【特別試合 其の四十六 常盤院葉月:古武術】  紹介者:サイエンサー様

 犠牲者の名は「常盤院(ときわいん)葉月(はづき)」。26歳。身長146cm、B81(Dカップ)・W51・H77。活発そうな印象を受ける大きな猫目に愛くるしい顔立ち、絹のような黒髪を団子に纏めた可愛い容姿。傍目には少女にしか見えないが、れっきとした成人女性であり、葉月を知っている人間の中には「合法ロリ」と呼ぶ者も居る。
 体格は小柄ながらも相対的なプロポーションは抜群であり、出るべきところはしっかり出ている。幼児体形なのではなく、身体のパーツが総じて小さい。
 そんな外見とは打って変わり、性格は跳ねっ返りがとても強い。それは誰彼かまわずではなく、筋を通さない大人に対してのもので、根はとても面倒見のいい性格。
 二度<地下闘艶場>に出場した天津命の通う道場の跡取り娘。
 子供の頃から飛び抜けた運動神経、特に並外れた身体のバネを発揮し、その才能は武芸によって昇華された。高校卒業後は実家道場の事務や管理をしながら自身も師範代として指導にあたっており、純粋な戦闘に限れば、道場で最も強いのは彼女であろうとまで吹聴されるほど。
 実の妹のように可愛がっている天津命の様子がおかしい事に気づいた葉月は、命を問い詰め、借金の事、そして<地下闘艶場>で嬲られ尽くした事を聞き出した。
 そして葉月は<地下闘艶場>に正面から挑みに向かった。

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 花道に姿を現した葉月に、盛大な野次や指笛が投げられる。しかし葉月は一切の反応を見せず、リングを睨みつけたまま花道を進んでいく。リングまで辿り着いた葉月は、一気に階段を上り、リングへと足を踏み入れた。

「赤コーナー、マンハッタンブラザーズ!」
 リングに待っていたのは二人の男性覆面選手だった。同じマスクと同じレスリングタイツを身に着け、まるで見分けがつかない。
「青コーナー、『小さな達人(リトル・マスター)』、常盤院葉月!」
 自分の名前がコールされた葉月は、小柄な体を躍動させてガウンを跳ね飛ばす。その下から現れたのは、改造された道衣だった。袖はなく、袴はミニスカートにされている。それは、天津命が初めて参戦した際に着させられた改造巫女服の色違いだった。
 これにはまたも野次が飛ばされるが、葉月は険しい目つきのままやはり反応を見せない。
「常盤院葉月選手は、以前<地下闘艶場>に参戦した天津命選手が通う道場の跡取りです。後輩の仇討に自ら参戦を表明した選手です」
 リング下で、マイクを持った黒服が説明を行う。
「今回の試合は三連戦が組まれております」
 観客の中には三連戦に単純に喜ぶ者と、それだけの実力者かと感心する者に分かれる。
「対戦相手はその都度紹介させて頂きます。愛する後輩のために<地下闘艶場>へと参戦した常盤院選手へ、どうぞ大きな拍手を!」
 この合図に、観客席から拍手が巻き起こる。葉月への激励、否、自ら淫獄へと赴いたその愚かさへと。

 マンハッタンブラザーズの二人に簡単なボディチェックを行ったレフェリーが、今度は葉月に寄ってくる。
「常盤院選手、ボディチェックを・・・」
「受けない」
「え? いや、ボディチェックは必須・・・」
「受けない!」
 取りつく島もない拒否に、レフェリーが鼻白む。しかし今日は三連戦だと思い直し、捨て台詞を残して引き下がる。
「・・・後悔するなよ」

<カーン!>

「後悔なんてするか。私は、お前らを後悔させるためにここに上がったんだ!」
 葉月の宣言に、マンハッタンブラザーズの二人が得意の同時ドロップキックを放つ。
「温(ぬる)いっての!」
 マンハッタンブラザーズ1号のドロップキックを体捌きだけで躱し、2号のドロップキックの軌道を上空へと向けさせ、顔面を押さえつけたままリングに叩きつける。慌てて立ち上がろうとした1号を足払いで崩し、2号同様後頭部をリングに叩きつけて動きを止める。

<カンカンカン!>

 凄まじいばかりの技の切れに、観客席が静まり返る。余りにも早い葉月の勝利に、次の選手が急いで呼ばれることとなった。

 暫く時間が経ち、花道に男性選手が姿を現す。それに気づいた観客が大きな声援を送る。
「第二戦は"クラーケン"、伊柄克彦が闘います!」
 リングに上がったのは、鍛えられ、引き締まった体躯を持つ優男だった。そして、葉月が対戦を望んだ男だった。
「それじゃ第二戦、開始!」
 ボディチェックも行わず、レフェリーはゴングを要請した。

<カーン!>

「お前が、命を散々辱めた男・・・」
 葉月の目が剣呑な光を放つ。
「ああ、あの感じやすい姉ちゃんかぃ。辱めたとは言いがかりじゃぁ、わしは姉ちゃんをたっぷりと悦ばせてやっただけじゃけぇのぉ」
「ふざけたことを・・・抜かすなっ!」
 怒りを拳に込め、葉月は突きを放つ。伊柄の水月を抉る筈だった突きは、腹部への膝蹴りで迎撃された。
「ちっ!」
 危うく直撃を避け、伊柄の顔面へ手刀を振る。しかしあっさりとガードされ、代わりに肘が振ってくる。
「くっ!」
 伊柄の太ももを蹴った反動で距離を取る。
「なかなか鋭い攻撃じゃが、単純過ぎて読みやすいわぃ」
 伊柄の皮肉と共に前蹴りが襲い来る。
「ぐうぅっ」
 危うく防御し、蹴り足を持ちながら即座に寝技へと引き込む。
「なんじゃぃ、わしと楽しみたいんかぃ?」
 しかし、伊柄のボディバランスは恐ろしいほどだった。軸足一本で自分の体をコントロールし、葉月に圧し掛かってくる。
(まずい!)
 寝技に引き込んだのは葉月のほうなのに、追い詰められているのも葉月だった。
「ほれ、お望みの寝技勝負じゃぞ」
(ちっ!)
 簡単に追い込まれてどうする。葉月は伊柄の左手を掴み、手首を極めようとする。
「ふん」
 しかし、逆に手首を極め返されていた。
(この!)
 下から突きを放つが、これもあっさりと手首を掴まれる。
「下手に抵抗されても困るけぇのぉ」
 伊柄は葉月の両手を腰横のキャンパスにつけ、自分の膝で押さえつける。
(痛いな、くそっ!)
 容赦なく踏みつけられた両手に痛みが奔る。しかし弱いところは見せたくなく、声を噛み殺す。
「それじゃ、本番といくかぃのぉ」
 襟元を掴まれたと思ったら、左右に広げられ、肌蹴させられた。
「ほぉ、身体はこまいが、出るとこは出とるのぉ」
 小柄な葉月だったが、胸は大きい。それを指摘されても嬉しくないが。
「どけ・・・うぐっ!」
「動くと痛いでぇ」
 体を揺すろうとすると、伊柄の膝で更に体重を掛けられ痛みが増す。そのまま伊柄によってバストを揉まれてしまう。
「触るな、くそぉっ!」
「触られたくないんじゃったら、止めてみせんかぃや」
 更に力強く揉み込みながら、伊柄が笑う。
「下着の上からじゃ感触がわかりにくいのぉ」
 伊柄の手がブラを掴む。そのままブラがずらされ、乳房を露わにされる。
「どれ、感触はどんなもんじゃろぉのぉ」
 伊柄の指が乳房をゆったりと揉み、掌が乳首を刺激してくる。
(こいつ、巧い・・・っ!)
 伊柄の責めは、女性の弱みを的確に衝いてくる。下手くそな男とは違い、確実に官能が高められていく。しかし、葉月もただ震えるだけの女性ではなかった。
(いつまでも、やられてばっかりじゃねぇぞ!)
 伊柄の膝から無理やり両手を抜いた瞬間だった。
「げぁっ!」
 なんの遠慮も呵責もなく鳩尾を殴られていた。
「うざったいのぉ、じっとしとれやぁ」
 伊柄は葉月の両手首を纏めて頭上に押さえつけると、残った手を秘部に這わせる。そのまま袴の隙間から手を入れ、下着の上から秘部を弄ってくる。
(こ、こいつ、こんなことまで・・・)
 命から話は聞いていたが、聞くのとされるのとでは屈辱感が違う。
「触んな、くそが!」
「口が悪いのぉ。ま、わしが言えたガラじゃぁないがのぉ」
 秘部を弄っていた伊柄の指が下着の中にまで潜り込み、秘裂を直接弄ってくる。
「てめぇ、そこまで・・・!」
「どこまででもやってやるでぇ」
 秘裂を、淫核を弄りながら、伊柄が笑う。
「なんじゃぃ、あのおぼこ娘の先輩じゃから処女かと思ぉたら、経験済かぃや」
 秘裂を割り、膣に指を入れた伊柄が呟く。
「指を・・・抜け!」
「そがぁに言うなら、抜いてやるわぃ」
 一度指を抜いた伊柄は、勢いをつけて再び突き入れる。
「あぐっ!」
 敏感な箇所へと乱暴に入れられ、葉月は苦鳴を洩らす。
「・・・なんてことしやがる!」
「わしに命令なんぞするからじゃぁ」
 にやりと笑った伊柄は、今度はゆっくりと抜き差しさせる。
(こいつ・・・っ!)
 押さえ込まれ、大事な部分を好きにされる。屈辱から伊柄を睨みつける葉月だったが、次の瞬間だった。
「あぅっ!」
 ぴくん、と反応してしまう。
「ここが弱いんかぃや」
 葉月の反応に、伊柄がその部分を丹念に擦る。
「ぐっ、ううっ、ああうぅっ!」
 抑えようとして抑えきれず、喘いでしまう。
「おーおー、えぇ反応してくれるのぉ」
 伊柄の指が繊細に動くたび、葉月は喘ぎ声を零してしまう。
(くそぉ、こんな奴に・・・!)
 生まれた屈辱も、快感によって流されていく。弱い部分を集中的に責められ、反論もできない。しかも。
「濡れてきたのぉ」
「・・・馬鹿なことを」
 伊柄をきっ、と睨み上げる葉月だったが、鼻を鳴らされるだけだった。
「嘘はいけんのぉ。ほれ、これが証拠じゃぁ」
 伊柄が秘裂から指を抜き、濡れた指先を突きつけてくる。
「あのお姉ちゃんも、散々悦んでくれたでぇ。おぼこ娘のくせして、最後は自分からして欲しいと言ってきたけぇのぉ」
(命・・・っ!)
 その名が葉月の闘志を蘇らせた。
「ぐぅぅっ!」
 快感を耐え、脚力と体の捻じりで伊柄を撥ね退ける。
「ちぃっ!」
 葉月への責めにのめり込んでいた伊柄は、一瞬だけ反応が遅れた。
「シィッ!」
 その一瞬に、葉月の手刀が伊柄の顎を打ち抜いた。
「ぐ・・・お・・・」
 しかし、伊柄は倒れなかった。普通の選手ならそれだけでKOされていただろうが、両足を踏ん張る。しかし平衡感覚を狂わされ、上体がふらついている。
 葉月の体がばね仕掛けのように跳ね上がる。体全体でぶつかるように、身長差のある伊柄の顔面に飛び膝蹴りを突き刺す。しかし、それでも伊柄は倒れなかった。
(命が敵わなかった男だけあって、しぶとい!)
 蹴り放すような前蹴りで、伊柄の体をコーナーポストまで吹き飛ばす。
「せいりゃあああぁぁっ!」
 葉月の口から気合いが迸る。短い助走から宙を舞い、伊柄の頭部へと足刀蹴りを突き刺す。蹴りとコーナーポストに頭部を挟まれた伊柄が、さすがに崩れ落ちた。

<カンカンカン!>

 危険な倒れ方に、思わずゴングが鳴らされる。
(命・・・取り敢えず、勝ったよ)
 心の中で命に告げる。伊柄に乱された衣服を正し、大きく息を吸う。
「・・・残り、一つ」
 三連戦もあと一戦。これに勝って、完全勝利を挙げるのだ。
「・・・出番だ、頼んだぞ」
 レフェリーの手招きに、既にリング下に居た最後の選手がリングに上がる。
「第三戦目、最終戦は『黄玉』、山森黄一郎が務めます!」
 山森のコールに、その実力を知る観客席がどっと沸く。
「よし、では第三戦・・・ゴング!」

<カーン!>

 レフェリーの合図に、最終戦のゴングが鳴らされる。
(くっ・・・)
 三戦目が始まったばかりだというのに、葉月は既に肩で息をしていた。速攻で終わらせた第一戦はまだしも、第二戦での立ち技の攻防、寝技からのセクハラ、とどめまでの全力攻撃などで、ほとんどのスタミナを消費していたのだ。
(なんとか、騙し騙し動いて体力を回復させないと・・・っ!?)
 いきなり山森の丸い体が眼前にあった。反射的に突きを放つが、躱された挙句右前腕を指で突かれる。
(な、なんだ?)
 山森の指で押し込まれた部分から熱が生じた。緋色の熱に炙られた箇所に、官能が生まれていた。
「ふぉほほ、どうしました?」
 山森が笑みを浮かべる。
「ちっ!」
 顔面に放った手刀は届かず、逆に前腕を突かれる。
「うっ!」
 またも快感が生じていた。先程よりも強く。
(なんだってんだ、くそっ!)

 葉月は知らなかった。山森の「対女拳」を。
 山森が修めたのは、「淫経絡」を突き、女性の快感を自在に操るという「対女拳」だった。

「・・・くおぉっ!」
 異変を堪えて出した前蹴りだったが、右の太ももに突き立てられた指で更なる快感が生まれてしまう。
「ふぉほほ、気持ち良くなってきましたかな?」
「・・・誰がっ!」
 唇を噛みしめ、横蹴りを放つ。しかし、脹脛の裏に山森の指が食い込んだ。
「あああっ!」
 生じた快感に叫び声を上げてしまう。
「そろそろ良いですかな?」
 山森が背後から手を伸ばし、衣装の上からバストを揉んでくる。
「・・・触る、なぁっ!」
 背中越しの肘打ちで怯ませ、距離を取る。
「ふぉほほ」
「あぐっ!」
 しかし、離れ際に背中への一撃を食らう。思わず動きを止めてしまい、山森にバストとヒップを同時に揉まれてしまう。
「気持ち良くなってきたでしょう? これが私の『対女拳』ですよ。女性である以上、この効果からは逃れられませんぞ」
 山森は葉月の右バストと左ヒップを揉み回しながら、耳元に囁く。
「・・・わけわかんないこと、言ってるな!」
 左の肘打ちから回転しての回し蹴りを放つが、山森は余裕を持って距離を取っていた。
「わかりませんか? ならば、身体にわかってもらうまで味わってもらいましょうかな」
 太鼓腹を叩いた山森の体がゆらりと揺れた。
「っ!」
 身体を蝕む快感に、いつもの動きができなかった。肩に、腕に、脇腹に、山森の指が食い込む。山森に突かれるたび、快感の目盛が上昇していく。それは、集中力を削ぐほどに。
「・・・うああっ!」
 それでも気力を振り絞り、山森を蹴り放す。
「ふぉほほ、まだ抵抗できますか」
 蹴られたところを払いながら、それでも山森は笑みを崩さない。その山森を睨む葉月の息は荒い。
(このままじゃ、じり貧だ)
 そう考えるのも苦しい。
 と、葉月の腕がだらりと垂れた。頬は赤く染まり、内股になっている。
「ふぉほほ、もう限界ですかな?」
 山森は悠然と葉月に歩み寄り、両手で同時に淫経絡を押そうとする。その瞬間、葉月の両腕が跳ね上がった。
「捕まえ・・・たーーーっ!」
 山森の両腕を極めたまま走る。山森は腕を折られないために後ろ走りをせざるを得ず、淫経絡を突く暇もなくコーナーポストへと背中をぶつけられる。
 そこでも葉月の動きは止まらなかった。山森の右腕だけを極めたまま、サイドロープを蹴って山森と位置を入れ替える。コーナーポストを足裏で蹴ったとき、葉月の右手は山森の喉を掴んでいた。
「おらああああっ!」
 運動エネルギーを山森の喉に集約させた喉輪落としに、さしもの山森も一瞬で意識を飛ばされていた。あまりにも危険な技に、即座にゴングが鳴った。

<カンカンカン!>

 試合終了のゴングを聞いた葉月の目が、ゆっくりと閉じていく。スタミナが切れた状態で無理やり動いた代償に、全身が休息を欲している。
(勝った・・・命、私・・・敵を、討った、よ・・・)
 勝利のゴングを聞きながら、体力の限界を超えた葉月は意識を失った。

「・・・?」
 ふと意識が戻った。
「お、目が覚めたか?」
 レフェリーの呼びかけに、段々と意識が戻ってくる。胸部に生じた不快感を払おうとしたときだった。
「・・・えっ!?」
 身動きができず、不審に思って下を向いたとき、自分がロープで拘束されていることを知った。両手は左右に広げられ、両足はM字開脚という恥ずかしい格好でだ。しかもレフェリーがバストを揉んでいる。
「なにやってんだ。もう試合は終わった、早く自由にしな」
「まあそう慌てるな。天津選手に援助がしたいんだろう?」
 ブラの上からバストを揉みながら、レフェリーがにやつく。その後ろには、マンハッタンブラザーズ、伊柄、山森と、葉月が倒した男たちが立っている。
「もう少し付き合ってもらうぞ。一分毎に一万円。常盤院選手が頑張れば頑張るほど、天津選手が助かる、ってわけだ」
「くっ・・・」
 今回、葉月のファイトマネーはすべて天津命に回されることになっている。天津家の借金完済と命の慰謝料をぶんどるためだ。
 命のことを持ち出され、一瞬反論を止めてしまう。それを待っていたかのように、男たちが纏めて襲いかかってくる。
 バストだけでなく、腕、脇腹、太もも、ヒップ、秘部など、あらゆる箇所に男たちの手が這い回る。
「んっ・・・」
 敏感なところに触れられ、葉月の口から喘ぎが零れる。
 先程山森に掻き立てられた官能が、未だに身体を火照らせている。命と違い、性行為の経験がある葉月は快楽を知っている分、耐久力も低かった。
「ああそうだ、天津選手には振込じゃなく、現金で送らせてもらおう」
 葉月の右バストを揉みながら、レフェリーが告げる。
「現金と一緒に、今回の試合の記念写真を同梱してやるよ。嬉しいだろう?」
「なっ!」
 驚きのあまり、葉月は言葉を失った。試合の記念写真とレフェリーは言ったが、当然葉月の凛とした姿ではあるまい。嬲られる様を写した写真の筈だ。
「そんなこと・・・ああう!」
「なんだ、やっぱり嬉しいようだな」
 男たちのセクハラに抗議を遮られ、レフェリーから嘲笑される。
「こいつは邪魔だな」
 男たちの手によって道衣を引き裂かれ、下着姿とされる。
「おっぱい丸出しにしたるけぇのぉ」
 それだけでは終わらず、伊柄にブラを毟り取られた。乱暴に引っ張られたため縫い目から引き千切れ、乳房を隠すものがなくなってしまう。たちまち男たちの手が伸び、乳房を揉みくちゃにされる。
「あううっ!」
 また快楽が身体で暴れだす。乳房だけでは終わらず、乳首、脇、腹部、太もも、ヒップ、秘部など、あちこちに男たちの手が這う。
「やめろ、触んな・・・はあぁっ!」
 実力で排除しようにも、四肢はロープに拘束されている。男たちの責めを受け入れるしかないのだ。
「最後の一枚じゃのぉ」
 とうとう伊柄がショーツを掴む。
「やめ、ろぉ・・・それまで・・・」
「やめるわけがないじゃろぉが」
 くくっ、と笑った伊柄が力を込める。
「この前の姉ちゃんと同じように、すっぽんぽんになれやぁ!」
 ショーツまで破り取られ、葉月は全裸とされた。観客共の視線が一層裸体に突き刺さり、葉月の屈辱を深くする。
「それじゃ、暫くわしに任せてもらおうかい」
 他の男たちを制し、伊柄一人が葉月に向かい合う。
「今日は姉ちゃんの弱いとこを、徹底的に躾けたるけぇの。今日の快感を二度と忘れられんよぉにのぉ!」
 伊柄が中指で葉月の秘裂を解す。充分に解れたと見ると、一気に膣へと突き込む。
「うぐぅ・・・あはぁん!」
 それでも、今まで蓄積された快感が痛みを生じさせない。元々膣が弱点の葉月は、伊柄の指の動きに官能を感じてしまう。
「やっぱり気持ちいいんじゃろぉが、襞がわしの指に絡みついてくるでぇ」
 膣の中に中指を往復させながら、伊柄が笑う。
「そんなわけ、ないだろうが!」
 膣からの刺激を堪え、伊柄を睨みつける。伊柄一人だけの責めになったので、僅かだが余裕が生じたためだ。
「言葉ではなんとでも言えるがのぉ、膣の中がどんどん濡れてきとるでぇ」
 伊柄の巧みな指使いに、愛液が生まれ、溢れてくる。
「いいかげんにやめろ!」
 それでも叫ぶ。或いは感じさせられていることを認めたくなかったのかもしれない。
「ふん」
 しかし伊柄は鼻で笑い、膣を責め続ける。葉月の反応を見ながら、弱い部分に集中的な責めを加える。
「やめろって・・・言ってるだろ!」
 葉月の声から余裕が消える。
「嘘はいかんのぉ」
 伊柄の指が激しさを増す。
「聞こえとるでぇ、姉ちゃんのアソコから、感じてる証拠の音がのぉ」
 派手な水音は、快感の証拠だった。
「やめろ、って・・・言って、る・・・くうぅぅぅっ!」
 言葉が途切れ、ロープで磔にされた葉月の腰が何度も跳ねる。
(くそぉ・・・イカされた・・・)
 弱い部分を集中的に責められたからとは言え、満座の観客の前で達してしまうとは。屈辱に歯噛みする葉月だったが、尚も伊柄は膣を責め続ける。
「やめ、ろぉ・・・」
 それでも言葉で拒む。
「強情じゃのぉ」
 伊柄が中指だけでなく、薬指までも膣に突き込むと、そのまま掻き回しだした。
(ああぁ・・・こんなの・・・ふああ!)
 伊柄の指に膣壁を擦られ、先程までよりも更なる快感が襲い来る。一度達した身体には強烈な刺激に、さすがの葉月も限界だった。
「もうやめてぇ!」
 遂に、葉月の口から哀願の言葉が発せられた。しかし。
「そんなじゃやめられんのぉ。お願いするなら、それなりの言い方があるじゃろぉが」
 伊柄は膣を責めながら、親指で淫核までも刺激する。
「んあっ、ひゃあうぅ!」
 伊柄の繊細さを備えた大胆な同時責めに、もう喘ぎ声も抑えられない。
(駄目だ、もう・・・耐えられない!)
 一度唇を噛んだ葉月は、より丁寧な言葉を吐き出す。
「やめてください、お願いします! お願・・・あああぁっ!」
「よぉ聞こえんのぉ。言いたいことがあるんなら、はっきり言わにゃぁいけんでぇ」
 しかし伊柄は許さない。より一層指の動きを激しくする。
「お、お願い、しますぅ・・・ふああっ! もう、やめてぇ・・・くだ、さい・・・っ!」
「よぉ言えたのぉ」
 葉月の屈服の言葉に、伊柄はようやく膣責めを止める。膣から抜いた指を濡らす大量の愛液を、葉月の乳房に塗り込む。
(くぅっ・・・でも、これで・・・)
 思わず安堵した葉月だったが、それは淫虐の終わりというわけではなかった。
「もう抵抗もないだろう。リングに寝かせろ」
(えっ!?)
 レフェリーの指示に、マンハッタンブラザーズの二人がロープの拘束を外し、葉月をリング中央に突き飛ばす。
(くっ・・・うぅ・・・っ)
 ロープの拘束は解かれたものの、絶頂の疲労で手足が動かない。道衣の残骸を纏わりつかせた葉月はリングの中央に横たわり、荒い息を吐く。
「よし、マンハッタンブラザーズは常盤院選手の両手と両足を押さえろ」
 レフェリーの指示に、1号が両手を、2号が両足を押さえようとする。
「ああ、違う違う。それぞれが片手片足を押さえるんだ。大股開きで、な」
 レフェリーが改めて指示を出し、マンハッタンブラザーズ1号が葉月の右足を広げ、右手と共に押さえる。マンハッタンブラザーズ2号は葉月の左足を広げ、左手と共に押さえる。葉月は全裸で大股開きという、屈辱の姿勢で固定された。
 土の字とされた葉月の乳房、立ち上がったままの乳首、責め続けられて愛液に光る秘裂に、観客とリング上の男たちの視線が突き刺さる。
「やめろ、こんな真似・・・」
「もう言葉遣いを忘れとるでぇ。やめてください、お願いします、じゃろぉが」
 葉月に圧し掛かった伊柄が、またも指を葉月の秘裂に突き立てる。
「ひぐぅ!」
 まだ官能は治まっていない。伊柄の指により、湿った音が聞こえてくる。
「おい伊柄、俺にも常盤院選手のボディチェックを・・・」
「この姉ちゃん、身体がこまいけぇのぉ。いっぺんには無理じゃぁ」
 ロープに拘束していたときには一度にセクハラをしていたと言うのに、伊柄はレフェリーに加わらせようとしなかった。
「暫く黙って見とけやぁ」
 もうレフェリーを見ようともせず、伊柄は葉月の右乳首を弄りながら、膣への指責めを継続する。
「ううっ、もう、こんなこと・・・」
 葉月の呟きに、伊柄が嘲笑混じりの辱めを投げる。
「本当は、こうやって気持ち良くされるんを期待しとったんじゃろぉが、のぉ?」
「な・・・に・・・?」
 その物言いに、葉月の負けん気の強さが頭をもたげる。
「素直に認めたらどぉじゃぃ」
「そんなこと・・・認めて、堪るかっ!」
 しかし、葉月は最後の一線を越えることは拒んだ。
「強情じゃのぉ。山森のおっさん、フォロー頼むわぃ」
 何故か膣から指を抜いた伊柄は、山森を見上げる。
「ふぉほほ、お望みとあらば」
 葉月の頭側に座り込んだ山森が、首の付け根の淫経絡を突く。
「はぐぁっ!」
 痛みではなく、またも快感が生じる。次に山森は両肩の付け根を突き、更に葉月の快感を高める。
「ふぉほほ」
 山森の左右の人差し指が、これ以上ないくらいに立ち上がった乳首を一気に押し込んだ。
「いぎぃっ!」
 それだけで葉月の腰が幾度も跳ねる。
「もう良さそうじゃのぉ」
 様子を見ていた伊柄が、再び膣へと指を埋める。
「あがはあぁぁああっ!」
 先程までとは感じ方が段違いだった。いきなり快感の限界値まで上げられてしまい、大きく口を開き、空気を取り込もうと舌まで伸ばす。
「やっぱり、ここが一番弱いのぉ」
 伊柄はゆっくりと指を抜き差ししながら、時折回転までも加える。
「やぁあっ、だっ、めぇぁ、ふああっ!」
 快感の量にまともな言葉すら出ない。
「・・・いやぁ、感じ、過ぎちゃう・・・から・・・もう、あああっ! もうやめ・・・はあああっ!」
 一度唾を飲み、必死に言葉を紡ぎ出す。
「やめて欲しけりゃぁ、きちんとお願いせにゃぁいかんじゃろぉが。さっきも教えてやったに、もぉ忘れたんかぃや」
 乳首を弄り、親指で淫核を転がし、中指を膣に出し入れしながら伊柄が屈服の言葉を強要する。
(こんなのぉ・・・耐えられないぃ・・・!)
 一度に生じさせられる快感の量と責められ続ける時間に、もう意地を張ることもできない。
「な、生意気言ってぇ・・・ご、ごめんなさ・・・あああっ! ごめんなさいぃ!」
 羞恥など感じる余裕もなく、謝罪の言葉を絞り出す。
「それだけじゃ足りんのぉ」
 しかし伊柄は許さなかった。葉月の耳元に唇を寄せると、葉月にしか聞こえない声で囁く。
「・・・と言えば、止めてやってもいいでぇ」
「そ、そんなこと・・・あああっ!」
 途端に膣責めが再開される。
「い、言います、言います、からぁ!」
「なら、さっさと言えやぁ」
 葉月を追い込むように膣責めを続けながら、伊柄は屈服の言葉を強いる。
「わ、私は・・・んぁぁ、ち、膣を責められて・・・はぁん! 感じてしまう、厭らしい女・・・ですぅ! こ、ここに来たのもぉ・・・気持ちいいことを、期待してたからですぅ!」
 快感により追い詰められ、葉月は恥ずかしい言葉を叫んでいた。
「よぉ言えたのぉ。それじゃ、ご褒美をやるでぇ!」
 伊柄が右乳房、右乳首、淫核、秘裂、膣を同時に責める。敏感な箇所な上、淫経絡によって快感値が高められきった身体は快感を享受するしかできない。
「ああっ! イク! イッちゃう!」
 容易く絶頂に叩き込まれる。
「あああっ! また! イクぅぅぅ!」
 一度では終わらず、二度目の絶頂が訪れる。
「ここが気持ちいいんじゃろぉが、集中攻撃を加えてやるわぃ!」
「あぐぅっ! うああああぅっ!」
 容赦ない膣責めに、またも絶頂へと送り込まれる。しかし、伊柄の指は止まらない。否、尚一層激しく動き出す。
「待って、今イッたばかり・・・ひぃぃぃぃっ!」
「そんなもん関係なぃんじゃぃ、そら、またイケやぁ!」
 伊柄は中指で膣を責めながら、親指で淫核に振動を送り込む。更に左手で右乳房と乳首を弄り、一気に官能の炎を煽る。
(またイク、ああっ、イク、イクゥゥゥゥ・・・ッ!)
 葉月の背が仰け反り、震え、弛緩する。その膣からは、何度も愛液が噴出する潮吹きが起こっていた。短い間に連続絶頂を味わわされ、葉月はまたも失神に陥った。葉月のイキッっぷりに、観客からは盛大な野次が飛ばされ続けた。
「ふん」
 葉月の失神を見届け、伊柄が膣から指を抜く。糸を引くほどの愛液に塗れた右手を、葉月の腹で拭く。
「わしはもう充分に遊ばせてもらったけぇの、そろそろ帰らせてもらうわぃ。本番で発散もしたいしのぉ」
 遠回しに女を抱きたいと言った伊柄がリングを後にする。
「ふぉほほ、私も強い女性の堕ちる姿を堪能しました。これで失礼しますよ」
 伊柄に続いて山森もリングを去ったが、まだリング上にはレフェリー、マンハッタンブラザーズ1号、マンハッタンブラザーズ2号の三人が残っている。
「なんだ、もういいのか? 淡白な奴らだな」
 伊柄と山森を見送ったレフェリーは、マンハッタンブラザーズの二人に声を掛ける。
「もうさすがに暴れることもないだろう。お前らも楽しんでいいぞ」
 レフェリーがOKを出し、マンハッタンブラザーズの二人は葉月の乳房へと手を伸ばす。
「それじゃ、俺はここを・・・」
 しゃがみ込んだレフェリーは葉月の秘部に口をつけ、愛液を舐め取っていく。
「ふぁっ?」
 その刺激に、葉月の目が薄っすらと開いた。
「常盤院選手、まだまだ付き合ってもらうぞ」
 葉月の意識が戻ったことに気づき、レフェリーが更に屈服させようと言葉を投げる。
「なにを、言って・・・あふぅうっ!」
 淫経絡によって高められた官能は、失神から覚めても葉月を苛んでいた。
「なぁに、今からの分もファイトマネーに足しとくから心配するな。素っ裸の写真も天津選手に送ってやるからな?」
 レフェリーは葉月の膣を指で責めながら、言葉でも葉月を追い込んでいく。
「あぁっ、それだけは、やめてぇ・・・いやぁあ!」
「やめてと言いながら、ここはどんどん濡れてくるぞ」
 レフェリーは指を秘裂に抜き差しさせ、葉月に水音を聞かせる。
「駄目、もう・・・いや、だからぁ・・・」
「何を言ってるんだ、常盤院選手。ここはこんなに濡れて悦んでるんだぞ?」
 膣の中の愛液を掻き出し、レフェリーが嘲笑する。
「そら、こんなに俺の手を濡らしてるじゃないか」
 掌から垂れるほどの量の愛液を見せつけ、レフェリーが笑う。その間、マンハッタンブラザーズの二人は同時に乳房を揉み、乳首を弄る。
「それはぁ、今は身体がおかしくなって・・・はぁぁぁん!」
 レフェリーは葉月の答えなど聞かず、秘部への舐め責めを再開する。
「あああっ! だめぇ、もう、だめぇ!」
 必死に首を振っても、快感から逃れられない。
「ここももう顔を出してるぞ?」
「ひぎぃぃっ!」
 敏感な淫核を弄られ、絶叫する。
「凄い反応だな。触ってこうなら、舐めたらどうなるんだろうな」
 にやりと笑ったレフェリーは、淫核へと舌を伸ばす。そのまま舐め回しながら、膣には人差し指を埋めていく。
(も、もうだめぇ、感じ、過ぎて・・・)
「はへぇ、ひやあああっ!」
 淫核を舐められながらの膣責め。しかも両乳房と両乳首も苛められ、官能は恐ろしいほど高められてしまう。
「あっ、あっ、あっ・・・あふぁぁあああぁぁっ!」
 またも凄まじい絶頂へと達し、葉月の精神は失神へと逃げ込んでいた。
「おいおい、まだお寝んねには早いぞ」
「あああっ!?」
 しかし、失神という束の間の休息も満足には与えてもらえなかった。マンハッタンブラザーズの二人は飽きることなく乳房と乳首を捏ね回し続け、レフェリーは膣と淫核を責め続ける。
「よし、常盤院選手の上半身を起こせ」
 レフェリーの指示に、マンハッタンブラザーズの二人が葉月の背中を押して座らせる。その背後にレフェリーが回り、後ろから両手で葉月の乳房を揉み、乳首を転がす。
「ふわああん!」
「もっと足を広げろ」
 悶える葉月には構わず、レフェリーはマンハッタンブラザーズに葉月の両足を広げさせる。
「大股開きで、おっぱい揉まれて、厭らしい表情での記念撮影だ。天津選手は喜んでくれるかな?」
「あぁぁ、それだけはぁ・・・それだけは、やめてぇ・・・ひやああっ!」
 葉月の哀願にも、レフェリーはせせら笑うだけだ。
「そら、ここがいいんだろう? 処女の天津選手にも教えてやれよ、厭らしい先輩としてな」
 秘裂と淫核を同時に弄りながら、尚も精神的に葉月を辱めようとする。
「あっ、やっ、ああん・・・ああああっ!」
 またも葉月は絶頂する。
「もう力も入らないようだな」
 マンハッタンブラザーズに葉月から手を放させたレフェリーは、そのまま三人で小柄な葉月に圧し掛かる。レフェリーは両乳房と乳首を揉み回し、マンハッタンブラザーズ1号は淫核を、マンハッタンブラザーズ2号は秘裂を責める。
「ああああっ! だめぇ、もう・・・あっ、ああああああっ!」
 葉月が絶叫する。何度も絶頂へと導かれたというのに、男たちの止むことのないセクハラに、快感の目盛が上がりっ放しの身体は応えてしまうのだ。
(もう、もう! イキっぱなしで! あああっ、下りられない、絶頂から降りられないぃぃぃ!)
 絶頂に次ぐ絶頂の螺旋へと叩き込まれた葉月は、何度も身体を跳ねさせ、観客席からの視線に晒され続け、野次を浴び続けた。葉月は命同様、全裸に剥かれたまま快感に絶叫するしかできなかった。
 そこに、闘うときの凛とした表情は欠片も残っていなかった。後輩への贈り物とされる写真を撮影されながら、悶え、善がり、悦びを得るその姿を観客に視姦され続けていた。


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