【遥と香夏子のお答えコーナー】

「遥と!」
香夏子「・・・」
「ちょっと香夏子! テンション低いよ!」
香夏子「あのね、いきなりこんなとこに連れて来られて、さあ言えって言われても困るわよ!」
「ごめんごめん、後でドーナツ奢るから。とにかく合わせて?」
香夏子「あーもう、わかったわよ」
「それじゃ改めて! 遥と!」
香夏子「香夏子の」
香夏子「「お答えコーナー!」」
香夏子「で? 一体どういうこと?」
「えっとね、私のコスチュームについての質問が来たから、折角だから香夏子と一緒にお答えしようと思って」
香夏子「あのね、それなら遥一人で済む話でしょ! 私を巻き込まないでよ!」
「もうここまで来ちゃったから、諦めて一緒にやろうよ」
香夏子「んもう、相変わらず自分勝手なんだから(ぶつぶつ) わかったわよ、やればいいんでしょ、やれば」
「さっすが香夏子! ありがとー!(ぎゅぎゅっ)」
香夏子「痛いーーーっ! いつも全力ハグはやめろって言ってるでしょ!(ぱちっ!)」
「あ、ごめん、つい癖で・・・」
香夏子「・・・やめろって言ったの、何回目よ」
「・・・五回目?」
香夏子「数え切れないくらいよ!」
「・・・ごめんなさい」
香夏子「もういいわよ・・・ほんとにこの子は(ため息)」
「あそうだ、とりあえず自己紹介して」
香夏子「今更!? んもう、このマイペースプロレスバカは・・・えっと、鳥咲香夏子、遥の幼馴染で、一番の被害者です」
「被害者って! 香夏子酷い!」
香夏子「酷くない! ここに事情も話さず無理やり連れて来て、全力ハグで殺人未遂を犯したのは誰!?」
「・・・私?」
香夏子「正解。だから、私は酷くない。事実を言っただけだもん」
「うーん・・・なんか釈然としない」
香夏子「で? 今日は何の用なわけ? 質問がどうとか言ってたけど」
「そうそう、私のリングコスチュームのデザインが知りたいっていう質問が来てたから、お答えしようよ」
香夏子「んもう、最初からそう言いなさいよ。しかもデザインは遥がしたんだから、遥一人でも良かったでしょ?」
「作ってくれたのは香夏子だから、香夏子と一緒のほうが自然かな、って」
香夏子「全然自然じゃないから。もういいから、デザインを教えてあげたら?」
「そうだね! 私のコスチュームは白いレスリングタイツを改造してて、水色のラインを使って狐をデザインしてるんだ」
香夏子「良く見ればなんとなく狐に見えるかも、ってレベルだけどね」
「そうかな? でも、私のお気に入りなんだ。香夏子お手製のはこの前切られちゃったけど、<地下闘艶場>でちゃんと新しいのを用意してくれたし」
香夏子「遥、まだ危ないとこで試合してるの? おじさんたち心配するよ?」
「あっ・・・」
香夏子「相変わらず隠し事が苦手ね(ため息)」
「香夏子お願い! 父さんたちには黙ってて!」
香夏子「わかってるわよ。そのかわり、ドーナツに飲み物追加ね」
「どーんと任せなさい! ファイトマネーから奢っちゃう! そうだ、浩太や小峯くんや木ノ上くん、ステフも誘おうよ! こより先生は・・・ファイトマネーの出所を訊かれたらまずいからパスで」
香夏子「え、プロレス同好会全員? 川崎くんなんかかなり食べるわよ?」
「大丈夫! 私も負けないから!」
香夏子「いや、そこで張り合ってもしょうがないでしょ」
「それじゃ、行きますか!」
香夏子「人の話を聞きなさいよ!」
「いいからいいから、『町のドーナツ屋さん』にしゅっぱーつ!」
香夏子「あいたぁっ! そんな急に引っ張らないでよ! このマイペース単細胞プロレスバカーーーッ!」


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