一回戦第十三試合
 (ジョーカー 対 夏海・マウルシア・エスカーナ)

「一回戦第十三試合を行います!」
 黒服の合図と共に、二人の男女がリングに上がった。
「赤コーナー、『マジシャン・ピエロ』、ジョーカー!」
 「ジョーカー」。顔を真っ白に塗り、目と口には黒いペイントを、鼻には黒い付け鼻をしている。服はだぼっとした黒いナイロン地のもので、頭には黒いシルクハットを被り、手には白手袋をはめている。そのふざけた格好とは裏腹に、かなりの実力を秘めた猛者だ。
「青コーナー、『カルメン』、夏海・マウルシア・エスカーナ!」
 「夏海・マウルシア・エスカーナ」。19歳。身長169cm、B93(Gカップ)・W66・H94。日系ブラジル人の父と日本人の母を持つハーフ。緩いウェーブのかかった長髪をうなじで纏め、彫りの深いくっきりとした目鼻立ちが彼女の魅力を際立てている。
 前回の<地下闘艶場>ではジグ・ソリタードと対戦し、半裸に剥かれて嬲られたものの最後は逆転勝利を飾っている。
 今日は黒色の水着のブラの上に半袖の黄色いシャツを重ね、下は太ももの付け根辺りからカットしたジーパンを履いている。
「この試合のレフェリーは三ツ原凱が務めます」
 凱はリングで軽く一礼するとジョーカーと夏海を呼び、諸注意を与える。
「では、ボディチェックに移ります。夏海選手からです」
 凱は夏海に近づき、いきなりバストを掴む。
「何処触ってるのよ!」
 突然のことに夏海は凱の手を弾き、その顔を睨みつける。
「あんたもセクハラするっていうの!? それならボディチェックなんてお断りよっ!」
「そういうことなら、ジョーカーにもボディチェックは行わないこととします。宜しいですね?」
「ええいいわよ、さっさと試合を始めて!」
 夏海の剣幕にも凱は動じず、ゆったりとした動作で試合開始を合図する。

<カーン!>

(この前のレフェリーといい、今日のレフェリーといい、いつもいつもセクハラしてきて!)
 <地下闘艶場>の男性レフェリーに対する怒りそのまま、夏海が凱を睨みつける。しかし、試合中に対戦相手から目を離していいわけがなかった。音もなく近寄ったジョーカーが、夏海のバストを弾ませる。
「あっ、このっ!」
 反射的に放った横殴りの蹴りは、ジョーカーのバックステップに軽くかわされていた。それだけでなく、またもバストを弾まされてしまう。
「このエロピエロ!」
 夏海は胸元を隠しながら蹴りの連打を繰り出すが、ジョーカーに悉くかわされていく。
(なんでこんなふざけた格好した奴に!)
 攻撃が当たらないことが、夏海の頭に更に血を上らせる。
「えいっ!」
 胸元を隠すこともやめ、次の攻撃を考えない全力のハイキックを放つ。しかしそのハイキックはジョーカーに掠りもせず、胸元で何かが弾ける。
「えっ!?」
 ジョーカーの右手の一振りで、水着のブラが中心から分かれた。そのため支えを失ったGカップバストがブラを弾き飛ばすようにして姿を現し、この光景を見た観客から興奮の叫びが上がる。
「ちょっとレフェリー、これ完全に凶器使ってるじゃない! 反則反則!」
 胸元を左手で隠した夏海がジョーカーを指差してアピールするが、凱は取り合わない。
「ボディチェックを拒んだ時点で、凶器の使用も反則とは取りません。それとも、今からボディチェックを受けますか?」
「んもう、まともに取り合う気ゼロじゃない! もういいわよ、こっちにも考えがあるから!」
 夏海は切れたブラの紐を無理やり結び、シャツのボタンを留めてバストを隠す。
(とは言ったものの、凶器がなんなのかわかんないし・・・)
 ボタンを留めるという行為で、少し落ち着いた。
(さっき、ちらっとだけど右手が動いたのが見えた。なら、手に注意してれば大丈夫!)
 先程までは無茶苦茶だった攻撃から一転、上体を前傾させ、爪先で交互に床を叩くようなカポエラのステップを踏みながらジョーカーを観察する。
「! こんの(ピー!)ピエロ!」
 突然夏海が激昂する。ジョーカーもカポエラの(ような)ステップを踏み始め、しかもお尻をわざとらしく左右に振る。その滑稽な様に観客席から笑いが起こる。
「カポエラをバカにしないでよっ!」
 落ち着いた気分も一瞬にして吹き飛んでいた。猛然とダッシュして距離を詰め、空中前転からの踵落としを放つ。しかし、そんな大きなモーションの蹴りがフェイントもなしに当たる筈もなかった。
 軽く避けたジョーカーの右手が水平に一閃すると、シャツの胸元が切り裂かれる。そのため、黒い水着に包まれたバストが再び顔を出す。
「これくらい!」
 乳房が直に見えたわけではない。夏海は体を捻り、両足を揃えたフライングニールキックのような蹴りでジョーカーを吹き飛ばす。リングに倒れたジョーカーは、蹴られた右腕を押さえて足をばたつかせる。
「これくらいじゃ済まないんだから!」
 夏海の体が高々と舞い、両膝を曲げてジョーカーの上に落ちていく。しかしジョーカーはこれをヘッドスプリングでかわしながら反撃へと繋げる。
「ぐぶっ!」
 強烈な足裏での蹴りをカウンターで食らった夏海は吹っ飛び、お腹を押さえて悶絶する。
「あぐぅぅ・・・」
 ジョーカーは痛みに呻く夏海のズボンを脱がしてしまい、夏海は黒のTバック水着を観客に見られてしまう。
 ジョーカーがリング下に夏海のズボンを放り投げても、まだ夏海は立ち上がることができなかった。ジョーカーは夏海に歩み寄り、ほぼ剥き出しのヒップをぴしゃりと叩く。
「痛っ!」
 突然のことに夏海がヒップを押さえると、ジョーカーは夏海のシャツを掴み、ボタンを無理やり引き千切りながら脱がしてしまう。
「ちょっと待って、それは・・・!」
 掴もうとした手の先を、シャツがすり抜けていく。夏海が振り返ったときには、シャツはジョーカーの手に移っていた。
「返しなさいよっ!」
 夏海が突っ込んだときには、シャツはリング外に放られていた。夏海の必死に伸ばした指も届かず、シャツは黒服が拾った。
「くっ・・・!」
 とうとう、夏海は黒のビキニ姿にされてしまった。メリハリの効いたボディに、観客席から冷やかしの野次や指笛が飛ぶ。
(落ち着いて、こんなこともあろうかと水着を着てきたんじゃない)
 静かに深呼吸し、頭に上った熱を散らす。そこに、ジョーカーが上体を揺らしながら距離を詰めてくる。
「これでも、くらえっ!」
 夏海の体が沈み、両手で体を支えながら体操選手の鞍馬運動のように両脚を大きく振る。これでジョーカーは綺麗に足を刈られ、ダウンを奪われる。
「そぉれっ!」
 そこに、前方回転した夏海の両踵が落ちてくる。ジョーカーが身を捻ったため、僅かに掠めるだけで終わってしまう。両者ほぼ同時に立ち上がり、リング中央で構える。
(行ける、落ち着いたらちゃんと闘える!)
 カポエラのステップから、次々に蹴りを繰り出す。鋭い蹴りの連打は確実にジョーカーを捉えていく。しかし・・・
「あっ!」
 三度ジョーカーの右手が閃き、夏海のブラの中央部がまたも切れ飛ぶ。慌てて結び直そうとした夏海だったが、ジョーカーは肩紐まで切り裂き、ブラは役に立たなくなってしまう。それでも夏海は前を水着ごと押さえるが、今度は背中側と首の後ろの紐を切られ、カップ部分だけを残して水着の残骸がリングに落ちていく。
(どうしよう・・・このまま隠して闘うか、それとも恥ずかしいのを我慢するか・・・)
 闘いの中、僅かな躊躇が隙を作った。その隙を逃さず、ジョーカーの爪先が鳩尾に突き刺さる。
「えぐぇ・・・」
 胃が切り裂かれたのではないかと思うほどの激痛だった。鳩尾を押さえ、膝をつく。唯一残ったブラのカップ部分もリングに落ちていく。そこにジョーカーが近寄り、夏海の胴を抱えてロープ際に連れて行く。ジョーカーは夏海の腕を持つと、ロープに絡めていく。
(な、なにしてるのよコイツ・・・)
 意識は失わなかったものの、抵抗するだけの力は入らなかった。ジョーカーによってロープに拘束されていくのを、ただ受け入れるしかできなかった。
 夏海は、半裸という恥ずかしい格好で四肢を磔にされた。
「くっ・・・うぐっ」
 漸く回復してきた体を動かそうとしてみるが、ロープが絡みついた両手両足は自分の意のままにならない。
 そこに、ジョーカーの手が伸ばされた。ジョーカーの手は夏海の剥き出しにされた乳房の上を這う。
(やだ、こいつ上手い・・・)
 その動きは手馴れており、夏海から快感を引き出していく。しかも手袋の表面が微妙な感触を与え、背筋をぞくりとしたものが這う。
「んっ・・・」
 抑えようとした声が洩れてしまう。ジョーカーは尚も夏海から快楽を引き出そうと、乳房を揉み、乳首を転がす。
「ちょっと、勝手に触らないで・・・んぁっ!」
 夏海の抗議も無視し、ジョーカーは夏海の乳房と乳首を愛撫し続ける。この巧みな愛撫に応え、夏海の乳首が硬く立ち上がる。ジョーカーは硬くなった乳首を潰し、夏海に声を上げさせる。
「どうしますか、まだ続けますか?」
 凱の落ち着いた声音が腹立たしい。しかし、これ以上の辱めは耐えられそうになかった。
「・・・ギ、ギブアップ」

<カンカンカン!>

 夏海の敗北宣言を聞いた凱がゴングを要請し、試合が終わる。しかし、ジョーカーの責めは止まらなかった。今まで弄っていた乳首を尚も転がし、扱く。
「待って、今ギブアップした・・・んぁぁっ!」
「確かにギブアップを聞きましたが、いいじゃないですか。少し観客の皆さんにその艶姿を鑑賞して貰いましょう」
 夏海の必死な声にも、凱は取り合おうとしない。
「何勝手なこと言って・・・あふっ」
「ほら、貴女も感じてるじゃないですか。最後まで気持ちよくして貰ったらいいのでは?」
 凱の言うとおり、ジョーカーの技量は想像以上だった。
(く、悔しい、こんな奴に感じさせられちゃうなんて・・・!)
 ジョーカーの巧みな責めで、夏海の官能は更に掘り起こされていく。
「もう、いいかげんに・・・あぁっ!」
 ジョーカーの手が、遂に股間にまで下りてきた。
「やめて、そんなとこまで触らないで!」
 夏海は必死に拒否するが、言葉だけでジョーカーを止めることはできなかった。水着の上から秘部を撫でていたジョーカーの手が、水着の中まで潜り込む。
「いやっ、いやぁっ! 直責めなんて・・・あぁぁっ!」
 直接秘部を弄られたことで喚く夏海。突然、凱の手が夏海の乳房に伸びた。
「な、なにレフェリーまで触って・・・んんんっ!」
「役得、というやつです。ほう、なかなか張りのあるいい胸ですね」
 凱は夏海の乳房をゆっくりと揉みながら、乳首をあやすように転がす。既に立ち上がっていた乳首は、凱の手の中で硬度を増す。
(こ、こいつら、二人揃って上手くって・・・まずい、このままじゃ・・・)
 秘裂を弄っていたジョーカーの指が、膣にまで潜り込んでくる。
「いやっ、そんな中までなんて・・・やめてぇっ!」
 夏海の拒否など聞き入れられる筈もなく、乳房と乳首は凱に、秘部はジョーカーに弄られ続けた。
(駄目、このままじゃ私・・・!)
 男二人の巧みな愛撫は、夏海を昇り詰めさせていった。
「あぁぁぁぁっ!」
 夏海の絶頂を告げる声を合図として、ジョーカーと凱が離れる。夏海は絶頂の余韻に体をびくつかせ、剥き出しにされた乳房や固くなった乳首、ボトムから滴る愛液などを観客から視姦された。


 一回戦第十三試合勝者 ジョーカー
  二回戦進出決定


一回戦第十二試合へ   目次へ   一回戦第十四試合へ

TOPへ
inserted by FC2 system