【特別試合 其の十九 笹葉沙耶:キックボクシング】 紹介者:ひみつ様
犠牲者の名は「笹葉(ささば)沙耶」。17歳。身長160cm、B82(Dカップ)・W56・H84。前髪を切りそろえ、サイドを首の辺りまで伸ばしたいわゆる姫カット。お尻の位置が高く、腰と脚のラインは既に充実し、大人の色香を放っている。色白で一見したところ深層の令嬢のように見えるが、サラリーマンの娘という一般家庭の育ち。
言葉遣いは丁寧で人当たりもいいが、揉め事や不良行為を見過ごせない性格。不良行為を見つけるとまずやんわりと注意をするが、相手が暴力を行使した場合は容赦なく得意の足技を炸裂させる。その正義感の強さと端正な容姿から、校内での人気は高い。足を高く上げる技を得意としているため、男子の間では別の意味でも人気が高い。
ある事情により、沙耶は<地下闘艶場>へと参戦することとなった。
沙耶に用意された衣装は白のトレーナー、それにフレアスカートだった。
「スカート・・・」
フレアスカートを見た沙耶が複雑な表情となる。それでも私服を脱ぎ、衣装に着替えてガウンを纏った。
花道に姿を現した沙耶に、観客から欲望の叫びが叩きつけられる。顔を赤くした沙耶は耳を塞ぎ、花道を足早に急いだ。その沙耶の様子に、更に野次が飛ばされた。
(えっ・・・?)
ようやくリング下に辿り着いた沙耶だったが、その動きが止まる。リングの上には二人の男性しか居なかったためだ。一人はレフェリーの格好をし、もう一人は脂肪の固まりのような男だった。頭部に申し訳程度の毛髪を残し、顔、腕、腹、脚など全身が緩み、弛んでいる。
それでも、沙耶にはリングに上がるしか選択肢がなかった。
「赤コーナー、『ミスターメタボ』、グレッグ"ジャンク"カッパー!」
コールにだるそうに応え、グレッグが右手を軽く上げる。その顔にはもう汗が浮かんでいる。
「青コーナー、『オープナー』、笹葉沙耶!」
コールを受けた沙耶は、脱いだガウンを高く放り投げた。その爽快感にぶるりと震える。
(闘いの前の高揚感は、こんなに気持ちのいいものなのね)
沙耶の心は、爽快感をそう捉えていた。
嫌そうにグレッグのボディチェックを終えたレフェリーが、服で手を拭いながら沙耶に歩いてくる。
「さ、ボディチェックだ」
「えっ? でも、貴方は男性じゃないですか」
沙耶の疑問は女性として当然だっただろうが、レフェリーには通じなかった。
「ボディチェックを受けないと試合が始められないし、試合が始められないと笹葉選手は失格、ということになるな」
「えっ・・・」
「失格」という言葉に、沙耶が動揺する。沙耶には<地下闘艶場>のリングで闘わなければならない理由があった。
ある日、沙耶は学校の屋上に呼び出された。呼び出した相手は、学校では有名な金持ちのボンボンだった。
沙耶を認めたボンボンは、いきなり写真を突きつけた。そこに写っていたのはハイキックを繰り出す沙耶と、翻ったスカートからはっきりと見える沙耶の下着だった。
「なんですかこれは!」
気色ばむ沙耶だったが、ボンボンはまるで堪えた様子もなかった。
「笹葉さん。君、ハイキックのとき、男子連中に見られることで興奮してるだろ?」
この一言で、沙耶は言葉を失った。否定すればいいだけなのに、喉に何かが詰まったようだった。
立ち竦む沙耶に、ボンボンは、この写真を男子生徒たちに売り払うと告げた。ただし、沙耶が<地下闘艶場>に出場すれば勝ち負けに関わらず写真を処分する、と言う。
「しかもそこに出場すれば、ファイトマネーまで貰えるんだ。見られて喜ぶ変態の笹葉さんにはお誂え向きだろ?」
「わ、私が見られて喜ぶ変態だなんて・・・そんなことある筈がありません」
「ま、どっちでもいいや。出るだろ?」
ボンボンは写真を左右に振りながら沙耶を見据える。
露出性癖を指摘され、冷静さを失った沙耶は<地下闘艶場>への出場を承諾した。
もし今失格ということになれば、「盗撮写真を処分する」という約束が履行されないかもしれない。そうなれば、沙耶の下着がはっきりと写った写真が学校の男子にばらまかれてしまう。
(そんなことになったら、私、恥ずかしくて学校に行けない・・・)
胸のどきどきは、恥ずかしさ以外には有り得ない。沙耶はそう決めつけ、そっと胸を押さえた。
「どうした黙り込んで。失格でいいのか?」
「失格は困ります!」
「それじゃ、ボディチェックを受けるんだな」
レフェリーの問いかけに、間を置いた後で頷く。
「そうかそうか。それじゃ、ボディチェックを始めるからな。失格になりたくなければじっとしてな」
レフェリーはいきなり沙耶のバストを揉み始めた。
「くぅっ・・・」
「なんだ、見た目よりもボリュームがあるじゃないか」
レフェリーはにやつきながら沙耶のバストを揉み続ける。
(我慢しなければ。とにかく試合が始まらないと、約束も守られない・・・)
大勢の観客の前で、今日初めて会った男性に胸を揉まれる。屈辱と羞恥が沙耶の頬を火照らせる。
「それじゃ、こっちも調べるか」
レフェリーは沙耶のバストを揉みながら後方に回り、沙耶の太ももを撫でてくる。
「ここのラインはもう色っぽいじゃないか。だいぶ遊んでるんだろ?」
「そ、そんなこと、ありません」
沙耶が否定する間もレフェリーの手は休まず、沙耶の太ももから上へと移動する。その手がフレアスカートの中に潜り込み、下着の上から沙耶のヒップを揉み始める。
「こんな色っぽいお尻なら、おっぱいと同じくらい調べとかないとなぁ」
(わけのわからないことを言って!)
そう心の中で憤っても、沙耶に抵抗することは許されなかった。胸と尻を同時に揉まれる不快感を、必死に耐えるしかできなかった。
「さて、そろそろ試合を始めるか」
名残惜しげに沙耶の身体から離れ、レフェリーはゴングを要請した。
<カーン!>
(落ち着かないと。身体を触られただけで動揺しては、勝てるものも勝てないですから)
初めて上がった裏のリング。セクハラ紛いのボディチェックに加えて、対戦相手は男性選手。あがるなというほうが無理だろう。初めて嵌めたオープンフィンガーグローブの感触が頼りない。
それでも、沙耶は闘志を掻き立てた。
(速攻で決めます!)
考えると同時に動いていた。鋭い出足と共に、気合いを込めた蹴りをグレッグの側頭部へと放つ。長く美しい右脚の動きに付随してフレアスカートが翻り、観客の目に沙耶の下着が映る。
「やっぱりハイキックが好きなんだな。聞いてた通りだ」
レフェリーの言葉に、慌てて足を下ろしてスカートを押さえる。
(別に好きとかではなくて、ハイキックが得意技なだけで、見られて嬉しいなんてことはなくて・・・)
ボンボンが言った「ハイキックのときに見られて興奮している」という科白が沙耶の脳裏を駆け回る。
(でも、今の感触、かなりいいところに入りました。これで終わり・・・!?)
リングに倒れたグレッグを想像した沙耶だったが、グレッグはただ蹴られた箇所を撫でているだけだった。
「ぐうぇへへ、なにかしたかぁ?」
そのままのそりとした足取りで距離を詰めてくる。
「くっ!」
沙耶は距離を取りながら蹴りを放つが、尽くグレッグの脂肪に跳ね返され、致命傷には至らない。
「ぐうぇへへ、くすぐったいぞぉ」
グレッグの鈍重な動きに捕まることはないが、攻撃し続けることでスタミナが消費されていく。しかも時が経つほどにグレッグが汗を掻き、汗で攻撃点がずれてしまう。
(どうしよう、このままじゃ決め手がな・・・!?)
突然、足元が滑った。咄嗟に体勢を立て直したものの、安定感は戻らないままだ。
(一体何? どうしたっていうの?)
バランスを崩した原因がわからず、焦りだけが高まる。
「そぉらぁ!」
グレッグの張り手を、転がることで辛うじてかわす。立ち上がった沙耶の衣服に、グレッグの汗が大量に付着していた。
(もしかして、これが滑った原因?)
そう思って下を見れば、グレッグから流れ出た汗がリングを覆うほどに広がっている。
「こんな大量の汗・・・あっ!?」
まるでローションが振り撒かれているかのように足元が滑る。
「隙ありだぞぉ!」
グレッグのアッパー気味の張り手だったが、沙耶は体勢を崩しながらもぎりぎりでかわしていた。しかしグレッグの手が起こした風圧でフレアスカートが捲くれ、沙耶の縦縞パンツが覗く。観客席からの歓声と野次で、沙耶もその事実に気づく。
(また見られてしまった・・・)
そう思うことで、突然鼓動が跳ね上がる。
(な、何を気にしているの、あんなボンボンの言ったことなど、気にすることないのに)
動揺が沙耶の動きを鈍らせていた。気づけば、グレッグの巨体が目の前にあった。
「そぉら、捕まえたぞぉ」
グレッグの両腕が沙耶の腕ごと胴を抱えていた。ベアハッグに捕らえられた沙耶に、背後からレフェリーが近づく。
「ギブアップか? 笹葉選手」
「くっ・・・こんなことくらいで、しません!」
気丈にもギブアップを拒む沙耶だったが、次のレフェリーの行動に息を呑む。
「そうだよな、まだお客さんに見て貰いたいよなぁ」
いきなりフレアスカートを捲り上げてきたのだ。
「や、やめてください! こんな恥ずかしいこと・・・」
叫び、足をばたつかせる沙耶だったが、レフェリーはせせら笑うだけだった。
「何を言ってるんだ。ほら、こうしてパンツを見られるのが好きなんだろ?」
「違います! そ、そんなことあるわけないです!」
レフェリーからスカートを捲られるたび、沙耶の頬は上気し、鼓動が速くなる。
「服の上からじゃぁ、おっぱいの感触がわかりにくいぞぉ」
グレッグがそんな不満を洩らし、ベアハッグの体勢からボディプレスに移行する。
「えっ・・・がはぁっ!」
崩れるような動きだったとはいえ、グレッグの巨体を浴びせられ、高校生である沙耶が耐えられる筈もなかった。失神し、リングに両手両足を投げ出している。
「ぐうぇへへ、それじゃぁ、脱がしてやるぞぉ」
のそりと沙耶に跨り、服に手を掛けたグレッグをなぜかレフェリーが止めた。
「脱がすのは後だ。取り敢えず、服の上からなら何をしてもいいぞ」
「・・・しょうがねぇ、このままおっぱい揉むとするぞぉ」
沙耶に跨ったまま、グレッグはバストを揉み始めた。
「気持ちいいけど、やっぱり服の上からじゃぁなぁ・・・」
グレッグがちらりとレフェリーに視線を送るが、レフェリーが首を振るとまたバストを揉む行為に戻る。
グレッグがバストを揉み、レフェリーを見上げて拒否され、またバストを揉む、というサイクルが何度か続いた。そのうち、沙耶の目がゆっくりと開いた。
「・・・っ? 私、なにして・・・ええっ!?」
目を開けたときに自分のバストが揉まれていれば、沙耶でなくとも驚きの声を上げるだろう。
「ちょっと待ってください、一体何をしてるんですか!」
やめさせようとしてグレッグの両手を掴もうとするが、大量の汗のせいで滑って取っ掛かりが掴めない。そんな沙耶を余所に、レフェリーがグレッグに声を掛ける。
「やっと目を覚ましたか。それじゃグレッグ、いいぞ」
「うぇへへ、やっと服を脱がせるぞぉ!」
グレッグの手が胸元に掛かったと見えた次の瞬間、トレーナーが音高く破かれていた。肩紐のないブラに覆われた沙耶のDカップバストが、観客の目にも晒される。
「きゃぁぁぁっ!」
悲鳴を上げた沙耶だったが、鼓動がどきどきと治まらない。
(違うもの、これは恥ずかしいから!)
決して嬉しいわけではない。そう自分に言い訳する沙耶に対し、グレッグが胸元へと手を伸ばす。
「うぇへへ、おっぱい揉んでやるぞぉ」
「い、いやっ!」
グレッグの手を跳ね除けようとするが、汗で滑って弾けない。グレッグは沙耶の抵抗などないもののように、ブラの上からバストを掴み、揉み始める。
「うぇへへ、やっぱり服の上からとは感触が違うぞぉ」
太く短い指を蠢かせ、グレッグは沙耶のバストの感触を味わう。バストを揉みくちゃにされる不快感が、沙耶を動かしていた。
「やっ、んっ・・・このぉっ!」
沙耶の振り回した手が、偶然グレッグの耳を叩いた。
「あぐうぇっ!」
鼓膜にまで響いた痛みに、グレッグが仰け反る。沙耶は汗の海を泳ぐようにしてようやくグレッグの下から抜け出し、立ち上がる。しかしトレーナーは破かれ、ブラが露出している。
「どうだ、ブラが見えるようになったぞ?」
レフェリーの言葉に、慌てて胸元を隠す。
「おいおい、隠すことはないじゃないか。見られて嬉しいんだろ?」
「そ、そんなわけないじゃないですか!」
レフェリーの揶揄を否定し、更に胸元を隠す。
「よぉくもやったなぁ。許さないぞぉ!」
耳を押さえながらようやく立ち上がったグレッグが、のんびりとした口調ながら怒りを露わにする。
「おっぱい揉むくらいじゃ、済まないからなぁ!」
怒りの表情のまま、グレッグが前進してくる。
(・・・隠していては闘えない。そうよ、これは見せたいためじゃなくて、勝つためなんだから)
誰に対しての言い訳なのか、心の中で呟きながら胸元を庇っていた手を外す。再び露わになったブラに、観客席から野次と指笛が飛ぶ。
「なんだ、やっぱり見せるのか。焦らし上手だな」
「ち、違います!」
レフェリーのからかいに、沙耶は一々反応してしまう。しかしそれは隙を作ることに繋がった。グレッグの接近を許し、更にはブラを掴まれていた。
「そぉらぁ、おっぱい丸出しだぁ!」
肩紐のないブラは、グレッグに無理やり引っ張られることでホックが外れ、グレッグの手の中に移っていた。
「きゃぁぁぁっ!」
ブラを剥ぎ取られた沙耶の悲鳴が会場中に響く。しかし、沙耶の中には形容しがたい波が生まれていた。妖しい波動が全身を駆け巡る。
(な、なに、これ・・・)
反射的に胸元を隠した沙耶は、その感情に戸惑っていた。
『なぜ胸を隠すの?』
『下着が見えても大したことはでしょう?』
内なる声は、沙耶の羞恥に疑問をぶつけてくる。
(・・・そうよ。勝つためだもの、隠していては闘えない!)
乳房から手を放し、ハイキックを放つ。脚線美が躍動し、乳房が揺れ、スカートが翻って下着がはっきりと見える。この大胆な攻撃に、観客席から歓声が起こる。
腰の入った素晴らしいハイキックだったが、グレッグには通じなかった。
「結構効いたぞぉ。でもなぁ、俺は倒れねぇぞぉ」
グレッグは沙耶の右脚を抱え、沙耶の体を一気に持ち上げるとリングに叩きつけた。
「がはぁっ!」
衝撃でリングに振り撒かれたグレッグの汗が飛散する。その汗溜まりの中で、背中を押さえた沙耶が呻く。
「うぇへへ、おっぱいおっぱい」
グレッグは沙耶の両手を頭上に上げさせ、その上に座って自由を奪うと乳房を揉み始める。
「い・・・いや・・・」
弱々しくもがく沙耶だったが、今度はレフェリーが太ももを広げて座り込んできた。そのまま股間とヒップを弄ってくる。
「ああ、そこは、やめてください・・・」
拒否する沙耶だったが、逆にレフェリーの興奮を誘ったようだ。レフェリーの手がパンティの中に潜り込み、直接秘部を弄ってくる。
「おいおい、濡れてるじゃないか」
レフェリーの驚いた声に、沙耶は反射的に否定していた。
「ち、違います、それは、その・・・対戦相手の汗です!」
「何を言ってるんだ、大事なところから出てるじゃないか」
秘裂を弄りながら、レフェリーが嘲る。
「見られて感じるなんて、露出狂以外の何者でもないなぁ」
(違う、私は露出狂なんかじゃない。露出狂なんかじゃ、ない・・・)
必死に心で否定しても、秘部に生まれた湿り気が沙耶を責める。剥き出しにされた肌に、観客席からの視線が突き刺さる。
「お、また濡れてきたぞ」
レフェリーの指摘どおり、視線を感じた沙耶の秘部は新たな蜜を生んでいた。
「やっぱり見られるのが嬉しいんだろ?」
レフェリーの追及に、沙耶は必死に首を振る。それでも、否、だからこそレフェリーは執拗だった。
「認めろよ、自分が露出狂だ、ってなぁ!」
「い、いや・・・それだけは嫌です・・・」
グレッグから乳房を揉まれ、レフェリーから秘裂を弄られながらも、沙耶は認めようとはしなかった。
(こうなったら、もう・・・)
沙耶は覚悟を決め、その言葉を言おうと口を開いた。
「ぎ、ギブアッ・・・」
「ギブアップするなら、写真をばらまかせるぞ」
しかし、レフェリーの言葉に顔色が変わる。
「そんな・・・それじゃ約束が違う・・・」
「約束なんぞ知らんな。どうする? 写真を見られることを取るか、自分が露出狂だってことを認めるか」
秘部を弄りながらのレフェリーの問いに、沙耶は逡巡していた。その間にも乳房はグレッグの手で揉みくちゃにされ、乙女の大事な部分はレフェリーに弄られている。
(・・・今言えば、恥ずかしいのはこの場だけで済む。なら・・・)
一度唾を飲み込んだ沙耶の口が開き、小さく何かを呟いた。
「聞こえねぇな。もっと大きく叫ぶんだよ!」
レフェリーの手が沙耶のアンダーヘアを掴み、揺さぶる。その痛みに沙耶は悲鳴を上げるように叫んでいた。
「わ、私は露出狂です! 見られて喜ぶ変態です!」
沙耶の叫びに、観客席から大きな歓声が起こる。その歓声は、沙耶の心に屈辱ではない別の感情を生んだ。
(違う違う! 私は・・・)
心の中で、生まれた感情を否定する。
「やっと認めたな、笹葉選手」
そのとき、レフェリーがパンティから手を抜いた。
(やっと終わった・・・恥ずかしいことを言わされたけれど、もう終わったから・・・!?)
これで試合が終わったと考えた沙耶だったが、グレッグは沙耶の乳房を揉み続け、なんとレフェリーが沙耶のパンティに手を掛けた。
「ちょっと待ってください! もう試合は終わった筈では・・・」
「誰が終わりだなんて言った?」
沙耶の抗議を、レフェリーは鼻で笑った。
「露出狂は露出狂らしく、お客様にじっくり見られて喜びな!」
パンティに掛けられたレフェリーの手が、ゆっくりと下がっていく。レフェリーの手の動きに比例し、沙耶の心臓も高鳴っていく。これまでとは比べものにならない大きな鼓動に、沙耶は自分自身に恐怖を感じていた。
「ギブアップ! ギブアップしますから、それ以上はやめてぇ!」
<カンカンカン!>
沙耶のギブアップ宣言に、レフェリーが合図する前にゴングが鳴らされた。レフェリーは舌打ちしながらパンティから手を放し、沙耶の乳房を揉み続けていたグレッグの頭を蹴飛ばし、やめさせる。
しかしすぐにはリングを降りずに、沙耶の前にしゃがみ込む。
「露出狂だってことを認めて、写真もばらまかれたいのか。よっぽどの変態だな」
レフェリーの嘲りに、沙耶の体が強張る。
(違う、私は露出狂じゃない・・・ギブアップしたのは、これ以上耐えられなかったから・・・それ以外に、ありません・・・!)
しかし、自らを露出狂だと認めた事実と、ギブアップしたことで写真がばらまかれる事態からは逃れようがなかった。
「・・・違う、もの」
心の奥底で妖しく蠢くものを感じながらも、沙耶は否定し続けた。グレッグの汗で光る肢体に、舐めるような視線が数え切れないほど注がれていた。