【特別試合 其の七十八 曽根崎絵恋:蜂賀流合気道】   紹介者:スミ様


 犠牲者の名は「曽根崎(そねざき)絵恋(えれん)」。19歳。身長160cm、B90(Gカップ)・W60・H87。

 褐色の肌に金髪のストレート、強めのアイシャドーなど、まさにギャル、といったトレンドの化粧を取り入れているが、小動物のように丸い瞳、小顔かつ適度に丸みを帯びた頬は、年齢よりも総じて幼さを感じさせる。第一印象とは裏腹に、「綺麗」よりも「かわいい」という印象を受けるのが特徴。胸まで伸ばした明るい金髪のロングヘアは癖っ気がなく、同性からも羨ましがられることが多い。

 口を開けばギャル口調が抜けておらず、初見ではキツめの印象を受けるが、一方でその性格は愛想よく、笑うときは歯を見せてニッ、と子どものように笑う。(そのせいもあって、より幼く見えるのかもしれない)基本的に明るくマイペースな性格で、型にとらわれない発想や行動規範の持ち主。

 現在はその恵まれた美貌とスタイルを活かし、SNS上で活躍している。

 映える旅行風景やコスメにとどまらず、時にキレのある合気道の型を披露する彼女の投稿は男女問わず人気を博し、順調にフォロワーを獲得している。

 かつて<地下闘艶場>に参戦した蜂賀(はちが)史央里(しおり)の門下生。先代からの通塾経験を持ち、現師範の蜂賀のことは、まるで姉のように慕っていた。

 思春期、注目・嫉妬の対象となりがちな自身の身体にコンプレックスを持ち、一時期は周囲との接触を避けるように生活していた。しかし師の蜂賀と触れ合い、合気道に打ち込んだことで自信をつけ、周囲とも前向きに向き合えるようになった過去を持つ。

 普段のギャルそのものの言動からは想像がつかないが、アニメ・ゲームにも詳しく、道場では、まるで男の子のように漫画に登場する技やプロレス技をじゃれあって仲間と掛け合うなどしており、その都度蜂賀には苦笑いされている。

 そんな彼女の合気道の実力を疑う者もいるが、多趣味の中にあっても一番打ち込んでいるものが師範譲りの合気道であり、インフルエンサー仲間が過激なファンに襲われそうになった時には、水着の格好のまま見事に撃退して見せた実績がある。

 一方で周囲の話をあまり聞かない癖があり、<地下闘艶場>にも選手としてではなくラウンドガールとして招かれたと勘違いしている。その勘違いから、淫らな闘いに巻き込まれることになるとも知らずに。


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「ですから、今日は・・・」

「おけまるおけまる、ラウンドガールで呼ばれたんしょ? きっちりやるから」

<地下闘艶場>控室。黒髪の女性黒服が詳しい説明を行おうとするが、絵恋は自分がラウンドガールとして呼ばれたのだと思い込んでおり、いつものように人の話を聞かない。

「うわー、すんごい衣装! かっこいー!」

<地下闘艶場>の衣装は品質が高く、凝っているものが毎回用意される。用意されていた露出度の高い衣装も、オタク気質の絵恋にとっては「かっこいー」衣装だった。インフルエンサーとして活動し、水着撮影もこなす絵恋にとって、露出度の高さなど気にする様子もない。

「何度も言いますが、今日は・・・」

「おっけおっけ、おばちゃんありがと!」

「おば・・・!」

 7歳しか違わないのに「おばちゃん」呼ばわりされた女性黒服が、鋼鉄さえも射貫けそうな視線で絵恋を睨みつける。しかし衣装に夢中な絵恋はまったく気づかず、女性黒服は足音高く控室を後にし、彼女にしては珍しく乱暴にドアを閉める。

「あれ? やっば、話聞いてなかった・・・ま、いいかっ」

 その音に我に返った絵恋だったが、いつものように気にすることもなく、さっさと私腹を脱ぎだした。


 控室を出た絵恋は、所謂「ビキニアーマー」を彷彿とさせる装飾が派手に施された、濃い青色のビキニとパレオを身に着けていた。絵恋もプレイしている、人気スマホRPGキャラクターが着用したものを模しているのがまた、絵恋のテンションを上げる。

「ここ花道っしょ? ウチが通ってもおけなの?」

 首を傾げながらもパレオの位置を直し、「ま、いいかっ」と歩を進める。途端に卑猥な野次や指笛、粘つく視線が飛んでくるが、絵恋はまったく気にせず両手を振って応える。そのたびにGカップバストが弾み、野次や視線の強度が上がるが、絵恋は笑みすら浮かべて花道を進んだ。


「はえ〜、やっば。『鉄拳伝キッバ』じゃん」

 リングの上から観客席を見渡し、お気に入りの格闘技漫画を思い出して頷く。

「あ、そーそ、今日はラウンドガールだからね。サービスサービスぅ♪」

 絵恋はリングの上をロープに沿って歩きながら、笑顔を振りまき、手を振り、投げキッスまでして見せる。それは、レフェリーが呼び止めるまで続いた。

「曾根崎選手、ちょっといいかな?」

「なになに? もーリング降りるタイミング?」

 選手、と呼ばれたことに疑問も挟まず、さっさと降りようとする絵恋を、レフェリーが慌てて呼び止める。

「まったく、調べた通り、曽根崎選手は全然人の話を聞かないな。だから、こんなものを用意した」

「えっ、なになに〜?」

 レフェリーが見せてきたのは写真だった。そこに写っていたのは、絵恋が良く知る人物だった。

「えーっ! これって先生じゃん! きっれー!」

 そう、レフェリーから手渡された写真には、合気道の師である蜂賀史央里が写っていた。一枚目は、楚々とした浴衣姿。しかし、二枚目以降は。

「・・・えっ、なに、これ・・・」

 肌も露わな史央里が、男たちに嬲られている姿だった。史央里の乳房は、道衣の上からとはまるで違う、凄まじい大きさだ。その乳房を、乳首を、写真の中の史央里は、揉まれ、舐められている。

 しかも下着まで奪われており、秘裂すらも露わなままで責められているのだ。

「少しは人の話を聞くになったかな?」

 凍りついた表情の絵恋に、レフェリーが他の写真を振って見せる。


 レフェリーの説明で、絵恋は理解する。

 史央里が、門下生を守るために<地下闘艶場>で闘ったこと。しかし敗北を喫したこと。現在は再戦の許しを得るため、<地下闘艶場>で「自主的に働いて」いることを。


「今回は、曽根崎選手自身に闘ってもらう。曾根崎選手が勝利することで、蜂賀選手は解放される。どうだ? やる気になったかな?」

「う・・・ああ・・・」

 精神的なショックに、絵恋は膝の力が抜け、頭を抱えて蹲っていた。

(そんなことも知らず、衣装に浮かれてたんだ、ウチは・・・)

 練習中の厳しい表情や、練習終わりの優しい表情、写真の中の泣き出しそうな表情・・・幾多の史央里の顔が浮かび、絵恋は写真ごと拳を握り締める。

(ウチが勝ったらいいんっしょ? なら、勝つだけじゃん!)

 ぎしり、と歯を軋らせた絵恋から、凄まじい闘気が放たれる。

「マイク!」

 跳ね起きた絵恋は、レフェリーにマイクを要求する。

「お、面白いじゃないか」

 絵恋の闘気に気圧されたレフェリーだったが、それを隠そうとしながら、マイクを手渡す。

 マイクを握った絵恋は、大きく息を吸い込む。

「ウチは宣言する!」

 右手の人差し指を高々と掲げ、絵恋が叫ぶ。

「先生の仇を討つ! このバカみたいな試合の主催者も、ただじゃおかない!」

 天井へと向けていた人差し指を、周囲の観客席に向かってぐるりと突きつける。

「ぶっっっ潰すから!」

 そのままマイクを真下へ叩きつける。この派手なマイクパフォーマンスに、観客からは拍手、ブーイング、野次、指笛など、様々な反応が返される。

(先生、待っててよね!)

 勝利を挙げ、必ず史央里を解放する。絵恋の瞳に、炎が燃えていた。


「赤コーナー、『ハンドフット』、串縞連太郎!」

 絵恋の対戦相手は、串縞(くしじま)連太郎(れんたろう)だった。顔は面長で髪は短く刈り込み、手足がしなやかに長い。足指から踵までが長い足には何も履かず、裸足の指もかなり長い。

「青コーナー、『ギャル格闘家』、曽根崎絵恋!」

 試合に集中している絵恋は、ゆっくりと肩回りを解す。もう野次も耳に入らず、試合開始を待っていた。


「曽根崎選手、ボディチェックを受けてもらおうか」

 串縞のボディチェックを素早く終えたレフェリーが、絵恋にもボディチェックをすると言う。

「あーね。りょ」

 普通ならば、こんな露出度の高い衣装にボディチェックか、と思う場面であろう。しかし、これからの試合に意識を割かれていた絵恋は、簡単に了承する。

「動かないでくれよ」

 頭から肩を押さえていったレフェリーは、肘まで押さえると、いきなり絵恋のGカップバストを鷲掴みにする。

「ふっ」

 しかし、絵恋はすかさずレフェリーの両手首を掴み、腰を切る動きでレフェリーに宙を舞わせる。

「ふぎゃっ!」

 派手にリングへと落ちたレフェリーは、腰を押さえて呻く。

「あーごっめん! 手が滑っちゃったー」

 絵恋はしゃがみながら両手を合わせ、謝罪の格好をとる。レフェリーの手を取って立たせながら、耳元に囁く。

「でもウチ今、めちゃイラついてっからさー・・・モタモタされっと、もっと手が滑っちゃうかも、ね?」

 その迫力に、レフェリーの顔色が蒼褪める。

「なんてねー、ビビってんの? ざぁーこ、ざーこ」

 立ち上がった絵恋は、悪戯っぽい笑顔を浮かべ、レフェリーをからかう。

「き、貴様・・・!」

 何かを言いかけたレフェリーだったが、絵恋が一歩前に出ると、慌てて三歩下がる。

「あ、後で覚えていろ! ゴング!」


<カーン!>


「ふん、ざーこ」

 レフェリーを揶揄って精神的なストレスを振り切った絵恋は、合気道特有の半身の構えを取る。

「へへ、カッコいい啖呵を切るじゃん」

 串縞は長い両手をぶらぶらとさせ、同様に長い脚も交互に揺らす。

「実力も伴ってればいいけどな」

 串縞が両手を伸ばし、絵恋のビキニに包まれた胸へと伸ばす。

「ふっ」

 しかし先程のレフェリー同様、絵恋は串縞を投げて見せた。

「ちっ」

 舌打ちしながら立ち上がろうとした串縞だったが、絵恋が素早く距離を詰め、手首を極めながら投げを打つ。

「くそっ!」

 串縞は自ら回転し、投げを無効化する。しかし、絵恋は前に出ながら掴んだ串縞の腕を支点としてリングに叩きつける。

「うがぁっ!」

 串縞もただでは終わらず、倒れたまま右前蹴りでの牽制で絵恋を退かせる。

「・・・わりいな、見た目ギャルだから油断してたぜ」

 立ち上がった串縞が鼻を擦る。

「ぷぷっ、ざーこ。女の子は見た目で判断しちゃダメって知らなかったんだ〜。だっさ!」

 絵恋は串縞を煽りながら、じりじりと距離を詰める。

「それじゃ、ちょっと本気出すぜ!」

「ひゃっ!」

 串縞の長い脚が、唸りを上げて襲いかかる。危うく躱した絵恋だったが、串縞の連撃が止まらない。

(やっば、ざこっちいと思ったのに、意外とマジじゃん!)

 ビキニに包まれたGカップバストを揺らしながら、それでも串縞の蹴りを躱し続ける。

「ふっ!」

「ちぃっ!」

 串縞の左回し蹴りの戻り際、その足を掴んで捻り落そうとする。

「そうくるなら!」

 串縞は正中線を軸に体を回転させながら、右足を絵恋へと伸ばす。

(これ、食らうっきゃないかも!)

 投げに両手を使ったため、防御が間に合わない。腹部に力を入れて耐えようとした絵恋だったが、串縞は予想外の攻撃をしてきた。

「よっしゃ、ブラはもらった!」

「えっ、あっ、ちょまっ!」

 なんと、串縞が長い足の指でビキニブラを掴み、そのままホックごと引き千切ったのだ。

「おおっ、おっぱいが丸見えだぞ曾根崎選手!」

「み、見んな変態!」

 突然のことに、絵恋は慌てて乳房を隠す。その腹部に、強烈な衝撃が奔る。

「うぐぇっ・・・」

 そのまま腹部を押さえ、倒れ込む。

「やっぱ、女は衣装?ぎが効くよな」

 絵恋から奪った青いビキニブラを振り回してから、串縞は観客席に投げ込む。忽ち争奪戦が起こるが、串縞は観客席など気にせず、仰向けにした絵恋に馬乗りとなる。

「結構痛かったからな、その分楽しませてもらうぜ」

 串縞は左手で絵恋の両手を頭上に押さえつけ、右手で丸出しの乳房を揉み始める。

「金髪ギャルのデカ乳を揉むのも楽しいもんだ」

 絵恋の左右の乳房を交互に揉みながら、串縞がにやける。

(やばっ、油断した・・・腹いてー!)

 腹部の痛みに、絵恋は抵抗もできない。それを良いことに、串縞は絵恋の乳房を揉むだけではなく、乳首を転がしだす。

(ウチの胸好き勝手にして! 絶許!)

 乳房を剥き出しにされ、セクハラをされても、絵恋の闘志は消えない。敬愛する師匠を救い出すためなのだ、こんなことくらいで諦めてはいられない。

 すると、レフェリーが串縞に声を掛ける。

「串縞、ちょっと代わってくれ」

「相変わらずだな、あんた」

 舌打ちした串縞は、押さえていた絵恋の両手を放し、太ももの上へと移動する。

「まあそう言うな、まだボディチェックがきちんとできていなんだよ」

 舌舐めずりしたレフェリーは、早速絵恋の乳房へと手を伸ばす。

「それじゃ、俺はこっちを・・・」

 串縞は腰を浮かし、絵恋の秘部に触ろうとする。

(今っしょ!)

 絵恋はレフェリーの指を極めると同時に、串縞の体の下から腹筋を使って両脚を抜く。そして、道場でのじゃれ合いで身につけた三角締めで串縞を捕獲する。

 両脚を串縞の首と右肩に巻きつけ、レフェリーの指を極めたままの手で串縞の長い右腕を引きつける。

(胸に当てちゃうけど、こんくらいは我慢!)

「いでででで! 指が! 指が折れる!」

「ぐっ、くそぉ、合気道じゃなかったのかよ・・・」

 レフェリーは叫び、串縞は呻く。徐々に串縞の動きが鈍くなり、やがて完全に動かなくなる。

「・・・落ちた? 落ちたっしょ?」

 串縞の頭をぺしぺしと叩いて確認した絵恋は、三角締めを解き、レフェリーの指を放り出す。

「・・・あっぶなかったぁ・・・あ、いやいやっ、楽勝じゃんっ」

 ビキニブラを奪われ、セクハラを受けながらも、綺麗に勝利を挙げた。絵恋はパレオを直してから、左腕で乳房を隠し、観客席に右手でピースサインして見せる。

「これで、先生は解放っしょ!」

「そんなわけがあるか!」

 レフェリーにも笑顔を向ける絵恋だったが、返ってきたのは怒声だった。

「ボディチェックは受けない、レフェリーには攻撃をする、こんなことで勝利とは認められない! 追加試合をしてもらう!」

 痛む指を押さえ、レフェリーが喚く。

「は? なに言ってんの。わけわかんない」

「そう言いたいのはこっちだ! 指が折れたらどうする!」

「そんくらいで折れる指なら、ないほうがマシじゃん? ざーこ」

「こ、この・・・!」

 リング上、子供同士のような口喧嘩が続く。中年のレフェリーと十代のギャルの言い争いは、ギャルのほうが優勢だ。

「だっから、さっきから言ってんじゃん! ざーこ、ざぁーこ!」

「ざ、雑魚と言うほうが雑魚だ!」

「ぶぶーっ、ざこ丸出し発言! ぺけまる!」

「ぺ、ぺけ・・・?」

「うわっ、やっば、これわかんないって、周回遅れもいーとこじゃん」

 この不毛な言い争いを止めたのは、リングに飛び込んできた人影だった。

「ど〜も〜! 僕ちんが参上ですよ!」

 リングに現れたのは、午上(うまがみ)ツィグだった。茶髪に染めた髪にふわりとブローをかけ、目元だけを覆うマスクを着けている。身に着けているのは、まるでフラメンコダンサーのような衣装だ。

「よ、よく来てくれた午上! この生意気な女にお仕置きしてくれ!」

 あまりの口撃に涙目となっていたレフェリーが、午上に縋りつく。

「あ、男からそういうのいいんで。やるこたーやりますけどね」

 真顔になった午上は、レフェリーを押しやると絵恋に向き直る。

「それじゃ絵恋ちゃん、アゲアゲで行きまショウタイム!」

「ええ〜・・・」

 二試合目をやるとも言っていないのに、妙なテンションの男に絡まれるとは。しかもブラはなく、乳房は丸出しのままだ。

(んー・・・なら)

 絵恋はパレオの一部を割き、乳房に巻きつけて簡易のブラとする。

(こーなったら、やるしかないっしょ)

 胸の前で割いたパレオを結び、腰に巻いたパレオの位置を直して構えを取る。

「絵恋ちゃんも準備完了! 楽しみまショウタイム!」

 午上が両手の親指と人差し指を立て、絵恋に向ける。

「うっざ!」

 午上の行動に一々腹が立つ。

「まーそー言わないで絵恋ちゃん。僕ちん、頑張っちゃうからさ!」

 と、午上が目前に居た。

「えっ」

 気づけば、着けたばかりのパレオの一部を奪われていた。

「絵恋ちゃんの生おっぱい! う〜ん、最高で〜す!」

 午上が場外に奪ったパレオの一部を放り投げ、親湯と人差し指で作った輪を両目に当てる。

「見んな変態!」

「絵恋ちゃん、男はみ〜んな変態なんだよ?」

 午上はやれやれと首を振り、すたすたと絵恋に近づく。

「っ」

 絵恋は乳房を隠したまま、左手だけで構えを取る。

「片手で僕ちんとやるつもり? そりゃ〜駄目だよ絵恋ちゃん」

 午上は絵恋の左手を払い、左乳房をつつく。

「にゃっ!?」

 慌てて左手で午上の手を掴もうとするが、既に午上は距離を取っている。

「おっぱいばかり守ってていいのかな〜?」

「ひやっ!」

 今度はヒップを撫でられ、小さく飛び上がる。

「ほら、今度はこっち」

「うにゃぁ!」

 ヒップに意識が行ったところ、右乳房を一揉みされてしまう。

(こいつ、遊んでる!)

 悔しいが、片手では午上に対抗できない。

(先生を助けるため。ここは・・・我慢!)

 絵恋は乳房を隠すことを止め、本来の構えを取る。

「お〜、絵恋ちゃん、おっぱい丸出しの構えだね!」

「うっざ!」

 午上の物言いは、一々絵恋の気分を逆撫でしてくる。それでも、覚悟を決めた絵恋は、頬を染めながらも構えを崩さない。

 絵恋と午上の距離が、いつの間にか詰まっていた。闘気が渦巻き、弾ける。

「ふっ!」

「とわっ!」

 お互いに手首を狙い、自分の手首を狙う相手の手を払う。乳房も露わなギャル格闘家の攻防に、観客席が沸く。

 しかし、地力は午上が上だった。

「絵恋ちゃんの乳首、ポチっとな!」

「んぅっ!」

 午上が絵恋の手を弾きながら、絵恋の乳首を押し込む。その手を掴もうとする絵恋だったが、今度は逆の乳首を撫で挙げられてしまう。

(くうううっ、このチャラ男! マジムカつく!)

 怒りを貯める絵恋だったが、今度は剥き出しの乳房を下から弾まされる。

「このエロチャラ男!」

「男はみ〜んなエロうぃんです〜。知らなかったのなら、覚えて帰ってほしうぃ、なっ!」

「ひやっ!」

 またも乳首をつつかれ、絵恋は一旦距離を取る。

(やっば・・・このままじゃ、恥ずいだけで終わっちゃう・・・)

 師匠を助けるための闘いなのだ。絶対に勝たなければならない。

(こうなったら、ちょっち恥ずくても!)

 無意識に乳房を隠していた手を退け、また構えを取る。

「出たね、丸出しの構え!」

「っ・・・」

 午上の揶揄に眉が跳ね上がるが、それでもじわりと前に出る。

「それじゃまた、ポチっとな!」

 午上の右人差し指が、絵恋の左乳首へと迫る。

(今っ!)

 その瞬間、絵恋は自ら前に出て、午上の右手を左乳房に押しつける。

「おひょ〜!」

 午上が狙った行為ではあったが、絵恋が前に出た分、僅かに感覚がずれた。そのずれに、絵恋は賭けた。

「ふっ!」

「のわあ!?」

 午上の右腕と右肘を掴み、絵恋の身体ごと後方へと投げを打つ。わざと受け身が取れないように肘を極めて投げたことで、午上は頭部からリングへと落ちた。

(このまま、フォールすれば!)

 午上に馬乗りになろうとした瞬間、午上の膝が偶然絵恋の秘部に当たった。

「ふわっ!?」

 絵恋は何故か慌てて中腰となり、パレオの位置を直す。

(ううん、ここで決めなきゃダメっしょ!)

 唇を噛み、改めて午上をフォールしようとしたそのときだった。

「どうした、曾根崎選手?」

 レフェリーが絵恋の行動を見逃さず、絵恋の秘部を撫でたのだ。

「ふわぁぁぁあっ!」

 大きな悲鳴を上げ、絵恋は今度こそ大きく飛び退いた。

「なっ、んなっ、になっ、なに・・・」

 絵恋は無意識のうちに乳房と股間を隠し、大きく開いた目でレフェリーを見る。

「あーすまん、手が滑った」

「もうちょっとだったのに・・・ありえないっ・・・!」

 観客から見れば、絵恋の怒りはもっともだったが、何故そこまで激昂するのかはわからなかった。

「ア、アソコ触る!? やっば! 絶許!」

「手が滑ったと言っただろう? いつまで怒っているんだ」

「怒るのは当たり前だっつーの! だいたい・・・」

 またレフェリーに口撃を加えようとした絵恋だったが、まだ試合中だということ忘れてはならなかった。

「絵恋ちゃん、隙だらけでショウタイム!」

 動けるようになった午上が、背後からパレオを奪ったのだ。

「ひやうわぁぁあ〜〜〜っ!」

 午上がパレオを奪い去った瞬間、絵恋は今日一番の悲鳴を上げる。乳房を隠すことを止め、両手で股間を隠す。頬も赤く染まり、動揺していることが一目でわかる。

「なるほど、曾根崎選手・・・」

「弱点丸わかりでしょ〜」

 男たち二人の目が光る。

(やっば、これじゃ、アレがばれちゃう!)

 どうにかパレオを取り戻して、と考える絵恋の目の前で、パレオが場外に放り投げられる。

「あっ・・・!」

「パレオがあると、絵恋ちゃんのおみ足が見えなうぃからね。ショウがないっしょ?」

(あれ、取り戻さないと!)

 パレオを拾おうと、絵恋は場外に降りようとする。

「絵恋ちゃんのアソコに、タ〜ッチ!」

 その隙に、午上が絵恋の秘部を触る。

「やはぁあん!」

 ロープを潜ろうとした姿勢のまま、絵恋は膝から崩れてしまう。

「場外に逃げるのはノンノンノン! こっちで僕ちんとあっそび〜ましょ!」

 午上は絵恋の腰を抱え、一緒に後方へと回転する。

「あわぁっ!?」

 絵恋はリング中央に戻され、午上に乳房を揉まれる。

(ここだけは、隠さないと!)

 乳房を揉まれながらも、絵恋は右手で股間をガードする。左手で午上の手を払うが、午上は両手が使えるので、必ずどちらかの手で乳房を触られてしまう。

「どうした、曾根崎選手、大丈夫か?」

 更に、レフェリーまでもが乳房を狙ってくる。

(この変態コンビ! マジやっば!)

 必死に股間を隠しながらも乳房を守ろうとする絵恋に対し、レフェリーと午上は乳房を狙うと言う遊びを続ける。男たちの手は四つあるのに、絵恋が使えるのは一つだけ。元より勝負にならない。

 Gカップの乳房のどこかに触られ、揉まれ、つつかれ、どちらかの乳首を触られ、つつかれ、弾かれる。

 それでも、絵恋はひたすら股間だけは隠し続けた。


「そろそろ飽きたな」

「ですよね〜。それなら・・・」

 アイコンタクトをしたレフェリーと午上が、絵恋の手首を掴む。

「あっ、ちょっ!」

 絵恋の両手が左右に引っ張られ、股間を隠せなくなる。絵恋は太ももを閉じ、どうにか男たちの目から股間を守る。

「まあいい、まずは、おっぱいで遊ばせてもらうか」

「うーん、絵恋ちゃんのおっぱいの揉み心地、ベリーグー!」

 結果として、乳房への責めを防ぐ術がなくなってしまう。蹴りくらいは出せるかもしれないが、それだと股間が見えてしまう。

「うん? 乳首が硬くなってきたな」

「おっ、僕ちんのほうも硬くなりしまたよ〜」

 続けざまの刺激に、絵恋の乳首が立ち上がってしまう。

(は、恥ずい・・・!)

 羞恥に唇を噛む絵恋だったが、男たちは気にもせず、硬くなった乳首を摘み、回し、捏ね、押し込んでくる。

 乳首を、乳房を玩具にされ、絵恋の屈辱の時間が過ぎていく。


「まったく、曾根崎選手のおっぱいは遊び甲斐があるな」

 未だに絵恋の左乳首を弄りながら、レフェリーがにやける。

「さて、曾根崎選手。そろそろ覚悟はできたかな?」

(覚悟、って・・・まさか!)

 レフェリーと午上が、手首だけでなく、足首までも掴んでくる。

「いやだ、それだけは絶対にダメだから!」

 絵恋は太ももに力を入れ、抵抗する。

「くそっ、意外と頑張るな」

「それなら、こうしちゃいまショウタイム!」

 午上は絵恋の右肘を膝で押さえ、右乳房と右乳首を揉み、捏ねる。

「ううぅっ・・・」

 敏感な箇所への刺激に、徐々に力が抜けていく。

「よし、俺も」

 レフェリーも同様に絵恋の左肘を膝で押さえ、左乳首を擽る。

(ち、乳首ばっかり、弄られちゃったら・・・)

 どうにかして太ももを閉じようとするものの、一度抜けてしまった力は戻らず、足を開かれていってしまう。

 そして。

「あっ、ダメ、それだけはダメ、絶対に、ダメぇぇぇぇぇ・・・っ!」

 絵恋の必死の抵抗も、遂に及ばなかった。レフェリーと午上により、両脚を大きく開かれてしまった。

「ほう・・・なるほど、これは隠したくなるよなぁ曾根崎選手」

 絵恋の股間を見つめ、レフェリーが嘲る。

 絵恋の股間、もっと言えば恥丘は、所謂「土手高」だった。水着の上からでもわかるほどにこんもりと盛り上がっている。

 この恥丘は、絵恋の最大のコンプレックスだ。露出度の高い服で胸の谷間を見せるのに躊躇はないものの、恥丘は別だ。水着はスカートタイプの物を着るし、それでも自身の投稿で水着姿をアップするときは、絶対に下半身を写すことはしない。

「み、見ないで、見ないでよぉ・・・」

 絵恋は弱々しく首を振り、懇願する。

「ああ、確かに見るだけじゃ駄目だな。これだけ膨らんでいるんだ、何か隠していないか?」

 レフェリーが絵恋の左手を右手で押さえ、絵恋の左脚を自分の膝で押さえ、左手で絵恋の恥丘を撫でる。

「あはぁ、はううっ!」

 絵恋の反応は強烈だった。乳房や乳首を弄られたときよりも、段違いの反応だ。

「凄い反応だな。これは面白くなりそうだ」

 レフェリーは午上に合図し、午上には絵恋の両手を押さえさせ、自分は絵恋の股間側に移動する。そして左手で絵恋の右脚を、右膝で絵恋の左脚を押さえ、右手で絵恋の恥丘を撫で回す。

「ひっ、あっ、あっ!」

 それだけで絵恋の腰が跳ね、唇からは嬌声が零れる。

「なんだ、もう濡れているじゃないか」

 ボトムの上から秘裂を撫でたレフェリーが驚く。

「あっ、汗ぇ、汗だか、ら・・・ひぃいん!」

 否定の言葉も、恥丘への刺激で遮られてしまう。

「くくっ、こんなに感じやすいとはな。さすがギャルだ、たっぷり遊んでいるのがよくわかるな」

「誰がビッチ・・・あっ、はふぅん!」

「曾根崎選手のことだよ、ビッチギャルめ」

 レフェリーは絵恋の弱点の恥丘をひたすら責めながら、お返しとばかりに言葉でも辱める。

「レフェリー、次は僕ちんの番です!」

 暫く我慢をしていた午上が、レフェリーを睨む。

「ああ、わかったわかった」

 もう反撃はないだろうと、レフェリーが無造作に体を退ける。そして、唇を舐めた午上が、レフェリーが居た位置に動き、手を伸ばす。

(・・・ここっ!)

 絵恋は羞恥も、溜められた快感も堪え、午上の右手首を掴む。そのまま、両脚を午上の首と肩に巻きつける。

「うわっ、マジか!」

 午上が左手で絵恋の手首を打ち、寸でのところで身を躱す。

(あと、ちょっとだったのに・・・!)

 もう少しで三角締めが決まっていたが、惜しくも午上に逃げられる。

「ひゅ〜、絵恋ちゃん、マジ我慢強うぃ〜ね!」

 無意識に冷や汗を拭い、午上が呼吸を整える。

「曾根崎選手がここまで粘るとはな。午上、一度終わらせろ」

「ん〜、しょうがないか〜。了解で〜す」

(まだ、負けてない・・・負けらんないから!)

 絵恋は太ももを叩き、無理やり立ち上がる。

「ごめんしてね絵恋ちゃん!」

 絵恋の身体が、ふわりと浮いた。

「えっ・・・?」

 浮遊感の次には、暗黒の世界が弾けた。


 師匠である史央里が、男たちに苛められている。

 ウチが、助けなきゃいけないのに。なのに、手が動かない。足が前に出ない。

 史央里は裸にされ、大きなおっぱいを、アソコを、揉まれ、弄られている。

 ウチが助けなきゃいけない、のに・・・

「先生・・・はっ!」

 絵恋が目覚めたとき、上半身は裸だった。下半身には水着のボトムがあるが、愛液に濡れている。

「ウチ・・・いったい・・・」

「お、目が覚めたか、曾根崎選手」

 ロープ際に居た蝶ネクタイをした男が、言葉だけは心配そうに言う。その顔で、一気に理解する。

「絵恋ちゃん、まだ無理しないほうがうぃ〜よ〜」

 目元だけを覆うマスクをした午上が、絵恋の乳首をつついてくる。

「なに勝った気になってんの! ウチはまだ・・・」

「おいおい、もう勝負はついたぞ。短い時間とは言え、今まで失神していたんだぞ?」

 午上の手を払って立ち上がった絵恋に、レフェリーが無情にも告げる。

「そんなわけない! ウチ、負けてないから!」

 師匠である史央里を助けるため、勝たなければならないのだ。

「そこまで言うのなら、再試合を認めてもいい。ただし、条件をクリアしたら、だ」

「条件?」

 訊き返す絵恋に、レフェリーがにやりと笑う。


 再試合の条件とは、絵恋が十分間手足をリングロープに拘束され、その間に絶頂しなければ再戦ができる、というものだった。勿論、その間は男たちによる責めが行われる。


「そ、そんなのってあり!? エロすぎだって!」

「なら、お帰り願おうか。蜂賀選手とは、もう二度と会えないかもしれないがな」

「そんな・・・!」

 史央里の身柄が<地下闘艶場>にある以上、絵恋に選択肢はない。

「・・・わかった! 絶対、イッたりしないから!」

 乳房と股間を隠したまま、絵恋はレフェリーを睨みつけた。


「それじゃ絵恋ちゃん、ごめんしてね」

 午上が、絵恋の両手を伸ばさせ、ロープで縛めていく。

(意外ときっつ。でも、こんくらい痛みがあったら感じたりしないっしょ)

「は〜い、足もいっちゃうよ〜」

 午上が、絵恋の右足首をロープの間に差し込む。

「えっ、これ・・・」

「次はこっちも、と・・・オッケ〜、完成で〜す!」

「やっば・・・」

 両手両足を拘束され、乳房は丸出し。水着のボトムだけという姿でM字開脚とされた姿勢に、絵恋は頬を染める。

(まるでエロどーじんじゃん! やっば!)

 18禁同人漫画の中で、ファンタジー世界の美女戦士が散々に責められる話を思い出してしまい、絵恋は慌てて首を振る。

(だ、大丈夫、ウチはあの娘たちとは違うし・・・ちょっと触らせるだけ・・・ら、楽勝じゃんっ)

 そう胸の中で強がる絵恋だったが、コンプレックスである恥丘は隠せず、大股開きでの拘束。しかもGカップの乳房は丸出しだ。周囲から突き刺さる視線から身体を庇いたいが、それすらもできない。

「それじゃ、始めようか。心の準備はいいかな、曾根崎選手?」

 絵恋の返答は、鋭い視線だった。


「それでは、カウントダウンを開始します。五秒前、四、三、二、一・・・始め!」

 黒服のマイクと共に、レフェリーと午上の手が伸ばされる。いきなり弱点である恥丘と秘部を撫でられてしまう。

「んっ、んふぅ・・・くぅん・・・」

「もう甘い声が出ているぞ、曾根崎選手」

「声もかわうぃ〜ね〜」

 鎧のような衣装を施された青色のボトムは、既に愛液で濡れていたが、その染みが広がる。

(まずいまずいまずい、もう気持ち良くなっちゃってるって!)

 絵恋が思っていた以上に、身体には快感が溜められている。一番敏感な恥丘を責められることで、更に快感係数が上昇していく。

(でも、たった十分だから! いける!)

 決意を新たにする絵恋だったが、背後からいきなり両乳房が鷲掴みにされた。

「やっと生乳触れたぜ」

「な、なんでアンタが戻ってんの?」

 その声で、セクハラをしてきた男の正体がわかる。絵恋の乳房を揉みだしたのは、初戦で倒した筈の串縞だった。

「なんでって、耐久戦のお手伝いだよ」

 絵恋のGカップバストを揉み回し、乳首を転がし、串縞がにやける。

「ふざけたこと言って・・・んんうぅ!」

 乳首だけでなく、秘裂を、恥丘を刺激され、絵恋は喘ぐ。

(やっば、マジやっば! このままだと、ウチ・・・!)

 快感がうねりとなり、絵恋の身体を駆け回る。しかも快感の量が減ることはなく、増える一方だ。

(このまんまじゃ、やばい、のにぃ・・・!)

「あっ、うっ、ふぐぅぅぅっ・・・!」

 絵恋は漏れ出ようとした嬌声を必死に噛み殺す。しかし腰は跳ね、愛液がボトムを濡らす。

「イッたな、曾根崎選手。これで・・・」

「イッ、イッたりなんか、してない、し・・・」

 荒い息も隠せないのに、絵恋は絶頂を認めない。

「そうか、イッていないのか。なら、続行だな」

「え? あっ・・・んんんっ・・・!」

 何故かレフェリーが絵恋の言い分を認め、更に責めを継続する。

「なあ曾根崎選手、本当はイッたんじゃないのか?」

「くぅぅっ、イッてない・・・ってぇの・・・んはぁっ!」

「おかしいな、水着はどんどん濡れていっているんだが」

「うっ、うっさい・・・ふぅっ、汗だって・・・くふぅん!」

 どんなに我慢しても、乳房を、乳首を、秘部を、そして恥丘を責められ続けているのだ。そのため、絵恋は軽く達し続けている。

「そうか、汗か。かなり顔が赤くなっているからなぁ」

「だからぁ、汗・・・ひぃん! 汗だってぇ、あはぁん、言ってるじゃ・・・ひやぁっ!」

 口を開けば嬌声が零れ、下の口からは愛液が零れ続ける。

(やばいやばいやばい、このままじゃ、動けなくなっちゃう!)

 口では絶頂を認めない絵恋だが、実際にはもう何度も達してしまっている。このまま続けられれば、再試合が認められたとしても、勝つことは難しい。しかも、こんな卑劣な手段を取るような団体だ。午上だけでなく、串縞まで参戦させかねない。

(なんか、言われるかもだけど・・・うううっ、こいつだけでもっ!)

 絵恋はロープから手足を引き抜き、午上への三角締めを狙う。

 午上を倒せば、残りはレフェリーと串縞だけ。レフェリーに戦闘能力はないため、実質串縞との一対一に持ち込める。

 そこまで計算しての行動だったが、午上が上手(うわて)だった。

「はい、最後の一枚、頂きま〜す!」

「あっ、えっ!?」

 絵恋がロープから足を抜いたことで、ボトムを脱がしやすくしてしまったのだ。現状を理解できないまま、水着のボトムが奪われていた。尻もちをついた絵恋の股を、午上が開く。

「絵恋ちゃんのことだから、また三角締めを狙うって・・・えっ、絵恋ちゃん、お毛々がないよ!」

「あっ!」

 無毛の秘部を指摘され、羞恥が沸く。慌てて隠そうとした絵恋だったが、午上が速かった。

「ツルツルアソコから絵恋ちゃんのラブジュース、いっただっきま〜す!」

「あひぃぃぃぃいぃん!」

 生まれつき無毛の恥丘に、午上が吸いついた。絵恋の最大の弱点の恥丘が舐め回され、吸い上げられる。

 午上の顔は更に下がり、愛液を噴き出す秘裂へと吸いつく。恥丘は午上の手によって撫で回され、耐えきれない快感を与えてくる。

「ちっ、アソコは取られたか」

「仕方ない。だが、おっぱいが空いているな」

 串縞とレフェリーが、両方の乳房、乳首へと刺激を加えてくる。

「あっ、はわっ、はひいっ、ひいいいいいっ!」

 乳首、秘裂、淫核、そして恥丘。敏感な箇所を同時に責められてはもう堪らなかった。絵恋は金髪を振り乱し、ただただ叫ぶ。

「はあああぁぁあぁぁぁあああぁぁ・・・っ!」

 長い絶叫の後、がくりと首を折る。それと同時に、絵恋は潮を吹いていた。

「そこまで! 時間です」

 絵恋の絶頂と同時に、「耐久試合」が終わった。

(イッちゃった・・・隠せないくらい、大マジでイッちゃったよ・・・)

 これで、再試合もなしになる。師匠を助けることができなくなった。

 羞恥と落胆から顔を隠し、太ももを閉じて体を丸める絵恋の耳に、マイクの音が響く。

「観客の皆様にお知らせがございます」

 リング下に居た黒服からのマイクアナウンスに、観客席が静まっていく。

「曾根崎選手は途中でロープから両手両足を抜きましたが、条件達成間近であり、本人が絶頂したと認めていないこともあり、追加試合を行いたいと思います」

(えっ・・・今、なんてったの?)

 絵恋のことが、勝手に決められていく。

「ただ、ロープに拘束されるという条件は破っております。そのため、衣服はこのままなし、二対一というペナルティを科します!」

 この発表に、観客席が今日一番の盛り上がりを見せる。

「そんなの・・・聞いてなかった!」

「人の話はきちんと聞くものだ、って学校で教わらなかったのか? それなら・・・今日は、しっかりと身体に叩き込んでやるからな」

 絵恋のヒップをぺちぺちと叩いたレフェリーが、一度串縞と午上を下がらせる。

「それじゃ、お望みの再試合だ。頑張ってくれよ」

「えっ? ま、待って、今は、今はっ・・・!」

「では、ゴング!」


<カーン!>


 絵恋の必死の制止も空しく、延艶戦のゴングが鳴らされた。

「今度は油断しねぇからな」

「しっかりと楽しんでいきまショウタイム!」

 全裸のまま座り込む絵恋に、串縞が、午上が、ゆっくりと近づいてくる。

(やだよ、もう、こんな恥ずいこと・・・)

 酷いセクハラの数々に、絵恋の心はもう折れかけていた。立ち上がることもできず、身体を隠して首を振る。

「まずは俺だけで楽しませてくれよ」

「ん〜、くっしーの頼みだし。オッケーで〜す」

「悪いな」

 午上を制し、串縞が絵恋の前に立つ。一度倒した相手ではあったが、絵恋の闘争心は消え失せていた。

「なんだ、立たないのか? なら、遊ばせてもらうだけだ」

 裸体を隠したままの絵恋に、串縞が圧し掛かる。

「くんなってば、触ったらぶっ飛ばす!」

「おー、こえーこえー」

 身体を隠しながら強がる絵恋だったが、串縞は適当に返すだけだ。

「変に抵抗されてもあれだしな。ほれ」

「ひふぅぅうん!」

 串縞に恥丘を撫でられてしまい、絵恋はあっさりと感じてしまう。串縞は絵恋の両手を頭上に押さえつけ、馬乗りになる。

「まずは、おっぱいからだ」

 串縞は右手で、絵恋のGカップもある乳房を交互に揉みだす。

「さっきも思ったけど、弾力がすげぇな」

 串縞は乳房を揉みながら、乳首も転がす。

「ううっ、触るなぁ・・・やめろぉ・・・!」

「なんだ、おっぱいよりこっちがいいのか?」

「ちがっ・・・ふわぁん!」

 口では拒む絵恋だったが、恥丘を触られただけで腰を震わせてしまう。

「ここで感じるってのは珍しいな」

 絵恋の感じっぷりを見て、串縞はまた絵恋の乳房と乳首を弄っていく。

「しかし、おっぱいも絶品だな」

 串縞は長い指を曲げ伸ばししながら、乳房と乳首の感触を味わう。

「こんの・・・ひぁっ、やはぁん!」

 絵恋が反撃を試みても、恥丘への責めだけで簡単に封じられてしまう。

「それじゃ、味変といきますかね」

 串縞は絵恋の上半身を起こすと、絵恋の背中を自分に寄りかからせるようにする。そのまま両手で乳房を揉んでいく。

「・・・触んな、っての」

 串縞の手を引き剥がそうとしても、乳首への刺激で力が入らない。

「まだ気持ちは切れてないのか。だが・・・」

「あっ、はっ、ひあぁん!」

 串縞が恥丘を撫でるだけで、絵恋の手はぽとりと落ちる。

「さて、そろそろアソコでも楽しむか」

 串縞が恥丘を撫でながら、更に右手を進める。

「やめ・・・あっ、ひっ、くふぅうん」

「たっぷりと濡れてるな」

 愛液の感触に唇を歪めた串縞が、更に秘部を撫で回す。しかも左手では絵恋の左乳房を揉み、左乳首を転がす。

「さーて、ギャルの遊び過ぎのアソコの締めつけは・・・?」

 絵恋の秘裂の奥に指を進めた串縞が、何故か首を捻る。

「どうした、串縞?」

「いや・・・これ、見てもらったほうが早いか」

 串縞は絵恋の両胸を揉みながら、両足の指で絵恋の太ももを掴み、大きく広げる。

「ああっ、やだやだ、ダメだから! 閉じて閉じて閉じてぇ!」

 絶叫する絵恋だったが、疲労から身体は動かず、大股開きとされた脚を閉じることはできない。

 そして絵恋の秘裂を覗き込んだ男たちが、驚きの声を上げる。

「おい、処女膜があるぞ!」

「絵恋ちゃん、遊んでそうなのに、ヴァージン! オッケーで〜す」


 土手高の恥丘がコンプレックスの絵恋は、ギャルの見た目とは裏腹に、実は色事の経験がほとんどなかった。マイペースすぎることで、彼氏が出来てもすぐに別れてしまうことが多いのだ。

 ただ、やっとその時、というタイミングもあった。当時の彼氏とラブホテルに行き、ムードも高まる。いざこれから、と言うときにコンプレックスの恥丘を笑いものにされ、最悪の喧嘩別れに終わってしまったのだが。

 この経験以来、絵恋は自分の股間を見られることがより嫌になってしまったのだ。


「見た目じゃわからねぇもんだよな」

 串縞が絵恋の乳首を弄りながら、うっそりと笑う。

「案外、この土手盛り恥丘がコンプレックス過ぎて、セッ〇スできなかったのかもな」

「あひぃっ!」

 レフェリーが絵恋の恥丘を撫でながら、正解を言い当てる。

「いやいや、ただの男嫌いだと思いますよ、僕ちんは」

 絵恋の秘部を見つめながら、午上が見当外れの答えを出す。

「まあなんでもいいや、これだけいいおっぱいを揉めるならな」

 串縞が、にやつきながら絵恋の両乳房を下から弾ませたときだった。

「ああそうだ、曾根崎選手にまだ見せていない写真があったな」

 そう呟いたレフェリーが、一度責めを止めさせる。串縞は舌打ちしながら乳揉みを止め、絵恋の肩を支える。

「曾根崎選手、蜂賀選手が今の『お仕事』をしている写真だ」

 打ち続くセクハラに上気した絵恋の眼前へと、レフェリーが写真を突きつける。絵恋のぼやけていた焦点が、写真に合わされる。

 その写真は、全裸の史央里が、Jカップを誇る乳房で男のイチモツを挟み、奉仕している姿が写っていた。史央里の顔は羞恥と屈辱に染まり、とても望んで行っているようには見えない。

(こんな・・・先生に、こんなことさせてるなんて!)

 史央里への思慕の念が、再び闘志を掻き立てる。

「それとだな、今回の衣装を作成したのは、蜂賀選手の『仕事仲間』の元配信者で・・・」

(ウチが・・・ウチが、先生を助けるんだ!)

 レフェリーの言葉など耳に入らないまま、絵恋は闘志を爆発させる。

「うわあああっ!」

 史央里への思慕が、限界を超えた力を生じさせた。串縞を肘打ちで跳ね飛ばし、前転で男たちから距離を取る。

「先生を・・・助けるぅ・・・!」

 史央里のために。その想いから立ち上がった絵恋だったが、その膝は震え、構えることもできない。

「あらら、ヘマしたね〜くっしー」

「まさかと思うだろ、普通」

 逃げられた格好の男たちだが、焦りはない。絵恋の闘志は、燃え尽きる前の蝋燭の炎のようのものであり、しかも弱点まで判明しているからだ。

「なに・・・ヘラついてんだよぉ・・・!」

 史央里が汚された事実を知った絵恋は、男たちのにやけ面にも怒りが増す。相手を捕まえようと手を伸ばしても、ぎりぎりで届かない。否、わざと寸前で躱される。

「ほら、こっちだぜ」

「絵恋ちゃんこちら、手の鳴るほうへ♪」

「逃げんなぁ、ざこぉ・・・ウチが、ぶっ飛ばして・・・やるから・・・」

 全裸の絵恋が、必死になって闘う。否、惨めな鬼ごっこを続ける。もう水着もパレオもなく、歩くたびに豊かな乳房は揺れ、愛液が太ももを伝う。

 それでも絵恋は眉を吊り上げ、串縞を、午上を追う。悲しいほどに遅い歩みに、観客席からはふざけた応援が飛んでくる。

「ほらほら、絵恋ちゃん、投げてもいいよ?」

 午上が立ち止まり、右手を差し出してくる。

「この・・・ふわぁん!」

 その手首を掴もうとした絵恋だったが、右乳首をつつかれ、敢え無く戦慄いてしまう。

「お尻ががら空きだぜ?」

「あぃっ!」

 串縞からヒップをぴしゃりと叩かれる。

「大丈夫か、曾根崎選手?」

「ふあっ!」

 横合いからレフェリーに左乳房を揉まれる。

 動きの鈍くなった絵恋など、レフェリーにとっても簡単にセクハラできる相手となっていた。

(遊ばれ・・・てる・・・)

 絵恋の闘志は空回りし、男たちの欲望を煽るだけだ。

(こんな・・・ざこども、にぃ・・・)

 左足裏が汗で滑り、左膝をつく。心は立ち上がろうとするが、身体は動かない。逆に休息を求め、右膝も、そして両手もリングへとついてしまう。

(立たなきゃ・・・勝たなきゃ・・・!)

 とうとう、絵恋の体力が尽きた。四つん這いとなり、荒い息を繰り返す。

「もう無理か?」

「ん〜、それじゃこれからは、楽しんでいきまショウタイム!」

 鬼ごっこは終わり、鬼役の絵恋は男たちから抑え込まれる。

「くそぉ・・・放せぇ・・・放せよ、ざこぉ・・・!」

「まだそんなことを言えるのか。だが、レフェリーを雑魚呼ばわりするな。罰だ!」

 レフェリーが合図を出し、男たち全員の手が絵恋の恥丘へと伸びる。

「うああぁっ! ダメっ、それはぁ、あっ、かはっ、あはぁあぁぁあっ!」

 産毛すらない無毛であり、嫌悪の対象であり、敏感で、望まぬ快感を生んでしまう恥丘を撫で回され、勝手に腰が跳ねる。跳ねてしまう。

「最初から弱点がわかってたら、一人で楽しめたんだけどな」

「そんときは、僕ちんの出番がナッシング! ノンノンノン!」

「別になくてもいいだろうが」

 口々に勝手なことを言いながら、男たちは絵恋の望まぬ艶姿を楽しむ。

「・・・ざ、けんなぁ・・・ざこぉ・・・あっ、ひっ、あふぅっ!」

 手が出なければ言葉だけでも、と男たちを睨む絵恋だったが、簡単に喘がされてしまう。

「まだ言葉遣いが悪いな。なら・・・」

 何を思いついたのか、レフェリーが午上と串縞に耳打ちする。

「ん〜、ナイスアイディア!」

「くくっ、どんな感想を言ってくれるか、楽しみだな」

 責めを止めた午上と串縞は、それぞれが絵恋の肩と膝を持つ。そのまま立ち上がり、自分の肩の上に絵恋の身体を乗せた。

 更に。

「では、金髪処女ギャルのアソコ、御開帳で〜す」

「ああぁぁぁっ!」

 男二人の手により抱え上げられ、大きく足を開かれる。両手にオープンフィンガーグローブがあるだけで衣服はすべて奪われ、秘部を隠すものは何もない。

 褐色の肌の金髪ギャルが、乳房も、乳首も、更には愛液に濡れた秘裂まで露わとされている。勿論、絵恋のコンプレックスの源である恥丘も丸見えだ。

 絵恋を神輿のように抱えたまま、午上と串縞はリングをゆっくりと歩いていく。四方の観客に向けて、絵恋の秘部を見せつけていく。

「どうだ、曽根崎選手、お客様からの熱い視線は?」

 レフェリーの皮肉に、絵恋は唇を噛みしめる。

(負けて・・・たまるもんか・・・! 先生を、絶対、助けるんだから!)

 それでも、絵恋は闘志を失わない。全裸とされ、散々辱められても、敗北だけは認めない。

 やがて、恥辱の練り歩きが終わる。午上と串縞は絵恋をリングに下ろし、またも絵恋の身体へと手を伸ばしてくる。

「あっ、はぅっ、んいぃぃぅっ!」

 男たちを払おうとした手は簡単に抑え込まれ、Gカップの乳房を、すぐに硬くなった乳首を、愛液の零れる秘裂を、こちらも硬くなった淫核を、そして一番の弱点の恥丘を玩ばれる。

「曾根崎選手、いい加減にギブアップしたらどうだ?」

 秘裂を弄りながらのレフェリーの問いに、絵恋は微かにだが首を横に振る。優しい師匠を助けるために、諦めないと心を奮い立たせて。

「ここまでされて折れない絵恋ちゃん、僕ちん、ハートずっきゅーんされちゃいました〜ん!」

 息を荒げた午上が絵恋の頭を支えると、いきなり唇を重ねる。

(こ、こいつ、なにしてんの!)

 絵恋もキスの経験くらいはある。しかし、嫌な相手から、しかも衆人環視の前でされたことはない。更には、驚く間にも乳房は揉まれ、乳首は転がされ、秘裂は弄られ、恥丘は撫で回されている。

(ヤバ・・・マジヤバい・・・このままだと・・・!)

 唇を奪われ、乳首を転がされ、淫核をつつかれ、秘部を弄られ、そして、最大感度の恥丘を撫で回され、絵恋は今まで感じたことのないほどの快感の高みへと昇っていく。昇らされていく。

 そして、遂に。

(うぐうぅぅっ・・・ウチ、ウチ・・・イッちゃうぅぅぅ・・・っ!)

 唇を塞がれて声も出せず、絵恋は腰を大きく震わせる。そして、暗黒の世界へと沈んでいった。

「・・・あらら? 絵恋ちゃん、僕ちんのキッスで失神しちゃった?」

「それはないだろ」

「もう本当の限界だな」

 レフェリーが膝立ちの状態で、リング下に合図を出す。


<カンカンカン!>


 絵恋の失神によって、ゴングが鳴らされる。これで、絵恋の敗北が正式に決定した。

 観客の視線は、幾度もの絶頂に意識を失い、全裸のままで横たわる絵恋に絡みつく。褐色の肌は汗に光り、両乳首は未だ硬く尖り、脚は大股開きで、秘裂は愛液に塗れ、太ももまで濡れている。

「これで、師弟揃って『地下室』行きだな」

 失神した金髪の処女ギャルを見下ろし、レフェリーが下卑た笑みを浮かべる。

「良かったなぁ、曾根崎選手。蜂賀選手と再会できるぞ。同じ『仕事』もできるし、楽しみにしておくんだな」

 レフェリーが告げた暗灰色の未来も、絵恋の耳には届いていなかった。


▼△▼△▼△▼△▼△▼


 ある日から、インフルエンサー・曾根崎絵恋のネット露出が止まった。

 彼氏からの圧力。

 できちゃった婚での引退。

 活動に飽きたから。

 女性仲間からのイジメ。

 様々な噂が駆け巡ったが、「監禁されて〇〇をさせられているらしい」という書き込みは信憑性がない、とあっさり否定された。添付された画像も、良く似たセクシー女優の作品での一場面と結論づけられた。

 真実を知る者は、決して口を開かない。自分たちだけがその肢体を楽しめる、という優越感によって。


 今宵もまた、とある「地下室」に望まぬ嬌声が響き渡る。肌も露わな卑猥な衣装で、二人の美女がお互いを助けるため「奉仕」を行い、一転、男たちに玩ばれている。

 黒髪爆乳の師匠と、金髪褐色巨乳の弟子による「仕事」は、いつもの夜と同じく盛況だった。



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