【特別試合 其の三十六 連道紗夜:合気道】  紹介者:はぐれ観戦者様

 犠牲者の名は「連道(れんどう)紗夜(さや)」。18歳。身長160cm。B85(Eカップ)・W55・H81。
 長い黒髪に雪のような白い肌が特徴の大学生。スレンダーな体型だが、出ているところは出ているスタイルの良さ。育ちの良さを窺わせる美貌だが、優しさよりも冷たさが印象に残る。
「御前」を目の敵にする財閥の一人娘。非常にプライドが高く、父と自分以外を常に見下している。自分の実力には絶対の自信があり、ボディーガードとの組み手でも引けをとらない。
「御前」が主催する<地下闘艶場>で勝利すれば、「御前」に大きな影響を与えられると共に多額の賞金が手に入ると考え、むしろ進んで出場を決めた。


 紗夜の登場に、野次よりも驚きの声のほうが大きかった。有名な財閥の一人娘となれば、<地下闘艶場>の観客にも良く知られた存在だったからだ。さもそれが当然だとでも言うかのように、紗夜は堂々と花道を進んでいった。

「赤コーナー、『女王様』、茨木美鈴!」
 紗夜の対戦相手は「茨木(いばらぎ)美鈴(みすず)」だった。22歳。身長174cm。B92(Fカップ)・W66・H94。
 SMクラブの「女王様」であり、髪を真っ赤に染めた、きつめの顔立ちの美人。長身にFカップの巨乳、大きなヒップという迫力ボディの持ち主。女の子を責めるのが大好きと言い切る変態だ。
 今日も漆黒のレザーボンデージスーツに身を包み、紗夜を舐めるように見つめている。
「青コーナー、『氷結の女帝』、連道紗夜!」
 コールを受けた紗夜は、優雅にガウンを脱ぎ去る。その下に隠されていた衣装は、黒のマーメイドラインドレスだった。人魚を思わせるドレスは、紗夜の優美なボディラインを浮かび上がらせている。
 その肢体に、観客席からは粘ついた視線が飛ばされていた。

 美鈴のボディチェックを簡素に終えたレフェリーが、今度は紗夜へと向き直る。
「さて連道選手、試合前にボディチェックを・・・」
「あら、私(わたくし)に気安く触ろうとでも言うのかしら? 貴方程度の男が?」
 紗夜の冷たい視線に、レフェリーが怯む。
「だ、だが、ボディチェックは必須で・・・」
「私に触りたければ、もっと上のステージに立つ男になることね。今からでは難しいでしょうから、来世への可能性を試してあげましょうか?」
 紗夜の言葉の裏にある脅迫と威圧に、レフェリーは二、三歩後ろに退いてしまった。
「・・・後悔するなよ」
 捨て台詞と共にゴングを要請した。

<カーン!>

「安い言いぐさですこと」
 冷笑した紗夜はだらりと両手を垂らしたまま、美鈴に半身で向かい合う。観客席からの欲望に塗れた視線にも、まるで動じた様子はない。
「自分だけボディチェックを受けないのは狡いんじゃないの?」
 美鈴の冗談交じりの追及も肩を竦めるだけだ。
「生意気な小娘ね!」
 じわりと距離を詰めていた美鈴が、素早いタックルを仕掛ける。と、女性にしては大柄な体が宙を舞った。
「っ!」
 上手く受け身を取った美鈴だったが、表情が一変している。余裕があった表情が、警戒する肉食獣のそれになっている。
「人を生意気呼ばわりしておいて、それだけの実力かしら?」
 美鈴を華麗に投げた紗夜が美鈴を挑発する。
「言うわね、お嬢様」
 唸った美鈴が、隙を見出そうと紗夜の周囲をゆっくりと回る。
「ちっ!」
 美鈴が舌打ちする。
 紗夜の実力は本物だった。サンボを学んだ美鈴が下手に踏み込めない。
「<地下闘艶場>の実力、この程度かしら?」
 紗夜が唇に嘲笑を浮かべる。「御前」が関わる事柄は全て否定してやりたい。その本心が滲む科白だった。
「大口叩くと、後で後悔するわよ!」
 美鈴が先程よりも低く鋭いタックルで紗夜に迫る。しかしそれはフェイントだった。
(食らいなさいっ!)
 左腕のタックルと見せかけ、右のロシアンフックを放つ。美鈴の低いタックルに目線が行ったときには、視界の外側からロシアンフックが襲いかかるのだ。大柄な美鈴はリーチも長い。数々の対戦相手を沈めてきたコンビネーションだった。
 しかし。
「ぐあっ!?」
 紗夜の頬を抉った筈の右腕と背中に痛みが奔る。気づけば、右腕を支点にして投げられ、肘と肩を極められていた。
「その程度の技で私を倒そうなどと・・・甘すぎますわ」
 膝立ちとなった紗夜が更に技を絞る。
「ぐうぅっ!」
 痛みを堪えた美鈴が足を伸ばし、ロープに触れる。
「連道選手、ロープブレイクだ」
「あっ!?」
 紗夜が動揺する。背後に回り込んでいたレフェリーが、いきなりバストを掴み、揉んできたのだ。
「んっ、どこを、触って・・・」
 紗夜の反応は訝しいものだった。普段ならば、自分の身体に突然触ってくるような者には、容赦のない制裁を下す筈だ。
「放しなさい・・・!」
 しかしその声も弱く、レフェリーを振り払えない。
「ロープブレイクを理解しないような選手には、ペナルティを与えないとなぁ」
 紗夜の抵抗が弱いとみて、レフェリーはバストから手を離さず、乳首の辺りも刺激する。
「んんっ!」
 紗夜の身体がびくりと跳ねる。そのときには技も解いてしまっていた。
「なるほどねぇ。お嬢様は、おっぱい触られるのが好きなのね?」
 右腕を擦りながら立ち上がった美鈴が唇を歪め、紗夜を嘲る。
「だ、誰が・・・あんっ!」
 否定しようとした言葉は、レフェリーの責めに遮られた。

 紗夜は、他人に触れられることを非常に嫌った。それは快感への耐性が低く、特に乳房と乳首は非常に敏感だったためだ。レフェリーがその弱点を知らないまま行ったセクハラに、思わず力が抜けていた。

「それじゃ、私も参加させてもらおうかしら」
 妖艶に微笑んだ美鈴が、マーメイドラインドレスの裾から右手を差し入れ、ゆっくりと太ももを撫でる。そのまま奥まで右手を進め、下着の上から秘部を撫でる。
「なっ! ど、どこを触って・・・あふん!」
 抗議の声は、バストへの刺激で遮られた。
「ふふ、おっぱい責めが好きなお嬢様は、こっちはどうかしら?」
「やめなさい! いいかげんに・・・あぅん!」
 秘部への刺激にはあまり反応を見せなかった紗夜だったが、レフェリーがバストを責めると過剰な反応を示す。
「こっちのほうは全然ねぇ。意外と初心なのかしら?」
 首を傾げた美鈴は、今度はバストへと手を伸ばす。ドレスの隙間から手を入れ、下着の上から胸への責めを開始する。
「さ、私がお嬢様を可愛がってあげるから、その間に脱ぎ脱ぎさせちゃいなさい」
「ああ、頼む」
 舌舐めずりしたレフェリーが、ドレスの肩部分に手を掛ける。
「や、やめ・・・やぁん!」
 美鈴のツボを心得た刺激に、紗夜の両手と膝が震える。するりと肩を滑り降りたドレスは、帯によってスカート部分は残されている。
「折角だから、皆さんに下着姿を見てもらいましょうね?」
「そ、そんなことが許されるとでも・・・ひぁぁ!」
 抵抗しようとした気力が、バストへの刺激で消されてしまう。レフェリーが両脇を持って紗夜を無理やり立たせ、バストを揉まれる姿が観客にも良く見えるようになる。
「女の服を脱がせるのは、いつでも楽しいもんだな」
 そう言いながらレフェリーは帯を外す。すると、漆黒のドレスは抵抗なくリングへと落ちた。下着姿となった紗夜に、観客席からは野次や指笛、卑猥な野次が飛んでくる。
「ほお、黒か。厭らしい下着を着けてるじゃないか」
 レフェリーが紗夜の下着をまじまじと見つめる。

 紗夜は自分の肌の白さを際立たせるため、好んで黒系統の下着を身に着けた。しかも子供っぽいものには一切興味を示さず、アダルトなものしか持っていない。

「貴方みたいな下衆な男に見せるためじゃ・・・なはぁん!」
 反論も反撃も、胸への刺激であっさりと封じられる。
「そうだな、見るだけじゃ勿体ないな」
 しゃがみ込んだレフェリーは、紗夜のヒップを鷲掴みにし、揉みしだく。
「いきなり人のお尻を・・・ふわっ!」
 レフェリーの無礼を咎めようとしても、胸への刺激がすべてを邪魔する。
「ギブアップしてもいいんだぞ?」
 ヒップを撫で回しながら、レフェリーが紗夜に訊く。
「だ、誰が、このような責めなどに・・・ああん!」
「頑張るわねぇ。ふふ、好きよ、貴女みたいな娘」
 紗夜の胸を揉みながら頬を舐めた美鈴が、くい、と唇の端を上げる。
「でも私ったら、好きな娘ほど苛めたくなるのよ」
 冷笑を浮かべた美鈴は、バストをゆったりと揉みながら冷たく告げる。
「貴女みたいにプライドの高いお嬢様は、下賤な男たちに好き勝手されるのって大嫌い、よね?」
「・・・まさか」
 頭の回転の速い紗夜は、美鈴の狙いがわかった。わかってしまった。
「やめなさい、あのような男どもに・・・ひあっ!」
 抵抗も悪態も、胸への刺激で封じられてしまう。
「うるさい娘は嫌いよ?」
 美鈴が紗夜のバストを掴んだまま、大外刈りでキャンパスに叩きつける。
「あぐっ!」
 バストへの刺激に力が入らず、紗夜はまともに大外刈りの衝撃を受けてしまっていた。
「さ、リングを下りましょうね?」
 美鈴は紗夜のバストを揉みながらも素早くリングを下り、紗夜も引き摺り下ろす。その間も胸への責めは止めない。
「ほら、立ちなさい」
 股間に手を入れ、弄りながら無理やり立たせる。勿論バストは揉みながらだ。
「ほら、見てご覧なさい。みぃんな、貴女を見てるわよ?」
「ああ、嫌・・・」
 男たちの欲望に塗れた視線が、下着姿の紗夜に突き刺さってくる。
「ふふ、こういうポーズはどうかしら?」
 バストを揉みながら、膝裏に反対の手を入れて持ち上げる。そのため股間部分がより見え、観客の視線が集中する。
「やめて、見ないで!」
 身を捩る紗夜に、美鈴が冷たく告げる。
「そう、見られたくないの。なら・・・触ってもらいなさい!」
 そのまま観客席に放り込む。試合中の責めと目の前で演じられた媚態に興奮しきっていた観客は、我先にと手を伸ばす。
「おお、なんという白い肌だ」
「白いだけじゃない、滑らかさも堪らないね」
「この黒髪、長くて手触りもいい、花の香りもするねぇ」
「うむ、連道家のお嬢さんのおっぱいだ。いい感触だ、いい感触だ」
 何本もの手が伸ばされ、紗夜の全身を這い回る。否、手だけでは済まず、舌を這わせる男も居る。
(こいつら、そこそこ地位のある人間のくせに!)
 高い地位の人間は精神的にも高みに居なければならない、というのは紗夜の持論だった。しかし、男たちを夢中にさせるほど紗夜の肢体は魅力的だった。
 いきなりブラのホックが外された、と気づく間もなくブラが剥がされていた。露わにされたEカップバストに、観客たちの視線が吸い寄せられ、空白の時間が生まれる。しかしそれも僅かな時間だった。我先にと手が伸び、乳房を揉みくちゃにする。
「んんんっ!」
 乳房と乳首を直に責められ、快楽係数が一気に高まる。たとえそれが乱暴な責めでも、紗夜の胸はそれを快感と捉えてしまっていた。
「おお、乳首が硬くなっている」
「どれどれ、うむ、確かに」
 両方の乳首が乱暴に探られ、硬さを確かめられてしまう。
「やっ、だめ、そこ・・・ああん!」
 抵抗しようとしても、胸への刺激だけはどうにもならなかった。その間も腕、肩、引き締まった腹部、油の乗った太もも、小振りだが形の良いヒップ、秘部など、全身が男たちによって責められている。
「ふう・・・ふう・・・お嬢さんのパンツ・・・パンツを・・・」
 鼻息を荒げた観客の一人が、紗夜の最後の一枚に手を掛ける。
「ああっ! それは! 駄目よ、駄目ぇ!」
 快楽に責められる中でも、羞恥は残っている。全裸にされることへの恐怖が、必死に手を動かさせる。
「んあっ!」
 しかし、乳首への責めで力が抜ける。その隙に、残った最後の一枚まで脱がされてしまった。
「おお・・・こ、これが連道家のお嬢さんのパンツ・・・」
「どれ、私に寄越しなさい」
「いや、俺がもらおう」
「何を言っている、私のものだぞ!」
 紗夜のパンティの奪い合いが発生し、一瞬ではあるが紗夜への圧力が弱まる。
「どれ、私は唇を・・・」
 それを横目に紗夜の顎を掴んだ中年男が、自分の唇を紗夜のそれに近づけてくる。
「いいかげんに・・・しなさいっ!」
 紗夜の怒りが爆発した。中年男に頭突きを咬ますと、手当たり次第に殴り、蹴飛ばし、投げつけ、男たちが怯んだ一瞬の隙を衝いてようやく観客席から転がり出る。未練気に伸ばされた手から逃れ、荒い息を吐く。
「どうする連道選手。このままギブアップ負けでもいいぞ?」
 紗夜の裸体をにやにやと見下ろしながら、レフェリーが紗夜のプライドを逆撫でする。
「・・・ギブアップなど、するものですか」
「そう言うと思ってな、連道選手が悦んでいる間もリングアウトは取らないでやったんだ。ありがたく思うんだな」
 レフェリーの恩着せがましくも嘲りの科白に、紗夜が歯を軋らせる。屈辱を堪え、秘部を隠しながらロープを掴み、エプロンサイドに体を引っ張り上げてからロープを潜る。
 リングに上がったオールヌードの紗夜に、観客席から粘つくような視線、指笛、卑猥な野次が飛ばされる。それらすべてが紗夜のプライドを抉る。
「あら〜、お嬢様は素っ裸で闘う趣味があるのね」
 コーナーポストにもたれていた美鈴が、紗夜の全身をねっとりと眺める。
「う、うるさいわね。貴女程度、いいハンデよ」
 そう言いながらも、内股で裸体を両手で隠し、背中は丸まっている。それでも闘いを止めようとしないのは、紗夜のプライドの高さ故だった。
「負けを認めるなら今のうちだぞ」
「絶対に、敗北など認めませんわ!」
 レフェリーの確認にも、口調だけは威勢良く答える。
「だそうだ、美鈴女王様」
「ふうん・・・」
 美鈴の目が細められる。瞼の間から、炎が洩れ出すようだった。
「いつまでもお見合いをしててもしょうがないぞ、ファイト!」
 レフェリーの鼓舞に、美鈴が間合いを詰める。雌の野獣が獲物に近づく様を思わせる。美鈴の接近に、紗夜は知らず一歩退いていた。
「あら、逃げるの? プライドの高いお嬢様が?」
 美鈴の挑発に、自分が下がっていたことに気づかされた。
(私が、退いた? そんな馬鹿なこと!)
 自らの後退が、自らの誇りを傷つける。
(一瞬だけ隠すことをやめれば!)
 そう覚悟を決めて左手で構えるが、股間だけは右手で隠したままだ。羞恥が思い切った行動を阻んでいた。
「おバカさんね!」
 美鈴の素早いタックルが紗夜へと迫る。常時の紗夜ならば余裕であしらっていただろう。だが、散々セクハラされたこと、片手を身体を隠すのに使ったことなどが普段の技のキレを奪っていた。
 美鈴の勢いを投げへと乗せようと伸ばした左手が、逆に美鈴に掴まれていた。
「あっ!? がはっ!」
 そうと気づいたときには左腕を手繰られ、巻き込み一本背負いでリングへと叩きつけられていた。背中を押さえて呻く紗夜に、美鈴が圧し掛かる。
「身体を隠しながら私に勝つつもりでいた? 舐められたものね」
 美鈴の拳が、容赦なく鳩尾を抉る。
「うぐっ! げおっ、ごほっ・・・」
「そんな浅はかなお嬢様に、とってもいい罰を与えてあ・げ・る・わ!」
 美鈴の手足が紗夜の肢体に絡みついていく。美鈴は両脚で紗夜の右腕と首を、両足で左腕を挟んで極め、上半身の動きを封じる。そして左腕で紗夜の右膝を抱え、開脚を強いる。
「あっ、なっ、こんな・・・やめなさい!」
 美鈴の関節技により、紗夜は全裸での大股開きを強制されていた。
「うるさいわよ?」
「あひっ!」
 美鈴が紗夜の乳首を弾き、紗夜を喘がせる。
「お嬢様はおっぱいも乳首も大好きだけど・・・」
 自由な右手で紗夜の乳房と乳首を弄って美鈴が、その手を徐々に下半身へと下ろしていく。蜘蛛染みた動きの右手が、紗夜の秘部へと到達し、淫らに蠢き始める。
「んんっ・・・」
「ほら、ここも気持ちいいでしょ? 今日は、この大事なところもおっぱい並に気持ち良くなれるように、しっかりと調教してあげるから、ね?」
「余計なお世話よ・・・うっ!」
 美鈴は秘部だけでなく、包皮に包まれた淫核も優しい刺激で責め始める。
「こいつはいい眺めだ。連道選手の恥ずかしいところがはっきりと見えるぞ」
 紗夜の股間側にしゃがみ込んだレフェリーが、丸出しとされた秘部を食い入るように見つめる。
「なっ、やめなさい、見るのをやめなさい!」
 左脚を折り曲げて秘部を隠そうとするものの、その脚をレフェリーに持たれ、大きく広げられてしまう。
「見られるのもいい刺激になるわよ? ほら、ここはどう?」
「んんっ!」
 淫核を絶妙な力加減で弄られ、先程よりも高い声を洩らしてしまう。
「・・・くそっ、もう辛抱堪らん!」
 いきなり叫んだレフェリーが紗夜に体を寄せ、乳房を鷲掴みにするとそのまま捏ね回す。
「ちょっと、私が楽しんでいるのよ?」
「いいじゃないか、ちょっとくらい。こっちにも楽しませてくれよ」
「・・・仕方ないわね」
 ため息を落とした美鈴が、一度愛撫をやめ、関節技に専念する。
「ギブアップか、連道選手?」
 両方の乳房を揉み込みながら、レフェリーがにやつく。しかもズボンの下で膨らんだモノを紗夜の秘部に擦りつけてくる。
「誰が、こんな卑怯な手段で・・・ああん! 負けなど認めな・・・ひあっ!」
「そうか、なら暫く楽しませてもらおうか」
 にやりと笑ったレフェリーは、紗夜の身体の感触を楽しむことに専念しだした。

「くぅっ・・・」
 レフェリーの責めが始まって五分が過ぎただろうか。紗夜の乳首は痛いくらいに立ち上がり、レフェリーの手と舌によって快感を高められる。秘部と淫核も責められ、不快な感触も与えられる。
「ギブアップしてもいいんだぞ? うん?」
 乳房と乳首、秘部を同時に弄りながら、レフェリーが敗北を迫る。
「こんなことで・・・負けなど認めませんわ!」
 しかし、紗夜は尚もギブアップを拒んだ。美鈴が呆れたような声を出す。
「下手くそねぇ。おっぱいは任せるから、大事なところは私に任せなさい」
「ちっ、はっきりいいやがって」
 舌打ちしたレフェリーは乳房を揉みながら、紗夜の股間から体をどかす。
「さ、お嬢様、性教育の再開よ」
 唇の端をくいっ、と持ち上げた美鈴が、繊細な刺激を秘裂に送り込んでくる。
「あっ、んっ!」
 いまだに続く弱点の乳房責めに加え、女の敏感な箇所に刺激を与えられたことで、紗夜の官能も温度を高めていく。
(まずい、まずいわ。このように執拗に責められたら・・・あっ!)
 くちゅり、と水音がする。発生源は紗夜の秘部からだった。
「あら、ここが濡れてきたわよ? 下の口は正直ねぇ」
 美鈴が笑いながら、愛液を潤滑油として更に淫らに責めていく。
「気持ちいいのかい連道選手? もっともっとして欲しいだろう?」
 レフェリーは飽きずに乳房と乳首を弄りながら、言葉でも紗夜を責める。
「だ、誰が・・・あはぁ、あはぅう!」
 否定しようと開いた口は、喘ぎ声を零してしまう。
「ほら見ろ、気持ち良さそうな声出しやがって」
 乳首を扱き上げながら、レフェリーがその乳首に吸いつく。
「ふふっ、こっちもどんどん濡れてるわよ? お豆さんも自分から顔を出しちゃって、可愛いわね」
 愛液を指に塗した美鈴は、秘部と淫核を同時に嬲る。もう関節技は解いているが、紗夜は既に反撃する体力を失っていた。それどころか、官能の高みへと向かって押し上げられているのに気づいてしまった。
(嘘よ・・・私がこのような、見世物の舞台で・・・一番恥ずかしい恰好を見られるなんて!)
 このままでは、大勢の観客の前で絶頂へと導かれかねない。それは、紗夜にとっておぞましい未来だった。その予感に、思わず叫んでいた。
「ギブアップ! ギブアップよぉ!」

<カンカンカン!>

 紗夜の敗北宣言に、ゴングが鳴らされた。それを機に、レフェリーと美鈴も責めを止め、紗夜から離れる。
(この私が、自ら負けを認めるなんて・・・悔しい・・・!)
 卑怯な手段を採られたとは言え、敗北は敗北だ。しかも自ら認めたという事実が紗夜のプライドをズタズタにする。屈辱に身を震わせる全裸の紗夜へと、観客席から粘ついた視線が飛ばされていた。
「残念だったなぁ、連道選手」
 紗夜の裸体を見下ろしながら、レフェリーがにやつく。体を隠した紗夜がきっ、と睨み上げるが、レフェリーはにやけ面のままだ。
「ボディチェックも受けず、最後はギブアップしたんだ。罰ゲームを受けてもらう」
「・・・罰ゲーム?」
 予想もしていなかった言葉に、紗夜の思考が一瞬止まる。
「なに、観客の皆さんを楽しませるだけだ。安心だろう?」
 このレフェリーの発言に、紗夜の表情が強張る。「観客を楽しませる」。それはつまり・・・
「いやぁぁぁぁぁ!」
 瞬時に「罰ゲーム」の内容を悟った紗夜が、立ち上がり、走り出そうとする。
「あらお嬢様、どこに逃げようというのかしら?」
 しかし、美鈴の動きのほうが速かった。背後から紗夜を抱き締め、両乳房を揉みしだいてくる。
「あっ、ああん・・・」
 それだけで甘い吐息を洩らしてしまう。
「罰を受けたくないなんて、悪い子ねぇ」
 乳房を揉みながら耳を舐め上げ、しかも吐息を耳の穴に送り込む。身を竦めた紗夜を、美鈴は楽々と引き摺っていく。
「放しなさい、放して・・・!」
「だ・め・よ」
 美鈴は紗夜の尖った乳首に振動を与え、腰砕けになったところを素早くリング下へと引き摺り下ろす。
「このっ・・・!」
 肘打ちで抵抗を試みた紗夜だったが、美鈴に楽々と受け止められてしまう。
「悪い子猫ちゃんねぇ・・・これは、しつけが必要ね」
 言うが早いか、美鈴は大外刈りで紗夜を床に叩きつける。
「あっ・・・がはっ・・・」
 リング下の硬い床にまともに投げられ、中々呼吸ができない。
「あらあら、ちょっときつかったかしら?」
 呻く紗夜を見下ろした美鈴は、何故か紗夜に覆い被さる。
「ちょっと気持ち良くしてあげなきゃね」
 そのまま紗夜と自分の両手の指を絡ませ、胸を重ねる。そのままゆっくりと前後運動を始める。
「あっ、はあん!」
 レザースーツに包まれた美鈴の胸が紗夜の乳房を潰し、背筋を快感が這い上る。しかも美鈴は紗夜の股の間に体を入れ、紗夜の股間も刺激する。大柄な美女が全裸の美女を組み伏せ、胸で胸を責める耽美な光景に、観客の視線が集中する。
「や、やめなさい、こんな品のない・・・」
「やめなさい?」
 紗夜の言葉を聞きとがめた美鈴が、絡ませた指を解き、紗夜の立ち上がった乳首を容赦なく潰す。
「あぎぃ!」
「やめてください、でしょ? 口の利き方には気をつけなさい、お嬢様」
「わかった! わかったから止めて! 痛い!」
 敏感な乳首を潰されるのは凄まじい痛みだった。
「あら、まだわからないようね」
 しかし、美鈴は潰すだけでなく、更に捻りも加えた。
「あああっ! やめて・・・やめてください!」
「ふふっ、少しは言葉遣いを覚えたようね」
 薄く笑った美鈴は、一転して優しい手つきで乳房を愛撫し始める。
「あっ、あっ、あうっ・・・!」
 乳房、乳首を可愛がられるだけで、紗夜は反論も抵抗もできなくなってしまう。できることは喘ぐこと、身を捩ることくらいだ。
「さあ、こういうのはどうかしら?」
 美鈴は紗夜の乳房を揉みながら左膝を抱え、自分の股間を紗夜の秘部に密着させる。俗に言う松葉崩しの体位だった。紗夜の乳房、乳首を弄り、腰を揺することで秘部を責める。
 美女が美女を犯しているかのような光景に、観客席の興奮は尚も高められていく。
(こ、このような屈辱的なことを・・・ああっ! される、させられるなどと、んぅっ、思いもしませんでしたわ・・・っ!)
 試合中は卑怯な手段で責められ、試合が終わった後も辱めが続く。延々と続く淫靡な責めは、紗夜のプライドを傷つけ、抉っていく。
 そして、更に紗夜のプライドを壊そうとする現象が近づいてきていた。
(まさかこの感覚は・・・)
 それは、絶頂の予感。耐えに耐えてきた紗夜だったが、自分の限界が近づいていることに気づいた。
(駄目よ、このような大勢の眼前で達するなど・・・!)
 ここまで、どのような責めをされようとも、どのような恰好をさせられようとも、絶頂だけは拒んできた。それが紗夜のプライドの最後の一線だった。歯を食い縛り、自らの官能を封じ込めようとする。
「我慢は身体に毒よ、お嬢様?」
 しかし、美鈴の愛撫は巧みだった。同性の強みを生かし、紗夜の感じるポイントを的確に衝いてくるのだ。
「いやっ、いやっ、このままじゃ・・・!」
「そうよ、貴女はこのままイッちゃうの・・・お・じょ・う・さ・ま!」
 松葉崩しの体位のまま、右手で紗夜の乳房、乳首を、左手で紗夜の淫核を、自分の腰で紗夜の秘裂を同時に責める。
(ど、同時でだなんて! そんな・・・これは、もう・・・!)
 紗夜の頬が快感に赤く染まる。
「あっ・・・あっ、あああ・・・あああああああああんんんっ!!」
 紗夜から放たれた絶叫は、官能に屈服した証だった。我慢していた分、絶頂感は凄まじいものがあった。美鈴の腰に密着した秘部から、大量の飛沫を迸らせる。
「あら、お漏らししたみたいにびしょびしょじゃない。よっぽど気持ち良かったのね」
 美鈴が言葉でも紗夜を苛め、更に秘部を掬った指を紗夜の前にかざす。
「ほぉら、私の指がお嬢様のラブジュースでテカテカよ?」
 そのまま愛液を紗夜の乳房に塗り込んでいく。
「あっ、はっ、あはぁっ!」
 新たな刺激に、紗夜はまたしても喘ぎ声をあげてしまう。
「それじゃ、お嬢様もできあがったことだし、罰ゲームを始めましょうか?」
 残酷に告げた美鈴は、もう力も入らない紗夜を無理やり立ち上がらせる。
「さあ、どこの皆さんに可愛がってもらいたい?」
 乳房をゆったりと揉みながら乳首も苛め、美鈴が冷笑を浮かべる。
「いや・・・あん、いや、です・・・もう、触られたく・・・ない・・・」
「あら、そんな我儘は駄目よ、お嬢様。罰ゲームはしっかり受けないと、ね?」
 いきなり美鈴に抱えられ、暴れる間もなく宙へと投げ出されていた。一瞬の浮遊感の後、落下の感覚が襲い掛かる。しかし、次の瞬間には優しく抱きとめられていた。否、厭らしく抱き締められていた。
 幾本もの手が紗夜の頬、肩、腕、乳房、乳首、腹部、脇腹、ヒップ、秘部、太もも、足の裏まで触り、撫で、揉み、捏ね、弄り、摘む。特に乳房に多くの手が群がり、感触を味わっていく。大量の刺激は、同時に大量の快感も生んだ。
「あっ、やっ、駄目よ、そこ・・・ふわああん!」
 リングの上でセクハラに晒され、リング下で絶頂に導かれ、もう体力は残っていなかった。手たちを振り払うこともできず、ただもがき、身をくねらせるくらいしかできない。しかも一度絶頂という決壊をしたことで、淫らな刺激をそのまま受け止めてしまう。
「おお、連道のお嬢さんの生おっぱいだ」
「ふむふむ、乳首がもうこれ以上ない、というくらいに立ち上がっているね」
「おお、秘部も濡れ濡れだ」
 男たちが口々に勝手なことを言いながら、紗夜の肢体を好き勝手に弄り回していく。
(こ、この下品な連中め・・・んむぅっ!?)
「どれ、唇の味は?」
 いきなり唇を奪われた。それだけでは終わらず、舌まで侵入しようとしてくる。必死に歯を食い縛って侵入を拒むが、乳首への刺激で力が抜ける。
「あむむっ!?」
 男はその隙を見逃さず、舌を紗夜の口内に送り込む。
「んっ、あむっ、んあぅっ!」
 紗夜の舌が男の舌に嬲られ、口腔内を犯される。その間も乳房、乳首、ヒップ、太もも、淫核などは責められたままで、望まぬ官能を掻き立てられ続ける。
「くそっ、どいてくれ、代わってくれ!」
「見えないぞ! 座れ!」
 紗夜に群がる男たちの周りでは、お預けを食らった形の男たちが罵り合っていた。少しでも触ろうとする者、触れなければせめて一目見ようとする者、他人を押し退けようとする者で、紗夜の周囲は混乱に陥りかける。しかし黒服が割り入ることで無理やり静かにさせる。
 その間にも、幸運な男たちは紗夜の唇を奪い、乳房を揉み、乳首に吸いつき、ヒップを撫で回し、太ももを擦り、淫核に振動を送り込み、秘部を舐め回す。
「も、もう辛抱たまらん!」
 遂にはズボン越しとは言え、紗夜の左手を自分の局部に擦りつける者まで出てくる。
(もう、もう・・・やめて・・・やめてぇぇぇ・・・っ!)
 舌の自由までも奪われた紗夜は、心の中で叫ぶしかできなかった。

「はっ、あぁっ・・・ふああ!」
 もう何十分が経過しただろうか。紗夜はいまだに全裸で男たちに嬲られ続けていた。嬲られる間に何度絶頂へと達したか、最早覚えてもいない。
(ああぁ・・・いつまで、このような辱めを・・・あああっ!)
 延々と続く淫虐地獄に、紗夜の意識は途切れた。しかし、失神した紗夜の肢体に群がった淫鬼たちは、尚も紗夜の身体から離れず、柔らかな感触を味わうことを止めようとはしなかった。


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