【閑話休題 座談会 其の十四】

涼子「恒例の座談会、今回で十四回目となります。私は司会進行の於鶴涼子です、宜しくお願いします。今回は第六十六話から第七十話に出場した皆さんに集まって頂いています」
ゆかり「ひさしぶりー!」
涼子「はいそうですね(棒読み) まずは各自自己紹介をお願いします。年齢、職業、格闘スタイルを教えて頂けますか? まずは私が自己紹介致します。年齢は21歳で、職業は受付嬢です。格闘スタイルは合気道になります。では初登場の霧絵さんからお願いします」
霧絵「谷早霧絵です。23歳。職業は社長秘書・・・だったんですけど、今は無職です。格闘スタイルは護身術です」
ゆかり「わー、プーさんだー」
霧絵「(ぴきっ)」
涼子「ゆかりさん、失礼なことを言わないように。次はそのゆかりさんですね」
ゆかり「はーい。暮内ゆかり、16歳。高校生で、格闘スタイルは柔道でーす」
涼子「では、残りの方も登場順にお願いします」
咲夜「鈴代咲夜です。18歳です。私も高校生で、格闘スタイルは一応キックボクシングです」
狭霧「洞耶馬狭霧、17歳。高校生。流派は邦流空手」
アウラ「芦鷹アウラ、19歳、自衛官です。自衛隊式格闘術が格闘スタイルです」
涼子「今回は私と霧絵さん以外は十代ですね。しかも十代の4人は16歳、17歳、18歳、19歳と全て違う年齢で、3人が高校生です」
霧絵「私が一番年上か。社会人の心構えで・・・と思ったけど、今は無職なのよね(ため息)」
涼子「<地下闘艶場>が原因なのですから、仕方がありませんよ」
咲夜「霧絵さん、色々あったんですね」
霧絵「ええ、そうなの。実は・・・」
涼子「霧絵さん、詳しいお話は後でお聞きしますので」
霧絵「わかったわ、思いのたけをぶちまけます!」
涼子「お手柔らかに。ゆかりさんと咲夜さんは、再登場を決める投票で同率1位を獲得しての再登場となりました」
ゆかり「ぶー。ゆかりが人気者だからしょうがないけど、出なくてもよかったのに〜」
咲夜「ゆかりちゃん、発表のときには『勝つからいいけどね』って言ってたのに・・・」
ゆかり「え〜、言ってないよぉ」
咲夜「言ってましたよ?」
涼子「はい、そこまで。水掛け論になりそうなのでその辺で。では、ここで恒例行事を」
アウラ「・・・また、ですか」
涼子「まあそう仰らず。私が85のD、霧絵さんが86のE、ゆかりさんが84のE、咲夜さんが91のE、狭霧さんが84のD、アウラさんが86のDです」
霧絵「なにその数字、って・・・もしかして、トップとブラのサイズ?」
涼子「ご名答」
ゆかり「んもー、『ごち上等ボーボボ』違反だよ」
咲夜「・・・えっと、それを言うなら『個人情報保護法』違反ですよ?」
ゆかり「え〜、ゆかりそう言ったよぉ」
咲夜「言ってませんでしたよ?」
涼子「はい、そこまで。二度も言わせないでください」
狭霧「・・・見事にDとEが揃ったね」
霧絵「あら、本当。しかもDとEが三人ずつね」
アウラ「妙なところで親近感が沸きますね」

涼子「まずは第六十六話、霧絵さんの試合から振り返っていきましょうか」
霧絵「え、そのための座談会?」
涼子「そんな嫌そうな声を出さないでください」
霧絵「だって、どれだけ嫌なことされたと思う?」
咲夜「わかります。私も・・・」
ゆかり「ゆかりもー! <地下闘艶場>ってホントにHぃんだから!」
涼子「他の方々のお話は後で聴かせて頂きますので、今は静かにしていてくださいね。霧絵さんの衣装はカジノのディーラーを思わせるものでした。対戦相手はマンハッタンブラザーズ1号、の筈だったんですが、レフェリーのボディチェックを拒んだ霧絵さんは1号と2号を同時に相手するハンディマッチを課されました」
霧絵「だって、ボディチェックと言いながら胸を触ってきたのよ? 拒むのが当たり前だと思うんだけど」
涼子「あのレフェリーは、いつも厭らしいことをすることしか考えていませんからね」
アウラ「本当に、どうにかならないものでしょうか」
涼子「無理でしょうね(断言) 鋭い動きを披露する霧絵さんでしたが、一対二の状況に苦戦し、ワイシャツの前を開かれてしまいます」
霧絵「そんなこと言わなくてもいいじゃない」
涼子「状況説明は必要ですから。しかし霧絵さんは脱いだベストを振るい、マンハッタンブラザーズの二人をKOしてしまいます」
アウラ「衣服を使ったんですか? そんな闘い方もあるんですね」
霧絵「ええ、護身術の一種よ」
涼子「見事マンハッタンブラザーズの二人を倒した霧絵さんでしたが、今度はマスク・ド・タランチュラとの連戦となりました」
霧絵「本当にもう・・・卑怯なことしかしないのかしら、<地下闘艶場>って」
涼子「はい、ほぼ卑怯なことしかしません」
霧絵「・・・困った団体よね(ため息)」
涼子「マスク・ド・タランチュラ相手に霧絵さんは苦戦し、ベストとミニスカートを奪われてしまいます」
霧絵「シャツの前は止まらないし・・・思い出したら腹が立ってきたわ」
涼子「しかしここで、霧絵さんはワイシャツを脱ぎ、マスク・ド・タランチュラの両手を絡めて投げを打ってフォール。受身の取れなかったマスク・ド・タランチュラは霧絵さんのフォールを返せませんでした」
ゆかり「すごーい、プーさんなのに勝っちゃった!」
霧絵「(ぴきぃっ!)」
涼子「ゆかりさん、失礼ですよ」
ゆかり「えー、ホントのことなのに〜」
咲夜「でも、なぜ辞められたんですか?」
霧絵「だって、社長から『接待の一環だから』って言われて嫌々リングに上がったら、待っていたのがセクハラ三昧でしょう? あんな社長の下では働けないと思ったから、辞表叩きつけてやったのよ」
ゆかり「あ、ならゆかりのとこで働けば? ゆかりのパパ社長だから!」
霧絵「・・・お断りします」
ゆかり「えーっ! なんで断るの?」
霧絵「貴女を見ていたら、どんな親かわかるような気がするからよ」
ゆかり「ひどーい!」
涼子「霧絵さん、正しい判断だと思います。では、そろそろ次に行きましょうか」

涼子「次は第六十七話、ゆかりさんの試合ですね」
ゆかり「え〜、ゆかりのことはもういいよ、次いこ?」
涼子「駄目です。先程も言いましたが、ゆかりさんは再登場を決める投票で1位となり、再登場が決まりました。同率1位だった咲夜さんも同じ登場理由ですね」
咲夜「嫌だったんですけど、断れなくて・・・」
涼子「断れなかった理由はまた後程。ゆかりさんの対戦相手は小四郎という忍者装束の男でした。ゆかりさんの衣装は白の水着でしたね」
ゆかり「なんか、レースクイーンが着るようなやつだったよ?」
涼子「油断していたゆかりさんは胸を露出させられ、それだけでは終わらず水着を取られてしまいました」
ゆかり「わーーーっ! なんで言っちゃうのーーーっ!」
アウラ「まさか・・・全裸、ですか?」
ゆかり「・・・もういやだー(泣)」
霧絵「そ、そこまでされちゃうの?」
涼子「大股開きをされた、とまでは言っていませんので」
ゆかり「今言ったら一緒だよー!」
狭霧「・・・無様だな」
ゆかり「ひどーい! なんでそんなひどいこと言うの? 意地悪だよ!」
狭霧「事実だ」
涼子「はい、そこまで! 喧嘩はしないでください」
霧絵「でも全裸で大股開きって、確かに酷過ぎないかしら」
涼子「脚を開かれたのは一瞬だったので、大事なところは見られていないのではないでしょうか」
ゆかり「ちょっとでも見られちゃったかも知れないのにー!」
狭霧「見られた人間に嫁入りすればいいじゃないか」
ゆかり「そんなやらしい人と結婚したくないもん。ゆかり、いつか王子様と結婚するんだ!」
アウラ「・・・まさか、本気じゃないですよね」
ゆかり「? 本気だよ?」
涼子「(ため息)やれやれ、次に行きましょうか」

涼子「第六十八話は咲夜さんの試合ですね。咲夜さんの衣装はスーツ、対戦相手は火筒剛でした」
咲夜「確かにスーツでしたけど、中に毛が生えていて・・・」
アウラ「中に毛?」
咲夜「はい、スーツの内側に柔らかい毛が植えられていたんです。だからくすぐったいと言うか、微妙な刺激があって動けなかったんです」
涼子「その言葉どおり、思うように動けない咲夜さんはスーツのボタンを飛ばされ、ビスチェを奪われました」
咲夜「そうなんです、隠そうとしたら胸に毛が当たるし、でも隠さないと恥ずかしいし・・・」
霧絵「ご愁傷様。でも、高校生にまでそんなことさせるのね」
涼子「困った団体ですよね。火筒に押さえ込まれた咲夜さんは胸を露わにされてしまいますが、隙を衝いて脱出。スーツを脱いで体に巻きつけることで、くすぐったさから逃れることができました」
狭霧「へぇ。思い切ったな」
咲夜「とっても恥ずかしかったですけど・・・(赤面)」
涼子「最後は火筒のタックルに膝蹴りを合わせ、見事にKO勝利を飾りました」
咲夜「本当に勝てて良かったです。お母さんもいい病院に入ることができましたし」
アウラ「入院、ですか?」
咲夜「はい、そうなんです」
涼子「咲夜さんはお母様が倒れられたため、その入院費を稼ごうと再参戦を受けれいれました」
霧絵「えっ、お母さんが? 大丈夫だったの?」
咲夜「はい。今はもう元気になりましたから」
涼子「よかったですね、咲夜さん」

涼子「次に行きましょう。第六十九話、狭霧さんの試合になります。狭霧さんの対戦相手は津堂斬一、狭霧さんの衣装はビキニタイプのタイツでした」
狭霧「(こくり)」
涼子「津堂は空手家で、狭霧さんとは空手家対決になりました」
狭霧「ちょっと待った・・・待ってください、邦流空手は普通の空手とは違う」
涼子「そうなんですか?」
狭霧「今の主流の空手は沖縄空手が源流だけど、邦流空手は日本古来から伝えられてきた空手なんだ」
涼子「それは不勉強で申し訳ありませんでした。では新旧の空手対決となった一戦ですが、狭霧さんは津堂を寄せ付けず、胸骨、右膝を粉砕、最後は鳩尾への正拳突きで津堂を沈めました」
ゆかり「わ〜、えぐーい」
涼子「津堂に完勝した狭霧さんに、レフェリーが追加試合を持ち掛けます。それを受けた狭霧さんの次の相手は、ピエロのような格好をしたジョーカーでした」
狭霧「・・・強かったな」
涼子「先程は完勝した狭霧さんでしたが、ジョーカーの手刀で衣装を切り刻まれてしまいます」
アウラ「そんなに鋭い攻撃だったんですか?」
狭霧「いや・・・多分、手袋だ」
ゆかり「手袋? どういうこと?」
涼子「ジョーカーの手袋は特別製らしく、触れたものを切り裂いてしまうんです。下着姿とされた狭霧さんでしたが、衣装の切れ端を足の指で摘み、ジョーカーの顔の前に放ることで視界を遮り、顎の先端を打ち抜いた一撃でKO勝利です」
狭霧「(うんうん)」
咲夜「狭霧さん、眠たいんですか?」
狭霧「え? いや、別に眠くはないよ・・・ないですよ」
ゆかり「え〜、眠そうな目してるのに」
狭霧「そういう風にしたんだ。相手に表情を読まれないようにね」
霧絵「仏像みたいなアルカイックな感じね」
狭霧「そんなこと言われたの初めてだ」
霧絵「誤解しないでね、貶したわけじゃないのよ?」
狭霧「わかってる・・・わかってますから、大丈夫」
涼子「それでは、次に行きましょうか」

涼子「今日はこれで最後ですね。アウラさんの試合である第七十話です」
アウラ「宜しくお願いします」
涼子「アウラさんの衣装はレオタード、対戦相手は前回も対戦したグレッグ"ジャンク"カッパー。脂肪の固まりのような体型で、掻いた汗が物凄く滑るという見た目も能力も嫌な選手です。前回はグレッグに苦戦したアウラさんでしたが、今回は足を滑らせることもなく投げ一発でKOしました」
霧絵「投げ一発で? さすが自衛官、女性でも強いのね」
アウラ「いえ、まだ修練が足りません」
狭霧「謙遜するなぁ」
涼子「グレッグに勝利を収めたアウラさんでしたが、レフェリーから連戦を提示されて受け入れました」
咲夜「え? なぜ一試合で終わらなかったんですか?」
アウラ「・・・自分がどれだけの実力を身につけたか、試してみたくなったんです」
涼子「アウラさんと闘うことになったのは、コンテ・大倉と早矢仕杜丸という二人組でした。しかもグレッグとの試合の前にボディチェックを受けていたというのに、またもボディチェックをされてしまいます」
ゆかり「なにそれー! あのレフェリー、ぜったい触りたかっただけだよね」
アウラ「・・・多分」
涼子「ボディチェックに大倉と早矢仕も加わり、アウラさんは男達三人からセクハラを受けてしまいます。しかもそのまま試合が始められてしまいました」
狭霧「・・・酷いな」
アウラ「・・・本当に」
涼子「三人掛かりで嬲られるアウラさんでしたが、早矢仕を太ももで絞め上げることで失神させ、レフェリーと大倉を蹴り飛ばして脱出しました」
ゆかり「すごーい! やればできるんだ〜」
アウラ「やればできる、って・・・(困惑)」
霧絵「この子の言うことを一々真に受けてたらストレス貯まるわよ」
ゆかり「ひどーい! プーさんなのに言うことひどーい!」
霧絵「(ぴっきーん!)」
涼子「はい、そこまで! もうすぐ終わりますから、おとなしくしていてください。最後は大倉の肘を極めてギブアップを奪い、アウラさんが勝利しました」
アウラ「勝てて良かったです。本当に良かったです」
霧絵「二回言いたくなるくらい嬉しかったのね」
ゆかり「大事なことなので二回言いました〜」
アウラ「・・・」
涼子「アウラさん、眉間に皺が寄っていますよ」

涼子「それでは今回の座談会もこれで終了ですね」
ゆかり「終わった〜! つかれた〜!」
狭霧「疲れた、ってお前・・・一番自分勝手にしていたじゃないか」
ゆかり「そんなことないもん! あ、さては狭霧ちゃん、ゆかりに嫉妬してるんでしょ〜。だからゆかりのこと悪く言って、好感度下げようとしてるんだ! ずるーい・・・」
狭霧「(ごすっ!)」
ゆかり「いったーーー! 狭霧ちゃんが本気のグーで殴ったーーー!」
涼子「今のはゆかりさんが悪いと思いますよ」
ゆかり「ひっどーい! ゆかり悪くないもん! そんな意地悪言う涼子ちゃんのほうが悪いもん!」
涼子「ふふふ・・・私が悪い、ですか(微笑)」
霧絵「えっ!?」
狭霧「(反射的に身構え)」
アウラ「っ!」
咲夜「(涼子さん、いきなり恐い雰囲気が・・・!)」
ゆかり「な、なによ、ゆかり、悪くないもん・・・こ、恐くなんかないんだから!」
涼子「ゆかりさん、少し個人的にお伝えしたいことがあるので、お残りください」
ゆかり「ゆ、ゆかりは聞きたくないから!」
涼子「いつまでも我が侭は聞けませんよ?(にっこり)」
ゆかり「あ、う、え・・・だ、誰か助けてよー!」
霧絵「悪いけど、自業自得よ」
狭霧「(こくこく)」
アウラ「私も庇えませんね」
ゆかり「えっ・・・さ、咲夜ちゃんは・・・!」
咲夜「え、っと・・・(無言で顔逸らし)」
ゆかり「ちょっとー! みんなひどすぎー!」
涼子「日頃の行いの所為ですね。では今回の座談会、ここで終了とさせて頂きます。ゆかりさん以外の方々、今日はお疲れ様でした」
他の一同「お疲れ様でした」
ゆかり「ま、待ってよ、置いてかないで」
涼子「さて・・・それでは、その我が侭な精神を根っこから叩き直してあげます」
ゆかり「やだ、そんなのいらない・・・だ、だれかー!・・・(ずるずる)」


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