【幕間劇 其の十】

 二回戦が全て終了し、会場では観客たちも引き上げに掛かっている。観客がモザイク状に蠢く様を超VIPルームから見下ろしているのは「御前」だった。
「クイーンは止めたが、ナイトに突破されたか」
「異邦の血姫」カミラ・アーデルハイド・バートリーは八岳琉璃が引き分けに持ち込んだが、「黒騎士」ジル・ジークムント・ヴァグナーは実力で元橋堅城を破ってみせた。
「・・・儂が動くことも想定しておくか」
「御前」の呟きに、洋子が珍しく血相を変えた。
「いけません! もし万が一のことがあれば・・・!」
「心配するな」
「御前」は苦笑し、洋子のミニスカートに包まれた尻を撫でた。
「あっ、そんな戯れでも誤魔化されませんよ」
「そうか。では、戯れでは終わらせまい」
 尻を撫でた「御前」の手は洋子の太ももを割り、股間で蠢いた。
「そ、そういう意味では・・・」
 口ではそう言ったものの、既に洋子の頬は高潮していた。遂には腰が砕け、「御前」に寄り掛かってしまう。
(さて。師匠の置き土産は上手く発動してくれるか否か)
 洋子の服を脱がしながらも、「御前」の胸中では闘いへの渇望が渦巻いていた。


 準決勝組み合わせ
  第一試合 リザーバー 対 ピュアフォックス
  第二試合 ジル・ジークムント・ヴァグナー 対 於鶴涼子


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