一回戦第三試合
 (蒲生漣次 対 藤嶋メイ)

「それでは、一回戦第三試合を行います!」
 黒服の合図と共に、対戦する二人がリングに上がる。
「赤コーナー、蒲生漣次!」
 蒲生漣次は過去二回<地下闘艶場>のリングに上がり、沢宮琴音を徹底的に嬲っている。そのときに舌を強く噛まれ、暫く出場からは遠ざかっていた。今日は黒いレスリングタイツにオープンフィンガーグローブを着け、太い首をぐるぐると回している。
「青コーナー、『メイ・ビー』、藤嶋メイ!」
 一方のメイは空手衣に黒帯を締め、オープンフィンガーグローブを嵌めている。
 「藤嶋メイ」。18歳。身長163cm、B84(Dカップ)・W56・H82。耳の辺りでばっさりと切った髪。ボーイッシュな童顔。スレンダーながらも出るところは出ているスタイルの良さ。その見た目とは裏腹に、インターハイの空手の部で防具つき試合にもかかわらず、KOの山を築いて優勝を飾っている。
 <地下闘艶場>には過去二回登場し、いずれも半裸とされながらも逆転勝利を飾っている。
「今回のレフェリーは三ツ原凱が務めます」
 今度のレフェリーはまだ若く、爽やかな顔立ちだった。両者に普通のボディチェックを行い、(メイには倍の時間を掛けていた)一旦コーナーに下がらせる。
「それでは、ファイト!」

<カーン!>

「お嬢ちゃん、空手のインターハイチャンプなんだって? なら、俺と打撃勝負してみようぜ」
「面白い・・・受けて立つ!」
 メイは左半身で構え、軽く腰を落とす。そのままじりじりと距離を詰める。
「おらぁっ!」
 蒲生の大振りのフックが顔面へと迫る。
(こんな見え見えのパンチ、食らうとでも・・・っ!?)
 余裕を持ってかわそうとしたメイだったが、蒲生のタックルでダウンを奪われ、馬乗りになられる。
「お前、さっき打撃勝負って!」
「ああ? 勝つためにはどんな手だって打つんだよ、なに甘えたこと言ってやがる!」
 言葉と共に、パウンドが落ちてきた。
「くっ!」
 なんとか顔を逸らし、避ける。
「お、いい反射神経だ。なら、こんなのはどうだ?」
 蒲生は口を舐めると、左手でメイのバストを掴む。
「お前、何処触って・・・あっ!」
 バストを触られたことに気を取られ、危うくパウンドの直撃を貰うところだった。
「へへっ、胸触られたくらいで気ぃ逸らしてんじゃねぇよ。ほれっ、ほれっ!」
 蒲生は左手でバストを揉みながら、パウンドを落とし続ける。バストを触られる不快感を噛み殺し、メイはひたすらパウンドを避け続けた。
「逃げるの上手いな。なら、こういう責めにさせてもらうぜ」
 蒲生は両手でバストを掴み、揉みしだく。
「お前なにして・・・あぐっ!」
 思わずやめさせようとした途端、蒲生のパウンドがメイの左頬を打つ。
「油断してるなよインターハイチャンプさんよ、っと!」
 蒲生は道衣の前を開き、黒いTシャツを露わにする。
「へへっ、やっぱ道衣の上からとじゃ感触が違うぜ。なぁ、チャンプもそう思うだろ?」
「うるさい! その手をどけろ!」
 蒲生にTシャツの上からバストを揉まれ、メイが叫ぶ。蒲生の手首を掴もうとして、鳩尾を殴られる。
「えぐっ!」
「へへっ、かなり効いたみたいだな。それじゃあ・・・おらっ!」
 蒲生はメイのTシャツを掴み、一気に引き千切る。Tシャツの前が開き、スカイブルーのビスチェが観客の目にも晒される。
「へぇ、聞いたとおり今日もビスチェか。だが、こんな色気のねぇのは外しちまえよ!」
 蒲生はビスチェを下にずらし、メイの美乳が弾けるように姿を現す。
「やめろ、なにするんだ!」
 メイは思わず両手で胸を庇っていた。
「おっぱい隠してる場合か? おらっ!」
 蒲生のパウンドが再び鳩尾を抉る。
「あぐぅっ!」
「ほらな、こういうことになるだろ?」
 蒲生はにやつきながら、メイの乳房を両手で揉む。人差し指で乳首を転がしながら、残りの指で乳房を揉み込む。
「はっ、がはっ・・・いいかげんにしろぉっ!」
 鳩尾の痛みに呻いていたメイが、左手で蒲生の左手首を押さえ、右の回し受けを蒲生の左肘に叩き込む。
「ぐぁぁっ!」
 メイの乳房に夢中になっていた蒲生の左肘から、嫌な音が響く。メイは更にもう一発入れ、蒲生を押し退けて立ち上がる。
「うぐっ・・・」
「おっと、大丈夫ですか?」
 鳩尾へのダメージからふらついたメイを、レフェリーの凱が支える。その左手は肩を、右手は乳房を掴んでいた。
「お前・・・!」
「申し訳ありません、お許しを」
 凱は素直に頭を下げ、すっと離れる。間を外されたメイは、怒りに燃える眼を蒲生に向ける。
「人を騙し、あまつさえ胸を揉むなんて・・・絶対に、許さない!」
 右手を親指以外全てぴんと伸ばし、天に向ける。
「せいりゃぁぁぁっ!」
 瓦割りの要領で、うつ伏せになっていた蒲生の後頭部に手刀を打ち落とす。痛みに呻いていた蒲生の動きが、たった一撃で完全に止まる。

<カンカンカン!>

 これを見た凱が、冷静にゴングを要請する。
「・・・ふぅぅぅっ」
 メイは服装を整え、息吹で呼吸も整えた。そしてリング上で一礼し、花道を下がっていった。


 一回戦第三試合勝者 藤嶋メイ
  二回戦進出決定


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