【特別試合 其の二十九 大和久英利洲:フェンシング】  紹介者:修行人様

 犠牲者の名は「大和久(おおわく)英利洲(えりす)」。16歳。身長162cm。B89(Fカップ)・W57・H83。
 イギリス人の祖母を持つクォーター。碧眼の猫目でセミロングの金髪をポニーテールに纏めている。礼儀正しく真面目で騎士道精神に溢れた美少女。ずば抜けた瞬発力と反射神経を備え、高校のフェンシング大会で準優勝を飾った。
 そんな英利洲に、異種格闘技の誘いがかかった。フェンシングの強さを知らしめるチャンスだと考えた英利洲は出場を承諾したが、まさか淫靡な罠が待ち構えていようとは、このときにわかろう筈もなかった。


「・・・こんな衣装で闘うんですか?」
 闘いには不向きだと思われる衣服を前に、英利洲は女性黒服に確認していた。
「勿論です。お似合いだと思いますよ」
 女性黒服はにこやかに勧めてくれるが、その目はどこか冷たさを感じさせる。
「・・・わかりました」
 その視線に気圧されたわけではないが、英利洲は衣装を手に取った。それを見届けた女性黒服は一礼し、控え室を後にした。

 英利洲が花道へと足を踏み入れると、怒号のような歓声が響く。観客の興奮の叫びではあったが、そこに含まれている欲望に英利洲の眉が寄る。それでも英利洲は歩を止めず、リングへと上がった。
(え・・・男性、ですか?)
 リングに待っていたのは、顔を真っ白に塗り、目と口には黒いペイントを、鼻には黒い付け鼻をしている男性だった。服はだぼっとした黒いナイロン地のもので、頭には黒いシルクハットを被り、手には白手袋をはめている。
 まさか対戦相手が男性だとは思ってもいなかった英利洲は眉を顰める。しかし一度出場を決めた以上、後戻りするようなことはしない。英利洲は唇を結び、着実にステップを上がった。

「赤コーナー、『マジシャン・ピエロ』、ジョーカー!」
 シルクハットを取ってコミカルなお辞儀をしたジョーカーに、会場中から大きな拍手が送られる。
「青コーナー、『大和国の騎士娘』、大和久英利洲!」
 コールを受けた英利洲は、教えられた通りにガウンを脱いだ。その下にあったのは、マーチングバンドが着ているような礼装の軍服に白いミニのフレアスカートだった。この衣装にフェンシングの競技用の剣を携えた英利洲は、まるで女性騎士を思わせた。
「それじゃ準備はいいな? 試合を始めるぞ」
 レフェリーの呼びかけに英利洲は言葉を返した。
「ちょっと待ってください、相手は武器を持っていません。いいんですか?」
「大和久選手は優しいな。だが気にするな、大丈夫だからな」
 レフェリーが見せた表情が気になったが、英利洲は剣を鋭く一振りして気合を入れ直した。その風切り音に一瞬首を竦めたレフェリーだったが、空咳をしてからゴングを要請した。

<カーン!>

(この緊張感・・・フェンシングの試合とはまた別物ね)
 相手が何をしてくるかわからない、自分の技は通じるのかという不安。しかし、だからこそ異種格闘技の試合に出た甲斐がある。自らの実力を試すことができる。
(行きます!)
 闘志を漲らせ、英利洲の碧眼が煌く。剣先を揺らして狙いを絞らせず、一気の踏み込みから突きを繰り出す。剣先がジョーカーの胸を一度、否、一瞬で三度突いていた。吹き飛んだジョーカーを確認してから剣を引いた英利洲だったが、その目を見開く。
 なんと、剣が真ん中から折れ曲がっていた。ジョーカーが突きを食らいながらもへし折っていたのだ。
(なんて身体能力・・・)
 驚く英利洲だったが、即座に気持ちを切り替える。
「レフェリー、予備の剣に交換を・・・」
「何を言ってるんだ? 武器の交換は認められないぞ」
「そんな・・・」
 この遣り取りの間に、ジョーカーがヘッドスプリングで跳ね起きる。
「それじゃ、その剣はこっちで貰おう」
「あっ」
 ジョーカーのパフォーマンスに目を奪われた瞬間、レフェリーが英利洲の剣を奪い取っていた。折れていたとは言え、まだ闘いようはあった。唇を噛んだ英利洲だったが、前に出てくるジョーカーに対し、咄嗟に素手で身構えた。
(そう・・・私はフェンシングでしか闘えない。ならば!)
 フェンシング独特の半身の構えから、高速飛び込みで拳を突き刺す。顔面を捉えた一撃に、ジョーカーがよろめく。
(よし、上手くいった!)
 初めての試みだったが、フェンシングの動きを上手く生かすことができた。そのまま胴への三連撃を放つ。しかしこれはジョーカーもかわし、即座に反撃に移る。
 ジョーカーの手刀が危険な速度で襲い掛かるが、英利洲は掠らせもしない。フェンシングの試合は何よりスピードが重視される。ゼロコンマ何秒の世界で闘う英利洲にとって、ジョーカーの手刀は脅威ではなかった。それでもジョーカーの手刀の鋭さは英利洲に余裕を持たせてくれない。
(だいぶスピードに慣れてきた、これならどうにか・・・っ!?)
 突然のことだった。身を沈めたジョーカーが、英利洲のスカートを捲っていた。
「っ!」
 羞恥から思わずスカートを押さえる。
「こ、こんなことを試合中にして、恥ずかしくないんですか!」
 英利洲の非難にも、ジョーカーは小首を傾げるだけだ。
「・・・叩きのめします!」
 英利洲の紺碧の瞳が怒りに燃える。無意識にフェイントを入れてから、鋭い踏み込みからの直突き。ジョーカーの顔面へと一気に伸びた拳は、目標を捉えられなかった。
「えっ・・・あぐっ!」
 腹部への強烈な衝撃は、ジョーカーのカウンターでの膝蹴りだった。崩れ落ちた英利洲をジョーカーが支え、コーナーポストに寄り掛からせる。
 ジョーカーが右手を振ると、どこからかガムテープが現れた。ジョーカーはロープごと英利洲の腕をガムテープで巻く。足首と膝も同様にし、コーナーで磔にする。
 一度距離を取ったジョーカーは両手の親指と人差し指で長方形をつくり、その間から英利洲の姿を確認してから満足気に頷く。再び英利洲に近寄ると、衣装の上からバストを撫でていく。
(ど、どこを触っているんですか!)
 まだ声が出ず、心の中で叫ぶ。英利洲が動けないことをいいことに、撫でるだけでは終わらず、ジョーカーの両手がバストを揉み込んでくる。
「いっ・・・やぁっ・・・」
 弱々しく身を捩るが、ジョーカーの手から逃れられない。
「っ!」
 ジョーカーが揉むだけではなく、乳首の辺りまで刺激してくる。怒りが英利洲に叫ばせていた。
「いいかげんに、胸から手を離してください!」
 この剣幕に驚いたのか、ジョーカーは両手を万歳の格好で上げてしまう。しかし小首を傾げると、英利洲の唇に人差し指で触れる。
「な、なにを・・・」
 その行為の意味がわからず、英利洲はジョーカーを見つめてしまう。
 ジョーカーの右人差し指が、徐々に下へと下りていく。咽喉、胸の谷間を過ぎ、腹部を通る。そこで、ジョーカーは手を開いた。腰を撫で、ヒップを厭らしく揉む。しかし、それで終わりではなかった。
「まさか・・・」
 英利洲の危惧したとおり、手はヒップから前方へと蠢いていく。下腹部を撫で回したジョーカーの右手が、遂に秘部へと到達した。
「負けを認めます! もうやめてください!」
 乙女の羞恥が、思わず敗北の言葉を叫ばせていた。

<カンカンカン!>

 英利洲のギブアップの宣言で、試合終了のゴングが鳴らされる。ゴングを聞いたジョーカーは英利洲から離れ、馬鹿丁寧な一礼をしてから退場する。
(悔しい・・・あんなことをされて、しかも負けを認めてしまうなんて)
 誇り高い英利洲にとって、自らの負けを認めることはそれだけで屈辱だった。
「勝てなくて残念だったな、大和久選手」
 傷心の英利洲にレフェリーが歩み寄る。てっきり拘束を解いてくれると思った英利洲のバストを、いきなり掴んでくる。
「な、何を!」
「いやなに、試合前のボディチェックを忘れていたんでな、今から行うからそのつもりで」
 ボディチェックとはまるで違うあからさまなセクハラをしながら、レフェリーはにやつく。
「し、試合が終わったのに、ボディチェックは必要ないでしょう!」
「いやいや、ボディチェックはきちんと行わないと」
 レフェリーは両手で英利洲のバストを揉み、Fカップの感触を味わう。
「こ、こんなことをして、レフェリーなのに恥ずかしくないんですか!」
 英利洲の正義感と羞恥心が、この言葉を言わせていた。
「さっきも言っただろう? これはボディチェックだ。つまり、レフェリーの仕事ってことだ」
 それもレフェリーには通じなかった。
「違います! レフェリーというのは、ルールの遵守者です! 反則や不正取り締まらないといけない立場なんです!」
「ああ、だからルールに則ってボディチェックを行っているんじゃないか」
 服の上からバストを揉むセクハラを行っておきながら、レフェリーは平然と嘯く。
「これはボディチェックじゃないです! セクハラです!」
「なんだ、えらく噛みついてくるじゃないか。・・・ああなるほど、そういうことか。ここに何か隠しているな?」
 そう言った途端、レフェリーは礼装の軍服に手を掛け、一番上のボタンから外していく。
(こ、この人、一体何を!?)
 想像もつかない行為をされ、英利洲の思考が停止する。その間にもレフェリーの手で、ボタンが一つ一つ外されていく。
「あ・・・ああ・・・」
 とうとう最後の一つが外された。
「どれ、ブラはどんなだ?」
 衣装を掴んだレフェリーが、左右へと一気に開く。
「きゃああああっ!」
 会場に英利洲の羞恥の叫びが響き渡る。
「これはこれは。衣装の上から見るより、かなり大きく見えるな」
 ブラに包まれた英利洲の89cmFカップのバストを直に見て、レフェリーがにやける。
「どれどれ、感触も確かめておこう」
 レフェリーはブラの上からバストを揉み、にやける。
「大きく見える、は間違いだ。実際に大きいじゃないか」
「やめてください! こんな恥ずかしい真似!」
「ボディチェックだからしょうがないだろう? 我慢するんだ」
 英利洲がどんなに叫ぼうとも、レフェリーはバストから手を放そうとはしない。
(こんな人がレフェリーだなんて・・・絶対間違ってるわ)
 怒りに震える英利洲だったが、ふとレフェリーがバストから手を放していることに気づく。
「さっきからチラチラと見えてたが、可愛いパンツを穿いてるじゃないか」
 しゃがみ込んだレフェリーは、スカートを捲り、英利洲のパンティを確認する。
「やめて、見ないでください!」
 反射的に太ももを閉じようとした英利洲だったが、ガムテープで拘束された脚はびくともしなかった。
「安心しろ、見るだけじゃ終わらないからな」
 下品な笑みを浮かべたレフェリーはスカートを捲くったまま、右手をパンティの中に突っ込んだ。
「いやーーーっ!」
 リングに英利洲の悲鳴が響き渡る。レフェリーはパンティの中に手を入れただけではなく、秘裂を直接弄りだしたのだ。
「やめてくださいこんなこと! ボディチェック以前にセクハラです!」
「おいおい、ここは女にしかない隠し場所だぞ? ボディチェックするのは当然じゃないか」
「も、もう試合は終わったんです! チェックの必要がないです!」
「いやいや、ボディチェックは完璧に行わないとな」
 何を言ってもレフェリーには通じない。
「やめてください! やめ・・・っ!」
 レフェリーの指が秘裂を割り、浅くではあるが中へと埋められる。
「お、なんだ処女だったのか。それじゃ恥ずかしいのはしょうがないな」
 レフェリーはパンティから手を抜いた。一瞬安堵しかけた英利洲だったが、レフェリーが浮かべていた表情に気づく。
「お詫びに、気持ちよくしてやるよ」
 にやりと笑ったレフェリーは、いきなり英利洲のブラを上にずらした。その途端、89cmFカップの乳房が盛大に揺れ、観客の目に晒される。
「そんな! そこまでするなんて!」
「遠慮するな、どこまででもしてやるからな」
 にやついたレフェリーは、英利洲の乳房を下から弾ませて感触を楽しむ。何度か弾ませた後で揉み込んでいき、同時に乳首を引っ掻くように刺激する。
「いやぁっ!」
 必死に首を振る英利洲だったが、どうしても拘束が解けない。それどころか乳房が揺れるだけで、レフェリーの手を楽しませてしまう。
「おいおい、そんなにおっぱいを押しつけてくるなよ。積極的だな」
「違います!」
 どんなに言葉で否定しても、レフェリーには通じない。通じないだけでなく、一層の責めで返されてしまう。
「もう嫌です、やめてください!」
 思わず叫んだ英利洲だったが、レフェリーの次の言葉に固まってしまう。
「そんなことを言いながら、乳首が硬くなってるじゃないか」
「そんな・・・嘘です・・・」
「こうしてしっかり立ってるぞ? 嘘はいけないなぁ、大和久選手」
 一度唇を舐めたレフェリーは、両手で乳房を絞るようにしながら、英利洲の右の乳首にむしゃぶりついた。
「やぁぁぁっ!」
 英利洲が上げた悲鳴は、レフェリーを余計に興奮させた。レフェリーは乳房を揉み、乳首を舐めるだけではなく、右手を再びパンティの中に突っ込んで秘裂を弄る。
「やめて、こんなの嫌です! 嫌ぁっ!」
 英利洲がどんなに叫ぼうとも、どんなに体を揺すろうとも、レフェリーの嬲りから逃れられない。英利洲は、レフェリーの思うままに身体を弄られ続けた。

(い、いつまで、こんなことを・・・)
 英利洲には長い長い時間が過ぎるが、レフェリーはまるで責める手を弱めようとはしない。ひたすら乳房を揉まれ、乳首を舐められ、秘裂を弄られる。敏感な部分を責められ続け、遂に英利洲の身体のほうが屈服した。
「濡れてきたぞ、大和久選手。あんなに嫌がっていたのになぁ」
「う・・・嘘、です。こんなの・・・」
 言葉で否定してみても、レフェリーが指を動かすたび股間から水音がする。
「諦めて認めろよ。そうすれば、もっと気持ちよくなれるぞ?」
 左手で英利洲の右乳首を、右手で英利洲の秘裂を弄りながら、レフェリーが英利洲の耳元に囁く。
「違う・・・私が、こんなこと・・・違います!」
 必死に否定する英利洲だったが、自らが生み出した愛液は消せなかった。
「違うだって? なら、これはなんだろうなぁ?」
 英利洲のパンティから手を抜いたレフェリーは、愛液に濡れた指を英利洲に突きつける。
「それは・・・」
 否定の言葉も浮かばず、英利洲は視線を逸らせた。
「答えてくれよ、なんで俺の指は濡れてるんだろうな?」
 反対の手で乳房を揉みしだきながら、レフェリーは意地悪く言い募る。
「違い、ます・・・それは、私の所為じゃ・・・」
「なんだ、まだ認めないのか?」
 再びレフェリーの指がパンティの中へと侵入する。
「いやぁーーーっ!」
 秘部を直接弄られる嫌悪と羞恥に英利洲が叫ぶ。しかしレフェリーはそんなことにお構いなく、否、更に興奮を煽られたように処女の秘裂を弄り続ける。
「おかしいなぁ、これだけ俺の指に絡みついてくるものがあるんだが」
 一度パンティから手を抜き、英利洲の愛液に塗れた手を見せつけたレフェリーは、乳房を撫で回す。愛液を塗り込もうとでもいうのか、丹念に擦っていく。
「大和久選手のエッチな汁でおっぱいがテカってるぞ。厭らしいな」
「くっ・・・ううっ・・・」
 最早唇を噛み、耐えることしかできない。
「どれ、もう少し塗り込んでやるか」
 そう言ったレフェリーは、またもパンティの中に右手を突っ込んだ。秘裂を弄り、淫核に振動を送り込み、叢を撫で回す。左手では飽きることなく乳房と乳首を嬲り続ける。
(私は・・・いつまでこんな辱め、を・・・)
 遂に羞恥心が限界を突破した。英利洲の理性は現実を拒み、気絶へと逃避させたのだ。それに気づいたレフェリーが、パンティの中から指を抜く。
「処女のお嬢さんには強烈過ぎたか? ま、喜んでくれたようだし、俺も頑張った甲斐があったな」
 勝手な独り言を言い放つと、レフェリーは英利洲を残したままリングを後にした。乳房を剥き出しにされたまま取り残された英利洲へと、観客席からは卑猥な野次と粘つくような視線が飛ばされ続けていた。


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