【閑話休題 座談会 其の二十】

涼子「今日は皆さん、お忙しいところを集まって頂きありがとうございます。私は於鶴涼子と申します。本日の座談会の進行を務めさせて頂きますので、宜しくお願い致します」
「涼子さんお久しぶりです!」
涼子「お久しぶりですね、遥さん。ただ、今回初めての参加の方もいらっしゃいますので、あとで改めて自己紹介してもらいます。ですので、少しお待ちください」
「わかりました!」
涼子「では、寿絵梨さんから自己紹介をお願いします」
寿絵梨「自己紹介? 合コンみたいなことすんのね。比良木寿絵梨ぃ、17歳、見ての通りの高校生。女子会って聞いてきましたぁ、よろしく〜」
スミレ「わー、完全ギャルだね、コギャルメイク」
寿絵梨「うっさいなぁ、いいじゃん別に」
スミレ「そうだね、似合ってると思うよ、寿絵梨」
涼子「はい、そこまで。スミレさん、順番は変わりますがそのまま自己紹介してください」
スミレ「はーい! 嵯暁スミレ、私も17歳の高校生、アクションの練習とバイトやってます」
涼子「では、あとは試合順に自己紹介して頂きましょうか。和泉さん、お願いします」
和泉「わかりました。原塚和泉、18歳、高校生。剣道部に所属しています」
ステフ「次は私デスネ。ステファニー・クレイトン、ステフと呼んでくだサイ。17歳、留学制度を使って遥と同じ高校に通ってマス。プロレス同好会に所属しているのも一緒デス」
ビクトリア「ビクトリア・フォレストよ。24歳、在日米軍に所属してるわ」
寿絵梨「え、軍人さんなの? マジで? うけるわー」
ビクトリア「・・・喧嘩売ってるの? 貴女」
寿絵梨「え? なんで? ふつうに話しかけただけじゃん」
涼子「ビクトリアさん、落ち着いて。寿絵梨さんも、言葉遣いには気をつけてくださいね」
ビクトリア「そうね、ちょっと大人げなかったわ」
寿絵梨「えー、私、これがふつうなんだけど?」
涼子「(ため息)遥さん、お願いします」
「わかりました! 来狐遥、17歳! 高校でプロレス同好会作って、今はステフと一緒に毎日練習してます!」
涼子「では改めて、於鶴涼子です。OLをしている21歳です。合気道を嗜んでおります」
「涼子さんの場合・・・」
スミレ「嗜んでる、ってレベルじゃないよね」
涼子「ではここで恒例行事を」
ビクトリア「恒例行事って・・・またあれの発表?」
涼子「そうです。寿絵梨さんがB83のCカップ、和泉さんがB86のEカップ、ステフさんがB92のFカップ、ビクトリアさんがB99のHカップ、遥さんがB88のEカップ、スミレさんがB87のEカップ、そして私がB85のDカップです」
寿絵梨「え、待って待って、なんで胸のトップとカップサイズなんか発表してんの!?」
涼子「恒例行事ですので」
ビクトリア「あら、Cカップのお子様には恥ずかしかったかしら?(胸の下で腕組み)」
寿絵梨「お、大きければいいってもんでもないし!」
ビクトリア「寄せて上げてる子に言われてもね〜(にやにや)」
寿絵梨「な、なんでそれを(胸隠し)」
ステフ「だって、発表されたサイズと見た目が合っていまセンヨ?」
涼子「はい、そこまで。寿絵梨さんを苛めるのも面白いとは思いますが、座談会が進みませんのでそこまでにしておきましょう」
「涼子さん・・・」
スミレ「寿絵梨のこと、怒ってたんだ・・・」

涼子「では、第九十六話の寿絵梨さんから振り返っていきましょうか」
寿絵梨「・・・正直、思い出したくもないんですけど?」
涼子「そうはいきませんよ(微笑) 寿絵梨さんの対戦相手は草橋恭三、衣装は寿絵梨さんの高校の制服でした」
寿絵梨「かなりスカート短かったけどね」
「え、今もかなり短いスカート穿いてるじゃん」
寿絵梨「今日はいいの、見えてもいい下着だから」
涼子「ならば下着姿で過ごせば如何ですか? 一々服など着ずに」
寿絵梨「そんな恥ずかしいことできるわけないじゃん!」
涼子「ま、それはどうでもいいとして、寿絵梨さんは草橋をあっさりと倒します」
スミレ「涼子さん・・・」
ビクトリア「思い切り私情挟んでるわね、涼子」
涼子「なんのことでしょうか?(微笑)」
寿絵梨「じゃ、じゃあ、もうその辺でさ・・・」
涼子「ボディチェックを拒んでいた寿絵梨さんは、レフェリーからもう一戦を強要されます」
スミレ「え、そんなのさっさと逃げ出しちゃえば良かったのに」
涼子「それが、寿絵梨さんには拒めない理由が・・・」
寿絵梨「わーーーっ! そんなのいいから、さっさと終わってよ!」
涼子「わかりました。寿絵梨さんの対戦相手はナスターシャさんでした。コマンドサンボの使い手のロシア人です」
「ナスターシャさんか、久しぶりだなー」
涼子「寿絵梨さんはナスターシャさんにまったく歯が立たず、コーナーで拘束されてしまいます。そのあとは変態レフェリーに玩ばれて終わり、ですね」
寿絵梨「そ、そこは言わなくて良いじゃない!」
涼子「あら、痴漢されて喜んでいる写真を取り返すためにリングに上がった、ということは言わなかったじゃないですか」
寿絵梨「今言ってるし! なんなの、マジでなんなのよー!」
ビクトリア「痴漢されて喜んでる、って・・・」
和泉「破廉恥ですね」
寿絵梨「違うって! 喜んでなんかないし! そう見えちゃってるだけだし!」
涼子「そういうことにしておいてあげましょう」
寿絵梨「あげましょうって! 違うって言ってるじゃん!」
涼子「では次に行きましょう」
寿絵梨「聞いてねぇし! なんなのよもー!」

涼子「次は第九十七話、和泉さんの試合ですね」
和泉「はい」
涼子「和泉さんの対戦相手は女性の朱花(あけばな)紫檀(したん)さんで、和泉さんの衣装はファンタジー世界のサムライ、というものでした」
「なんかイメージしにくい・・・」
涼子「これが写真です」
和泉「えっ! なぜそんなものを!」
寿絵梨「ホントだ、確かにファンタジーっぽい」
ステフ「露出度高いですヨネ」
和泉「恥ずかしかったです・・・」
涼子「二人の闘いは一進一退、どちらが勝ってもおかしくない試合でしたが、最後は執念が上回った和泉さんが勝利して終わりました」
ビクトリア「あれ? セクハラはなし?」
和泉「ボディチェックと言う名のセクハラがありました。あのレフェリー、いつか叩きのめしてやりたいです!」
他の一同「(うんうん)」
涼子「(試合の後のことは・・・言う必要もないですね。ここは黙っておきましょう)」

涼子「第九十八話はステフさんの試合です」
ステフ「Ya」
涼子「ステフさんの対戦相手は午上(うしがみ)ツィグ、本名は午上(うしがみ)忠継(ただつぐ)です」
「ただつぐ、ツィグ・・・苦しくない?」
スミレ「意味もわかんないしね」
涼子「ステフさんの衣装は、星条旗がプリントされたレオタードでした」
ビクトリア「いいわね、星条旗のレオタード」
ステフ「そうデスカ? 体の線がモロに出るので、あまり・・・」
ビクトリア「あ、そういう意味じゃなくてね、ステイツの誇りを纏って闘うっていいな、って思っただけ」
ステフ「そうなんデスネ。でも、そのときにはそんな風には思えなかったデス・・・」
寿絵梨「確かにレオタードってエロいよねー」
涼子「意外にもテクニシャンの午上に翻弄され、捕まったステフさんは午上とレフェリーにセクハラを受けます」
「やっぱりセクハラされちゃうかー」
スミレ「毎度のこととは言え、嫌になるよね」
ステフ「ハイ、胸とかお尻とか、変なところばっかり触られマシタ」
涼子「しかし、技を受けた途中でステフさんの唇から出血、ステフさんはキレて大暴れ、ノーコンテストで終了しました」
「え、ステフ、血を見たらキレるの!?
スミレ「あれ、遥知らなかったの?」
ステフ「そう言えば、プロレス同好会の活動でキレたことはないデスネー」
涼子「もしかしたら、セクハラをされたことがスイッチになっているのかもしれませんね」
和泉「でも、その気持ちわかります。だって、厭らしいことをされるのって、本当にストレスですから」
寿絵梨「ホントホント、マジストレス」
和泉「そんな軽い言い方されても同意できません」
寿絵梨「えー、なんでー? ふつうじゃん、別に」
涼子「はい、そこまで。くだらない口喧嘩はしないでください」
和泉「・・・大人気ない言い方でした、反省します」
寿絵梨「私、喧嘩なんかしてないし?」
他の一同「・・・」

涼子「それでは第九十九話に行きましょう。ビクトリアさんの試合ですね」
ビクトリア「・・・気が進まないわね」
涼子「それでも進行はしないといけませんので(微笑) ビクトリアさんの対戦相手はマスク・ド・タランチュラ、ビクトリアさんの衣装は作業用のつなぎでした」
「出た、エロマスク」
スミレ「ホントに最悪だよね、あの変態マスク」
和泉「でも、衣装がつなぎだと露出度が少なくていいですね」
ビクトリア「よくないわよ、胸の前にVカットが入ってたんだから。しかもすごい深いやつ」
和泉「本当ですか、それなら前言撤回します」
寿絵梨「なんか、和泉って学級委員長っぽーい」
和泉「・・・は?」
寿絵梨「マジメっつーの? かたくるしいっつーの? マジ委員長」
和泉「・・・確かに学級委員長をしてます。でも、こちらが年上なんですから、呼び捨てはやめてください」
寿絵梨「えー、仲良しっぽいじゃん」
和泉「けじめが必要だと言っているんです!」
涼子「はい、そこまで。和泉さん、気持ちはわかりますが抑えてください。座談会が進みません」
和泉「・・・ごめんなさい」
寿絵梨「ウケる」
和泉「(キッ!)」
涼子「寿絵梨さんには、あとでたっぷりとお話があります」
寿絵梨「うえー、お説教? いらないし、そんなの」
「うわー、寿絵梨度胸ある・・・」
ステフ「涼子さん、絶対怒ってますヨ・・・」
スミレ「巻き添え食わないようにしないとね・・・」
涼子「では、改めて。マスク・ド・タランチュラの長い腕に苦戦するビクトリアさんは、つなぎの上半身部分を破られてしまいます。元に戻らないと諦めたビクトリアさんはつなぎの袖を背中側で結んだものの、動きにくくなってしまいます」
ビクトリア「あのときはそれでいいと思ったんだけど、もっとやりようがあったかもね」
涼子「マスク・ド・タランチュラとレフェリーの卑怯な手段で翻弄されたビクトリアさんは、変形ゴリー・スペシャル、<タランチュラ・ネスト>で失神します」
「うわー、きつそうな技食らっちゃったんですね」
ビクトリア「・・・ええ、そうね」
涼子「そのままセクハラが開始され、途中で目覚めたビクトリアさんは全裸とされてしまいました」
他の一同「(ざわっ)」
和泉「全裸、って・・・ええっ!」
ステフ「そ、そこまでされちゃうんデスカ?」
ビクトリア「んもー、だから気が進まなかったのに!」
涼子「全裸にされてからも諦めないビクトリアさんは、そのまま闘うこととなりました」
寿絵梨「素っ裸で? マジウケる!」
ビクトリア「この小娘、この場で素っ裸にひん剥いてあげようか!?」
涼子「はい、そこまで。ビクトリアさん、今は座談会の最中ですので落ち着いてください。今は・・・ね」
ステフスミレ「(びくっ!)」
「(やばいよ、涼子さん本気モードだ)」
ステフ「(絶対、後でまずいことになりマスヨ)」
スミレ「(もう、私フォロー無理!)」
ビクトリア「・・・わかったわ。今は、ね」
涼子「ありがとうございます(微笑) 全裸で闘うと言ったものの、やはり羞恥が先に立つビクトリアさんは普段の動きができず、最後はスリーカウント負けを喫してしまいます」
ビクトリア「・・・今度はセクハラにも負けないようにしないとね」
寿絵梨「エロの特訓するってこと? なら、エロいクラスの男子紹介しようか?」
ビクトリア「誰もそんなこと言っても頼んでもいないわよ!」
涼子「・・・次に行きましょうか(ため息)」

涼子「とうとう記念すべき第百話。遥さんとスミレさんの試合です」
「百話かぁ・・・色んな人が百回も闘ってきたんだね」
涼子「一回の試合で何戦かした場合もありますから、試合自体は百を超えますね」
スミレ「そんな試合の百話目かぁ。なんとなく嬉しくなりそうだけど、セクハラ試合ばっかりだからなー」
寿絵梨「記念ってだけでなんでも良くない?」
和泉「貴女は少し黙っていたほうがいいですよ」
寿絵梨「ムカつくー、なにその上から目線」
涼子「はい、そこまで! 茶々は入れないでください。遥さんとスミレさんの対戦相手は尾代呑太と護覚でした」
「痛みを感じない人とお坊さんだったよね」
スミレ「そうそう、尾代って人、何回蹴っても効いてなかったもんね」
「お坊さんは変な術で動けなくなったし」
涼子「護覚の術で動けなくなった二人はセクハラをされますが、遥さんが気合いで解き、尾代の体を護覚にぶつけます。護覚の注意が逸れたことでスミレさんも自由を取り戻しました。最後は遥さんの飛び技で護覚をダウンさせ、スリーカウントを奪って勝利を挙げました」
ビクトリア「凄いじゃない、一応の記念試合を勝利で終わるなんて」
「それが・・・」
スミレ「まだ・・・」
涼子「勝利を挙げた筈の二人の前に、マスク・ド・タランチュラと猿冠者が立ち塞がります」
ビクトリア「また出たのね(ピー!)仮面」
涼子「ビクトリアさん、放送禁止用語はやめてください」
ビクトリア「ごめん、つい」
涼子「気持ちはわかりますけれどね。マスク・ド・タランチュラと向かい合ったスミレさんでしたが、猿冠者の不意打ちで失神してしまいます」
スミレ「あれ、絶対容赦なかったよね。試合終わった後も暫く痛かったもん」
涼子「コーナーに拘束されたスミレさんは、猿冠者に甚振られます」
スミレ「・・・あまり思い出したくない」
涼子「その間、遥さんはマスク・ド・タランチュラからリング下に引き摺り下ろされ、セクハラを受けます」
「・・・私も、あまり思い出しないこと思い出しそう」
涼子「リング下でセクハラを受ける遥さんでしたが、大事なところを触られたことで奮起、マスク・ド・タランチュラをKOします」
ビクトリア「・・・なんだか複雑な気分」
寿絵梨「ビクトリアに勝ったマスなんとかに勝った遥って、ビクトリアより強いってこと?」
ビクトリア「あんたねぇ・・・!」
涼子「ビクトリアさん、今は堪えてください。もう少しで終わりですから」
ビクトリア「・・・もう少し、ね」
「あと、私がエロマスクをKOできたのって、かなり油断してたからですし!」
ビクトリア「フォローありがと、遥」
涼子「猿冠者のスミレさんへの嬲りがあまりに酷いことに、レフェリーが声を掛けたことで隙が生まれます。それを見逃さずに拘束を解いたスミレさんは、飛び蹴りから蹴りの連打で猿冠者をKO、勝利を挙げます」
「色々と大変だったけど」
スミレ「勝てたから結果オーライ、かな?」
スミレ「(ハイタッチ)」
涼子「ということで、今日の座談会はここまでとなります」
ビクトリア「座談会は、ね」
涼子「ええ、座談会は」
寿絵梨「・・・なんで二人ともこっち見てんの? しかもなんか恐いし!」
「・・・ステフ、スミレ」
ステフ「・・・わかってマス」
スミレ「巻き込まれないように、脱出だね(こそこそ)」
「あ、和泉さんも帰りましょう」
和泉「なんだか良くわからないけど、残らないほうが良さそうね」
「では涼子さん、お先に失礼します!」
涼子「ええ、お疲れ様でした(微笑)」
寿絵梨「ちょっと待って、遥、私も・・・」
ビクトリア「あんたには、ちょーっとばかりお話があるから」
涼子「年上への接し方、敬語の使い方、生活態度・・・改めないといけない点が多すぎて困りますね」
寿絵梨「わ、私、ただふつうにやってるだけで・・・」
ビクトリア「その普通が違っちゃってるからね。世間の常識、嫌ってほど叩き込んであげるから(にやり)」
寿絵梨「えっ・・・」
涼子「覚悟、決めましょうね?(微笑)」
寿絵梨「やだ・・・もうやだーーー・・・(フェードアウト)」


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