【閑話休題 座談会 其の十八】

涼子「今日お集まり頂いた皆さん、お忙しいところをありがとうございます。私は於鶴涼子と申します。本日の座談会の進行を務めさせて頂きますので、宜しくお願い致します」
他の一同「お願いします」
涼子「では、皆さん今回の座談会が初参加となりますので、自己紹介をお願いします。まずは私から。於鶴涼子、年齢は21歳で、職業は受付嬢です。格闘スタイルは合気道になります。それでは登場順に年齢、職業、格闘スタイルを教えてください。グロリアさんからになりますね」
グロリア「はいな。グロリア・京堂院・ベイス、17歳。職業は高校生になるんかな? 格闘スタイル・・・これはバレエ、でええんやろか」
森香「高良森香。19歳。職業はボディガード。格闘スタイルは忍術です」
風梨「岸森風梨だよ。22歳、今はフリーターだけど、将来は映画監督になるから(断言) 格闘スタイルかぁ・・・映画見まくって身に付けた我流拳法? かな?」
深津魅「八岳深津魅ですわ。年齢は18歳。職業は高校生。格闘スタイルは・・・そうですわね、総合格闘技、というのが一番相応しいでしょうね」
雪緒「皆さんこんにちは、黒芽雪緒といいます。年齢は18歳で、私も高校生です。格闘スタイルは護身術になります」
涼子「ではここで、座談会の恒例行事を行います。グロリアさんが84のDカップ、森香さんが88のEカップ、風梨さんが87のDカップ、深津魅さんが86のDカップ、雪緒さんが89のEカップ。ちなみに私はB85のDカップです。今回は皆さんDカップとEカップですね」
深津魅「お待ちなさい、今のはもしかして」
雪緒「まさか・・・バストのトップサイズとカップ数!?」
涼子「ええ、その通りです」
グロリア「ちょっと待って、それって個人情報ほぎょ法違反やん!」
雪緒「大事な科白を噛まないでくれる?」
グロリア「う、うっさい! 仕方ないやん!」
涼子「はい、そこまで。喧嘩は口喧嘩もしないでください」
風梨「しっかし、今回は17歳、18歳、19歳、21歳、22歳か・・・20歳が居れば、ハートのストレートフラッシュだったのにね」
森香「数字が6つなら、役にはならないのでは?」
風梨「細かいことはいいのよ」
グロリア「『こまけぇこたぁいいんだよ!』てやつやね」
森香&風梨「・・・は?」
グロリア「冗談やん、そんなぽかん顔せんといて?」
涼子「取り留めがなくなってきましたので、そろそろ本題に入っていきましょうか」

涼子「まず、第八十六話、グロリアさんの試合から振り返っていきましょう」
グロリア「え、なんで? 試合のことなんかええやないの。皆で仲良くお喋りして終わろ?」
涼子「申し訳ありませんが、今日はそういう集まりですので(微笑)」
グロリア「えええ〜〜〜、ショックやわ〜」
涼子「グロリアさんに用意された衣装は黒いTシャツでした」
雪緒「・・・え? Tシャツ、だけ?」
グロリア「そうなんよ〜、酷いと思わへん?」
涼子「<地下闘艶場>では普通ですが。グロリアさんの対戦相手は草橋恭三でした。しかし試合開始直後、ローラーシューズを使ったグロリアさんの蹴りで、草橋はKOされてしまいます」
風梨「へえ、たった一発で。やるわね」
グロリア「えっへっへ〜、それほどでもあるけどね♪」
涼子「盛り上がりもへったくれもなく終わった試合に、レフェリーが追加試合を要請します。それを呑んだグロリアさんの対戦相手はジョーカーでした」
雪緒「なんでそんな馬鹿なことしたの? さっさと勝った時点で帰ってれば良かったのに」
グロリア「あんときはそんなん思わへんかったもん。ボディチェックとか言うてあちこち触ったレフェリーも、ドサマギで叩きのめそて狙てたのもあるし」
雪緒「そんなの、帰りがけの駄賃で一発二発蹴り飛ばせば良かったのよ」
グロリア「雪緒ちゃん、案外えげつない子やね」
雪緒「・・・それくらい酷いことをされたんでしょ? なら、反撃をされないように仕返ししなきゃ、と思っただけよ」
グロリア「ほんまやろか」
涼子「ジョーカーとの試合は一方的なものとなりました。ジョーカーの一撃で失神したグロリアさんは道具で拘束され、その・・・ローター責めを受けました」
風梨「ローターって・・・いいの、そんなの使っても」
涼子「突き詰めれば良くはないのですが、レフェリーがレフェリーですから」
風梨「あのレフェリーならOK出すわよね」
涼子「そして、グロリアさんは最後には絶頂失神してしまいました」
グロリア「あああ・・・恥ずかしい・・・穴があったら入りたい・・・」
風梨「女の幸せを知れてよかったとでも思うのね」
グロリア「そんなん無理やぁ!」
雪緒「で、結局どうなったの?」
グロリア「どうなったんやろ・・・うち、気づいたら控え室のベッドで寝てたから」
風梨「酷い悪戯されてたりしてね」
グロリア「そんなんされてない!・・・と思う。ちゃんと確かめたし」
深津魅「確かめた? 一体何をかしら?」
グロリア「も、もお! 乙女にそんなん言わせんといてよ!」
涼子「これ以上はまずいことになりそうなので、グロリアさんの試合はここまでにしましょうか」

涼子「次は第八十七話、森香さんの試合になります」
森香「わかりました」
涼子「森香さんの対戦相手は小四郎、衣装はくの一衣装でした」
グロリア「くのいち・・・てなに?」
雪緒「忍者よ忍者。女忍者」
グロリア「なんで女忍者をくの一言うん?」
深津魅「女という漢字を分解してみてごらんなさいな。ひらがなの「く」、カタカナの「ノ」、数字の「一」になるでしょう? だからですわ」
グロリア「なるほど〜。隠語言うやつやね」
涼子「くの一の解説が終わったところで、試合の解説に入りますよ。小四郎を関節技であっさりと退けた森香さんは、すぐに次戦へと挑みます」
風梨「連戦? 貴女もこの子みたいにレフェリー叩きのめしたかったの?」
森香「いえ、最初から連戦の契約でしたので」
雪緒「物好きな人ですね」
森香「理由もあったんですが・・・それはいいですね」
グロリア「言えないてなったら、余計知りたなるね」
涼子「森香さんの次の対戦相手は串縞連太郎。こちらも<地下闘艶場>初参戦ですね。串縞の足技に苦しむ森香さんは強烈な一撃を貰ってしまい、ロープに磔にされてしまいます。そのままレフェリーも加わったセクハラ責めを受けます」
雪緒「あのレフェリー、やっぱりセクハラ常習犯なのね」
涼子「ええ、毎回そうです。このままセクハラが続くのかと思われたとき、森香さんは演技で二人を騙して脱出、串縞を一撃で倒してしまいました」
グロリア「演技、て・・・どんな演技やったの?」
森香「まあ、同情したくなるような演技を少々」
風梨「さすが『くの一』、お見事」
森香「ありがとうございます。皮肉でも嬉しいですよ」
風梨「皮肉じゃないんだけどなぁ」
雪緒「そう言えば、森香さんはボディガードって言ってましたけど、今も誰かのガードについてるんですか?」
森香「守秘義務がありますので、それは言えませ・・・」
涼子「<地下闘艶場>で何度も試合をしている、八岳琉璃さんの専属ボディガードです」
森香「・・・」
深津魅「なっ! 琉璃のボディガードですって!?」
森香「はい。琉璃さんのボディガードを命じられています」
深津魅「私を差し置いて、琉璃のボディガードだなんて、そんなことは・・・!」
森香「深津魅さんには、私の遠縁の女性がボディガードについています。私よりも優秀ですよ」
深津魅「そ、そうなの。ならばいいですわ。ふふっ、私に琉璃よりも優秀なボディガードが」
風梨「・・・あんたも大変だね(ひそひそ)」
森香「(黙って首を左右に振る)」
雪緒「あれ? 八岳、って、深津魅さんと同じ名字」
グロリア「ほんまや」
深津魅「父親同士が兄弟ですわ。だから名字も同じなだけ」
雪緒「従姉妹ってことでしょ? 最初からそう言えばいいのに」
深津魅「あんな女を従姉妹だとは認めませんわ!」
風梨「八岳かぁ。八岳グループってのもあったわよね」
深津魅「ふふっ、その八岳グループの嫡流が私の家系ですわ!」
他の一同「(どよどよっ)」
グロリア「お嬢様やとは思うたけど、そんな凄いとこのお嬢様やったんやぁ。驚きや〜」
雪緒「(これはチャンスかも。八岳グループの人間と繋がりを持っていれば、これから何かと有利になるわね)」
風梨「雪緒ちゃん、黒いのが滲んでる」
雪緒「え、えっ、ええっ!?」
風梨「ほら、汗で黒いインナーが滲んでる」
雪緒「・・・そういうときは、透けてるって言いません?」
風梨「そうそう、透けるだよね。ごめんごめん」
雪緒「・・・どこが透けてます?」
風梨「見間違いだったみたいね〜」
雪緒「(この女・・・!)」
風梨「(にやにや)」
涼子「何故だかきな臭くなってきたところで、次に行きましょうか」

涼子「続けましょう。第八十八話、風梨さんの試合ですね」
風梨「はいはい、私の番ね」
涼子「風梨さんに用意された衣装は女海賊でした。女性選手は普通ですと衣装を着るのを嫌がるのですが、風梨さんは喜んで着たそうです」
風梨「だって、すっごく出来がいいのよ? しかも持って帰っていいって言うし、喜ばない理由がないじゃない」
グロリア「いや、その神経がよくわからへんし」
風梨「え? なんで? だって、すごく、すごーく出来がいい衣装よ? しかもタダでくれるのよ?」
涼子「はい、そこまで。それ以上は水掛け論になりますのでその辺で。風梨さんの対戦相手はコンテ・大倉、の筈だったんですが・・・」
風梨「セコンド様が乱入してくれたからね〜」
涼子「はい、セコンドとしてリング下に居た早矢仕杜丸が乱入し、大倉共々風梨さんを押さえつけます。そのままレフェリーを含めた男たちはセクハラを開始します」
雪緒「三人がかりだなんて、酷いですね」
風梨「ホントにそう思ってる? なんか言い方が軽いけど」
雪緒「ほ、本当に決まってるじゃないですか、いやだな〜」
涼子「しかし一瞬の隙を衝き、風梨さんは早矢仕の股間に、大倉の頭部に蹴りを入れて脱出します」
グロリア「うわ、容赦ない!」
風梨「だって、あいつら衣装破ったのよ? 折角貰って帰ってもいいって言われてたやつを」
雪緒「え・・・? それだけで?」
風梨「それだけって、それ以上の理由はいらないじゃない」
森香「いえ、厭らしいことをされたから、というのが一番だと思うんですが」
風梨「ああ、勿論それもあるわよ。ちゃんと一対一で闘わなかったしね」
涼子「最後にはレフェリーを含む三人を叩きのめし、男性選手二人は鼻骨骨折していたとのことです」
雪緒「えぐぅ・・・」
風梨「私を切れさすほうが悪いのよ」
涼子「風梨さんの仇名は『フーリガン』ですからね」
森香「見た目からはそういう風には見えませんが」
風梨「良く言われる」
グロリア「ミステリアスなお姉さんやとばかり思てたのに」
涼子「女性を見た目で判断してはいけない、という好例ですね」

涼子「次は第八十九話、深津魅さんの試合です」
深津魅「あら、私ですの? いいですわ、しっかり私の勝利を喧伝くださいな」
涼子「・・・」
雪緒「最初に勝ったって言っちゃうんだ。・・・空気読まないわね(ぼそっ)」
深津魅「何か仰いまして?」
雪緒「ううん、別に?」
涼子「こほん、では改めて。深津魅さんの衣装は軍服でした」
深津魅「あんな軍服があるわけないでしょう。まったく」
涼子「確かに、軍服とは言え半袖、臍出し、ミニスカートでしたからね」
風梨「うわ、ほんと? うわー、欲しかったわ〜」
深津魅「あんな下品な衣装が欲しいだなんて。変わってますのね」
風梨「うん、良く言われる」
深津魅「・・・」
グロリア「うぷぷ」
雪緒「くくっ」
深津魅「そこ! 笑わない!」
涼子「深津魅さんの対戦相手はマンハッタンブラザーズ1号2号。男性二人が相手でした」
風梨「へえ、深津魅お嬢さんも男二人が相手」
深津魅「そうですわ。ま、私には物足りませんでしたけどね」
涼子「二人を相手に勝利を挙げた深津魅さんは、連戦を受け入れます」
雪緒「なんで皆連戦を受け入れるのかなぁ」
深津魅「私の実力を知らしめる良い機会だからですわ。それに、あの琉璃も連戦をこなしたと言うのだから、負けてはいられませんわ!」
グロリア「ライバル心剥き出しやね」
深津魅「私は琉璃をライバルなどとは認めていませんわ!」
雪緒「その反応が如実に表してるわよ」
深津魅「そんなことがあるわけないでしょう!」
涼子「はい、そこまで! 口喧嘩でも喧嘩は喧嘩ですよ。お静かに。深津魅さんの新しい相手は虎路ノ山。元力士の巨漢です」
風梨「元相撲取りか・・・かなりでかかったんだろうね」
深津魅「まあ、それでも私の勝利は揺らぎませんでしたけどね」
涼子「鯖折りに捕らえられて、脂汗を流したようですが」
深津魅「デマですわ。脂汗など流していませんもの」
涼子「(まさかここまで強情だとは)深津魅さんは虎路ノ山の首を叩き、怯んだ隙に脱出。蹴りの連打で虎路ノ山をKOしました」
深津魅「そう、こうして私の華麗で鮮烈なデビューが飾られたのですわ!」
涼子「実際は琉璃さんとも対戦経験のある虎路ノ山が、胸の感触を比べたのに激怒して大暴れ、というのが真相ですが」
グロリア「それなら納得やわ〜」
森香「・・・」
風梨「そりゃそうよね」
雪緒「ほら、やっぱり」
深津魅「なんですの、皆で揃って! 私の勝利に僻んでいるんですの!?」
涼子「深津魅さん、落ち着いて。では、本格的な揉め事に発展する前に次に移りましょう」
深津魅「もっと私の勝利を喧伝しなさい!(きぃっ!)」

涼子「次が最後ですね。第九十話、雪緒さんの試合になります」
雪緒「手短にして貰えると助かるんですけど」
涼子「さあ、どうでしょう?(微笑) 雪緒さんの対戦相手は<地下闘艶場>初登場の大瓦来互、衣装はノースリーブのドレスに肩パット入りスーツジャケットでした」
風梨「意外と普通ね」
雪緒「スカートの前面に、股下ぎりぎりまでスリットが入ってたんですけど」
グロリア「パンツ見えそなくらい?」
雪緒「・・・ええ」
涼子「レフェリーのセクハラボディチェックを受けた雪緒さんは、胸の谷間に隠し持っていた特殊警棒を没収されました」
他の一同「(ざわっ)」
深津魅「貴女、凶器を隠し持っていたの!? 恥を知りなさい!」
雪緒「だって、裏の催し物よ? か弱い身を守るためには必要だと思ったもの。私、深津魅さんみたいに強くないし」
深津魅「・・・ま、まあ、そういうことならば仕方ありませんわね。納得しましたわ」
風梨「納得しちゃうんだ。グロリアちゃんは何か言うことないの?」
グロリア「うちもローラーシューズ履いてたし、雪緒ちゃんのこと強お言われへんよ」
涼子「試合が始まると、大瓦の迫力に気圧された雪緒さんはシューズに隠していたもう一本の特殊警棒で攻撃します」
他の一同「・・・」
深津魅「二本も隠し持っていたなんて、用意周到ですわね」
森香「常に備える姿勢は良いと思います」
雪緒「そうでしょう? 森香さんは物分りが良いですね」
涼子「しかし、特殊警棒の一撃も大瓦には通じませんでした。左手で受け止めた大瓦は、特殊警棒を飴細工のように変形させてしまいます」
風梨「特殊警棒って、そんな簡単に曲がるものだっけ?」
雪緒「まさか。そんな安物じゃなかったですよ」
涼子「大瓦に捕まった雪緒さんは、そのままセクハラを開始されました。しかし大瓦の目を打って脱出、耳を叩いて鼓膜を破り、最後は背中合わせで大瓦の首をスーツの袖で絞め、そのまま失神させてKO勝利を挙げました」
グロリア「雪緒ちゃんて、やっぱりえげつない子やったんやね」
雪緒「そんなことないわ。辱められないように必死だっただけよ」
グロリア「そうなん?」
風梨「意外と怒りで爆発しちゃったりしたりして?」
雪緒「(ぎりっ)・・・またまた〜、風梨さん、冗談がきついですよ(にこっ)」
風梨「ごめんごめん、良く言われるの。気をつけなきゃね(にやにや)」
涼子「はい、そこまで。風梨さん、雪緒さんをからかうのもほどほどに」
風梨「了解。可愛い子はつい構いたくなるわね」
雪緒「(この女・・・いつか覚えていなさい)」

涼子「丁度一区切りがついたようですね。それでは、本日の座談会はこれまでと致します。皆様、お疲れ様でした」
他の一同「お疲れ様でした」
涼子「これで解散です。お気をつけてお帰りを」
他の一同「(ぞろぞろ)」
グロリア「楽しいんはよかったけど、恥ずかしいこと再確認させられるとは思わへんかったわ〜」
深津魅「私の活躍の描写が少なかったですわ。もっと派手に描写するべきでしたのに」
風梨「あー、黒かった。間違えた、面白かった」
雪緒「(絶対許さない。絶対許さないわ!)」
涼子「風梨さん・・・最後までからかうのをやめませんでしたね(ため息)」
森香「涼子さん、ありがとうございました」
涼子「なんのお礼でしょうか?」
森香「貴女にお礼を言うのは違うのかもしれませんが、深津魅お嬢さんがあそこまで楽しそうにしていたのを初めて見ました」
涼子「(あれで楽しんでいたんでしょうか・・・)」
森香「ですので、深津魅お嬢様の関係者として、お礼申し上げます」
涼子「わかりました。代表してお受け致します(一礼)」
森香「では、私もこれで(退場)」
涼子「・・・森香さん、心の優しい方なんですね。それでは、私も帰るとしましょうか」


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