【特別試合 其の二十四 江草瞳:詠春拳】  紹介者:ニート味噌様

 犠牲者の名は「江草(えぐさ)瞳(ひとみ)」。24歳。身長175cm。B89(Eカップ)・W64・H88。
 肩甲骨のあたりまで伸ばした黒髪を後頭部で纏めている。手足がすらりと伸びたモデル体形で、顔立ちも美人なのだが、鋭い切れ長の目から発せられる険のある眼差しが人を寄せ付けない。
 一般企業でOLをしており、「普段でも美人、目が隠れてれば超美人」が職場の同僚の感想。本人自身はプライドが高いクールな一匹狼気質なので、あまり気にしてはいない。
 武術は中国人である祖父の武館で学ぶ。特別な思い入れはないが、淡々と鍛錬を重ねてきたため、腕前は武館でも五本の指に入る。
 美貌故か、はたまたOL故か、瞳には<地下闘艶場>へ参戦せねばならない事情があった。


 ガウンを羽織った瞳が花道に姿を現すと、観客席から野次が飛ぶ。その大半は卑猥な成分を含んだものだ。瞳の硬質的な美貌が更に硬さを増す。
「頑張ってね瞳タン!」
 突然下の名前を呼ばれる。声を発した人間を見た瞳の眉がぴくりと上がる。しかしそれ以上の反応は見せず、瞳はリングに上がった。

 その人間こそ、瞳を<地下闘艶場>に送り込んだ張本人だった。瞳が働いている会社の取引先の御曹司で、偶然出会った瞳に目を付け、しつこくセクハラを繰り返してきた。会社のためだとある程度は我慢した瞳だったが、大事なところまで触られそうになると思わず叩きのめしてしまった。大事な取引先の御曹司に怪我をさせたことは大問題で、瞳はクビ寸前どころか刑事訴訟を起こされてもおかしくない立場となった。
 しかし意外にも、苦境の瞳を救ったのは当の御曹司だった。
「僕瞳タンが好きだから、今回の件は不問にしてもいいよ。ただし・・・」
 とある裏の催し物に参加すること。それが暴力沙汰を不問にするための条件だった。
「どうする瞳タン?」
 瞳の選択は一つしかなかった。

 リングに待っていたのは、レフェリーらしき白と黒のストライプシャツに蝶ネクタイを締めた中年男性と、若いもう一人の男だった。唇を噛んだ瞳だったが、静かにゆったりとリングへと上がった。

「赤コーナー、『伸縮自在』、阿多森愚螺!」
 瞳の対戦相手は阿多森(あたもり)愚螺(ぐら)だった。黒いボディタイツの上に道衣を着込み、頭には広めに畳んだバンダナを巻いている。
 その口元から、長い舌がだらりと覗いた。
「青コーナー、『クールアイズ』、江草瞳!」
 自らの名前がコールされ、瞳は教えられたとおりにガウンを脱いだ。その途端、会場が沸いた。
 瞳の衣装は、赤い拳法着の上のみだった。大柄な男性用のものなのか、袖は何回も折り返され、丈は膝頭近くまである。加えて両サイドにスリットが入れられ、パンティが見えるか見えないかというぎりぎりの深さだ。ついそこに目が行くと、ヒップラインに沿うように大きくピンクのハート型アップリケが縫い付けられており、その上には緑色の糸で「ひとみ」と太文字の刺繍が施されている。
 しかし、観客の視線は上半身にも集中している。拳法着の背中側に空けられた穴からブラの紐が見え、前面の胸の谷間と両脇のすぐ前の三箇所にも大きく穴が開いている。
 観客の視線を避けようとでもいうのか、瞳は両腕で身体の剥き出しにされている部分を庇う。しかし、何故か素肌には触れず、ぎりぎりのところに手を置いていた。

 阿多森のボディチェックをおざなりに終えたレフェリーが、瞳の前に来る。その視線が胸元に注がれるのを感じ、左手で隠す。
「へえ、黒の下着か。随分と挑発的じゃないか」
「これも衣装とセットで用意されたものだけど」
 年頃のOLの瞳でも、こんな男を誘うような下着を闘いのときに着るような露出狂ではない。
「まあどっちでもいい。ボディチェックを受けて貰うぞ」
「男性レフェリーから? それはセクハラの部類に入ると思うけど」
 手を伸ばそうとしたレフェリーからすっと間合いを外し、睨む。
「ボディチェックを拒むのか? なら、試合を始められないな。試合をしないと困るのはそっちなんじゃないのか?」
 レフェリーの言うとおり、御曹司の条件は瞳が<地下闘艶場>で試合をすることだ。試合もせずに帰れば、どんな結末が待っているのかわからない。
「さあ、どうする? ボディチェックを受けるというなら、その手を下ろせ」
 一度俯いた瞳は、ゆっくりと両手を脇に垂らした。
「それじゃ、ボディチェックを始めるか。一度逃げようとしたんだ、じっくりと調べてやるからな」
 品のない笑みを浮かべたレフェリーは、いきなり瞳のバストを掴んだ。その途端、瞳の肩が揺れる。
「なんだ、えらく感度がいいな」
 バストをゆっくりと揉み込みながら、レフェリーがにやつく。
「声は我慢しなくて大丈夫だからな。観客も喜ぶ」
「・・・」
 レフェリーの軽口にも、瞳は唇を噛んで何も返さない。しかしレフェリーの手が蠢くたび、何かしらの反応を返してしまう。
「こっちはどうだ?」
 レフェリーは右手を離し、脇、腹部、太ももなどを撫でる。レフェリーの手が素肌に触れるたび、瞳の身体がぴくりと跳ねる。
「ほら、我慢は毒だぞ」
 レフェリーの右手が後ろに回り、ヒップを撫で回す。それでも瞳は声を噛み殺す。
「まだ我慢するのか。なら・・・ここはどうだ?」
 遂に、レフェリーの手が股間まで移動してくる。
「そら、遠慮するな」
 そのままねとりと撫で回してくる。
「っ・・・っ!」
 瞳は唇を噛み、声を洩らすまいと必死に耐える。
「そんなに声を出すのが嫌なのか? 変な意地を張るなよ」
 レフェリーは右手で瞳のバストを捏ねながら、左手で秘部を弄る。瞳は込み上がる声をそれでも噛み殺し、ひたすら耐える。
「もしかして、声を出すのが恥ずかしいのか? 余計に燃えてくるな」
 含み笑いを洩らしたレフェリーは、先程に増して瞳の肢体を撫で回す。それでも瞳は声を上げることを拒み、堪え続けた。

「ふむ、何も隠していないようだな」
 レフェリーが離れ、長い長いボディチェックがようやく終わった。瞳はまだ試合が始まってもいないというのに、額にまで汗を掻いていた。
「それでは、ファイト!」

<カーン!>

「いいねぇ、敏感な女かよ。かなり楽しませてくれそうだぜ」
 阿多森は首を鳴らし、舌を垂らす。先程のボディチェックの余韻で瞳の頬は赤いが、その視線は鋭い。
「なんだよ、口を開いても感じるのか? 何か返せよっ!」
「っ!?」
 阿多森の直突きが、予想以上のリーチを見せる。ぎりぎりではあるが瞳はこれをかわす。
「げひゃっ、やるじゃねぇか。それじゃ・・・こんなのはどうだ?」
「なっ!?」
 いきなり阿多森の腕が伸びる。瞳の驚きも当然だろう。
 阿多森は、全身の関節が柔軟性と強靭性を持ち、常人よりも遥かに広い稼動域を誇る。腕の関節を外して無理やりリーチを伸ばし、鞭のように振るうのが阿多森の得意戦法だった。
「そらよぉっ!」
 横殴りの鋭い一撃だったが、瞳には掠りもしない。
「ちぃっ!」
 更に阿多森の腕鞭が瞳に襲い掛かるが、不規則な軌道の攻撃を瞳は全て避けて見せる。これには観客席からも驚きの声が上がる。

 瞳が祖父から伝授された詠春拳は、正確には葉問派詠春拳という。力みを嫌い、外功的訓練を忌避するなど合理的かつ論理性を求める拳法で、ジークンドーの源流とも言われ、中国拳法マニアには良く知られた流派の一つ。

 しかし、瞳の華麗なほどの回避力は詠春拳独自のものとは言いがたい。瞳の身体能力の高さが出ているのか。
「やるじゃねぇか!」
 阿多森が振るう腕鞭が幾度も瞳に殺到するが、瞳は悉く回避していく。しかし瞳も反撃までは行けず、回避に終始する。
「逃げてばっかいやがって・・・なら、これはどうだ!」
 舌打ちした阿多森が、椀鞭を微妙に変化させる。
「っ!」
 下から伸びた阿多森の腕が、拳法着の裾を捲る。黒のパンティがはっきりと観客の目に焼きつく。
(・・・見られ、てる)
 その途端、瞳の動きが鈍った。
「げひゃはっ、どうしたよ。観客の視線が気になって、今頃恥ずかしくなりました、ってか?」
 阿多森の諧謔だったが、実は真実を射抜いていた。
 瞳は重度のくすがったがり屋で、触られるのが苦手だ。裏を返せば肌が敏感だと言える。その敏感さは聴勁の駆使については大いに役立つものの、視線を意識するだけで実際に撫でられているような気分になってしまうのだ。
「おらぁぁっ!」
 阿多森の腕鞭が瞳の胴を襲う。瞳は上半身を横倒しになるほど傾ける。体勢が崩れそうなほど大きく避けたことで、脇近くに空けられた穴に自ら触れてしまう。
「くぅっ!」
 自分の肌が触れたならば大丈夫だったろうが、拳法着が触れたことで肌が刺激されてしまった。僅かに動きが停滞した隙を見逃さず、阿多森が距離を詰めていた。
「奮ッ!」
 阿多森の全身の関節が常人の稼動域を超える回転をし、そこで生まれたエネルギーを右拳に集約する。阿多森の<螺旋突き>が瞳の腹部を抉っていた。あまりの威力に、瞳の意識は一瞬で飛んでいた。
「避けるのは上手かったが、耐久力は紙だったな」
 阿多森は失神した瞳を軽々と抱え上げると、コーナーで下ろす。そのまま両手首と両足首をロープで戒めていく。クールな美貌の女性が目を閉じたまま拘束されている。その様を会場中の観客が視姦する。
 御曹司もその一人だったが、心の声をそのまま表に出してしまう。
「失神した瞳タンも最高! ああ、今すぐ舐めたい、揉みたい、弄り回したい! 持って帰って地下室で・・・」
「うるせぇぞお坊ちゃん」
 阿多森の声は大きくなかったが、御曹司の舌をぴたりと止めた。
「そんなにこの女が欲しいんなら、闘って手に入れてみろよ。まあ、その前に俺と闘って貰うけどなぁ」
 阿多森のぎらつく視線に捕らえられ、御曹司は声もない。会場の空気が凍り、御曹司だけでなく、他の観客も静まり返る。
「・・・なんてな、冗談だよ」
 阿多森の圧力が緩む。御曹司の顔には一面に多量の汗が浮かんでいた。
「侘び代わりだ、リクエストを聴いてやるよ」
 その途端、御曹司の顔がぱっと輝く。
「目隠し! 目隠しされた瞳タンが見たい!」
 この辺は上流社会の人間なのか、どこか壊れているのか、驚くほど切り替えが速い。
「目隠しプレイ? 随分マニアックだなぁおい。俺も嫌いじゃないがな」
「僕も嫌いじゃないけど、狙いは別にもあるんだ。僕の予想が正しければ、瞳タンにはかなりきつい責めになる筈だよ」
 御曹司の自信満々な態度と、「リクエストを聴く」と宣言した手前、阿多森は自分が締めているバンダナを外す。
「ひゃはっ、ちょいと汗臭いが、我慢できるよな」
 そのまま瞳の両目を覆い、後頭部で結ぶ。
「さて、改めておっぱいを・・・」
「あ、ちょっと待った。触るのストップ」
 突然阿多森を止めたのは、いつの間にかリング下に移動していた御曹司だった。
「ああ!? テメェ、人が下手に出てりゃぁいい気になって・・・」
「いいからいいから、騙されたと思って。何分もかからないよ」
 御曹司の平静な調子に不満顔で腕組みした阿多森だったが、結果は早かった。
「んっ・・・ふっ・・・」
 意識が戻ったのか、瞳がもじもじと体を動かす。
(何も見えない。だけど・・・感じる・・・)
 視界を取り戻すために手を動かそうとするが、瞳の手はロープに戒められている。
「えっ? 何が、どうなって・・・」
 口に出しても、答える者は居ない。手どころか足も動かせず、焦る瞳の様子が徐々におかしくなっていく。息が早くなり、頬が赤みを帯びていく。
「ああっ、いやっ! 見ないで、見るのをやめなさい!」
 目隠しされて拘束される。確かに屈辱的な格好ではあるが、胸を揉まれているわけではない。秘部を弄られているわけでもない。それなのに、瞳の取り乱しようは異常だった。
(視線が! 視線が突き刺さる! 私の肌を撫でる! 胸をつつく! 太ももを這い回る!)
 視覚を封じられたことで、ただでさえ敏感な触覚の機能が増大していたのだ。瞳にとって、観客の視線は物理的な圧力となって全身を犯してくる。
「げひゃっ、なるほど、見られると感じちまうわけか。それなら・・・」
 舌舐めずりした阿多森が、悶える瞳を視姦しながらゆっくりと近づいていく。
「み、見ないで!」
「見られるのが嫌なら触ってやるよ」
 その言葉どおり、阿多森は瞳の胸の谷間に指を這わす。
「ふぅんっ!」
「げひゃはっ、甘い声だすじゃねぇか! そら、こうやったらどんな声になるんだ?」
 阿多森が瞳の両方のバストを揉み始めると、瞳の口から抑えてもまだ高い声が洩れる。
「もう触っちゃうんだ。視線だけで悶える瞳タンをもうちょっと堪能したかったのに」
 文句を言う御曹司だったが、さすがに小声だった。
「でも、胸を揉まれる瞳タンもいいなあ。あの嫌がる表情もそそるね」
 御曹司の視線は、目隠しされた瞳の顔を捉え続けている。
 今まで黙って見ていたレフェリーだったが、阿多森の肩を叩く。
「そろそろ、俺も参加していいよな」
「まだもうちょっと待てよ。俺がじっくり楽しんでからだ」
 レフェリーの希望をあっさりと退け、阿多森は瞳のバストを責める。
「ちっ、冷たい奴だ」
 舌打ちしたレフェリーだったが、それならばと瞳の責められる姿を凝視する。
「ああっ・・・胸から、胸から手を離して!」
 瞳が首を振っても、阿多森はバストを揉み続ける。
「げひゃはっ、服の上からがまだるっこしくなってきたぜ!」
 次の瞬間、元々開けられていた部分から音高く拳法着が破かれ、黒いブラに包まれた瞳のバストが観客の目に晒される。
「うわ、黒下着エロい! 瞳タンが着ると倍エロい!」
 騒々しい御曹司の独り言などもう無視し、阿多森はブラの上からバストを揉み始める。
「あくぅっ!」
 先程よりも高く大きな声が瞳の口から洩れる。
「げひゃはっ、いいねぇ、いい声だ。鳴き声もそそるじゃねぇか」
 阿多森がバストを責めるたび、瞳の口からは喘ぎが洩れる。
「ブラの上からこれなんだ、おっぱい丸出しになったら、どんな反応になるんだろうな」
「やめなさい、そんなこと・・・」
 瞳の声が震える。
「やめなさい? やめてくださいだろうが!」
 黒いブラが乱暴にずらされ、とうとう瞳の乳房が阿多森、レフェリー、御曹司、そしてリング四方を囲む観客にまで晒される。
(見られている・・・)
 熱を伴った視線が、瞳の乳房と中心に色づく乳首に集中する。
(あああっ! 乳首が、痛い!)
「げひゃははっ! この姉ちゃん、触られてるわけでもないのに乳首がおっ立ったぜ!」
 阿多森の言うとおり、まだ触られてもいないというのに、瞳の乳首が硬くしこり、立ち上がっていく。
「どれ、賞味といくかな」
 阿多森の独白に続き、おぞましい感触が乳房を襲う。
(な、なに、この感触!)
 阿多森が顎の関節を外し、瞳の乳房の右側を口中に含んでいたのだ。89cmEカップの大きさだというのに、右の乳房は全てが阿多森に咥えられていた。
「ひぃっ!」
 阿多森の舌が動き始める。乳房だけでなく、痛々しいほどに立ち上がった乳首も阿多森の長い舌に蹂躙される。
「ギブアップか、江草選手?」
 横合いから尋ねたレフェリーが、瞳の秘部に触れる。
「ひいいああああっ!」
 たったそれだけの刺激で、瞳の口から甲高い叫びが放たれる。
「おいおい凄いな、もうぐしょぐしょじゃないか」
 触れただけのレフェリーの手は、もう液体に濡れていた。
「これだけ喜んでいるなら、乱暴にしても大丈夫そうだな」
 レフェリーは掌で瞳の秘部を覆うと、強い振動を与えていく。
「いっ、やぁっ・・・あぐぅっ!」
 瞳の腰が何度も跳ね、刺激を逃そうとする。しかし全てを逃すことはできず、瞳の目の前で幻の火花が散る。
「あっ・・・はぁぁっ・・・」
「なんだ、もうイッたのか? なら・・・」
 レフェリーは右手をパンティの中に突っ込み、直接秘裂へと指を埋める。しとどに濡れた秘裂は、たいした抵抗も見せずに指を飲み込む。
「ひぎっ!」
 それだけで瞳は再び達していた。
「随分喜んでくれるじゃないか、ええ? こっちも頑張り甲斐があるな」
 レフェリーが指を出し入れするたび、瞳の秘部からは淫らな水音が起こる。膣だけでなく乳房と乳首も責められ、瞳はどんどんと追い詰められていく。
「ギ、ギブアップ! もう無理よ、こんなのもう無理! やめてぇぇぇっ!」
 瞳のギブアップを聞き、レフェリーの手が止まる。しかしそれも一瞬で、再び秘部で蠢きだす。
「い、今あああっ! ギブアップした、のにひぃぅうぅっ!」
 ギブアップすれば責めも終わる、と瞳が考えたのも当然だろう。しかし、レフェリーの答えは辛辣だった。
「江草選手がギブアップした? 阿多森、お前聞こえたか?」
 レフェリーの問いかけに、瞳の乳房から口を離し、顎を嵌めなおした阿多森はわざとらしく首を捻った。
「いいやぁ? 俺には聞こえなかったけどな」
 それだけ言うと再び顎関節を外し、今度は左の乳房を頬張る。舌で口の中の乳首を転がしながら、自らの唾液で汚した右の乳首を指で押し潰す。
「そん、な・・・あひぃぃぃっ!」
 両方の乳首を同時に、しかも異なる方法で責められ、瞳は甲高く叫んでいた。
「変な声を出してどうした? 大丈夫か?」
 レフェリーは秘部を弄りながら、反対の手で剥き出しの太ももも撫でる。
「はひぃっ!」
 目隠しをされた状態で予測もしない場所に触れられると、倍する刺激に襲われる。
(見えないけど・・・見られてる・・・!)
 敏感になった皮膚だけでなく、乳房、乳首、秘部、淫核など、元々敏感な部分を責められる。しかもそれを会場中の観客が見ており、四方八方から視線が飛んでくる。
 刺激と視線で何度となく昇り詰め、気が遠くなっても、また刺激と視線が瞳を連れ戻す。
「いいよいいよ、瞳タンいい! やらしい顔になってる瞳タンもいい!」
 リング下の御曹司は両手を叩き、はしゃぎたてる。
(こんなこと、もう、無理・・・っ!)
「んああああぁぁぁあっ!」
 再び絶頂へと昇らされ、瞳は咽喉が見えるほどに仰け反った。
「お、またイッたか。感じやすいと大変だな。だが安心しろ、嫌だって言ってもとことこんまで感じさせてやるからな」
 それなのに、レフェリーの手は止まることなく瞳を責め、阿多森も頬張った乳房と乳首、乳輪までも舐め回す。否、リング上の二人だけでなく、観客の視線までも瞳を昂らせてしまう。
(もう無理、無理よぉぉぉっ!)
「ひああああーーーっ!
 ギブアップを告げたい口は、嬌声と喘ぎ声しか発してくれない。何度も身悶え、何度も喘ぎ、何度も達する。繰り返される淫虐地獄に、瞳の意識は焼きついていった。

「ん?」
 レフェリーが気づいたとき、瞳の口から一筋の涎が垂れていた。
「おいおい、大丈夫か?」
 さすがに心配になったのか、レフェリーが瞳の頬を軽く叩く。
「あはぁぁっ!」
 たったそれだけで、瞳は軽く達してしまっていた。
「さすがにもう無理か」

<カンカンカン!>

 これ以上は危険だと判断したレフェリーは試合を止めた。しかし試合は終わったものの、観客の視線は尚も瞳を貫き、官能を掻き立ててしまう。それによって瞳は身悶え、観客がその様を楽しむ。そうするとまた視線が集まり、瞳が身を捩る。
 終わりの見えない快楽地獄に落とされ、瞳は只々喘ぐしかできなかった。

 突然視界に光が戻る。目隠しが外されたということにも気づかず、瞳は目の前の人影をぼんやりと眺めた。
「やっぱり瞳タン、サイコー」
 どこかで聞いたことのある声だと思いながら、全身を粘つく視線に犯されたことで、瞳は意識を失った。


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