【荘王の冠 裏座談会 其の一】

レフェリー(以下レ)「女ばっかり座談会するのもな、ってことで俺達も座談会を行うことになった」
マスク・ド・タランチュラ(以下マ)「なった、じゃねえよ。なんで男二人だけのムサい座談会なんかしなきゃなんないんだよ! 綺麗なお姉ちゃんくらい用意しとけよ!」
「今までの試合を男の目線で振り返る、っていうコンセプトだから仕方ないだろ。いや、<地下闘艶場>の女性参戦者全員に声はかけたんだが、拒否されてな。中には『死ね!』なんていう奴もいてなぁ・・・」
「なに遠くを見てるんだよ。お前が直接声をかけたんなら当然の反応だろ。しょうがねぇなぁ、さっさと始めてさっさと終わらせようぜ」
「冷たい奴だなあ・・・」
「ところで、なんで座談会の前に『荘王の冠』ってついてるんだ?」
「ああ、中国の春秋戦国時代、楚に『荘王』って王様がいてな。それが元ネタだよ。ある日王宮で宴会があって、突風で火が消えたんだ。それを幸いと王の寵姫に厭らしい振る舞い、今で言うセクハラをした部下がいた。寵姫は相手の冠の紐をちぎって荘王に訴えたんだ、『今冠を被っていない者が私に悪戯を仕掛けた者です』ってな。でも度量の広い荘王は・・・」
「いいよそんなトリビアは。さっさと始めようぜ」
「お前、そこは『見た目よりも学があるな』って驚くところだろ!」
「・・・自分で言ってて悲しくないか? あ、そう言えばお前名前は?」
「・・・さあ?」
「さあってお前・・・自分の名前だろ」
「文句は作者に言ってくれ。『お前に名前なんかいらないだろ』なんて言いやがるんだから。ったく、男には冷たいよなぁ、俺って<地下闘艶場>皆勤賞なんだぞ!?」
「そんだけいい思いしてるってことだろ。いいから始めろよ」

「まずは登場した順に女達の資料を見ていくか。一人目は栗原美緒。第一話と第八話に出てるな。19歳。身長162cm、スリーサイズは第一話ではB85のDカップ、W63、H88。第八話ではB87のEカップ、W62、H87にスタイルアップしてるじゃないか! 格闘スタイルはレスリング、対戦相手は・・・お前だったっけ?」
「ああ、あのお姉ちゃんか。気が強いくせに感じやすくてな、もう一回手合わせしたいと思ってたら『御前』の計らいで叶って、しかもバストアップのオマケつき! いやー、楽しかったなー」
「二回目の対戦はピュアフォックスも一緒だったけどな。何度かダウンを奪われたくせに」
「プロレスの姉ちゃんか。闘い慣れた感じがしたな。できればシングルでやってみてぇ・・・」
「真面目な顔が似合わんぞ」
「うるせぇ!」
「そういえば栗原選手の最初の試合が、記念すべき<地下闘艶場>の初試合だったんだよな。会場も専用会場じゃなくて、総合イベントホールを貸し切りにしてたし」
「そうだったな。最初ってことで、ちょっと抑え気味のセクハラだったのが勿体なかったかな」
「俺もそう思う。過去に戻ってやり直したい気分だ」
「生まれたときからやり直した方がいいんじゃないか?」
「やかましいわっ!」

「二人目は御堂マヤ。第二話に登場だ。リングではマヤ・御堂・ベアトリスでコールしてるな。それっていうのも、マヤの父親が『御前』と仕事で衝突して、それを忘れなかった『御前』がマヤを<地下闘艶場>に引きずり込んだのが原因だ。憎い男のファミリーネームをわざわざコールさせたのは、未だに許せなかったからだろうな」
「・・・『御前』ってああ見えて執念深さもあるんだな」
「お前それ絶対余所で言うなよ。『御前』の耳に入ったらどんな罰が待ってることか・・・」
「俺だってまだ死にたくないからな、ここだから言ってるだけだよ」
「ホントかね・・・まあいいや、マヤの年齢は17歳。身長171cmでB92のFカップ、W63、H90。父親がフランス人で母親が日本人のハーフだからこのスタイルの良さか。対戦相手はチャベスと小男」
「あとお前もだろ。率先的にセクハラしてたじゃねぇか」
「だってお前、あれだけ美人でスタイル良くて、衣装はV字の紐同然。しかも『御前』の許可が出てたんだぞ!? ここで行かなきゃ男じゃないって!」
「でもこの試合の後、マヤって『御前』の愛人に・・・」
「バカ、余計なこと言うな! 首が飛ぶぞ! それに愛人って言うより恋人同士って感じだっただろ」
「お前の方が首飛ぶぞ・・・そういえば、チャベスにくっ付いてる小男ってチャベスとどんな関係なんだろうな」
「兄弟としたら顔と体格が違いすぎるし、親子ってこともないだろうしな。選手とマネージャーあたりか?」
「なんだ、お前も知らないのか。『御前』なら知ってるんだろうけど、興味なさそうだなぁ」
「直接聞いてみたらどうだ? 『下らんことを聞くな』って怒られそうだけどな」
「・・・やめとく。まだ死にたくない」
「この試合が<地下闘艶場>専用会場のこけら落としだったんだよな。それ以来会場は全て専用会場で行われてる」
「控え室は広いし、トイレやシャワールームも完備、空調も完璧と言うことなしだな」
「ただ、地下にあるおかげで招待客の移動が大変なんだよな。なまじ金や権力を持ってる人間達だから、俺を先にしろだのあいつより先に帰らせろだの要求がうざいんだ。まあ、大抵苦労してるのは事務員なんだけどな」
「うえぇ、それはメンドくさそうだ。そういうときはどうするんだ?」
「『御前』に丸投げする。さすがのあいつ等も『御前』には逆らわないからな。それに逆らうともう<地下闘艶場>での試合を見ることができないし。まあ、『御前』もそんなことが起こらないようにちゃんと調節してるから、最近は問題も少なくなったけどな」
「権力者ってのも楽じゃないんだな・・・」

「三人目は於鶴涼子。第三話と第七話に出てる。21歳。身長163cm、B84のD、W60、H83。第七話ではバストだけ85のDになってる。『御前』の所有する企業の一つの「奏星社」で受付をしている黒髪の和風美人だな。闘い振りを見てるとそんな玉じゃなかったけどな。第三話でサンダー・桝山、マンハッタンブラザーズ1号2号、ダン"ザ・マッスル"ホフマンとの三連戦をこなして全て勝利してる」
「最後はお前もKOされてるけどな(笑)」
「余計なお世話だ!」
「桝山をあっさり倒した後、マンハッタンブラザーズと闘ってるな。マンハッタンブラザーズはこのとき初登場か。この後は結構出てるよな」
「まあな。しかし一言もセリフがないのが哀れだな」
「KOされた名無しのお前ほどじゃないだろ(笑)」
「うるさい!・・・ったく。最後のダン戦は・・・ちょっとまずかったな」
「そうだな。下手したら壊されてたぞ、あれ」
「ま、まあ俺の機転で大事には至らなかったじゃないか」
「KOされておいてそういうこと言うかね」
「・・・第七話ではあの元橋と闘って勝ってる」
「元橋の爺さんに勝つってスゲェよな。まあお前の凡ミスがあったからだけどな(笑) 最後はお前が爺さんに落とされて終わってるし」
「余計なお世話だって言ってるだろ! (資料を見て)第七話で初めて強制ストリップがあったんだよ。ナイス思いつきだったな。しかし、涼子のは吸い付くようなおっぱいだったなあ・・・もう一回揉みてえ・・・」
「で、もう一回KOされると(笑)」
「やかましい!」

「四人目はビクトリア・フォレスト。第四話に出てる。24歳で身長175cm、B96のHカップ! W65、H97のダイナマイトボディなヤンキー娘だ」
「今時ヤンキー娘って言ったら、ちょっと道踏み外したバカ女のことだぞ。アメリカ娘とでも言っとけよ」
れ「・・・対戦相手は元橋。元橋は第四話が初登場だな、順番が前後するが」
「ちょっとずつセクハラして脱がして、最後はイカせて・・・失神KOってこれが初めてだよな。(写真を見て)ぐはっ、なんだこの反則ボディ! なんで俺とやらせてくれなかったんだよーっ!」
「・・・実力見られたんだろ(ボソッ)」
「失礼だな! 女軍人なんぞに負ける俺じゃねぇんだよ!・・・多分」
「最後に弱気な一言をつけるな。そういえばこのビクトリアだけど、在日米軍の上層部からの依頼だったんだよな。規律を乱すからお灸を据えてくれって」
「でも、こいつはただ暴れたわけじゃなくて、不正が許せないから暴れたわけだろ? 米軍も腐ってるね〜」
「ま、だからこそ俺もいい思いできたわけだけどな」
「・・・お前も腐ってるよ。ところで、このビクトリアってバインバインお姉ちゃん、日本語喋れたのか?」
「いや」
「じゃあどうやって意思の疎通をしたんだよ。テレパシーか?」
「んなわけあるか! 英語だよ、え・い・ご!」
「はっはっは、そんなすぐばれる嘘吐かなくてもいいじゃないか」
「嘘じゃねえっての! 元橋だって流暢な英語使ってたんだからな」
「元橋の爺さんもかよ。あの爺さん謎なところがあるから英語が喋れてもおかしくはないが、なんでお前が英語喋れるんだよ。日本語だってあやしいのに」
「俺には学があるんだよ! お前と違ってな!」
「俺にだって学ぐらいあるわい!」
「じゃあ、なにかそれらしいこと披露してみろよ」
「いいぜ、それじゃあな・・・」
「・・・」
「・・・あーまーみーゆーやーゆー?」
「ネタが古過ぎてなにがなにやら・・・(がっくり)」

「五人目はピュアフォックス。本名は来狐遥。第五話と第八話に出てる。17歳。身長165cm、B88のEカップ、W64、H90。第五話でチャベスと、第八話で栗原美緒と一緒にお前とマンハッタンブラザーズ組とでタッグマッチをしてる。チャベスと小男を実力で倒してるのが凄いな。しかもセクハラを見に来てた筈の観客を沸かせて、最後は一体感まで演出しちまった。高校でプロレス同好会の活動してるから経験豊富ってのもあるだろうが、才能もかなりあるように見えたなぁ」
「だから、本気でシングル戦やりたいんだって。俺だってレスラーだからな」
「レスラー『崩れ』だろうが」
「うるせぇなぁ、こんな体だから実力あってもトップ張るって訳にはいかなかったんだよ。プロレス業界は見た目も重視されるからな」
「うざい先輩を半殺しにして団体抜けた奴の言う科白かね。話を戻すが、タッグマッチでは栗原美緒と一緒にお前にチョークスラムでKOされて終わってる」
「色々楽しい試合だったけど、あのおっぱいサンドイッチは至福の瞬間だったなぁ・・・」
「確かになあ・・・もう一回味わいたいが、もうあの二人がリングに上がることはないだろうからなあ・・・」
「お前が試合後に観客サービスとか言ってあの二人を差し出したからだろ。あれがなかったらもう一回闘えたもしれんのに」
「あのときはああするのがベストだと思ったんだが、後のことを考えたら確かにそうかもな。次からは気をつける」
「お前が反省するって・・・明日は雪か嵐になりそうだな」
「そこまで言うかよ!」

「六人目は藤嶋メイ。第六話に登場した18歳。身長163cm、B84のDカップ、W56、H82。スレンダーボディにDカップ、極細ウエストのエロい体。対戦相手はお前。お前の初敗北だな」
「お前が余計な一言言うからだろうが! あの挑発的な一言がなきゃ、あのまま悪戯し放題だったんだぞ!」
「ま、まあそう言うな。俺だって踵落とし喰らってるんだから」
「だから自業自得だっての。お前、口は災いの元って諺知らないだろ!」
「知ってるけどよ、この年で性格って中々変えられないもんだぜ」
「・・・それもそうだな」
「納得されてもムカつくなあ、おい」
「しかし、道衣の上だけってのがあんなにエロいもんだとは思わなかったな」
「確かに。メイが動くたびにチラチラとパンツが見えて、モロパンよりも興奮したな」
「あの格好考えた奴は偉いな。誰が考えたんだろ、『御前』か?」
「さあなぁ。『御前』か、真崎の奴じゃないか?」
「真崎か・・・あいつなら考えつきそうだな」
「真崎ってのが誰のことかわからない場合は、マヤの外伝を読んでもらうと助かる」
「誰に言ってるんだお前・・・」

「七人目、ニナ・ガン・ブルトンだ。インド出身の18歳。身長165cm、B91の紡錘形Fカップ、W58、H86。第九話に登場。グレッグと対戦して勝ってるな」
「エキゾチック美人なのに天然っていうギャップがいいな。しかもこのプロポーション、お相手したかったぜぇ」
「俺ももう一回お相手したい。おっぱいもあそこも触りたい放題だったからな。こいつ、私生活でもかなり騙されてそうだな」
「・・・(考え中)この子の住所教えてくれ。ちょっとアタックしてくる」
「絶対駄目。お前みたいな変態に教えたらあの子が汚される。代わりに俺がアタックしてきてやる」
「お前に変態呼ばわりされたくねぇ!」
「何言ってやがる、俺は本当のことを・・・(プルルル)・・・ん、誰からだ? ! ご、『御前』! はい、はい、え!? あ、いや、そんな意味では! はい、わかりました、それでは・・・ふぅぅぅ・・・」
「な、なんで『御前』から電話が・・・」
「『ニナに手を出す事は許さん』だと。『御前』も作者もあの子がお気に入りらしい。天然キャラって他にいないからか?」
「くぅーっ、一つの出会いが始まる前に終わった・・・」
「どうせ出会っても結果は一緒だったって。諦めな」
「そういえばよ、グレッグってかく汗の量が半端じゃないんだろ? 実際ニナって子もこけまくりだったらしいじゃねぇか。それなのになんでお前は転ばなかったんだ?」
「俺はバランス感覚が無茶苦茶いいんだよ」
「・・・誰がそんなつまんねぇこと言えっつった」
「冗談じゃないか、ノリが悪い奴だな。グレッグが大量の汗をかいて相手の足を滑らせる選手だってのは事前に知ってたからな、ゴム底の滑り止めがついた靴を履いてたんだよ。『備えあれば憂いなし』ってな」
「『小人の浅知恵』の間違いだろ?」
「実際役に立ってただろうが! 一回もこけなかったんだぞ!」
「はいはい、わかったから次行けよ」
「流すな!」

「八人目は今回最後の紹介だ。暮内ゆかり、16歳。身長153cm、B83でEカップ、W56、H82。ちっこいくせにメリハリボディの持ち主だ。登場は第十話。対戦相手は草橋恭三だったっけ? あいつ印象薄いからよく覚えてないんだよなぁ」
「ひでえなおい、事実だからしょうがねぇけど。あいつ気付いたら後ろに立ってたりするからな」
「ゆかりは衣装のビキニの上から柔道着着てくるっていう反則行為だったが、強制ストリップショーにできたから観客も満足してたみたいだな。最後はビキニのオークションで結構な値段もついたし」
「幾らになったんだ?」
「ここだけの話だけどな(ぼそぼそ)」
「ぶっ! マジか、世の中には物好きがいるなぁ」
「まあ招待客のほとんどは権力者か金持ちだからな。競り自体に熱くなったってこともあるかもしれんが」
「このゆかりちゃんって、招待客の一人の娘だったんだろ? 罰としてもよく招待客が受け入れたな」
「他の招待客の圧力があったらしい。加えて、我が侭娘にお仕置きして欲しかった、て考えもあったらしいぞ」
「世も末だなぁ(ため息)」
「・・・お前が言えた義理かよ」

「そういやさ、なんで女性陣のプロフィールに体重だけないんだ?」
「『御前』が言うには、体重公開は女性にとってスリーサイズ公開よりも恥ずかしいものらしい。だからスリーサイズは載せても体重は載せてないのさ。フェミニストの『御前』らしいだろ?」
「フェミニストって言うか、女好・・・」
「待て! それ以上言ったらまずいことになりそうだから、ストップだ!」
「・・・お前、俺のこと心配してくれたのか。実はいい奴」
「とばっちりで俺まで罰食らったらどうすんだ! 考えて喋れ!」
「そうだよな、お前はそんな奴だよ(怒)」

「俺が聞くのもなんだけどよ、<地下闘艶場>に出場した男の選手って普段何してるんだろうな」
「お前みたいにファイトマネーだけで食っている奴もいるし、普段は他の格闘技団体に所属してるって奴もいる。人それぞれだな。ただ、<地下闘艶場>の専任になった選手には衣食住は保証されてるけどな。お前もそうだろ?」
「まあな。でもよ、リビドーを発散したくなるときもあるんだよ、そのためには金がいるんだよ、わかるだろ?」
「わからんでもないが、俺は毎試合レフェリーの分の金貰ってるからなぁ。そういえば噂なんだが、なんでも別の裏格闘技場ってのがあるらしくて、そっちで稼いでる奴もいるって話だ。さすがに詳細は知らんが。」
「そんな男同士での対戦より、綺麗なお姉ちゃんたちとくんずほぐれつの闘いしてる方が楽しいけどなぁ」
「同感だ」
「しかし『御前』って凄ぇよな、あんだけの特設会場造って、選手にファイトマネー払って、観客招待して」
「まああのお方は日本を裏から牛耳る一人だからな、あれくらいの会場造るのはわけないさ。観客に関して言えば、最初は無料で招待してたんだが、評判を聞きつけた金持ち連中が俺も俺もと言い出してな、とうとう有料のプラチナチケットになったのさ。高い価格に設定しているが、それでもいつも満員だからな。だから今は入場料だけで結構な収益になっているらしい」
「そういうことならファイトマネーももう少しアップ・・・」
「お前、それ『御前』の前で言えるか?」
「おいおい、ここだけでの冗談じゃないか、嫌だなぁ、ははは・・・」

「試合途中にさ、お前が『ダウンしてる選手への打撃は禁止だ』って言って選手止めることがあるよな? あれってそう決まってるのか?」
「ちゃんと契約書に書いてるぞ。詳しく読んでつっこんできた奴とか、総合系の奴にはOKにしたりしてる。まあ殆どの場合反則行為にしてるって考えてもらって大丈夫だ」
「じゃあ、ダウンしてるお姉ちゃんにセクハ・・・ごほん、関節技を極めたり抑え込んだりするのはOKなんだよな?」
「当たり前だろ! それ反則にしたら試合にならんし、セクハラ見に来てる観客が暴動起こしかねんぞ」
「そりゃそうか。じゃあ安心してセクハラできるな!」
「お前の場合、やり過ぎが心配だよ・・・」

「女性陣の強さって、どんなランキングなんだろうな」
「そうだなぁ・・・一位は於鶴涼子で鉄板だよな。二位がピュアフォックスこと来狐遥、三位が藤嶋メイとニナ・ガン・ブルトンってとこかな? あとの栗原美緒、御堂マヤ、ビクトリア・フォレスト、暮内ゆかりは同じくらいじゃないかと思うんだが・・・『御前』だったらはっきりさせてくれると思うが、俺じゃ詳しい差まではつけきれないぜ」
「じゃあついでに男性陣は?」
「一位が元橋堅城だってのはお前も認めるよな? 二位は・・・ダン"ザ・マッスル"ホフマンかなあ。三位にお前だろ、次にチャベス・マッコイか。あとはグレッグ"ジャンク"カッパー、草橋恭三、マンハッタンブラザーズ1号2号、サンダー・桝山、小男ってとこか?」
「桝山は名前負けだよなぁ。何がサンダーなんだか」
「ホントになあ。小男がいなけりゃぶっちぎりでビリ判定だったからな。あとマンハッタンブラザーズは一人一人はたいしたことないけど、コンビネーションを使わせるとかなりのものだから、それを加味するとまた違った順位になるんだよな」
「ま、同条件で勝負して決めるのが一番わかりやすいんだろうが、男同士で対戦しても楽しくないから皆しないんだよな。頭の中では自分が一番だと思ってるだろうし」
「格闘技をやってる連中の誇りとエゴってとこか?」
「お、上手くまとめたな・・・名無しのレフェリーのくせに」
「うるさいわい!」

「これ聞いても大丈夫か? <地下闘艶場>って謳ってるのに、なんでリングで試合するんだ? 俺に取っちゃ慣れた場所だから構わないんだけどな」
「ああ、そのことか。『御前』が仰るには、プロレスっていうのは相手を傷つけずに体力を奪えるだろ? それに観客へのアピールもしやすいしな。それにほら、なんと言ってもボディチェックのときに好き勝手できるじゃないか!」
「・・・最後のはお前の利点じゃねぇか。でも、考えてみればレフェリーが味方、ロープを使える、リング下の選手やセコンドを使える、乱入あり、俺達男の側からしてみれば有利なことばっかりか」
「そういうことだ。だからセクハラのときには協力して、な?」
「そうだな。くうーっ、想像したら堪んなくなってきた! 早く次の試合組んでくれないかな!」
「試合は組むと思うけど、お前が出れるとは限らんぞ」
「なんだと! それじゃこの俺の熱いリビドーはどうしてくれる!」
「うぐぐ、ふ、風俗にでも行け! とりあえず首から手を放せ、ぐ、ぐるじい・・・」

「(げほげほ)ったく、俺に当たってもしょうがないだろ、ごほっ。っと、今回はこんなとこかな。じゃあ、また次回!」
「また次回はいいけど、お姉ちゃん準備するのを忘れるなよ!」
「・・・前向きに対処する」
「悪徳政治家かお前は。確かに腐った根性だけは政治家向きだよ」
「お前にだけは言われたくないわ!」
「なんだと!? だいたいお前は・・・!」
「お前こそ・・・!」


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