【特別試合 其の三十九 水波流子:酔拳】  紹介者:ロップス様

 犠牲者の名は「水波(みずなみ)流子(るこ)」。16歳。身長156cm。B90(Fカップ)・W58・H86。
 寡黙で何故か仏頂面なことが多い高校生。内面は割と熱血努力家。ただし努力のベクトルはメートル単位でずれる。人見知りする上に恥ずかしがり屋で、口を開いても言葉数は少ないのだが、発言自体は的確で、自分の意見を通す芯の強さも持っている。
 肩に掛かる程度の黒髪をさっぱりとしたポニーテールにしている(よく跳ねるので本人は邪魔に思っている)。大きめの瞳に対し他パーツが小振りなため愛くるしい顔立ちなのだが、仏頂面のために折角の容貌が見事に打ち消されている。
 幼い頃に見た映画で酔拳に惚れ込み、見様見真似で練習していたところを、中国武術師範である祖父が発見。勧めを受け道場に通うことになった。
 しかし肝心の酔拳の稽古が無かったため、すぐさまゲームや本を頼りに独学を開始。酔拳に飲酒が不要だと知った後もロマンを追求。飲酒はできないので、代わりに水を飲み酔っ払うトレーニングを重ねた。
 長年稽古と試行錯誤を重ねた結果、水を飲むだけで酔拳(のようなもの)を扱えるようにはなり、その間だけは饒舌になるというオマケもついたが、師範である祖父はあまりのイレギュラーぶりに、稽古中の酔拳を禁止してしまう。
 時折披露の場はあるが、それも彼女を満足させるには至らない。酔拳(のようなもの)で正式に戦える場が欲しい。本当の自分を発揮したい。
 そう願っていた流子に、<地下闘艶場>から参戦の声が掛かった。それがどれだけ自分を淫らな罠に落とすのか知らぬまま、流子は勇んで参戦を承諾した。


(落ち着かなきゃ、落ち着かなきゃ、落ち着かなきゃ・・・)
 心の中で呪文のように繰り返すが、鼓動は反比例してどんどんと速くなっていく。先程水を飲んだものの、普段のような酔い(に似た状態)がやってこない。
 焦りだけが溜まっていく時間が過ぎ、とうとう入場の合図が来た。

 花道に踏み込んだ途端、凄まじい野次が叩きつけられた。しかもほとんどが聞くに堪えない内容で、流子は耳を塞ぎ、小柄な体をなお縮めて花道を進んだ。

「え・・・」
 リングに待っていたのは、二人の男性だった。
 一人は蝶ネクタイと縦ストライプのシャツ、黒のズボンを履いたレフェリーと思しき男。
 もう一人は細身で中背。無口で無表情。黒いレスリングタイツを身に着けている。恐らく今日の対戦相手だろう。
(男の人と闘うなんて・・・)
 想像していなかったことばかりが待ち構えている。身を固くしたまま、流子はリングへと上がった。

「赤コーナー、『執行人』、草橋恭三!」
 流子の対戦相手は、草橋(くさはし)恭三(きょうぞう)だった。派手な活躍はないものの、いぶし銀の働きをするタイプの選手だ。黒いレスリングタイツを履き、ゆっくりと手首をほぐしている。
「青コーナー、『リトルドランカー』、水波流子!」
 コールを受け、教えられた通りにガウンを脱ぐ。その下から現れたのは、流子が酔拳披露の場のために自ら作製し、用意してきた濃紺の武術服だった。それに気づいたレフェリーが睨んでくる。
「なんで用意された衣装を着てないんだ!」
<地下闘艶場>が用意していた衣装は、胸部と背中に大きな穴が開けられ、えぐいほどのスリットが入った赤いチャイナドレスだった。
「・・・あ、あんな恥ずかしい衣装、着れません・・・」
 下を向いてぼそぼそと呟く流子に、レフェリーが鼻を鳴らす。
「こっちが用意した衣装を着用しなかったんだ。ペナルティとして、二人を相手にしてもらう」
「・・・え? そんな・・・」
「追加選手の準備をしてくれ!」
 小声での抗議などレフェリーには届かず、黒服がすぐに動き出した。

 それほど間を置かず、もう一人の男性選手が姿を現す。
「追加選手は、『ハンドフット』、串縞連太郎!」
 トップロープを軽々と飛び越えてリングインしたのは、串縞(くしじま)連太郎(れんたろう)だった。面長で髪は短く刈り込み、手足がしなやかに長い。靴も靴下も履いていない裸足の指もかなり長い。
「へぇ、今日はこの子が相手か。楽しませてくれよ」
 串縞の言葉も、流子を委縮させるだけだった。

 草橋と串縞のボディチェックを簡単に終えたレフェリーが、今度は流子の前に立つ。
「よし、それじゃこれからボディチェックを行うからな。逃げたり俺に攻撃したりしたら、即座に失格とするから注意しろよ」
「・・・はい」
 小さく頷いた途端、レフェリーがいきなりバストを掴んだ。
「ほう、これはこれは。ちっこい割に、大きいおっぱいをしてるじゃないか」
 しかも無遠慮に揉み込んでくる。あまりのことに、流子は思考停止寸前になっていた。
「あ、あの、その・・・」
「これはボディチェックだからな、終わるまでじっとしているんだぞ」
 厭らしくバストを揉み込みながら、レフェリーが下卑た笑みを浮かべる。
(こ、こんなこと・・・でも、我慢しないと・・・闘えない・・・)
 ようやく自分の実力が試せる場を得たのだ。恥ずかしさを堪えないと闘えないならば、耐えるしかない。
 レフェリーは流子のバストをひたすら揉み続け、なかなか手を放そうとしない。流子が泣き顔になりかけたとき、ようやくレフェリーがバストから手を放す。やっと終わりかと気を抜きかけたとき、なんと股間を弄られた。
「え、な、あ・・・」
「ここは女特有の隠し場所だからな。よく調べておかないといけないんだよ」
 本気の言葉ではない証拠に、レフェリーは厭らしい笑みを浮かべている。レフェリーは秘部を弄りながらヒップも揉み回し、流子の身体を好き勝手に触っていく。
 それでも、流子には耐えるしかできなかった。

「よし、何も隠していないようだな」
 たっぷり五分以上もセクハラボディチェックを行ったレフェリーが、ようやく流子から離れる。
「それでは、ゴング!」

<カーン!>

 ゴングが鳴ったとき、リングには草橋が残り、串縞は自軍コーナーへと引いていた。
「う、うう・・・」
 そんなことにも気づかず、流子は僅かに震えていた。まさか試合前に辱めを受けるとは、想像もしていなかった。
(いきなり、こんなことされるなんて・・・)
 未だにセクハラボディチェックから立ち直れていない流子に、草橋が静かに距離を詰めていた。
「え?」
 気づいたときには、草橋が掌底を放っていた。否、掌で胸の膨らみを触ってきた。
「ひゃっ!?」
 慌てて飛びのき、距離を取る。
「レフェリー、今この人・・・」
「あん?」
「む、胸を・・・」
「なんだ、試合中に触られるくらいは当然だろう、ファイト!」
 何が当然なのかはわからないまま、試合は続行される。
(試合中まで触ってくるなんて・・・)
 真剣勝負を望んでいたのに、してくるのはセクハラ攻撃とは。思わず草橋から距離を取る。じりじりと後退を続けていたそのとき、お尻を撫でられた。
「ふえっ!?」
 突然のことに、お尻を押さえて飛びのく。背後を見ると、ロープの向こうで串縞がにやにやと笑っていた。
(こ、この人まで触ってきた)
 愕然とする流子だったが、それは隙となった。草橋に体当たりを受け、コーナーまで押し込まれてしまう。
(しまった!)
 臍を噛んだときには遅く、背後から伸びた両手がバストを鷲掴みにする。
「いらっしゃい。おおっ、凄い巨乳だな」
 流子のEカップバストを揉み回す串縞が、思わずにやける。草橋は無言でしゃがみ込み、秘部を触ってくる。
「えっ、やっ・・・」
 二人同時のセクハラ攻撃を受けるなどとは思いもよらなかった。思わず固まってしまった流子の身体を、男たちの手が這い回る。
「どうした水波選手、まるで動けてないじゃないか。体調でも悪いのか?」
 そうでないことはわかっているだろうに、レフェリーがにやにやと笑いかけてくる。
「そうだ、胸元を緩めてやろう。苦しそうだぞ」
 そう言うと、レフェリーは武術服の一番上のボタンを外す。
(脱がされちゃう!)
 羞恥が力を生んだ。体を思い切り捻って回転させ、回転力で男たちの手を振り払うと、そのままリングの下へと転げ降りる。
(このままあれを・・・あった!)
 流子は<地下闘艶場>への運営に、1.5リットルの水入りペットボトルを用意するよう頼んでいた。
(これを飲めば・・・でも・・・)
 普段ならば500ミリリットルでも多いほどだ。しかし、今の素の状態では、男性選手二人に勝つなどとてもできない。500ミリリットルの水を飲み、「水酔い」の状態となっても難しいだろう。
(なら!)
 勝利への渇望が、覚悟を決めさせる。蓋を開け、躊躇なく傾け、一気に喉奥へと流し込む。流子の喉が鳴り、ペットボトルの中身がどんどんと消えていく。
 からん、と空になったペットボトルが床に落ちる。
「・・・ぷふぅ〜」
 ゆらりと立ち上がった流子の表情は、どこか茫洋としていた。
「おい水波選手、早くリングに戻らないとリングアウトで負けになるぞ」
「はいはいはい、今すぐ戻りますよ、気にしない気にしない」
 つい先程まで気弱で小動物のように怯えていた流子が、別人のように饒舌となり、リングに転がりながら戻ってくる。呆気にとられたレフェリーを尻目に、立ち上がった流子は手招きする。
「さあ、いらっしゃい」
 手招きしながらも、上体がゆらゆらとふらついている。好機と見たか、草橋がタックルの姿勢で突っ込む。しかし、突如流子の姿が視界から消えた。と、いきなり背中に衝撃が奔り、前から倒れ込む。
「ふぅい〜」
 尚も上半身を揺らしながら、流子が小さく息を吐く。
 流子は草橋の背中を転がるようにしてタックルを躱し、背中へ蹴りを入れていたのだ。歯を食い縛った草橋が立ち上がると、流子は何故か顔を煽ぐ。
「ちょぉっと熱くなってきちゃったな〜」
 そう呟いた流子が、自ら上着のボタンを外す。上から三個まで外すと、前屈みになりながら襟元を広げる。
「ほぉら、こうしたら・・・谷間、見えちゃうでしょ?」
 小柄な体躯に巨乳なため、深い谷間が良く見える。草橋、串縞、レフェリーの視線が思わずそこへと吸いつく。
 ひょい、と流子が草橋との距離を詰めていた。慌てて捕まえようとした草橋の右手を手繰り込みながら体勢を崩し、自分の体重を預けて投げを打つ。しかも肘打ちのおまけつきだ。二人分の体重ごと背中から落ちた草橋は、投げと打撃の威力に完全に動きが止まった。
「あと一人だね〜。ほら、おいでおいで」
 胸元が扇情的な流子の手招きに、串縞がゆっくりとリングに入る。
「さっきとは全然違う動きだな。水に酔っぱらったのか?」
 軽く跳ねることでリズムを取りながら、串縞はゆっくりと距離を詰める。と、左足刀が流子の胸目掛けて放たれていた。
 流子の上半身がぐにゃり、と後方に傾き、その反動で右足が跳ね上がる。
「ぐあっ!」
 太ももを下から蹴り上げられ、串縞が苦鳴を放つ。そこに、上半身を勢い良く起こした流子の頭がどてっ腹へと叩き込まれる。
「ぐおお・・・」
 その威力に身を折り、呻く。
「さぁてさて、お次は〜」
 流子は串縞の頭を掴むと、上下左右へと不規則にシェイクする。そのまま脳みそを揺らされて棒立ちとなった串縞の頭部を自分の胸に押しつける。
「どう? 私の胸の感触は?」
 嫣然と微笑んでから、流子は串縞の頭部をリングに叩き落とした。後頭部に左上腕を当てたままのえぐい技に、串縞の動きが止まっていた。
「ふっふ〜ん。これで、私の勝利ね」
 流子は前屈みになり、串縞へと指を差す。胸元を肌蹴ているため、胸の谷間が露わとなる。
「・・・いや、まだ勝ちとは認められん」
 苦い顔で否定したのはレフェリーだった。
「え、なんで? なんでよ? 二人とももう戦闘不能でしょ? それならもう私の勝ちでしょ? ね?」
 流子の流暢な反論に、レフェリーが眉を顰める。
「今からテンカウントを取る。その間に二人共立てなかったら水波選手の勝ちだ」
「そっかー。なら、カウント宜しくぅ」
「ああ。ワーン・・・ツーゥ・・・」
 レフェリーのカウントが進むが、驚くほどのスローカウントだった。しかし流子はそんなものかと思い、特に文句はつけない。
「ファーイブ・・・シーックス・・・おっ」
 カウントが6まで進んだとき、串縞が頭を振りながら膝立ちとなる。
「あらら、立っちゃうか〜。なら、もう一度お寝んねしてもらおうかな!」
 串縞目掛け、ダッシュしたときだった。いきなり右足首を掴まれた。意識を取り戻した草橋の仕業だった。
「えっ!?」
 自分でつけた勢いのために一瞬宙を舞う。それでも背中で受身を取ったものの、右腹部に激痛が生まれた。串縞が滑り込みながら蹴りを放ったのだ。
「あ・・・がはっ・・・」
 容赦ない蹴りの威力に、脇腹を押さえて呻くしかできない。そこにレフェリーが歩み寄る。
「こんなに痛がるとは、これは心配だな。よし、上着を脱がしてやれ。俺が直接見てやろう」
 草橋が両足を押さえ、串縞が自分の両足で流子の手首を押さえたまま、武術服の上着のボタンをすべて外していく。大きく前を開くと、両手両足を上手く使ってそのまま上着を脱がせてしまう。
「どこが痛むんだ水波選手? ん?」
 流子のお腹に座り込んだレフェリーは、飾り気のないブラの上からバストを揉む。
「い、痛いのは・・・そこじゃないわよ・・・!」
「本人にはわからない場合も多いからな。俺がじっくりと調べてやるよ」
 流子の言葉も聞き流し、レフェリーは流子のバストを揉み続ける。
「まったく、厭らしい谷間を作りやがって」
 訳のわからないいちゃもんをつけながらも、レフェリーはバストの感触を味わう。
「折角だ、下着姿になってもらおうか」
 流子のバストを揉みながら、レフェリーが草橋に指示を出す。頷いた草橋が、流子の武術服のズボンに手を掛ける。
「こら! 脱がすな!」
 足をばたつかせようとしたものの、それを察した草橋に脛の上に乗られてしまう。そのままズボンの紐を外され、一気に膝下まで摺り下ろされる。
「脱がすなと言ってもなぁ、こちらが用意した衣装を着てこないほうが悪いんだろう?」
 ブラ越しのバストの感触を楽しみながら、レフェリーが笑う。
「あんな衣装着て闘えるわけないでしょ! あ、ちょっと!」
 流子が文句を言っている間に、上着に続いてズボンも脱がされた。
「おっぱいもいいが、ここはどうだ?」
 下着の上からとは言え、レフェリーが大事な部分をなぞってくる。
「気持ち悪い! 以上! だからやめて!」
「・・・うるさい奴だ」
 顔を顰めたレフェリーが、やや乱暴に秘部を弄る。
「今度は痛いから! やめなさいよ下手くそ! 変態審判!」
「そこまで言うか・・・よし、ブラを脱がすぞ」
 レフェリーの科白に流子が目を剥く。
「え、下着を脱がすまでするの!?」
「もとはと言えば、こっちが用意した衣装を着ない水波選手が悪いからな。ペナルティだ」
「ちょっと待ってよ、衣装の分のペナルティは二人と闘うことだったでしょ!?」
「うるさいな、レフェリーがペナルティと言ったらペナルティだ! それに、お客さんが喜ぶだろ?」
「私は喜ばないわよ!」
「ファイトマネーを払ってるんだ、お客さんを喜ばせるのが優先だ」
 ふん、と鼻を鳴らしたレフェリーが、流子の背中に手を回し、ブラのホックを外す。そのままぐい、と上にずらす。その途端、ブラに押さえつけられていた90cmEカップの乳房が揺れながら姿を現す。
「これはこれは。生で見るとかなりの大きさだな」
 そう呟いたレフェリーが、流子の乳房をつつく。
「触るな! つつくな!」
「レフェリーに命令するんじゃない」
 レフェリーはつつくだけでは当然終わらせず、乳房を鷲掴みにすると、ゆっくりと揉み始める。
「こいつは揉み応えのある大きさだな」
 にやにやと笑いながら、レフェリーは乳房を揉み、捏ね回す。
「感じたら声を出していいからな」
「感じるわけないでしょ下手くそ!」
 流子の罵倒に、レフェリーは乳首を扱くことで返す。
「なんだ、そう言いながら乳首が硬くなってきたぞ?」
「そんだけ触られたら硬くなるのは当たり前でしょ! 馬鹿じゃないの!?」
 手厳しい反論に、レフェリーは黙って流子の最後の一枚へと手を伸ばす。
「ちょっと! それはさすがにまずいでしょ!」
 パンティにまで手を伸ばされ、流子が焦った声を出す。
「何がまずいんだ? お客さんが喜ぶんだ、諦めてすっぽんぽんになるんだな!」
 レフェリーがパンティを持ち、ぐいぐいと引っ張り、伸ばしていく。布地の限界を超えたとき、裂ける音を残してレフェリー手にはパンティの残骸が残されていた。
「あーあ、破れちまった」
 残念そうでもなく手の中のものを捨てたレフェリーは、屈辱に唇を噛む流子の顔を覗き込む。
「どうする? ギブアップするか?」
「あんたらみたいな卑怯者に、絶対に負けたなんて言わないから!」
 それでも闘志を失わない流子に、レフェリーが肩を竦める。
「だ、そうだ。待たせたな、二人共。後は好きにしていいぞ」
 レフェリーのゴーサインに、これまで我慢していた串縞と草橋が流子への責めを開始する。串縞は両足で流子の手首を押さえたまま、乳房を揉み、乳首を弄る。草橋は流子の太ももを膝で押さえ、秘裂を弄る。
「くっ、んっ・・・」
「なんだ、可愛い声も出せるじゃないか」
 流子の全裸姿を見ながらにやけていたレフェリーが笑う。
「う、るさ・・・いああっ!」
 レフェリーへ言葉を投げつけようとした流子だったが、男たちのセクハラによって嬌声を上げてしまう。
「厭らしい声が出たぞ? 本当は触られると気持ちいいんだろ?」
「違うわよ、今のは・・・はぁうっ!」
 否定の言葉も、自分自身の喘ぎ声で遮ってしまう。
「ふん、やっぱり気持ちいいんじゃないか。どれ、俺も参加しよう」
 レフェリーが草橋をどかし、流子の秘部を奪う。草橋は文句を言うでもなく、流子の太ももや腹部を撫で回す。
「ちょっと変態男ども! いいかげんにしないと、本気で・・・はうあああっ!」
 串縞に乳房と乳首を弄られ、草橋に太ももを撫でられ、レフェリーに秘部と淫核を責められる。男たちによる同時責めに、先程よりも大きな嬌声が口から迸る。
(こ、こんなの・・・っ! まずいわ、反撃どころじゃ、なくなって・・・んああっ!)
 全裸のまま敏感な箇所を責められ、快感がどんどんと高められていく。
(ああ・・・何か、何か来ちゃう! ううん、私がどこかに行っちゃう! 連れて行かれちゃう!)
 流子の背中が反り、腰が跳ねる。
「ああああああああーーー!」
 絶叫した流子が、がくりと首を折り、瞼を閉じる。
「おや、失神したか?」
 秘部を弄っていたレフェリーが流子の顔を見やる。その間も秘部を弄ることはやめない。
「そうだ、失神している間にだな・・・」
 レフェリーの提案に、串縞もにやりと笑う。
「そいつはいい。それじゃ早速やるか。草橋の旦那も手伝ってくれよ」
 串縞の呼びかけに、草橋も無言で頷いた。

 やがて、流子の目が薄っすらと開く。
「・・・え?」
 状況がまったく掴めないのか、流子は瞬きを繰り返す。
(私・・・闘ってて、水を飲んで、それから・・・)
 絶頂が呼び水となったのか、酔い覚ましとなったのか、流子はいつもの人格へと戻っていた。しかし、「水酔い」の状態のときの記憶がなく、状況を把握できていない。
(あれ、体が動かない)
 何故自由に体が動かせないのか。考える前に声を掛けられた。
「お、目を覚ましたようだな」
 レフェリーがにやつきながら、流子の顔を覗き込んでくる。そのまま手を伸ばし、流子の90cmFカップの乳房を揉んでくる。
(え? 私、ブラをしてない!)
 反射的に隠そうとしても、両手が動かない。両手どころか両足も動かない。
(この寒々しい感じ・・・まさか・・・!)
 流子は両手、両足をロープに戒められ、全裸で大股開きという、恥ずかしい恰好で拘束されていることに気づいた。
「や・・・こんなの・・・」
「いい眺めだぞ。お前の大事なところまではっきりと見えるしな」
 わざとしゃがみ込んだレフェリーが、流子の秘部を覗き込んでくる。
「だめ・・・そんなとこ、見ちゃ・・・!」
「駄目と言われても、男が見ないわけないだろうが」
 鼻を鳴らしたレフェリーが右手を伸ばし、流子の秘部に直接触れる。
「ひっ・・・」
 その感触だけで鳥肌が立つ。
「どれ、水波選手の奥はどうなってるんだ?」
 レフェリーは触れるだけでなく、秘裂を開き、流子の奥まで覗き込んでくる。
「ああっ・・・そんな・・・酷い・・・!」
「ほお・・・綺麗なもんじゃないか、ええ?」
 乙女の証をじっくりと見つめながら、レフェリーが唇を舐める。
「やめて・・・見ないで・・・」
 なんとか逃れられないかと身を捩る流子だったが、乳房が揺れるだけだった。その揺れに誘われたか、レフェリーが顔を上げ、乳房を見つめる。
「こうして見ても、やっぱり大きなおっぱいだな」
 至近距離でまじまじと乳房を見られ、流子の頬が羞恥に染まる。
「そ、そんなに・・・見ないで・・・」
「さっきは自分からおっぱいを見せようとしてきたじゃないか」
「・・・私、そんなこと・・・しない・・・」
「なんだ、自分が何をしたのか記憶にないのか?」
 伸ばした右手で左乳房を玩びながら、レフェリーが小首を捻る。
「水波選手、色仕掛けをしてきたんだぞ。厭らしいやつをな」
「そんな・・・嘘・・・」
「嘘なんかついてどうする。ま、あれが水波選手の本性なんだろうな」

「淫らな行為をするのが本性」。それは、恥ずかしがり屋の流子にとっては衝撃的な事実だった。酔拳を扱うときの「水酔い」状態が本当の自分の姿だと信じていた。人見知りで恥ずかしがり屋の流子にとって、酔拳を使い、饒舌である「水酔い」の流子こそが本当の自分である筈だったのだ。
 その「水酔い流子」が、まさか色仕掛けを行うとは。それは、流子にとっては裏切りに等しかった。

「ほら、またあのときのようにしてくれよ。男を誘うような、厭らしい恰好を、な」
 動けない流子の乳房を寄せ、レフェリーが嘲笑う。
「違う・・・そんなの、私じゃ、ない・・・」
「おいおい、今さらそんなことを言うつもりか?」
 流子の乳房を弾ませながら、レフェリーがわざとらしく聞き返す。
「レフェリーさん、こっちもそろそろ楽しませてくれよ」
 我慢ができなくなったのか、串縞が催促する。
「そうだな、それじゃ、皆で楽しむか」
 その言葉を合図に、草橋が右の乳房を揉み、串縞が左の乳房と乳首を弄り、レフェリーが秘部を舐め回す。
(・・・気持ち悪い、のに・・・なんだか、変・・・)
 流子は混乱していた。男たちから身体を弄られ、気持ち悪さを感じる奥にぴりぴりとしたものが生じている。「水酔い」の状態のときに高められた官能が、再び流子を苛んでいるなどとはわかりもしない。
(なに、これ・・・こんなの、知らない・・・!)
 男たちの手が、指が、舌が、流子の肢体へと触れるたび、下半身が疼く。お腹の奥が熱い。初めて味わう性の奔流に、流子はただ流されるしかできない。
(やぁ、駄目、変なの、こんなのぉ・・・!)
 身体中の熱が下腹部へと殺到する。男たちの責めによって熱は次々と生み出され、更に下腹部へと集中していく。
(ひぁっ、やっ、出ちゃう、このままじゃ・・・っ!)
 下腹部の熱が流子の限界を超えようとする。如何に止めようとしても止まらない。それほど圧倒的な質量だった。
(駄目、や、出ちゃう・・・だめぇぇぇっ!)
 もう自分自身でも抑えきれず、流子の秘部から液体が激しく放出された。絶頂と放出感に、流子の意識も吹き飛ばされた。

<カンカンカン!>

 流子が失神した瞬間、試合終了のゴングが鳴らされた。全裸で失神したままの流子は、磔の姿を観客に視姦されていた。観客の視線が集中する流子の股間は、自らが生んだ液体に濡れ、淫らに光っていた。


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