【特別試合 其の三十三 谷ケ崎衛:ジャングル殺法】  紹介者:ロップス様

 犠牲者の名は「谷ケ崎(たにがさき)衛(まもり)」。17歳。身長159cm。B83(Dカップ)・W55・H82。よく日焼けした肌、胸にかかる程度の長さの黒髪はところどころで跳ねており、大きな目には鋭い光を宿している。
 山奥の村で祖母と二人暮らしをしていたが、高校生になってからは新たに修業を積むべく都会で一人暮らしをしている。
 快活で真面目な性格。感情が昂ると獣のごとく吠えることがある。将来村を支えていく希望として祖母から教育され、自然の中で生き抜く術を伝えられたため、森の中にいる時の彼女は無敵に近い。また人に真心を尽くすようにも説かれたため、根っからの善人である。ゆえに誰からも好かれるが、友人とする恋愛話に首を傾げてしまうなど、まだ馴染めていない部分も多い。
 その善人としての性格と、世間知らずな面が原因となり、高校の同級生との間にトラブルを生んだ。同級生の策略で<地下闘艶場>へ引きずり込まれることになったが、当の本人は訳も分からず、「これも修行か」としか思っていなかった。


 花道を進むガウン姿の衛に、観客席からは卑猥な野次や口笛が飛ぶ。衛は耳を塞いで進んでいくが、その表情からはただ単にうるさいから耳を塞いでいる、というくらいのことしか感じられなかった。
 リング下まで来た衛は階段をすっ飛ばしてエプロンサイドまで飛び、更にロープを掴んでトップロープも軽く飛び越える。この天性のバネに、観客席が沸いた。

「赤コーナー、『フライングモンキー』、猿冠者!」
 衛の対戦相手として選ばれたのは猿冠者だった。水色の裃姿で頭には烏帽子、足元には白い足袋を履き、顔は白く塗って頬は丸く赤を塗っている。
「青コーナー、『ターザンガール』、谷ケ崎衛!」
 コールされた衛は、控室で教わった通りにガウンを脱いだ。ガウンの下からは、まるで未開人を思わせる衣装があった。良く見ればビキニ水着だが、蔦と葉っぱを組み合わせたようなデザインが衛の野性的な雰囲気に良く似合っている。観客席から飛んでくる視線など知らぬげに、衛は両肩をぐるぐると回していた。

 猿冠者のボディチェックを終えたレフェリーが衛に歩み寄ってくる。
「よし、ボディチェックだ谷ケ崎選手」
「ぼでぃちぇっく?」
 聞き慣れない言葉に、衛が小首を傾げる。
「凶器を隠していないか、触って調べることだ」
「触られなきゃいけないのか?」
「なんだ、触られたくないのか? なら、直に俺に見せて貰お・・・」
 レフェリーが言い終わる前に、衛はブラをずらして乳房を剥き出しにしていた。
「これでいいのか?」
 あまりにあっけらかんとした態度に、レフェリーの顎が落ちる。
「いいみたいだな、直すぞ」
 反応のないレフェリーに、衛はブラを元に戻す。
「ま、まあいい。次は下も見せて貰お・・・」
「○○○と○○○が出るところだぞ? そんなところを見たいのか? 変な男だなぁ」
「・・・もういい」
 衛の明け透けな言葉に、脱力したレフェリーはゴングを要請した。

<カーン!>

 初めて聞くゴングの音。衛は自然と戦闘態勢に入っていた。猿冠者はまるで表情を変えないまま、ゆらゆらと上体を揺らしている。
(なんか葦みたいだ)
 そんな連想がよぎった瞬間、白足袋が眼前に迫っていた。猿冠者が予備動作も見せず、膝と足首のバネだけで飛び蹴りを放ったのだ。
 転がってかわし、即座に跳ね起きる。否、跳ね起きる反動を使い、頭から突っ込む。猿冠者が横っ飛びでかわそうとしたところに、リングについた手を支点にした回転蹴りを叩き込む。しかし猿冠者も足裏を合わせ、両者の距離が離れる。
 いきなりのスピード溢れる交錯に、観客席が大いに沸く。しかし当の衛と猿冠者は表情も変えず、じっと相手の動きを探る。
 次に動いたのは衛だった。ロープの反動を使って宙へと飛び出すと、前方回転からの踵落としを放つ。しかし、猿冠者も素早く反応した。体を左にかわしながら、それだけでは終わらずに水着のブラをずらしていた。
「キシャァッ!」
 その手を叩き落としながら、逆の拳で猿冠者を殴り飛ばす。猿冠者が勢いに逆らわずに後退したと見ると、衛は特に慌てることもなくブラのずれを直し、再び構える。そこに羞恥の感情は感じられない。
(さっきの、攻撃できたんじゃないのか?)
 ブラをずらすよりも、衛にダメージを与えることのほうが大事ではないのか。一瞬の疑問もすぐに消える。ゆらりとした動きで猿冠者が距離を詰めたからだ。
 猿冠者の掌底の連打を持ち前の反射神経で弾いていく。しかし何度かガードをすり抜けられ被弾してしまう。否、被弾と言うよりもバストを触られていく。
「うおおぉっ!」
 痛みなどない攻撃に思い切り拳を振り抜く。しかし腹部への攻撃を察知し、拳を引き戻しながら後方に飛ぶ。それでも全ての威力は殺せず、右膝をついてしまう。
「谷ケ崎選手、大丈夫か?」
 そう言いつつ、レフェリーがヒップを触る。
「うん、大丈夫だ」
 すっとレフェリーから離れ、衛が頷く。
(なんでこいつら、わしに触りたがるんだ?)
 先程の猿冠者と言い、レフェリーと言い、衛の身体に触ることが目的のように思えてしまう。しかもレフェリーに至っては、何故か嬉しそうに触ってくるのだ。
(まあいいか)
 理解の埒外なのだ、闘いの最中に考える必要もない。それに、目の前の男は強敵だ。考え事をしながら勝てる相手ではない。
「っ!」
 わかっていた筈なのに、つい思考に意識を割いていた。猿冠者がゆらりとした動きから連続技を放ってくる。
(くぅぅ!)
 猿冠者の攻撃を捌ききれない。右脇腹に猿冠者の右回し蹴りがめり込んだ。
「あがっ!」
 あまりの衝撃に一瞬棒立ちになってしまう。衛の動きが鈍ったと見て、猿冠者が水着の上からバストを鷲掴みにする。
 その瞬間、衛が一気に動いた。猿冠者の右腕を抱え込みながら足でロープを蹴り、宙へと飛ぶ。猿冠者を逃さないように右腕を関節技に極め、左頬骨に添えた右肘ごとリングに叩きつける。ロープの反動と重力の乗った一撃に、猿冠者の動きが完全に止まる。
「あ、そうだ、『ふぉーる』ってのをしなくちゃ」
 試合前に教えられた通り、衛は猿冠者の上に覆い被さる。
「ちっ」
 一度舌打ちしたレフェリーが、ゆっくり過ぎるカウントを取り始める。しかしプロレスを知らない衛にはそれが当たり前だった。
「・・・スリーッ!」
 ようやく、スリーカウントが取られた。
「あおおーーーーーーん!」
 夜空に遠吠えをする狼のように、衛は勝利の雄叫びを上げる。
 その雄叫びが終わる前に、リングに転がり込んできた男が居た。リングに入ってきたのは、衛が見たこともないほど太った男だった。ふやけた笑みを浮かべ、既に大量の汗を掻いている。その量は足元に滴り、小さな水たまりができるほどだ。
<地下闘艶場>では数々の試合をこなし、観客の支持も高いグレッグ"ジャンク"カッパーだった。
「わし、今こいつを倒したよな?」
 衛はグレッグから目を離さないまま猿冠者を指差す。
「ああ、そうだな」
 目の端でレフェリーが頷いたのを見て、衛は確認を続ける。
「もう、試合は終わったんじゃ?」
「何を言ってるんだ、これはプロレスルールだぞ? 乱入があれば闘わなきゃいけない。そら、ファイト!」
 プロレスルールなど知りもしない衛は、そんなものかと気持ちを切り替える。
「うぇへへ、お前、速いなぁ」
 のんびりとしたグレッグの言葉に、衛は何も返さない。どうグレッグを倒すか、それだけを考える。
(まずは!)
 一気に距離を詰め、グレッグのどてっ腹に拳を叩き込む。
「っ!?」
 完璧に捉えた筈なのに、滑って軌道が変わった。
「そんなもん、くすぐったいぞぉ!」
 グレッグの横殴りの張り手を軽くかわし、カウンターを合わせようとした瞬間だった。
「うわっ!?」
 いきなり足元が滑る。慌ててバランスを取り直したが、リングの上はほとんどグレッグの汗に侵食されていた。
「滑るのは汗の所為か!」
 衛のファイトスタイルはスピードが生命線だ。しかし足元が滑ると踏ん張りが利かず、スピードが上がらない。グレッグの動きが鈍いのでどうにかなっているが、中々攻勢に転じられない。
 その瞬間、いきなり腹部に襲い掛かるものがあった。
「くあっ!」
 ぎりぎりでガードが間に合わず、コーナーポストまで吹っ飛ばされる。復活した猿冠者の回し蹴りだった。
「ぐうぇへへへ!」
 そこに、グレッグが巨体を揺らしながら突っ込んだ。避けようとした瞬間、汗に足を取られた。
 凄まじい衝撃が衛を襲い、リングに崩れ落ちる。
「う、うう・・・」
 常人なら失神していただろう一撃だったが、衛は尚も立ち上がろうとする。
「あれを食らってまだ動くのか。だが動きが鈍ったな」
 レフェリーはグレッグと猿冠者に指示を出し、衛をリング中央に移動させ、手足を押さえつけさせる。
「どれ、マッサージでもしてやろうか」
 衛に馬乗りになったレフェリーは、汗に塗れた衛のバストを揉み始める。
「やっぱりブラの上からじゃいまいちだな」
 そう呟いたレフェリーはブラを剥ぎ取り、乳房を剥き出しにする。ブラを放り出したレフェリーは、そのまま乳房を揉み始めた。
「おっほ、汗がいい感じでローションみたいになってるぞ。こいつはいい」
 グレッグの汗が摩擦係数を減らし、乳房の感触を楽しませる。
「お、お前は、何がしたいんだ・・・」
「マッサージだと言っただろ? 気にするな」
 レフェリーは自分の思うがままに乳房を揉み、乳首を軽く引っ掻く。
「そんなもの、必要がな、い・・・?」
 乳房に触れられ、乳首に刺激を与えられことで、胸の中に何か妖しい感覚が生じていた。
(なんだ、これ?)
 初めての感覚に、衛は戸惑うだけだ。
(なんか、変だ。変だよぉ)
 未知の感覚から逃れようともがくと、汗で滑ったレフェリーが横倒しに倒れる。しかし猿冠者は関節を極めることで、グレッグは自分の汗では滑らないのか平気な顔で衛を押さえ続ける。
「くそっ、もうこんなに滑るのか」
 舌打ちしたレフェリーが衛の右横に座り直し、右乳房と秘部を弄り始める。
「・・・あふぅ」
 すると、衛の口から吐息が零れた。
「お? なんだ、不感症かと思ったが、ちゃんと感じてるじゃないか」
 衛の反応に気を良くしたレフェリーが、責めを激しくする。
「ふやぁっ!」
 それから逃れようと衛が身を捩り、中々上手く責めることができない。
「くそっ、暴れて触りにくいな」
 不満を漏らしたレフェリーがグレッグを見る。
「グレッグ、お前横になれ。そこに寝ろ」
「じゃあ、ちょっと休憩するぞぉ」
 そう言ったグレッグが、衛の上に巨体を落とす。
「あぐっ!」
 防ぎようのない攻撃に、衛が苦鳴を洩らす。
 グレッグが衛から退いてどたりと寝転ぶと、横たわったグレッグに猿冠者が衛の身体を乗せる。グレッグが脂肪のついた腕と脚を衛を拘束する。グレッグの脂肪に埋没した形になった衛は、疲労と相まって身動きすることも厳しかった。
「よし、これなら多少暴れても大丈夫だろう」
 頷いたレフェリーが、再び衛の乳房を揉み始める。
「あっ、あっ・・・あうん・・・」
 また衛が甘い声を洩らし始める。それに気を良くしたレフェリーは段々と揉む手を強くしていくが、それでも衛は鼻にかかった声を洩らし続ける。
「これだけ素直な反応してくれると嬉しくなるぜ」
 乳首を引っ掻きながら乳房も揉み続け、レフェリーは衛の快感を高めていく。徐々に衛の乳首が立ち上がり、硬さも増していく。
「身体の反応も上々、と。ほら、こんなのはどうだ?」
「あわぁん!」
 レフェリーが乳首を扱き上げると、衛の口から甲高い声が上がる。
「気に入ってくれたようだな」
 にやりと笑ったレフェリーは、尚も乳首を掴み、振動を送り込む。
「あぅっ、あぅっ、あぅぅっ・・・」
 衛は首を振って未知の感覚を逃そうとするが、そんなことくらいでは駄目だった。口からは喘ぎ声しか出てこない。荒い息を吐く衛を見下ろし、レフェリーがにやりと笑う。
「さて、野生児のオールヌード披露といくか」
 遂にレフェリーが衛のボトムに手を掛ける。左右の紐を外し、一気に剥ぎ取る。蔦と葉っぱを模したボトムがレフェリーの手からすっぽ抜け、宙を舞う。
 とうとう衛は生まれたままの姿とされてしまった。羞恥は感じないものの、直接触られるようになったことで危機感が増す。男たちの手が衛の敏感な部分に触れるたび、妖しい感覚が身体の奥で生まれ、身体の中と表面を駆け巡るのだ。
「こうして見ると中々可愛いじゃないか。ええ?」
 レフェリーは衛の秘裂に振動を送り込み、淫核を弄る。
 猿冠者は太ももを丹念に撫で回し、引き締まった感触を堪能する。
「ぐうぇへへ、おっぱいの感触が気持ちいいぞぉ」
 グレッグは両手の短い指で剥き出しの乳房を揉み込む。三者三様の責めに、衛の官能が尚も高められていく。免疫がない衛は、簡単に快楽を受け入れてしまっていた。
(なんだこれ! どこかに行く、連れて行かれる!)
「あ、あ・・・ふきゃぁ〜〜〜〜っ!」
 それは、初めて味わう浮遊感だった。
「なんだ、イッちまったのか?」
 尚も秘部を責めながら、レフェリーが笑う。それでも手を休めることはない。猿冠者もグレッグも、衛の身体を責め続ける。
「あうわあぁぁぁぁんっ!」
 唸るような、泣くような声を上げ、またも衛が絶頂へと届く。
「谷ケ崎選手、ギブアップか?」
 一度猿冠者とグレッグに手を止めさせ、自分もセクハラを止めたレフェリーが問いかける。
「わ、わしは・・・負け、ない・・・」
 しかし、衛は敗北を認めなかった。敗北を認めるとは、自分の積んできた厳しい修行を否定することだ。例え今まで知らなかった責められ方をされているとは言え、自ら負けを認めることなどできはしない。
「そうか、それならそれでこっちは構わないけどな」
 再び衛の秘裂を撫で、レフェリーは責めを再開する。遅れて猿冠者とグレッグも衛の身体の感触を楽しんでいく。
「あっ、あぅわ〜〜〜ん!」
 男たちの手が躍るたび、衛は嬌声を上げ続ける。レフェリーが右乳首と乳房を、グレッグが左乳房を、猿冠者が秘部を責め、衛を快感と言う名の波で追い込んでいく。
(こ、こんなの、知らない・・・でも、わしは・・・絶対に、あうぅ、負けない!)
 何度も絶頂に叩き込まれながらも、衛は闘志を失わなかった。

「ふわぁっ、ああっ・・・あうぉ〜〜〜ん!」
 またもリングに嬌声が響く。今日何度目になるかもわからない衛の絶頂の証だった。
「そろそろ負けを認めたらどうだ?」
 乳房と硬くなった乳首を玩びながら、レフェリーがギブアップの確認をする。
「・・・いやだ・・・あふぅんっ!」
 喘ぎ声を零しながらも、衛はギブアップを拒む。
「そうかそうか、ならまだ楽しませて貰おうか」
 にやりと笑ったレフェリーは、更に責めを継続した。

「・・・あっ、ひゅあうーーーん!」
 また、リングに衛の絶叫が響いた。
 男たちに捕えられてから十分以上が経過し、その間衛はひたすら性的な嬲りを受け続けていた。数え切れぬほどに達し、そのたびにギブアップの確認を受けながらも拒む。その繰り返しで、体力が根こそぎ奪われていく。
「もうギブアップだろ? ええ?」
 衛の左乳房と硬く立ち上がったままの乳首を苛めながら、レフェリーが何度目かわからないギブアップの確認をする。
「わしは、まだ・・・負けて、ない・・・っ!」
 何度絶頂に導かれようとも、何度絶頂に達しようとも、衛は敗北を認めようとはしなかった。
「・・・いいかげん不味いかな」
 乳房を揉む手を止めず、レフェリーは一人ごちる。
「おいドクター!」
 レフェリーの呼び声に、待機していたらしきリングドクターがリングに上る。
「ほいほい・・・んおっ!?」
 リングドクターはグレッグの汗に滑りながらも四つん這いで進み、衛の傍まで這って行く。そのまま衛の秘裂に指を伸ばし、じっくりと弄る。
「あうう〜ん・・・」
 衛の鼻に掛かった声を聞きながら指を放したリングドクターは、指に絡んだ愛液を角度を変えて調べる。
「これ以上は無理じゃろうなぁ」
 そう言いながらもドクターの指は再び衛の秘裂へと伸び、弄り回す。
「あっ、あっ、ああああうううんっ!」
 またも絶頂に達した衛の耳に、試合終了のゴングが響く。

<カンカンカン!>

(わしはまだ・・・負けてない、のに・・・)
 敗北を認めないまま、衛は数え切れぬほどの絶頂の疲労に意識を失った。


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