「『御前』、貴方の忠実な部下になります」
 熱い吐息と共に、「御前」に忠誠を誓うナスターシャ。その潤んだ瞳に、洋子の嫉妬に満ちた表情は写らなかった。
「口だけでは信用できんのでな、この首輪を着けて貰おう」
 「御前」が洋子から受け取ったのは、漆黒のチョーカーだった。
「もし重要な情報を洩らそうとしたり、儂を裏切るようなことがあれば、仕込まれた小型の爆弾がお前の命を奪う。わかったな?」
「信用されないのは仕方ありません。どうぞ、首輪をお着けください」
 自ら進んで首輪を受け入れるナスターシャ。喉元をさらけ出し、「御前」の手が首輪をはめた瞬間、思わず身震いしてしまう。
「これで私は貴方のものです、『御前』。素直に首輪を着けたご褒美を頂けませんか」
 熱のこもった眼で「御前」を見つめるナスターシャ。
「ご褒美、か。どうして欲しい?」
「抱いて、抱いてください! もう一度貫いて欲しいんです、お願い致します!」
 ナスターシャの要求に、「御前」が哄笑する。
「まさか最初のおねだりが抱いてくれとはな! とんだ雌豹よ! だが、それもまた一興。今夜一晩、じっくりと飼い慣らしてくれよう」
 再びの挿入に、ナスターシャの体が跳ねる。
(やっと見つけた、私の居場所・・・)
 ナスターシャの目に、涙が光った。


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