【TA−boo.異伝】  原作:ISAmu.様

「俺」はある組織のエージェントだった。コードネームは「リーゼント」。赤みがかった長髪をいつも大砲のようなリーゼントにセットしているからだ。

「廃鉄少女」と名付けられた、魔人の力を操る美女・美少女たちが争うバトルイベントがある。優勝者に与えられる富と名声を求め、参戦を望む者は数多い。
 この闘いに魔人の力も持たずに参加しようとした愚か者は、精奴隷としてこの廃墟街に捨てられる。俺の仕事は捨てられた女を「強姦拳法」によって「教育」し、「立派な」精奴隷に仕立てることだ。

***

 今日もまた、「教育」の場である廃屋に獲物が一匹運ばれてきた。ボスの使い魔だとも噂される「運び屋」の魔人が彼女を下ろし、姿を消す。
「ん・・・う・・・」
 眠らされていた彼女が小さく声を洩らし、ゆっくりと瞼を開ける。ショートカットと強い光を持つ瞳が印象的だった。おそらく学校の制服だろうブレザーとプリーツのミニスカートを身につけており、顔立ちは今でも可愛らしいが、あと数年もすれば余程の美女になるだろうことが想像できた。
「ここは・・・ ! 誰っ!?」
 彼女の誰何にも答えず、俺はゆっくりと歩み寄る。歩きながら全身を隠していたマントを脱ぎ去った。その下にはオープンフィンガーグローブと股間部以外を覆うズボンの他は何も身につけていない。これが「強姦拳法」の正式装束だ。
「ひっ!」
 既にへそまで立ち上がった俺のモノを見た彼女が、立ち上がろうとしてバランスを崩す。当然だ。彼女の両手はいつも精奴隷がされる通りに背中側で縛られている。
「これから、お前を精奴隷として『教育』する。希望は捨てろ」
 いつもの口上を述べ、彼女を抱こうとする。
 しかし、彼女は縛られていても抵抗を諦めなかった。俺に向かって蹴りを出し、体当たりをし、押さえ込もうとしても足をばたつかせ、容易には目的を遂げさせてくれなかった。
 だが、この抵抗は逆に俺を昂ぶらせた。彼女の儚い足掻きをいなしながら一枚、また一枚と服を剥ぎ取り、最後には靴と靴下だけを残すのみという格好に仕上げた。
 それでも彼女は観念しようとしなかった。秘部が見えるのにも構わず、鋭い蹴りを繰り出してくる。
「おとなしくしていればいいものを・・・」
 彼女の蹴りを脇腹に掠らせるようにしてかわし、腹部に強烈なフックを入れる。
「ぐぶふっ!」
 この一撃で彼女の動きが止まった。正面から彼女を抱き締め、俺の雄渾なモノを彼女の穴に宛がう。そのまま躊躇せず貫いた。
「あぐぅぅぅっ!」
 彼女は初めてではなかったものの、あまり性的に慣れていないようだった。俺の規格外のサイズに苦鳴を上げる。だがこっちは女の扱いに関しても一流だ。彼女の快楽のポイントを探り、確実に、急激に感度を上げていく。
 じきに、彼女の口から喘ぎが零れ出した。こうなれば後は早い。ピストンの速度を一気に上げ、絶頂にまで導く。
 その瞬間、彼女が涙を流した。
「助けて・・・姉さん・・・!」
 今まで幾度も聞いた筈の独白を、俺は聞き逃すことができなかった。
「お前、姉がいるのか」
 何を訊いているんだ俺は。俺と彼女は「教育」する側とされる側にしか過ぎず、彼女の人間関係や生い立ちなど知る必要はない。いや、知ることで情が入り、「教育」に支障をきたすこともあるのだ。
「そうよ・・・もう、私の家族は姉さんしかいない。悪い!?」
 姉を思い出したことが活力となったのか、彼女が再び抵抗を始める。暴れる彼女の膝が偶然俺の股間を捕らえた。
「・・・小娘ぇ!」
 自らの油断と不甲斐なさに苛立ち、俺は彼女を投げ飛ばしていた。彼女が倒れた場所目掛けて魔界から巨大な蟲を召喚し、彼女を玩具にする許可を与える。蟲は喜んで彼女を抱え上げて四肢を拘束し、触手で身体中をまさぐり、女の穴に生殖器を突っ込む。
 蟲の責めに、彼女は嫌悪と望まぬ快感の声を上げ続けた。

 満足した蟲が魔界に帰っても、彼女の目の光は消えなかった。
「・・・まだ諦めないのか」
 もう意地でしかなかった。彼女の抵抗を力で捻じ伏せ、ひたすら性的な責めを加え続ける。乳房を揉み、後背位で犯し、極太バイブで膣を抉る。それでも、彼女の反抗的な目は俺を睨んだままだった。

 彼女が屈服したのは、実に8時間もの責めを耐えた後だった。
(やっと、か・・・)
「教育」にはされる側は当然として、する側にも負担が大きい。今回は肉体よりも精神的な疲労の方が大きかった。
「立つんだ」
 最早自力で立つこともできない彼女に手を貸し、精液塗れの体を引きずるようにして屋外に出る。そのとき、彼女がぽつりと呟いた。
「貴方に、心は無いの・・・?」
 その一言は、俺の胸に深く刺さった。彼女を「組織」に引き渡しても、その棘はずっと抜けなかった。

***

 すぐに新しい仕事が回ってきた。仕事である以上、俺に断る権限はない。一つ頭を振り、マントを羽織って自分の部屋を出た。

 いつもの廃屋。数日前と同じく「運び屋」の魔人が少女を下ろし、姿を消す。その少女を見たとき、俺の心臓が大きく鼓動を打った。
 彼女の姉だった。服が同じなだけではない。顔、体型、雰囲気などに彼女の面影を残しながら、髪だけが長い。
 不意に心に蘇る声があった。
『貴方に、心は無いの・・・?』
 そう発した彼女の面差しが、目の前の少女に重なる。
「逃げろ」
 自分の口から出た言葉に驚きながら、それでもどこか納得していた。素早く彼女の拘束を解き、そっと背中を押す。彼女の姉は驚きの表情を浮かべ、戸惑い、小さく頭を下げて屋外へと去った。
 そのとき、彼女の姉は小さくではあるが言葉を残していった。
「ありがとう」
 と。

***

<精奴隷を逃すなかれ>

 エージェントとしての「TA−boo.」(タブー)を犯した俺は、「組織」から追われることとなった。休まることのない追っ手との闘いに倒れそうになったとき、彼女と彼女の姉の言葉が俺の心と体を支えてくれた。

 今日もまた、「組織」の異形の追っ手が現れた。それでも俺は、姉妹の相反する言葉を胸に闘い続ける。
 いつか彼女を救うために。

***


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