく!」
燈夏「・・・なぜ、私が」
「それじゃ特別座談会、行ってみよ〜!」
燈夏「・・・聞いてないし」

♪♪♪

「まず最初は聖歌さんですね。同い年なのに随分大人っぽいなぁ」
聖歌「ありがとうございます。私自身はそんなこと思わないんですけど」
「まず、参戦理由を教えてください!」
聖歌「理由、ですか? 荘くんとの付き合いをばらされたくなければ参戦しろ、と言われてしまったんです」
「えっ! 聖歌さん彼氏いるんですか!?」
聖歌「あっ・・・」
燈夏「ふぅん・・・」
「しかも、荘くん?」
聖歌「そ、それは、その、違うんです! いいえ、違わないけど違うんです!」
燈夏「・・・落ち着いて」
「そうそう、もう言っちゃったんだし」
聖歌「何故私、正直に言ってしまったんでしょうか(泣)」
「とりあえず、荘くん、ってのが彼氏の名前でいいんですよね?」
聖歌「荘介が本当の名前なんですけど、小さい頃から『荘くん』って呼んでたから、今も荘くんって呼んでるんです」
燈夏「でも・・・なぜ、ばらされるとまずいの?」
「ホントだ、別に付き合ってるくらいいいんじゃないのかな」
聖歌「荘くん、所謂不良高に通ってて、そこでトップを張ってるんです。私の両親はそれが気に入らないらしくて、私が荘くんに近づくのも禁止して・・・」
「そんなことがあるんだ」
聖歌「でも、荘くん本当はとても優しいんです。周りの人に好かれて、それでトップに祭り上げられた、って言うのが事実なんです」
「そっか・・・辛いね」
聖歌「(くすっ)ありがとうございます。でも、もう大丈夫です。今はもうオープンにお付き合いしてますから」
「えーっ!」
燈夏「・・・そうなんだ」
聖歌「私の様子がおかしいことに気づいた荘くんに問い詰められて、試合のこと、話しちゃったんです。そうしたら荘くん、『お前と付き合ってたことを隠してた俺の責任だ!』って・・・私の両親に直接付き合せてくれって頼みに来てくれて・・・嬉しかった」
「うわーっ、男だねー」
聖歌「一緒の大学に行くんだって、今猛勉強中。私、幸せです」
「おめでとう聖歌さん! でも、まさかここでのろけ話聴かされるとは思ってなかったな〜」
聖歌「ご、ごめんなさい(赤面)」
燈夏「でも・・・よかった」
聖歌「ありがとうございます、燈夏さん」

♪♪♪

Tea break
栗子「沙耶ちゃんはぁ、どっかのお嬢様なの〜?」
沙耶「え? いえ、違いますよ。普通のサラリーマンの家庭です」
紅子「へぇ、そうなんだ。お嬢様な雰囲気あるわよ」
椿「(こくこく)」
沙耶「ありがとうございます。でも、それで勘違いされることもあって・・・スーパーで買い物してたりするところを見られたら、微妙な顔されるんですよ」
紅子「(くすっ)お嬢様みたいな外見の娘がスーパーで買い物してたら、確かにギャップを感じるかもね」
栗子「ご愁傷さま〜」

♪♪♪

「続きまして、チェリールビーこと紅子さんでーす!」
紅子「どうも」
「紅子さんの参戦理由ってなんだったんですか?」
紅子「普通に参戦依頼が来たんだけど」
「そうなんですかぁ。やっぱり、紅子さんが美人だからかな」
紅子「ありがたい言葉だけど、プロレスラーなら実力で選ばれたって言って欲しかったかな(苦笑)」
「あ、ご、ごめんなさい」
燈夏「・・・遥らしいけど」
「そうかなぁ? あ、そうだ。<地下闘艶場>って、『JJJ』の選手も上がってるらしいですよ」
紅子「へぇ・・・『JJJ』って、女の社長が率いる少数精鋭団体よね。試合したことはないけど、かなり有名よね」
「私、『JJJ』に入るのが夢なんです!」
紅子「そう。それじゃ、いつかリングで会える日が来るといいわね」
「はい! そのときは宜しくお願いします!」
燈夏「・・・頑張って、遥」
「うん!」
紅子「(くすっ)楽しみに待ってるわ」

♪♪♪

Tea break
栗子「聖歌ちゃんはぁ、お嬢様? それともぉ、なんちゃって?」
聖歌「・・・なんちゃって?」
「沙耶ちゃんがお嬢様みたいな外見なのに、普通の家の人だって」
椿「だから、聖歌ちゃんはどっちなのかな、って」
聖歌「えっと・・・お嬢様、までは行かないと思うんですけど・・・」
沙耶「ってことは、私と違って本物のお嬢様ですね?」
「気品っていうか」
椿「雰囲気があるっていうか」
聖歌「そ、そんなことありませんよ(赤面)」
沙耶「いいですよねぇ、お嬢様。憧れます」
聖歌「そんな、いいことばかりでもないですよ」
栗子「それじゃ〜、代わってぇ」
聖歌「えっ、えっ?」
沙耶「栗子さん・・・(汗)」

♪♪♪

「三組目は・・・あ、私と燈夏の試合だね」
燈夏「ああ、あの試合・・・」
「相変わらずHなことばっかりしてきたよね」
燈夏「うん・・・」
「最初は連携が噛み合わなかったけど、最後はばっちり決まったし!」
燈夏「うん。遥・・・」
「なに? どうしたの燈夏?」
燈夏「・・・ありがとう」
「どうしたのいきなり」
燈夏「ううん・・・お礼、言いたかったから」
「そっか〜。私も、燈夏と一緒に闘えてよかった! ありがとうね、燈夏!」
燈夏「・・・遥と会えて、よかった(小声)」
「え? 燈夏なにか言った?」
燈夏「ううん、別に」

♪♪♪

Tea break
沙耶「紅子さんって、プロレスラーなんですよね? 毎日トレーニングされているんですか?」
紅子「そうね、ほぼ毎日かな。怪我をしたときでも、それ以外の箇所は鈍らせないようにしてるわ」
聖歌「ほとんど一年中試合なんですよね? 大変ですね・・・」
紅子「確かに大変だけど、プロレスが好きだから。そうじゃないと続かないし」
栗子「偉いね〜。私、仕事するのめんどくさくってぇ」
「えっ・・・」
椿「そんなこと言っていいんですか?」
栗子「だってぇ、めんどくさいんだもん」
沙耶「駄目ですよ! ちゃんと働かないと罰が当たりますよ! 私のお父さんもお母さんも、生活するために必死に働いてます! いいえ、私の両親だけじゃありません、世の中のほとんどの人が一生懸命働いているんですよ? それなのに栗子さんってば!」

(以下延々説教)

沙耶「わかりましたか?」
栗子「えっとぉ・・・」
沙耶「わかりましたよね!?」
栗子「はい・・・ごめんなさいぃ」
沙耶「わかってくれたならいいんです! これからはきちんと働いてくださいね?」
栗子「・・・はい(しょぼん)」
紅子「はぁ・・・栗子ったら、とんだ地雷を踏んだようね」
「沙耶ちゃん、すごい・・・」
椿「年下とは思えない迫力でした」
聖歌「沙耶さんなら、どこででも働けそうですね」

♪♪♪

「四組目は、同い年の沙耶さんでーす!」
沙耶「宜しくお願いします」
「それじゃ、参戦理由を教えて」
沙耶「えっ。さ、参戦理由、ですか?」
燈夏「そう。参戦理由」
沙耶「・・・言わなきゃ駄目ですか?」
「うん!」
沙耶「(ため息)実は、私のパンチラ写真を撮られて、それを学校の男子に配られたくなかったら出ろ、って脅されて」
「ひどい! その相手、叩きのめしちゃおう!」
燈夏「(こくこく)」
沙耶「暴力はやめましょう?」
「うーん、沙耶さんがそう言うなら。あれ? でも、なんでそれくらいで言うの渋ったの?」
沙耶「えっ! それは、その・・・実は、その相手が私のこと露出狂だ、って。露出狂だからよくミニスカートでハイキックを出すんだ、って・・・それを言いたくなかったから・・・」
「・・・今日もミニスカートなんだね」
沙耶「た、たまたま! たまたまですから!」
燈夏「・・・本当に?」
沙耶「本当の本当に!」
「じゃあ、見せパン穿いてる?」
沙耶「・・・・・・」
燈夏「生パン、なんだ」
沙耶「違うの、見せパン持ってないから! だから今日も普通のパンツなんです!」
「沙耶ちゃん、大きな声で言うようなことじゃないよ」
燈夏「(こくこく)」
沙耶「あ・・・」
「大丈夫! 世の中には色んな性癖があるもんね!」
沙耶「違う、のに(がっくり)」

♪♪♪

Tea break
栗子「双子ってぇ、大変なことないのぉ?」
「大変なこと・・・」
椿「特にないですね」
紅子「顔立ちは良く似てるけど、間違えられることはないの?」
「大抵いつも一緒にいるから」
椿「間違えられても困らないです」
聖歌「そうなんですか? あ、でも、微妙にプロポーションが違いますよね」
栗子「聖歌ちゃんってば、エッチだね〜」
聖歌「えっ、なっ、えええっ!?」
紅子「こら栗子、いきなり人をエッチ呼ばわりしないの」
栗子「だってぇ、聖歌ちゃん、体つきとか厭らしいこと言うから〜」
聖歌「私が言ったのはプロポーションです、厭らしくありませんよ」
栗子「わかったぁ、そういうことにしといてあげる〜」
聖歌「もう! 栗子さん!」
「喧嘩はしないで」
椿「仲良くしましょう」
紅子「栗子、聖歌ちゃんに謝りなさい」
栗子「ごめ〜んね〜、可愛い子はからかいたくなるの〜」
聖歌「可愛い、って、そんな・・・(赤面)」
紅子「やれやれ」

♪♪♪

「五組目は栗子さんですね」
栗子「どぉも〜」
「それじゃ、皆に聞いてる参戦理由を教えてください!」
栗子「えっとぉ・・・割のいい、バイト?」
「えっ?」
燈夏「多分、金額の高いバイトだと言われて参戦した、んだと思う」
栗子「正解ぃ〜(ぱちぱち)」
「すごい燈夏、よくわかったね」
燈夏「・・・なんとなく」
栗子「燈夏ちゃんはぁ、偉いね〜」
「そう言えば、栗子さんのファイトスタイルってレスリングでしたよね。美緒さんと同じか〜」
栗子「美緒ってぇ、栗原美緒のこと〜?」
「え! 美緒さんのこと知ってるんですか!?」
栗子「直接は知らないんだけどぉ、私が通ってたレスリングクラブの後輩〜」
「そうなんですか! 色んなところで繋がりがあるな〜」
栗子「あとぉ、藤森霧華って子もそうみたいよ〜」
「(ピキッ!)」
燈夏「ああ・・・確か、今のインターハイ女王・・・」
「霧華もそうだったのか・・・ムカつく!」
栗子「?? どうしたの〜?」
「なんでもないです!」
燈夏「・・・遥?」
栗子「遥ちゃんこわい顔〜」
「(はっ)あ、ご、ごめんなさい」
栗子「せっかく可愛いんだからぁ、スマイルスマイル〜」
「可愛い、って・・・(赤面)」
燈夏「(遥が照れてる・・・珍しい・・・)」

♪♪♪

Tea break
聖歌「どうしたんですか沙耶さん、表情が硬いですよ」
沙耶「そ、そうですか? さっきのインタビューで、試合のこと思い出しちゃったからかな・・・」
紅子「そうなんだ。皆嫌な思いしてるのね」
聖歌「沙耶さんは何故試合に出なければいけなくなったんですか?」
沙耶「それがですね、金持ちのボンボンが居まして。その人が私の下着が移った写真を見せてきて、『写真をばらまかれたくなかったらわかってるよね?』って言われて・・・」
「そんな・・・」
椿「酷い・・・」
沙耶「で、試合はギブアップしてしまったんです・・・」
紅子「まさか、写真ばらまかれちゃったの!?」
沙耶「い、いいえ! それはされなかったんですけど・・・」
聖歌「『けど』ってことは、何か酷いことをされたんですね?」
沙耶「そうなんです! 休日だっていうのに呼び出されて、面白くもない恋愛映画を見せられて、おいしくもない料理を食べさせられて・・・こんな酷い嫌がらせってありますか?」
他の一同「・・・」
「これって(ひそひそ)」
椿「もしかして(ひそひそ)」
紅子「絶対デートだよね(ひそひそ)」
聖歌「報われないですね、そのボンボンさん(ひそひそ)」
沙耶「? 皆さん何をひそひそ話してるんですか?」
他の一同「・・・別に?」

♪♪♪

「今回最後の六組目は、鴫原姉妹のお二人でーす」
椿「こんにちは」
「それじゃ、参戦理由をお願いしまーす」
「・・・あのときは」
椿「いいバイトがあるって言われて」
「あ、お二人もなんだ」
椿「?」
「あ、いえ、栗子さんもそうらしくって」
「おいしい話には裏がある」
椿「あのときにそう思えてれば・・・」
燈夏「やっぱり、嫌なことされたんだ・・・」
「だから、今はもう一度柔道を始めてるの」
椿「もし試合や絡まれたとき、実力で切り抜けるために」
「そうなんだ。頑張ってください!」
椿「ありがとう」

♪♪♪

Tea break
紅子「栗子って、本当に普通のOL?」
栗子「どういう意味〜?」
紅子「だって、そんなゆっくりな喋り方なのに仕事できる?」
栗子「だ〜いじょうぶ〜、仕事のペースもゆっくりだから〜」
聖歌「えっ! そんなことでいいんですか?」
沙耶「普通、クビになりません?」
栗子「そのときは〜、聖歌ちゃんのところで雇ってもらお〜」
聖歌「えっ、えっ? 私に言われても困ります・・・」
栗子「だって〜、お嬢様なんでしょ〜?」
紅子「関係なくない?」
沙耶「栗子さん! そんな簡単に仕事を辞めることを考えては駄目です! いいですか? 今働いている人は皆一生懸命にですね(以下説教)」
紅子「栗子、また地雷踏んで・・・」

♪♪♪

「お待たせしました! 皆さんからお話を聴き終わったので、これで今回の座談会は終了でーす!」
他の一同「(パチパチパチ)」
「あ、ありがとうございます。あまりうまくできなかったけど、お付き合いありがとうございました! それでは皆さん、今日はお疲れさまでした! 解散でーす!」
他の一同「お疲れさまでした」

「うわー、司会って大変だったな〜。涼子さん、よく毎回できるなぁ。尊敬するよ」
燈夏「・・・遥も、よく頑張ってたと思う」
「ありがとう! 燈夏もお付き合いありがとね」
燈夏「ううん、別に」
「それじゃ、特別座談会もこれで終了です! また次回!」
燈夏「・・・次回、あるの?」
「さあ?」


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