【幕間劇 其の三】

「・・・・・・」
「御前」は超VIPルームから無表情で会場を見下ろしていた。優勝候補の一角と目されていたクリスティーナ・ローゼンメイヤーに完勝してみせたジル・ジークムント・ヴァグナーと、ジルを従えたカミラ・アーデルハイド・バートリーが退場していくのに合わせ、視線も動いていく。
「『御前』、あの二人は少しやり過ぎではありませんか?」
 洋子の言葉に、珍しくナスターシャまでが頷く。
「試合前に潰されたチャベスはどうでもいいが、やり口が気に食わない」
 冷えた声音で呟いたナスターシャに、「御前」の顔が向く。
「ならばどうする?」
「御命じくだされば、暗殺してみせます」
 KGB時代、何件もの暗殺を成功させてきたナスターシャだ。言葉の端々に自信が漲っている。
「暗殺では儂の気が済まん」
 あっさりとナスターシャの提案を切り捨て、「御前」は腕組みして黙考に入った。

 数分が経過し、「御前」の眼が開いた。
「ナスターシャ」
「御前」に呼ばれたナスターシャは「御前」に歩み寄り、手招きによって口元に耳を寄せる。「御前」の囁き声での指示に、ナスターシャの表情が真剣なものから徐々に変化していく。
「ふふっ、『御前』もえげつない」
「嬉しそうな顔をして言うな」
「御前」はナスターシャの尻を軽く叩き、小さく声を上げさせる。
「ついでに奴も連れて行け」
「御前」が告げた名に、ナスターシャが眉を寄せる。
「あんなロリコンが役に立ちますかね」
「別にロリコンとやらではないと思うが・・・背中を守る役は必要だろう」
 不服そうな顔をしたナスターシャだったが、それ以上は文句をつけなかった。
「しかしそうなると、暫く『御前』から離れなくてはならなくなりますね」
 ナスターシャが「御前」から何を命じられたのかはわからないが、何日間、或いは何週間も離れての任務になるらしい。ナスターシャは「御前」にしなだれかかり、服の上から豊かな膨らみを押しつける。
「『御前』・・・お願いします」
「よかろう。脱げ」
「御前」に命じられたナスターシャは、誘うように、焦らすように脱いでいく。
 衣服を全て脱ぎ去ってから、今度は「御前」の和服を剥いでいく。褌を外した瞬間、剛直が跳ね上がった。
「凄い・・・」
 これが初めてではないが、見るたびにその巨大さに圧倒されてしまう。
「そ、それでは失礼します」
 椅子に腰掛けた「御前」を跨ぐようにして自分の秘裂を亀頭に擦り付け、馴染ませる。
「・・・ふぅぅっ」
 息を吐き、ゆっくりと腰を落とす。ナスターシャの膣を「御前」の巨大なモノが割り裂いていく。
「悪いな、洋子」
 ナスターシャが勝ち誇ったような視線を洋子に送る。
「何がかしら? 貴女が留守の間は私が『御前』にご奉仕するから、安心して行ってらっしゃい、ナスターシャ」
 しかし、あっさりといなされる。
「・・・ふん」
 こうなれば任務の間の分まで味わう。そう決めたナスターシャは、更に深く腰を落とした。


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