【荘王の冠 裏座談会 其の六】

マスク・ド・タランチュラ(以下マ)「よかった! 生きてた!」
レフェリー(以下レ)「なんだいきなり」
「だってよ、前回美鈴の奴にしこたま鞭でしばかれただろ?」
「確かにな。おかげでまた入院したしなぁ・・・」
「しかも【裏座談会 完?】なんて出てたし」
「あれは事務員の奴の仕業だな? 後でとっちめてやろうぜ」
「ほっとけよ、生きてるだけで丸儲けだ。ところで、今日の綺麗どころは誰かな〜」
「切り替えが早いな、お前」
?「こんにちは〜。ここでいいんですよねぇ? 座談会の場所って」
「お楽しみが、キターーーっ!」
「どこか抜けたような喋り方だな」
ニナ「あれれ? なんで貴方たちがここにいるんですか?」
「おーっ! 今回の綺麗どころはニナちゃんか!」
ニナ「ごめんなさい、間違えたみたいなので、これで失礼しますぅ」
「待った! ここであってる! 帰るな!」
ニナ「そうなんですか? でも、今日は座談会って聞いてますよ?」
「だから、今日は裏座談会なんだよ。ニナ選手は進行を手伝ってくれ」
ニナ「う〜ん、しょうがないですねぇ(胸の下で腕組み)」
「おっほぅ! 服の上からでもおっぱいのでっぱり具合がわかるな!」
ニナ「み、見ちゃ駄目です!(胸元隠し)」
「見るなと言われても、男の本能だから目が行くんだよ。諦めて進行してくれ」
ニナ「え〜っ・・・バイト料、弾んでくれますか?」
「勿論!」
ニナ「しょうがないですねぇ。それじゃあ、やります」

ニナ「それじゃ最初はぁ・・・」
「ちょっと待った、一応自己紹介してくれ」
ニナ「あ、忘れてましたね〜。ニナ・ガン・ブルトン、18歳、インドから留学してます」
「ニナちゃんのサイズは・・・B91、W58、H86か」
ニナ「すごーい、良くわかりますね。服の上からでも女性のスリーサイズがわかるんですね?」
「え? いや、そうじゃなくてだな・・・」
「ここに資料があるんだよ」
ニナ「なんだ、そうだったんですね。それじゃあ、改めて始めますよ?」
「相変わらずちょっとずれた娘だな・・・」
「天然ってのはホントだったんだな」

ニナ「えーっと、第五十一話からですね。ステファニー・クレイトンさんの試合でぇ、衣装は虎皮ビキニでした」
「ちょっと待った、女性選手のプロフィールも伝えてくれ。当然スリーサイズもな。あ、バストのカップも忘れずに」
ニナ「そうなんですかぁ? わかりました。ステファニーさんは、17歳。身長170cm、B92のFカップ、W61、H93です。あれれ? B92のFカップ、っておかしくないですか?」
「おかしくないぞ。92はトップのサイズだからな」
ニナ「普通はアンダーのサイズなんですけど、なんでトップのサイズなんですかぁ?」
「男はアンダーのサイズを言われてもピンとこないんだよ。トップのサイズじゃないと、おっぱいの大きさが実感できん!」
ニナ「・・・変態さんですこの人(ぼそっ)」
「ん? なんか言ったか?」
ニナ「なんでもないですよ〜。ステファニーさんの対戦相手はミステリオ・レオパルドさんでした。アメリカからの留学生で、プロレス同好会に所属しているステファニーさんでしたが、本職のミステリオ・レオパルドさんに大苦戦、ブラを丸見えにされちゃいましたぁ」
「ピンクの可愛いブラだったな」
ニナ「ミステリオ・レオパルドさんに押さえ込まれたステファニーさんは、色々とやらしいことをされちゃいました。でも、噛み付きで脱出ですぅ」
「噛み付き、って・・・どこ噛んだんだ?」
「ケツだケツ。物凄く痛がってたぞ、ミステリオ・レオパルドの奴」
ニナ「それでぇ、怒ったミステリオ・レオパルドさんはローリングソバットでステファニーさんの顔を蹴って、口を切っちゃいました。女の子の顔を蹴るなんて、酷いです!」
「試合の中でそう言われてもなぁ」
ニナ「でもでも、ステファニーさんはいきなり狂暴化しちゃいました。バーサークした、って言うんですよね?」
「いや、知らないけどよ」
ニナ「そのままミステリオ・レオパルドさんをラリアートで撃沈、ジャンピングパワーボムの二連撃で完全KOですぅ」
「自分の血を見ただけでぶち切れて大暴れ・・・あああ、思い出したくない!」
「ど、どうした。精神的な病気か?」
ニナ「レフェリーさんも、バーサークしたステファニーさんに病院送りにされたからじゃないですかぁ?」
「あっはっはぁ、日頃の天罰だな」
「お前、言うに事欠いて天罰とはなんだ! それを言うならお前にだって天罰が下る筈だぞ!」
「ひんこーほーせいな俺に向かって何を言ってんだ」
「品行方正の意味も知らない奴が何をぬかす!」
ニナ「わー、これが『目くそ鼻くそを笑う』、ってことわざのことですねぇ」
「・・・」

ニナ「第五十二話は、於鶴涼子さんの試合でした。いつも座談会の司会をしてくれてる涼子さんですね〜」
「『涼子さんですね〜』、じゃなくてよ」
ニナ「あ、プロフィールですね。涼子さんはぁ、21歳。身長163cm、B85のDカップ、W60、H83です。涼子さんの衣装は合気道の道衣で、対戦相手は阿多森愚螺(ぐら)さんでしたぁ」
「阿多森阿多森・・・ああ、新しく加入したあいつか」
ニナ「そうです、その阿多森さんですぅ」
「ってニナ選手は知らないだろ。ほら、進めて」
ニナ「は〜い。阿多森さんは、自分の関節を自由自在に外したり嵌めたりできる特殊な体質な人で、涼子さんを追い込んでいきましたぁ。右腕を鞭のようにして涼子さんの道衣を切ったり、胸を揉んだりとセクハラし放題でした」
「・・・(想像中)・・・かなり色っぽい状況が浮かぶな(じゅるり)」
「だからって涎垂らすなよ、汚いな」
ニナ「でもぉ、関節技を掛けた涼子さんが普段以上に捻ったことで、阿多森さんの筋肉が断裂しちゃいました。ドクターストップならぬレフェリーストップで、涼子さんの勝ちです〜」
「うへっ! 筋断裂かよ! すげぇ音がしたんじゃねぇのか?」
「いや、俺に聞かれても知らんぞ」
「え? お前近くに居たんだろ?」
ニナ「このときのレフェリーは、ここにいるレフェリーさんじゃなかったんです。三ツ原凱さんがレフェリーをしましたぁ」
「え? なんでだ?」
「この前の試合で、ステファニー選手にボコボコにされたからだよ! 入院してたんだ入院を!」
ニナ「よかったですね〜」
「・・・え?」
ニナ「生きててよかった、ってことですよ?」
「な、なんだそうか。そうだよな、まさか俺がボコボコにされたことがよかった、なんてこと・・・」
ニナ「そんなこと言うわけないじゃないですかぁ(にっこり)」
「絶対嘘だな(ぼそり)」

ニナ「第五十三話、宇賀原夏花(なつか)さんの登場ですぅ。17歳で、身長159cm、B83のDカップ、W54、H79。衣装は改造剣道着で、対戦相手は湖童陣さんでした」
「誰だそれ?」
「釵(さい)っていう武器を使う奴だ。裏部隊候補の一人だ、って聞いてるぞ」
ニナ「えっとぉ、この試合は武器戦だったので、夏花さんは竹刀、湖童さんは釵を使っての対戦となりましたぁ」
「竹刀程度なら、俺が素手でも闘ったのによ」
ニナ「それじゃあハンデにならないと思いますよ? 木刀で丁度いいと思いますぅ」
「えっ? いや、さすがにそれはちょっと・・・」
「今度『御前』に頼んでみるか?」
「ご、『御前』も忙しいだろうから、また今度な」
ニナ「・・・根性なしですねぇ(ぼそっ)」
「え? なんか言ったか?」
ニナ「独り言ですよ〜」
「独り言ならしょうがねぇな」
ニナ「緊張で動きが鈍い夏花さんは、湖童さんに負けちゃいました。敗れてしまった夏花さんでしたが、提示された追加試合を受け入れ、連戦となりました〜。対戦相手は早矢仕杜丸さんでした」
「湖童の野郎、ほとんどセクハラなしで試合終わらせやがってな。頭きたから、二戦目の前に宇賀原選手にねっとりボディチェックしてやった」
「それ、八つ当たりって言わねぇか? いや、するなとは言ってないけどな」
ニナ「しかも、この試合は普通のプロレスルールで行われたから、夏花さんは竹刀を使えませんでしたぁ。苦戦する夏花さんでしたが、面打ちの要領で早矢仕さんの顔面を打って、そのままフォール勝ちですぅ」
「まったくあのヘタレ、負け方もしょっぱかったぞ」
「しかし、なぜ俺じゃなくてあいつなんだよ・・・ずるいぞ!」
「その文句は『御前』に直接言えよ」
「え? い、いや、その・・・ご、『御前』も実力に合った相手を選ぶなんて、さすがだなぁ!」
ニナ「見え見えのヨイショは逆効果だと思いますよ〜」
「・・・」

ニナ「第五十四話は、八岳琉璃さんのお話でした。あれれ、琉璃さんも17歳ですね。身長162cm、B89のFカップ、W59、H84。衣装はアメリカの保安官のミニスカバージョンで、対戦相手は"獅子王"の異名を持つ、プロレスラーの獅子牙(ししが)タケルさんでしたぁ」
「ごぶほっ!」
ニナ「きゃーっ!」
「汚なっ! お茶吹いてんじゃねぇ!」
「す、すまん。しかし、獅子牙タケルかよ。日本プロレス界でもトップレベルの奴だぞ」
「まあでも、琉璃お嬢さんだからなぁ。並みの選手じゃ相手にならんだろ」
ニナ「んもう、汚いですね。試合は高度な応酬が繰り広げられましたぁ。でもぉ、要所要所でタケルさんが琉璃さんの胸を揉んでます」
「タケルも人の子か。琉璃お嬢さんのおっぱい揉むとはな」
「お前、自分のことを棚に上げてよくそんなことが言えるな」
ニナ「最後は、えっとぉ・・・<自業自縛>っていう、元橋堅城さん直伝の関節技で琉璃さんのKO勝ちですぅ」
「マジかよ・・・あの獅子牙タケルに勝つか」
「タケルの奴も本気出してないみたいだったけどな。『女相手に本気は出さない』ってタイプじゃないのか?」
「けっ、お嬢さんのおっぱい揉んどいて何言ってんだか」
ニナ「タケルさんは、何も言ってないじゃないですか〜?」
「いいや! お嬢さんのおっぱい揉むのに夢中になって負けたに違いない!」
「お前、いっぺん鏡見てこい。バトルロイヤルのこともう忘れてるだろ」
「そう言えば琉璃お嬢さんのおっぱい、気持ちよかったよなぁ」
ニナ「お二人ともど助平ですねぇ。やっぱり、『類は友を呼ぶ』ってことですね〜」
「なんか・・・ちょくちょく皮肉を入れてないか?」
ニナ「気のせいですよ〜。それじゃ、次にいきまーす」

ニナ「次は第五十五話です。五十五話は鴉箕まほろさんのお話でしたぁ。まほろさんは22歳、身長161cm、B87のEカップ、W58、H92。衣装はスケスケネグリジェでした」
「スケスケはあってるが、ネグリジェじゃないぞ」
ニナ「だってぇ、ネグリジェにしか見えないですよ?」
「そんなことはどうでもいい! このスケスケ感はたまらん! しかもエロ下着ってのがまた・・・(じゅるり)」
ニナ「・・・やっぱり変態さんです(ぼそっ)」
「・・・えっ? なに?」
ニナ「なんでもないですよ〜。まほろさんの対戦相手はロックマスクさんでした。その正体は、まほろさんに振られた腹いせにまほろさんを<地下闘艶場>に引っ張り込んだ張本人の大岩憲次さんでしたぁ。ふぅ、一気に喋ったら疲れちゃいました。休憩しましょうね」
「なんでだ! まだ半分も終わってないだろ!」
「いいじゃねぇかちょっとくらいの休憩は。どうせなら、俺と一緒に一晩ゆっくりと休憩を・・・」
ニナ「休憩終わりま〜す。まほろさんは大岩さんを圧倒しますがぁ、一瞬の隙を衝かれて押さえ込まれちゃいます。これは逃れたまほろさんですが、今度はレフェリーさんに捕まっちゃいます。これって反則じゃないんですかぁ?」
「反則を判断するレフェリーがしてることだからな、反則じゃない」
ニナ「・・・おかしいです(ぼそっ)。身体を触られただけじゃなく、キスまでされちゃったまほろさんはブチ切れ。大岩さんを病院送りにしただけじゃなく、レフェリーさんにも強烈なお仕置きをしました〜(ぱちぱち)」
「ちょっと待て! なんだ今の拍手は!」
ニナ「まほろさんの勝利への拍手です〜」
「そ、そうか。ならいいんだ」
「・・・やっぱり嘘だよなぁ(ぼそり)」

ニナ「第五十六話に行きますよぉ。やっと半分ですねぇ。尾代呑太さんと、茨木美鈴さんの試合を裁くレフェリーとして登場した筈の九峪志乃さんですが、いつの間にか一対二のハンデ戦になってましたぁ。衣装はレフェリー服でしたが、なぜかミニスカートでした」
「ん? 九峪志乃って、ちょっと前まで『鬼九』って呼ばれてたヒールレスラーじゃなかったか?」
「その『鬼九』だよ。故障で引退して、今は『JJJ』のレフェリーをしてる」
ニナ「忘れてました。志乃さんは27歳で、身長166cm、B85のDカップ、W64、H87です」
「中々色っぽいプロポーションしてるな。大人の色香ってやつか?」
ニナ「あくまでもレフェリーの立場を守ろうとした志乃さんはぁ、パンツ一枚にされちゃいました。でも、そこで切れちゃって、尾代さんと美鈴さんをあっと言う間にKOしちゃいました〜」
「さすが元とはいえヒールレスラー、二人を一度にKOかよ」
「それにしても、菊奈ちゃんといい、麗羅ちゃんといい、今回の志乃ちゃんといい、<地下闘艶場>に参加する『JJJ』の関係者が多いな」
「なんだ、お前知らなかったのか? 『JJJ』の社長の斉原楓、昔『御前』に抱かれたことがあるんだぞ。その縁から『御前』は『JJJ』の選手を<地下闘艶場>に上げるようになったらしい」
「へー。普通の社長なら、逆に<地下闘艶場>に上げるの拒みそうなもんだけどな」
「プロだからってことで、ファイトマネーの他に『JJJ』にもマネージメント料を払ってるからな」
「しっかりしてるな」
「社長がしっかりしてなきゃ、選手に迷惑が掛かるだろ」
「ま、それもそうか。でもなぁ、<地下闘艶場>って場所がどんなとこだかわかってるだろうに、それでも・・・」
ニナ「・・・」
「ん?」
ニナ「・・・zzz」
「ニナちゃん・・・寝てないか?」
「・・・寝てるな。まったく、仕事中に寝るか? 叩き起こして・・・」
「まぁ待てよ。折角寝てくれてるんだ、い・た・ず・ら、しても大丈夫じゃね?」
「お前って奴は・・・なんでそうエロとセクハラを忘れないのかね。だが、とてもいい案だ」
「だろ? よし、どっちが先かジャンケンで・・・」
ニナ「ふぁ〜。ちょっとぼーっとしてました。次に行きますね〜」
「・・・起きるタイミング良過ぎだろ」

ニナ「第五十七話は、栗原美緒さんの試合ですぅ。美緒さんは19歳。身長162cm、B87のEカップ、W62、H87。衣装はサッカーのユニフォームなのに、おへそが見えてました。対戦相手は女性の唐辻(からつじ)巳詩夜(みしよ)さんでした」
「お、栗原美緒の試合か。でも、なんで俺じゃなくて女が相手だったんだ?」
ニナ「なんか、『女性の新しい責め役が登場して欲しい』、っていうリクエストがあったかららしいですよ? あとぉ、『美緒さんが女の人に責められる姿が見たい』、っていうリクエストもあったそうです」
「と言うか、なんで栗原選手の相手がお前だと思うんだよ」
「だってよ、過去二回は俺との対戦だったんだぜ? なら今回も俺だと思うだろうが!」
「それ、直接『御前』に言えるか?」
「さ、さすが『御前』! 人の意見も柔軟に取り入れるとは、支配者の鑑!」
ニナ「それも見え見えのヨイショだと思いますぅ」
「・・・どうしろってんだ」
ニナ「わかりませ〜ん。それじゃ続けますよ? レスリングのインターハイチャンピオンの美緒さん、それなのに巳詩夜さんを寝技で仕留めきれませんでしたぁ」
「寝技で仕留める・・・なんか、響きがエロいな」
ニナ「どこがですかぁ? よくわからないので続けますよ〜。美緒さんは逆に巳詩夜さんに捕まってぇ、レフェリーも加わったセクハラを受けちゃいました」
「てめぇ、自分だけいい目見やがって!」
「あれはだな、失神しないように気付けをしてたんだよ」
ニナ「嘘ついたら駄目ですよ〜。責められてた美緒さんですが、隙を衝いて脱出に成功、巳詩夜さんを絞め落としましたぁ」
「容赦ねぇな」
ニナ「それで勝負がついた筈なんですがぁ、失神した筈の巳詩夜さんが四つん這いで美緒さんに迫りますぅ」
「おっかね! なんだそのホラーな展開!」
「恐かったぞ、本当に。栗原選手が、巳詩夜の奴の顔面にキック入れてたくらいだからな」
「・・・栗原美緒も案外エグいな」
ニナ「それだけ巳詩夜さんが恐かったんだと思いますよ〜。あ、レフェリーさん相手に再演してみましょうか? 私美緒さん役で、レフェリーさん巳詩夜さん役で」
「何言ってんだ! ようするにニナ選手が俺の顔面蹴るってことだろ!」
「いいじゃねぇか、蹴ってもらえよ」
「お前、他人事だと思って軽く言ってんじゃねぇ!」
ニナ「私の準備はOKですよ?」
「俺がKOされるわ! 次行け!」
ニナ「・・・上手くないですよ?」
「・・・次行ってくれ、頼むから」

ニナ「第五十八話に行きますよ? 桃郷美影さんの登場ですぅ。衣装は野球のユニフォームでしたが、おへそと太ももが隠れてませんでしたぁ。対戦相手は蜘蛛仮面さんでした」
「待て待てぃ! 蜘蛛仮面じゃなくてマスク・ド・タランチュラだ!」
ニナ「だって、訳したら蜘蛛仮面ですよ?」
「なぜ訳す! そのままでいいの!」
ニナ「そうなんですか? それじゃぁ、対戦相手はマスク・ド・タランチュラさんでした。変な名前の人ですね〜」
「変な名前とはなんだ!」
ニナ「? なんであなたが怒るんですかぁ?」
「なんでって、俺がマスク・ド・タランチュラだからだよ!」
ニナ「そうだったんですか? だって、自己紹介されてなかったから」
「あ・・・そっか、俺の自己紹介してなかったっけ」
「今更いいだろ。それより、桃郷選手の紹介も忘れてるぞ」
ニナ「あ〜、そうでしたぁ。美影さんは19歳。身長162cmで、B94のHカップ、W57、H89ですぅ。あとぉ、美影さんは、美緒さんの従姉妹だそうです」
「へぇ〜、栗原美緒のねぇ。こんな美人の従姉妹が並んでたら、ナンパされまくりだろうな」
ニナ「マスク被った変態さんがナンパしても、失敗すると思いますけどぉ」
「はっはっは、確かにな!・・・(ぐすん)」
「泣くなよ、みっともないな」
ニナ「えっと、美影さんの衣装は野球のボールガールのようなものでしたぁ。おへそと太ももが隠れてなかったそうですぅ」
「そうそう! しかもおっぱいの盛り上がりが半端じゃなくてな! いやー、あれこそエロい身体って言うやつだな!」
「もう復活しやがった」
ニナ「変態さんはエロで復活するんですね〜。試合ですが、美影さんの連打でマスク・ド・タランチュラさんがダウンしました。でもぉ、レフェリーさんのスローカウントでセーフです」
「(ぐっ!)」
「(ぐっ!)」
ニナ「? 二人とも、親指立てて、なにしてるんですか〜?」
「いやなに、グッジョブを称えようと思って」
ニナ「どこら辺がグッジョブなのかはわかりませんが、続けますよ? 立ち上がったマスク・ド・タランチュラさんは、タックルで美影さんを倒して、<タランチュラホールド>という、変形のグランドコブラツイストに捕らえましたぁ」
「そうそう! 動きを封じてHカップを揉んだんだよ! そんでもってお前が上着のボタン外してな」
「そうだったそうだった。途中まで外したところで自分から出てきたからな、あのデカおっぱい。エロいなんてもんじゃないぞ、あれは」
ニナ「変態さん二人に色々されちゃった美影さんですがぁ、後ろへの頭突きで脱出しました〜。そこから蹴りの連続技で、マスク・ド・タランチュラさんをKOですぅ」
「・・・さ、次に行こうぜ」
「お前、自分の負けたシーンは飛ばす気か・・・」

ニナ「第五十九話、後ちょっとですね。棟臥(とうが)祢衣(ねい)さんの登場ですぅ。24歳、身長157cm、B85のEカップ、W55、H85。衣装は白のワンピーズ水着で、対戦相手は渦鹿(かろく)辰己さんでした」
「渦鹿辰己? 聞いたことないな」
「腕利き、ってことでスカウトされたそうだ。でも、女とは思わなかったけどな」
「え? どういうことだ?」
ニナ「なんかですねぇ、辰己さんは男だと偽ってリングに上がったそうなんですぅ。でも、祢衣さんの攻撃でシャツの胸元が破れてばれちゃいました」
「男装の麗人、ってやつか。なんか・・・いいな」
ニナ「それでですねぇ、辰己さんが女性だとわかった途端に、レフェリーさんが胸を触るというセクハラをして吹っ飛ばされちゃいました」
「お前、手が早すぎるだろ」
「い、いや、本物かどうか確認しようと思ってな」
ニナ「もし偽乳だったら、どうするつもりだったんですかぁ?」
「お前まさか、それを狙って・・・」
「そんなわけあるか! 俺はホモじゃないって何度言えばわかるんだ!」
ニナ「・・・(そっと距離を取る)」
「待て! 違うぞニナ選手!」
ニナ「寄らないでください。レフェリーが気絶したので、この試合はノーコンテストになりました」
「そんな事務的な進行しなくても・・・」
ニナ「次に行きま〜す」
「聞けよ!」
「諦めろよ気絶ホモレフェリー」
「訳のわからん呼び方するな!」

ニナ「今日はこれでお終いですぅ。第六十話、ピュアフォックスこと来狐遥さんと、ステファニー・クレイトンさんのタッグマッチでした。遥さんは17歳でぇ、身長165cm、B88のEカップ、W64、H90。ステファニーさんのデータはぁ、第五十一話のときに披露したので省略しますよ? お二人の衣装は、通っている高校の制服だったそうですよ。今回の選手の皆さんは17歳が多いですね〜」
「ニナちゃんも18歳だし、<地下闘艶場>って十代の参加選手が多いよな」
「偶然なのか、『御前』の趣味なのか・・・」
「女性格闘家のピークは十代後半から二十代前半、っていうのがほとんどだからじゃねぇか?」
ニナ「どうなんでしょうね〜。二人の対戦相手は、ニンジャの小四郎さんと、草橋恭三さんでした」
「地味な二人だな。俺を出せば良かったのに・・・(ぶつぶつ)」
「お前、五十八話に出てたじゃないか。桃郷選手にやられたけどな」
「うるせぇな、ちゃんと見せ場を作ったからいいじゃねぇか」
ニナ「えっと、ピュアフォックスさんとステファニーさんは、スカートを捲られたり胸を触られたりぃ、二人同時にロメロスペシャルを掛けられたままレフェリーに胸を触られたりぃ、色々とセクハラされちゃいました〜」
「ずるいぞてめぇ! 自分ばっかりいい思いしやがって!」
「そうは言うけどな、お前・・・」
ニナ「ロメロスペシャルを力技で脱出したピュアフォックスさんが、ステファニーさんを救出しましたぁ。練習したコンビネーションを披露して、最後は、えっとぉ・・・フォクシーギャラクティカっていう、ピュアフォックスさんのオリジナル技からのフォール勝ちです〜」
「? フォクシーギャラクティカ? 聞いたことねぇな」
「凄かったぞ。スワンダイブ式のムーンサルトプレスだ。しかも二回転してたな」
「ホントに凄ぇな・・・プロレス姉ちゃん、どんどん巧くなってないか?」
ニナ「試合が終わった後はぁ、レフェリーもフライングニールキックとフライングボディアタックでKOしてます〜」
「ぷぷっ、だっせ!」
「余計なお世話だ! ・・・でも、ステフ選手のダイビングアタックは気持ちよかったなぁ。死ぬかと思うほど痛かったけど」
ニナ「・・・死ねばよかったのに(ぼそっ)」
「ん? 何か言ったか?」
ニナ「いいえ〜、独り言ですよ〜」
「そ、そうか」
「・・・(ニナちゃん、案外恐いとこあるな)」

ニナ「わ〜、やっと終わりました。もう帰っていいんですよね?」
「まだいいじゃないか。それよりどうだい? これからムードのあるバーでお酒でも」
「なにカッコつけてるんだ。それにニナ選手は未成年だぞ」
ニナ「残念ですけどぉ、この前の座談会で、お酒飲まないように釘を刺されてしまいましたので。ごめんなさ〜い」
「な、なら、食事だけでも!」
「必死だな、お前。ニナ選手がOKする筈が・・・」
ニナ「食事だけならいいですよ?」
「えっ?」
「おおお! 言ってみるもんだ!」
ニナ「お友達も呼んでいいですかぁ? 女の子なんですけど」
「勿論だ! どーんとこい! よし、お前も来いよ」
「そ、そうか? そうだな、お前一人に任せとくと危ないしな」
「そういうことにしといてやるよ(にやにや)」
ニナ「(電話中)あ、メイさんですかぁ? ニナですよ〜」
「・・・え?」
「おい、女でメイって言ったらまさか・・・」
「ふ、藤嶋メイ選手か!?」
ニナ「なんかですね、食事を奢ってくれるそうなんですよ。メイさんも誘っていいって言ってくれたんで、一緒に行きましょ〜」
「まずいぞ、まずい臭いがプンプンするぞ!」
「ああ、ここで藤嶋選手が来たら何をされるかわからんからな、一旦断りを入れて貰って・・・」
ニナ「それじゃ待ってますね〜(電話終了)」
「な、なぁニナちゃん」
ニナ「はい? なんですかぁ?」
「ちょ、ちょっと用事ができたというかなんというか・・・」
「お、お友達にはまたの機会で、ってキャンセルの連絡して貰えないか?」
ニナ「えぇ〜、さっきはいいって言ってたじゃないですかぁ」
「そうなんだけどな、藤嶋選手とは聞いてなかったから・・・」
メイ「(がちゃっ)なんなんだよニナ、いきなり人を呼び出して。近くに居たからよかったようなもの、の・・・あーーーっ!」
「(びくっ!)」
メイ「お前ら! ニナに何した!」
「待て! まだ何もしてないぞ!」
メイ「まだってことは、する気満々だったんだろ!(ドグシャッ)」
「(きゅう)」
「い、いきなり何をする!」
メイ「うるさい! お前らだけは許さない!(ドゲシッ!)」
「(きゅう)」
メイ「まったく、変態どもめ。だいたいニナもニナだ、なんでこんな変態と一緒に居たんだよ!」
ニナ「お仕事ですよ〜。それに、これからお食事に行く約束だったのにぃ」
メイ「なんだ仕事って。お前、また騙されたんだろ! 飯は私が奢ってやるから、説教だ!」
ニナ「えぇぇ〜〜〜」
メイ「嫌そうな声を出すな!」
ニナ「だってぇ、嫌ですもん」
メイ「うるさい! ほら、行くぞ!」
ニナ「えぇぇぇ〜〜〜・・・(ずるずる)」

(暫く後)

「・・・いってってぇ・・・おい、生きてるか?」
「な、なんとか・・・げっ、鼻血が出てる」
「それだけで済んでよかったじゃねぇか。しっかし勿体ないことをした。ニナちゃんとデートの筈だったのに・・・」
「まさか藤嶋選手が出てくるとはな。裏座談会って油断できないなぁ(ため息)」
「次回は、おとなしくてデートを断らない綺麗どころを希望だ!」
「もう諦めて、俺らがおとなしくしようぜ・・・」


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