【外伝 クリスティーナ・ローゼンメイヤー 其の一】

「キート!」
 クリスの呼びかけに、霧人はうんざりとした表情で注意する。
「だから何度も言ってるだろう。俺の名はキートじゃない、き、り、と、だ」
「いいじゃない。キリト、って呼びにくいんだもの」
「今言えてただろ」
「細かい男は嫌われるわよ」
「・・・いっそ嫌ってくれんかなぁ」
 霧人はため息を吐いた。これだけの美女に迫られる身を他人は羨ましがるが、そんな気がない自分にとってはありがた迷惑でしかない。

 瓜生霧人とクリスティーナ・ローゼンメイヤーの出会いは、<地下闘艶場>という裏のリングだった。強く美しい女性を嬲りものにするためのリングで霧人はクリスと闘い、辛くも勝利を収めた。クリスと会うのもそれで最後の筈だった。
 しかし、敗れたクリスが霧人にプロポースしたことで事態は変わった。一度はリングから逃げ出した霧人だったが、師匠である元橋堅城に捕まり、苦戦に対する説教を受けた。その最中にクリスに追いつかれ、再びプロポーズをされた。
「お前はノルウェーに住んでるんだろ? なら結婚は無理だ」
「それじゃ、日本に来るわ。日本で生活すれば、結婚してくれるでしょ」
 このときはまだ英語での会話だった。
「霧人。こんな別嬪さんが結婚しようと言ってくれているんだ。ありがたくお受けしなさい」
「師匠!」
 無責任な元橋の発言に、霧人が鋭く叫ぶ。
「他人事だと思って、適当なことを言わないでください!」
「何を言っておるか。お前みたいな朴念仁に、こんないいお嬢さんがお嫁に来るなど金輪際有り得んのだぞ。師匠としての気遣いをわからんか」
「・・・ただ面白がっているだけでしょう」
 霧人の言葉に、元橋はただ笑うだけだった。
「ねえキート、私日本語を勉強して、また日本に来るわ。そうしたら結婚して」
「・・・考えておくよ」
 そのときはそう言って逃げた。しかし、本気になったクリスの実力を霧人は知らなかった。

 ノルウェーの大学院を卒業したクリスは、なんと本当に日本にやってきた。しかも完璧に日本語をマスターして。
 クリスは<地下闘艶場>の運営委員に掛け合って情報を得、霧人の自宅まで押しかけてきた。当然追い返そうとした霧人だったが、クリスの涙混じりの懇願に負けた。(それが嘘泣きだと知ったのは後日のことだ)
 その日以来クリスは世話女房と化し、掃除、洗濯、料理など家事のほとんどのことをするようになった。本心ではありがたかったが、素直に「ありがとう」とは言えない霧人だった。

 その日もクリスの手料理を食べ、クリスが沸かしてくれた風呂に入り、クリスが洗濯してくれた夜着に着替えて布団に入る。クリスが来て以来、霧人は居間に布団を敷き、ベッドはクリスに明け渡していた。
 クリスはネグリジェ姿で居間の扉を開け、その霧人の背中をじっと見詰めていた。
「ねえ、キート」
「霧人だ」
 背中に掛けられた言葉に、霧人は素っ気なく答えた。
「・・・キリト。私、魅力ないかな?」
 クリスが霧人の自宅に転がり込んでもう二週間になるが、霧人は全く手を出していない。クリスからの誘惑は何度となくあるが、霧人はそれに一度も乗らなかった。
「魅力云々は関係ない。俺はお前を抱くつもりはない。もう何度も言った筈だ」
 暫く沈黙があった。
「・・・私、迷惑なんだね」
「・・・ああ」
 暫し躊躇い、霧人はクリスの言葉を認めた。
「そう。わかった」
 無理しているとわかる声音で、クリスがそっと呟いた。
「おやすみ」
「・・・ああ」
 それで会話は途切れた。
 霧人は自分の背中の向こうで、クリスが身を震わせ、感情を必死で堪えているのに気づいていた。しかし、言葉は掛けず、目をつぶって眠ろうと心がけた。
 背後で、ドアの閉まる音が小さく鳴った。

***

 次の日、クリスは何も言わずに荷物をまとめ、霧人の部屋を後にした。
「どこか行く当てはあるのか?」
「・・・こんなときに優しくしないでよ」
 義理堅く見送りをする霧人に、クリスは泣き笑いの表情で視線を外した。
「大丈夫よ。ホテルもあるし、私好みの稼ぎ口を見つけたから。心配しないで」
 それじゃあ、と言ってクリスは去って行った。翳りのある笑顔を残して。
 クリスの背中が見えなくなるまで見送った霧人は、一度ゆっくりと首を回し、部屋へ戻った。
 もう誰も居ない部屋へと。

***

 クリスを見送ったその日、霧人が「御前」に命じられた任務を終え、報告を終えてから帰宅しようとしたときだった。
「霧人」
 突然掛けられた声に、霧人はゆっくりとそちらを向いた。
「・・・師匠」
 元橋だった。いつもの柔和な笑みはなく、眼が剣呑な光を放っている。
「あのお嬢ちゃんが向かった場所、どこだか知っているのか?」
「どういう意味です?」
 クリスのことを持ち出され、なぜか心がざわめく。
「<地下闘艶場>以外で、手っ取り早く闘って金を稼げる場所。お前も知っておろう?」
 元橋の言葉に、霧人の表情が一変する。
「まさか・・・<クリムゾン・ケイジ>!」

<クリムゾン・ケイジ>。
 ルール無用の金網デスマッチで有名な裏の格闘場。そこで行われるのは試合と呼べるようなものではなく、片方、もしくは両方の選手が再起不能になるまで闘わされ、時には死人も出る残虐なものだった。
 過去に二度、霧人も<クリムゾン・ケイジ>に上がって闘っている。二戦とも勝利を得たが、実力の劣る相手の気迫に苦戦させられ、楽な勝利とはいかなかった。
<クリムゾン・ケイジ>では男と女が闘うこともあり、女が強ければ何人もの男が襲い掛かり、レイプショーに移行するという非道な見世物も催される。

 そこまで回想したとき、金網に囲まれたリングの上で、男達に圧し掛かられているクリスの姿が脳裏に浮かぶ。
(クリス!)
 その瞬間、霧人は走り出していた。一瞬で最高速に達し、逸る気持ちそのままに地を蹴る。
「やれやれ、やっと素直になったか」
 すぐに見えなくなった弟子の姿に肩を竦め、元橋は悠然とした足取りで何処かに去った。

***

 五人勝ち抜けばファイトマネー五百万円。
 そんな途方もない金額を提示され、クリスは早速闘いの場に上がった。そこは四方を金網に囲まれたリングで、出入り口はたった一箇所。
 その出入り口も、クリスがリングに入ると閉じられ、鍵が掛けられた。

 対戦相手は全て男。それでも四人目までは楽に勝ち抜けた。
 しかし、それは罠だった。五人目が入場すると、それまで倒れていた男達が立ち上がり、クリスを取り囲んだのだ。幾らクリスの実力が飛び抜けているとはいえ、素手で五人もの男を同時には相手にできない。
 少しでも死角を消そうと金網を背にしても、前方と左右の三方向から相手が来る。例え一人を打ち倒しても、次の瞬間には他の男から打撃が飛んでくる。
 何度かそれを繰り返したとき、左手首を掴まれると同時にリング中央へ投げられていた。背中から落とされ、手足を押さえつけられる。
「手こずらせてくれたな。まあ、活きのいい獲物のほうが興奮するってもんだ」
 男の一人が下卑た笑みを浮かべ、横になっても盛り上がっているクリスの美巨乳を掴む。
「すげぇ、見た目だけじゃなく、中身もみっちり詰まってるぜ」
「触らないで!」
 鋭く叫んだクリスを、男の野卑な目が見下ろした。
「触られるのは嫌かよ。それじゃ・・・見せてもらおうか!」
 胸元に掛けられた男の手が、無理やり衣服を引き裂いた。
「きゃぁぁぁっ!」
 クリスの悲鳴も耳に入らないのか、男達は微動だにせず剥き出しにされた乳房を凝視していた。誰のものか、生唾を飲む音が聞こえる。
 男の手が伸び、クリスの乳房を鷲掴みにする。それに触発されたように、他の男達の手も襲い掛かってきた。
「キート・・・キートォ!」
 クリスの悲鳴に応えたのは、男達の欲望だった。

***

「困るんだよ兄ちゃん、勝手に入られちゃあよ!」
「いいから退け! 俺は瓜生霧人、ここに上がったこともある!」
「んなこたぁ知らねぇよ!」
 霧人は<クリムゾン・ケイジ>への入場口で押し問答していた。目の前の男を殴り飛ばしたいという欲求をぎりぎりで抑え、頭を下げる。
「頼む! 今は手持ちがないが、後で必ず払う!」
「皆そう言うんだよ! 金のない奴は帰んな!」
 中年の男の目尻が段々と吊り上がっていく。
「無茶を承知で頼む! 絶対に後で・・・っ!」
 そのとき、聞き間違いようのない悲鳴が響いた。自らの名を呼ぶその声を、霧人が聞き違える筈もなかった。
「クリス!」
 叫ぶと同時に男を押し退け、一気に疾走へと移る。男の制止の声など耳に入らなかった。

***

 場内に飛び込んだ途端、薄暗い会場の中、スポットライトに照らされた金網のリングが浮かび上がる。そこに、救うべき女性が居た。
 クリスティーナ・ローゼンメイヤーが何人もの男に押さえつけられ、その豊かな乳房を揉まれていた。否、乳房だけではない、顔も、臍も、乳首も、尻も、太ももも、女の秘部さえも弄られていた。
「クリス!」
 名を叫び、矢のように突き進む。行く手を阻もうとする人間の壁をすり抜け、金網まで到達する。そのとき、霧人の足に靴はなかった。
 疾走の勢いそのまま、金網の網目に足指を掛けながら垂直に駆け上がり、決して低くはない金網を越えて中に飛び込む。リングに降り立ったときには、既に二人の男がリングに這っていた。
 霧人の追撃を避けるため、残った三人の男達はクリスから離れ、立ち上がっていた。クリスも素早く立ち上がり、胸元を隠して霧人の背後に寄り添う。
「キート・・・来てくれたのね」
「ああ」
 クリスの声に胸の中で熱が生じ、その熱を視線に込めて男達を睨みつける。
「お前ら、俺の女に手を出したな・・・無事では済まさんぞ」
 この言葉に、クリスの表情が輝く。
「お兄ちゃん、勝手な真似してくれてんじゃねぇか!」
 先程までクリスの乳房を揉んでいた男が、空気が唸るようなパンチを放つ。その拳を軽く弾いた霧人の右手が男の顎を掴む。
「お前ら下衆に、勝手などと言われる筋合いはない」
 顎を掴んだ手に、霧人が徐々に力を込めていく。
「ぎっ、いぎぃっ!」
 男の口から苦鳴が洩れるが、霧人は眉一つ動かさず力を加え続ける。男は無茶苦茶に暴れるが、霧人は微動だにしなかった。
 男の顎の耐久力が、限界を超えた。
「はびゃぁぁ〜〜〜っ!」
 顎の骨を折られた男がどこか間の抜けた絶叫をし、転げ回る。
「てめぇ、殺すぞこらぁっ!」
 殴りかかってきた男の手首を掴み、まるで棒っ切れのように振り回す。そのまま男の体を残った一人に叩きつけ、二人まとめて戦闘力を奪う。
 金網に囲まれたリングの中、立っているのは霧人とクリスだけだった。
「帰るぞ、クリス」
「・・・ええ!」
 差し出された上着を羽織って上半身を隠し、クリスが勢いよく頷く。出入り口の扉を霧人が蹴り飛ばすと、錠が掛かっていた筈の扉が吹き飛んだ。
 金網リングの向こうには、武器を構えた十人近くの男達がいた。
「人のショバで大暴れしといてどこに行こうって言うんだ、若造」
 その中で一際冷たい目をした三十代と思しき男が、霧人とクリスの前を塞ぐ。
「どいてくれないか」
「できねぇな。姉ちゃんは勿論、お前は腕の一本でも置いてきな」
 剥き身の長ドスをだらりと下げたその男は、感情を感じさせない声と表情で淡々と告げた。武器を持った男達が、霧人とクリスを取り囲む位置へゆっくりと動いていく。
「やっちまえ」
 男が顎をしゃくると、武器を構えた連中がどっと襲い掛かってきた。
 霧人と上着のボタンを留めたクリスも反撃するが、武器を持った男達の技量も油断できないものだった。四方から武器が襲い、体を掠めていく。
 突如突き出された刃物を避けた霧人だったが、その先にクリスの背中があった。
「クリス!」
「えっ・・・?」
 クリスを守ろうと伸ばした手は、木刀に叩かれ、落とされた。
「クリス・・・っ!」
 霧人の目の前で、刃物がクリスに向かって伸びていく。反対の手は間に合わず、刃の先端がクリスが着ている上着に到達する。
(やっとわかったんだ! 俺の大事な存在が! クリスが大事だと!)
 何故かゆっくりと、刃の切っ先が上着に潜り込んでいく。
(クリス・・・)
 きつく目を閉じた霧人の耳に、聞きなれた声が響く。
「やれやれ、出来の悪い弟子を持つと苦労する」
 見開いた視線の先に、いつものように微笑む老人が居た。
「師匠!」
 霧人の師匠、元橋だった。その足元では刃物を握っていた男が気絶している。鮮やかな手並みに、他の男達も動きを止めていた。
 しかし、一番早く気を取り直した男が凄む。
「て、テメェら、ここでこんだけ暴れて、生きて帰れると思うなよ!」
「誰に向かって言っている?」
 元橋の顔から微笑が消えた。途端、その体から凄まじい圧力を伴った殺気が放出される。霧人と長ドスを持った男以外の人間が、思わず一歩退いていた。
「思い出した・・・この爺、『微笑む死神』だ!」
 武器を持った一人が、震える声で叫んだ。

「微笑む死神」。
 十年ほど前、<クリムゾン・ケイジ>において付けられた元橋への異称だった。微笑を浮かべながら完膚なきまでに相手を破壊するその手腕と容赦のなさに、対戦を望む者が誰も居なくなったほどだ。そのため、「微笑む死神」の異称は今も伝説と化して残っている。

 元橋の周りにできた空間の環の中に、長ドスを鞘に収めた男が踏み込んだ。
「元橋さん、このツケは高くつきますよ」
「そうか、ならばあやつにツケておけ。今の儂の雇い主にの」
「御前」と事を構えるほどの気概はないのか、男は黙り込んでしまった。
「さて、帰るか馬鹿弟子」
「馬鹿は余計ですよ」
 軽い口調で会話を交わしながらも、元橋と霧人からは殺気が消えていなかった。元橋を先頭に、クリスを挟んで最後尾を霧人が固める。そのまま悠然と男達の壁の間を通り、出口へと向かって歩く。<クリムゾン・ケイジ>の観客たちも声をかわすことなく、この乱入者たちを見送った。
 三人の背中を睨んでいた一人の若者が、我慢できないとばかりに咆える。
「このまま引き下がるのかよ蠍尾さん! こっちが全員掛かりなら・・・」
 噛みつくように言い募った若者の口が大きく広がる。否、口の両端が裂け、歯並びがくっきりと覗く。蠍尾は絶叫と共に跪いた若者の頭部を踏みつけ、とどめを刺した。
「今はまずいんだよ。今はな」
 穏やかな口調に、逆に男達の顔が緊張に覆われる。
「だが・・・俺は絶対にこの屈辱を忘れねぇ。あの若造も、あの爺も、殺してくれって頼むまで五寸刻みにしてやる。そしてあの女を、若造の前でよがり狂うまで犯してやる! そのときは『御前』だろうが午後だろうが、誰にも邪魔はさせねぇ!」
 蠍尾の狂気を孕んだ瞳に、周りの腕自慢達も流れ出る冷や汗を止められなかった。

***

「ふむ、ここまで来ればよかろう」
 裏道に入り、何度も角を曲がって尾行がないことを確かめた元橋が歩調を緩める。
「元橋師匠、ありがとうございました」
「お前みたいな馬鹿弟子のためではないわ」
 元橋は鼻を鳴らすと、クリスに柔らかな笑みを浮かべた。
「このような別嬪さんが汚されそうになっとったんだ、救わねば男でないわ」
 そう言ってクリスのヒップを撫でる。
「キャッ!」
「師匠!」
 霧人が怒りの表情でクリスと元橋の間に割り込む。
「勝手なことをしないでください!」
「スキンシップではないか。師匠と弟子は親子同然。弟子の彼女ともなれば娘も同然。娘と親睦を図るのが悪いと言うのか?」
「そんなスキンシップがありますか!」
 お尻を押さえて固まっていたクリスだったが、やがて小さく笑い出す。
「ふふっ、あまり似てない師弟ね。でも、シショーも強いのね。私、乗り換えちゃおうかな?」
 クリスが自分よりも低い元橋に腕を絡め、頬に口づけする。
「なっ・・・!」
「儂は構わんよ」
 元橋もクリスの腰に手を回し、にこりと笑う。
「・・・クリス、本気か?」
「ウ、ソ。本気だと思った?」
 クリスは元橋から腕を放し、くすくすと笑う。
「クリスさん、この馬鹿弟子に飽いたら儂のところに来なさい。儂はいつまでも待っているからね」
「師匠! 冗談もいいかげんに・・・」
 声を荒げた霧人の耳に、信じられない言葉が飛び込む。
「わかりました」
「クリス・・・お前・・・」
 絶句した霧人に、いきなりクリスは抱きついた。
「だから、そうならないように私を愛して。私も、全力で貴方を愛すから」
 クリスの抱擁に、霧人もしっかりと抱き締め返す。いつしか、元橋の姿が消えていた。
「もう絶対にお前を手放さない。今、ここで誓おう。一生お前と一緒に居ると」
「キート、それって・・・」
「ああ、プロポーズだ。やはり、こういうことは男からするのが筋だからな」
 堅苦しい霧人の信念だったが、クリスは霧人の真っ直ぐな求婚の言葉に胸が一杯だった。
「・・・それじゃあキート、結婚式はどこでする?」
「そうだな・・・日本と、ノルウェーでもしなきゃな」
 この答えに、クリスの胸が喜びで溢れる。
「キート・・・ありがとう」
 想いが伝わるように、背中に回した腕に力を込める。わかったとでも言うように、霧人が背中を軽く叩いてくる。
「帰ろう、俺たちの部屋に」
「ええ、私たちの部屋に」
 一度見つめあった後、歩調を合わせて歩く。
「今夜は覚悟しておけよ」
「ううん、楽しみにしてる」
 霧人の腕に自らの腕を絡ませ、クリスが愛しい男を見上げる。二人の距離が更に縮まり、唇が重なった。
(キート・・・大好き)
 クリスの頬を、喜びの涙が伝った。


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