【特別試合 其の八十一 不動恋歌:総合格闘技】   紹介者:はぐれ観戦者様

(不動恋歌の活躍はこちらから)

 犠牲者の名は「不動(ふどう)恋歌(れんか)」。15歳。身長150cm、B90(Fカップ)・W58・H86。

ピンクのツインテールに長めの前髪、クールな印象を持たせる釣り上がった瞳が特徴的な女子高生。ただし無愛想。

 幼い頃から格闘技に打ち込み、並の相手では話しにならないほど強くなった。今は学校に通いつつ、より強い相手を求めてストリートファイトに明け暮れている。

「ファイティングディーヴァ」という裏の格闘試合に参戦経験があり、その試合の評判が恋歌を<地下闘艶場>へと招いてしまった。


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(ここも、あそこと一緒か)

 花道を進むガウン姿の恋歌に、卑猥な野次や指笛が飛ばされる。恋歌が参戦したことのある「ファイティングディーヴァ」も同様に、欲望に塗れた団体だった。

(失敗したかな・・・)

 まだ見ぬ強い相手と闘えると聞き、参戦を決めたものの、まさか「ファイティングディーヴァ」と似た雰囲気だとは思わなかった。

(まあいいか。ぶっ倒せばいいだけだし)

 オープンフィンガーグローブを嵌めた両拳を打ちつけ、恋歌は気合いを入れ直した。


(やっぱり男か)

 リングで待っていたのは、レフェリーらしき男と、対戦相手と思われる覆面をした男性選手だった。

(少しは楽しめるかな)

 対戦相手の佇まいに、恋歌は不敵な笑みを浮かべた。


「赤コーナー、『神秘の獅子』、ミステリオ・レオパルド!」

 恋歌の対戦相手はミステリオ・レオパルドだった。中背だが引き締まってよく日に焼けた肉体をしており、幾何学模様の入ったマスクを被っている。

「青コーナー、『桃色の閃光』、不動恋歌!」

 自分の名前がコールされ、恋歌はガウンを脱ぎ捨てる。その下にあったのは、恋歌が通う高校の制服だった。

 白いセーラー服に、赤いリボン、黒のスカートという、最近では珍しいタイプだ。両拳には黒いオープンフィンガーグローブが装着されており、恋歌の闘争心を現しているかのようだ。

 太ももも露わな恋歌に、忽ち野次や指笛、粘つくような視線が飛んでくる。胸の下で腕組みした恋歌は、不機嫌さを隠そうともしなかった。





 ミステリオ・レオパルドのボディチェックを終えたレフェリーが、恋歌へと近寄ってくる。

「不動選手、ボディチェックだ」

 口ではそう言いつつ、レフェリーの手は恋歌の胸へと伸ばされる。

「なにしようとしてんだ!」

「いててて!」

 恋歌はレフェリーの右手首を掴み、捻り上げる。

「ぼ、ボディチェックは選手の義務・・・あいてえぇっ!」

「オレのおっぱいに触ろうとしたくせに、偉そうなこと言うな!」

 恋歌は力を緩めることなく、レフェリーに怒鳴る。

「わかった、ボディチェックはしない! だから放せ!」

「本当だな?」

「本当だ! だから・・・!」

 そこまで聞いて、恋歌はようやくレフェリーを解放する。右手首と右肘の痛みに蹲ってしまったレフェリーだったが、何度も右腕を振り、ようやく立ち上がる。

「・・・ボディチェックを受けなかったこと、後悔するぞ」

 芸のない脅し文句を吐き、レフェリーがゴングを要請した。


<カーン!>


「恋歌ちゃんは威勢がいいな」

 ミステリオ・レオパルドが半身に構え、膝を使った小さなジャンプで間合いを測る。

「ちゃん呼ばわりするな」

 恋歌は両手を胸の前で構えるオーソドックススタイルで、ミステリオ・レオパルドに相対する。

「そうかい? 可愛いのにな」

 と、ミステリオ・レオパルドがするすると接近していた。

「っ!?」

 恋歌は反射的にローキックを放つ。

「よっ!」

「くうっ!?」

 しかし、ミステリオ・レオパルドはその場飛びでローキックを躱しながら、ドロップキックを放ってきた。恋歌は反射的にガードしたものの、体重差によって吹き飛ばされる。

 それでも恋歌はきちんと着地し、素早く構える。その目前に、ミステリオ・レオパルドのクロスチョップが迫っていた。

「くそっ!」

 回転しながら躱し、一度大きく距離を取る。スカートが翻り、その瞬間、僅かに下着が覗いた。

「かなりいい反射神経してるな。あれを避けるかよ」

 連続技をガードされるか躱されるかされ、ミステリオ・レオパルドが舌打ちする。

「やるな、アンタ。でも・・・勝つのは、オレだ!」

 二、三度軽く跳ねた恋歌が、一気に前に出る。左ジャブの牽制から、踏み込んでのロングフック。ミステリオ・レオパルドの顔面を捉えた筈の一撃は空を切った。

「っ!?」

「食らうかよ!」

 ミステリオ・レオパルドは恋歌の背後へと回り込み、恋歌の右脇から左腕を回していく。

「うあっ!」

 次の瞬間、恋歌は<コブラツイスト>に捕らえられてしまった。

「やっと捕まえたぜ。それじゃ、さっそく」

 ミステリオ・レオパルドは首のフックを外し、右手で恋歌の右胸を掴む。




「どこを触ってるんだ!」

 恋歌は左肘でミステリオ・レオパルドの太ももを何度も打ち、怯ませる。

「このっ!」

 力が緩んだ隙を衝き、腰投げの要領でミステリオ・レオパルドをリングに叩きつける。

「ふっ!」

 そのままミステリオ・レオパルドの左手首を掴み、腕ひしぎ十字固めに極める。




「このままへし折ってやる!」

「うがああぁっ! ギブギブ、ギブアップだ!」

 ミステリオ・レオパルドのギブアップ宣言に、レフェリーが舌打ちしながらもゴングを要請する。


<カンカンカン!>


 ゴングの音を聞き、恋歌は腕ひしぎ十字固めを解く。しかし気持ちが収まらず、ミステリオ・レオパルドを無理やり立たせると、リング下へと投げ落す。

「ふん、ちょっとは楽しめたけどな」

 両手をはたき、リングを降りようとした恋歌にレフェリーが声を掛ける。

「ボディチェックを拒んだんだ、もう一戦してもらうぞ」

「は? そんなこと聞いてないぞ」

「ボディチェックを拒んだ場合、ペナルティを科す。そう契約書に書いていた筈だ」

「そんな細かいとこまで読まないって!」

 ぎゃあぎゃあとやり合う恋歌とレフェリーだったが、その間に、新しい男性選手がリングに上がっていた。蜘蛛の意匠が入れられたマスクを被った、こちらも覆面選手だ。

「赤コーナー、『地に潜む蜘蛛』、マスク・ド・タランチュラ!」

 マスク・ド・タランチュラと呼ばれた選手は、異様な体格をしていた。両腕が常人離れした長さなのだ。だらりと垂らされた両腕は、本人の膝よりも下まで届いているほどだ。

「青コーナー、『桃色の閃光』、不動恋歌!」

 恋歌の承諾もないまま、名前がコールされた。

「待てよ、オレはやるとは一言も・・・」

 恋歌の抗議を遮り、レフェリーが冷たく訊く。

「不動選手、ボディチェックを受けるか?」

「どうせ、厭らしく触るつもりだろう? お断りだ。それに、オレは・・・」

「そうか。なら」

 恋歌の返答をまた途中で遮り、レフェリーがリング下に合図を送る。途端に場内に向け、追加説明が行われる。

「不動恋歌選手がまたもボディチェックを拒んだので、この試合は、特別ルールで行われます」

「えっ?」

 またも恋歌が聞いていない条件が発表される。

「現在、リング下に三人の特別選手が待機しております」

 恋歌が周囲に視線を送ると、見覚えのある男たちがにやにやと笑っていた。全員、過去に恋歌が喧嘩で負かした男たちだ。

「試合開始後、一分が経過するごとに一人ずつリングに上がります。もちろん、不動恋歌選手は全員を倒して勝利となります」

「無茶苦茶だ!」

 思わず恋歌は叫んでいた。

「そうか。なら、全員を一度に相手にするか? それでも構わないぞ」

(こいつ、どうしてもオレを闘わせたいのか)

 レフェリーへの怒りが、胸に込み上げてくる。

「一人ずつでも、一度にでも相手になってやる。最後に、お前もぶっ倒すからな!」

「いいぞ、できるものならな。まあ、一人ずつにしておいてやろう」

 レフェリーが薄く笑い、ゴングを要請した。


<カーン!>


「俺だけで恋歌ちゃんと遊びた・・・うおっ!?」

 マスク・ド・タランチュラの愚痴をぶった切り、恋歌は連打を繰り出す。まだ後三人も控えているのだ。速攻で倒していかなければ何をされるかわからない。

「やっべ、意外と打撃が鋭い・・・うごっ!」

 長い腕を折り畳んでガードしていたマスク・ド・タランチュラのどてっ腹に、恋歌の前蹴りが突き刺さる。その威力に、マスク・ド・タランチュラがロープ際まで吹っ飛ぶ。

「まだまだ行くぞ!」

「やっべぇ!・・・なんてな」

 追撃をしようと前に出た恋歌だったが、マスク・ド・タランチュラが長い腕を伸ばし、恋歌のスカートを捲った。




「っ!」

 派手にスカートが捲れ、ダークパープルで大人っぽいデザインのパンティが露わになる。恋歌は反射的にスカートを押さえていた。

「隙ありだぜ!」

 更に長い腕が振られ、恋歌の両足を纏めて払っていた。

「うあっ!?」

 一瞬とは言えスカートに気を取られた恋歌は、その一撃にリングへと倒れ込む。しかし両手をつきながら身体を捻り、側転のような形で両足から着地する。

「恋歌ちゃん、パンツ丸見えだったぜ。サービスがいいな」

「うるさい、変態!」

 恋歌は頬を染め、マスク・ド・タランチュラを睨みつける。

「一分経過、一分経過。新しい選手が加わります」

(え、もう!?)

 あっという間に一分が過ぎていた。スキンヘッドに迷彩柄のTシャツを着た男がリングへと上がる。

「宜しくな、蜘蛛兄さんよ」

「宜しくねぇけど、ま、頑張ろうぜ」

 男がマスク・ド・タランチュラの横に並び、恋歌を厭らしく見つめる。

「・・・やっぱたまんねぇ!」

 口を拭った男が、恋歌に突進する。

「ふっ!」

 恋歌は右に躱しながら、左膝を男の腹部に突き刺す。

「うごっ!」

 カウンターの一撃に、男がリングに倒れ込み、痛みに呻く。

「おいおい、一撃かよ・・・」

 あまりにも情けないやられっぷりに、マスク・ド・タランチュラが呆れる。

「これでまた一対一だ」

 恋歌は眼光鋭くマスク・ド・タランチュラを睨む。

「まあ、元々一対一のつもりだったしな」

 しかしマスク・ド・タランチュラは気にした様子もなく、恋歌と向かい合う。

「そして、また下着を見せてもらうぜ!」

「スカート捲りなんか、もう食らうか!」

「だよな!」

 マスク・ド・タランチュラが狙ったのは、スカートではなかった。恋歌の上着だった。

「ひゃあっ!」

 一瞬ではあるが、セーラー服の上着が捲られ、下着と同じダークパープルのブラが見える。

「このエロマスク!」

 上着を戻しながら、頬を染めた恋歌はマスク・ド・タランチュラを睨む。

「今度はこっちだ!」

 その隙に、マスク・ド・タランチュラがまたスカートを捲る。

「こ、こら!」

 恋歌はスカートを押さえ、マスク・ド・タランチュラの腕が届かないところまで下がる。

「何度もスカート捲りするな! 子供か!」

「しっかり大人だぜ? その証拠、見せてやろうか?」

「な、なんで自分のパンツ下ろそうとしてるんだ!」

「だから、大人の証拠を・・・」

「見せるな!」

 馬鹿なやり取りの間に、黒服がマイクを握る。

「二度目の一分経過、一分経過。新しい選手が加わります」

 リーゼントを決め、特攻服を着た男がリングに入ってくる。

「蜘蛛兄さん、ヨロシクっす!」

 リーゼントの男は両手を後ろに組み、マスク・ド・タランチュラに深々と一礼する。

「ああ、お前はさっきの奴みたいにやられんなよ」

「当然っす!」

 男はずかずかと恋歌に近寄り、徐(おもむろ)に右足裏を叩き込むような喧嘩キックを出す。

「ふっ!」

 恋歌は右に躱しながら、左膝を男の腹部に突き刺す。

「ぐおっ!」

 リーゼントの男は腹部を押さえ、リングに倒れ伏す。

「お前・・・マジかよ・・・」

 リプレイのようなやられ方に、マスク・ド・タランチュラも言葉がない。そのマスク・ド・タランチュラに向かい、恋歌はじりじりと間合いを詰めていく。

(今度衣装を捲ってきたら、思い切り反撃してやる!)

 さっきはセーラー服の上着やスカートを捲られ、隙を作ってしまった。もしまたスカート捲りなどしてくれば、手痛い一撃を加える!

(来た!)

 集中する恋歌の視界に、スカートへと伸ばされるマスク・ド・タランチュラの左手が映る。

(捕まえて逆にぶん投げてやる!)

 待ち構える恋歌の左肩を、衝撃が襲った。

(な、なんだ!?)

 突然のことに、恋歌は体勢を崩していた。マスク・ド・タランチュラが長い右腕を横殴りに振り、恋歌の肩を打ったのだ。

「何度も同じことはしないっての!」

 恋歌の狙いを看破したマスク・ド・タランチュラが、恋歌の胸元を掴んだ。

「そろそろ脱衣といこうか!」

「あっ!」

 セーラー服の上着が破り取られた。そのため、下着とお揃いであるダークパープルのブラが観客の目にも晒された。恋歌は慌ててブラを両手で隠すが、その隙にまたスカート捲りをされてしまう。

「い、いいかげんにしろ! 服は破くし、何回スカート捲りしてるんだ!」

「なんだ、捲られるのは嫌なのか? それなら、スカートも脱いでいいぞ」

「えっ、あっ!」

 いきなり、スカートのホックを外された。恋歌の背後に立っていたレフェリーの仕業だった。落ちそうになったスカートを両手で掴むが、その隙にマスク・ド・タランチュラから両胸を掴まれる。

「やっと恋歌ちゃんのおっぱいに触れたぜ」

「さ、触るな! んぁっ!」

 左手でスカートを持ち、右手でマスク・ド・タランチュラの手を振り払おうとする。

「やっとボディチェックができそうだ」

「あっ、こら!」

 背後からはレフェリーがスカートを引っ張り、ヒップを撫で回してくる。




 そのとき、放送が流れる。

「一分経過、一分経過。最後の選手が加わります」

(まずい、今入って来られたら・・・あっ!)

「スカートを没収する」

 放送に気を取られた恋歌は、レフェリーにスカートを奪われてしまった。これでとうとう、恋歌は下着姿となってしまう。

 最後にリングに上がったのは、素肌に革ジャンを着た男だった。

「俺はこいつらとは違うぜ、蜘蛛兄さん」

「ん、まあ、頑張れ」

 革ジャン男の言葉を信じようとせず、マスク・ド・タランチュラは恋歌の胸を揉みながら生返事を返す。

「・・・いつまで触ってるんだ!」

 ようやくマスク・ド・タランチュラの手を振り払い、恋歌は距離を取る。衣装は奪われ、靴下と靴は残っているものの、肝心な箇所を隠しているのは、ダークパープルの下着の上下だけだ。

「エロい格好になったじゃねぇか」

 そのとき、いきなり羽交い絞めにされる。

「っ!」

 恋歌を後ろから羽交い絞めにしたのは、最初に倒されたスキンヘッドの男だった。

「放せっ!」

「おぐっ!」

 恋歌の後頭部での頭突きに、男はまたもあっさりと倒れてしまう。

「めげないな、恋歌ちゃん」

 マスク・ド・タランチュラは、下着姿の恋歌をじっくりと見つめる。

(くそぉ、どうにか一対一に持ち込まないと)

 時間が経てば、今は倒れている男たちが回復するかもしれない。こうなったら恥ずかしいなどと思っていられない。下着姿にされた恋歌は、改めて構えを取る。

「こうしたらどうするよ、恋歌!」

「えっ!」

 いきなりブラのホックが外された。痛みから回復した、特攻服にリーゼント頭の男の仕業だった。

 恋歌は慌てて前を押さえ、ブラが落ちるのを防ぐ。

「恋歌ちゃんは油断できないからな。一度、おとなしくしてもらうぜ!」

 その隙に、マスク・ド・タランチュラが恋歌の首元を掴み、一気に持ち上げる。

(た、高い・・・!)

 マスク・ド・タランチュラの身長と長い腕に持ち上げられ、恋歌の視界が急激に高さを増す。

「おらよっ!」

 マスク・ド・タランチュラが、そのまま恋歌をリングに叩きつけた。

「はぐうぅぅぅぅっ!」

 ハイアングルチョークスラムの威力に、恋歌の身体は一度リングで跳ねた。

「う・・・あ・・・」

 その衝撃に、息をするのも苦しい。

「恋歌ちゃん、これからが本番だぜ」

 マスク・ド・タランチュラの宣告が、恋歌の鼓膜を震わせた。


「く、くそっ、放せっ!」

 恋歌は特攻服リーゼント男に頭上へ上げさせられた手首を、素肌に革ジャン男に足首を押さえられている。ブラのホックは外されたままで、Fカップの乳房との間に隙間ができている。

「さっき言った通り、恋歌ちゃんの身体で楽しむ本番の始まりだ」

 まずは小手調べ、とでも言うのか、マスク・ド・タランチュラがブラの上から胸を揉んでくる。

「こんだけおっぱいが大きいと、揉み応えがあっていいんだよな」

「黙れ・・・オレのおっぱい、勝手に揉むな・・・」

 何故か、恋歌の声が小さくなっていく。ブラのカップが乳房から浮いたため、胸を揉まれるたびに乳首が刺激されてしまうのだ。

「恋歌ちゃん、生意気なこと言ってると、こうなるぜ?」

 ブラの隙間から、マスク・ド・タランチュラの両手が入り込む。そのまま乳房を直接揉みだした。

「やめろぉ、も、揉むなぁ・・・」

 拒む恋歌だったが、その声は甘い。

「お、もう乳首が硬くなってきた」

 マスク・ド・タランチュラの言う通り、恋歌の乳首はすぐに突起を生じさせていく。

「恋歌ちゃんは意外と感じやすいんだな」

 マスク・ド・タランチュラの言葉に、恋歌は唇を噛む。


 元々敏感な性質だった恋歌だったが、「ファイティングディーヴァ」での闘いのときにセクハラを長時間受けさせられ、一層感じやすくなってしまっていたのだ。


「そのほうが、こっちも楽しめていいんだよな」

「んんぅっ!」

 マスク・ド・タランチュラから乳首を転がされ、恋歌は喘いでしまう。

「んー、でも、そろそろブラが邪魔だな」

「えっ・・・?」

 恋歌が気づく間もなく、マスク・ド・タランチュラがブラを掴み、上へとずらす。それをリーゼント男が更にずらし、一気に腕から抜く。




 男たちが協力し、ブラを脱がしてしまった。

「おっぱい丸出しになったな、恋歌ちゃん」

「うるさい、見るな!」

「もちろん、見るだけじゃ終わらないって」

 改めて、という感じで、マスク・ド・タランチュラがまた乳房を揉み始める。

「ほーら、乳首もコチョコチョ〜」

「あっ、んあっ、やめっ、んんんっ!」




 マスク・ド・タランチュラが乳首を擽るだけで、恋歌の声が甘くなる。

「やっぱり恋歌ちゃん、乳首が感じやすいよな」

 恋歌の乳房を揉み、乳首を転がしながら、マスク・ド・タランチュラが舌舐めずりする。

「なんだ恋歌、お前、乳首が良いのかよ」

 スキンヘッドの男も復活し、恋歌を押さえる。

(くそっ、コイツまで・・・!)

 速攻で倒していく恋歌の狙いは、既に破綻した。男たちは全員が復帰し、恋歌を抑え込んでいる。しかも蜘蛛のマスクの男は、恋歌の胸を良いように玩具にしている。

「気持ち良さそうだな、不動選手」

「だ、誰が・・・んんううぅっ!」

 レフェリーの言葉を否定しようとした恋歌だったが、マスク・ド・タランチュラに乳首を弄られ、喘いでしまう。

「充分感じているじゃないか」

 鼻で笑ったレフェリーが、更なる羞恥へと恋歌を追い込んでくる。

「ボディチェックを受けなかったペナルティとして、今からパンツを没収する」

「じょ、冗談だろ!?」

 レフェリーの宣言に、恋歌は驚く。しかし、<地下闘艶場>なら、このレフェリーならやりかねない。

「冗談の筈がないだろう? これはペナルティだからな」

 恋歌の大人っぽいパンティを掴んだレフェリーが、そのままずり下ろしていく。

「やめろ! 洒落にならないぞ!」

「ギブアップをするなら、止めてやってもいいぞ」

 脱がしかけの状態で直接秘裂を撫でながら、レフェリーがにやつく。

(こんな奴に、負けを認めたくなんかない!)

「ファイティングディーヴァ」では、パンティを脱がされそうになったところでギブアップしてしまった。しかし、そのときの屈辱が恋歌を踏み止まらせる。

「そんな目がまだできるのか。なら・・・」

 再びレフェリーがパンティを掴む。

「や、やめろ、脱がすな!」

 必死に抵抗しようとする恋歌だったが、男四人、否、レフェリーを入れれば五人もの男が押さえ込んでいるのだ。身動きすら厳しかった。

「これで不動選手のオールヌード、完成だ!」

 遂に、ダークパープルのパンティが脱がされた。恋歌に残されたのは僅かにオープンフィンガーグローブと、紺色の靴下、ローファーのみだ。

(ああ・・・オレ、とうとう全裸にされてしまった・・・!)

 恋歌は頬を染め、目を閉じ、顔を背ける。それでも、男たちの視線が自分の裸体に突き刺さってくることがわかってしまう。

「恋歌ちゃんが折角オールヌードになったんだ。あれ、やっちゃうか!」

 マスク・ド・タランチュラの宣言に、会場が怒号のような歓声に揺れる。

(な、なんだ。コイツ、なにをするつもりだ!)

 会場の盛り上がりに、悪い予感しかしない。

「さーって、と」

 マスク・ド・タランチュラは恋歌の上半身を起こし、自分は恋歌の後ろで座る。

「それじゃ、お前らは見とけな」

「うっす、蜘蛛兄さん!」

 マスク・ド・タランチュラに男たちが一礼する。

「それじゃ味わってもらおうか。これが、俺のフェイバリットホールドだ!」

 マスク・ド・タランチュラのアピールに、観客席が沸く。

 マスク・ド・タランチュラは恋歌の両腕を纏めて左腕で抱え、両足を太ももの間に入れる。

(まさか、このまま・・・!)

 マスク・ド・タランチュラの狙いに気づいた恋歌は、必死に太ももに力を入れる。

「恋歌ちゃん、諦めなって」

「ひうぅっ!」

 マスク・ド・タランチュラに左乳首を弄られ、力が抜けてしまう。その隙に、恋歌の両脚が開かれていく。

「これで、完成だ!」

 とうとうマスク・ド・タランチュラのフェイバリットホールド・<タランチュラホールド>が極まった。

「あ、うあぁ・・・」

 両手は拘束され、両脚は開かれ、乳房も秘部も隠せていない。恋歌は両目をぎゅっと瞑り、顔を背ける。

「サービス満点の格好だな、不動選手」

 恋歌の前に座り込んだレフェリーが、その肢体をじっくりと眺める。

「見るな・・・見るなよ・・・」

 恋歌は頬を染め、弱々しく首を振る。

「それなら不動選手、ギブアップか?」

 レフェリーがギブアップの確認をしながら、恋歌の身体を弄り回す。

「誰が・・・お前らなんかに・・・んううっ!」

「なんだ、声が気持ち良さそうだぞ? 淫乱だな、不動選手は」

 まともに闘えば片手でも勝てるレフェリーから、乳房を揉まれ、乳首を転がされ、淫核を剥かれ、秘裂を弄られている。

「お前ら、不動選手はギブアップしないそうだ。たっぷり気持ち良くしてやってくれ」

「おう!」

「任せてくれ」

「へへっ、楽しみだぜ」

 恋歌に喧嘩で負かされた男たちが、欲望を露わにする。

「お前ら、言っとくけどな、俺の〇〇〇には触るなよ。これはフリじゃないからな!」

 注意するマスク・ド・タランチュラだったが、もう男たちは聞いていない。

「恋歌ちゃん、お耳はどうかな?」

「こっちのおっぱいはもらった」

「それじゃ、こっちは俺が」

「アソコは、レフェリーの俺が」

「恋歌、お前の脚もたまんねぇな」

「うあぁぁぁぁぁっ!」

 耳を舐められ、乳房を揉まれ、乳首を摘ままれ、淫核を転がされ、秘裂を弄られ、太ももを撫でられ、恋歌の快楽係数が急上昇していく。

(ああっ、このままじゃ、オレ、オレ・・・変に、なってしまう・・・!)

 快感が身体を、脳を一杯にしていく。そして。

「うあああああああぁぁぁぁぁぁ・・・・っ!」

 男たちに裸体を好き勝手に遊ばれながら、恋歌は絶頂へと達していた。あまりにも強烈な絶頂に、恋歌は意識を手放していた。

「ん? 気絶したか」

 がくりと首を折った恋歌の様子に、レフェリーが合図を送る。


<カンカンカン!>


 恋歌の失神により、ゴングが鳴らされた。

「おっと、終わったか」

 マスク・ド・タランチュラが<タランチュラホールド>を解き、恋歌を放して立ち上がる。

「・・・っ!」

 そのとき、恋歌が覚醒した。上半身を起こし、自分が全裸であることに気づいて身体を庇う。

「おや、早い目覚めだな」

 ゴングを要請したレフェリーが軽く驚く。

「だが、試合終了だ。残念だったな、不動選手」

 レフェリーは男たちを下がらせ、恋歌に告げる。

「卑怯な手段を使いやがって・・・一対一なら負けなかった!」

「ほう・・・それなら、改めて一対一で闘うか?」

「ああ、本当に一対一ならな!」

 裸体を庇いながら、恋歌はレフェリーを睨みつける。恋歌の闘志はまだ消えていなかった。

「そうだなぁ。やっても良いんだが、条件がある」

「条件?」

 レフェリーの言葉に、恋歌は身体を庇ったまま眉を顰める。

「ああ、そうだ。お客様にお願いをしてもらおう。それでお客様が満足すれば、一対一の再試合を認めようじゃないか」

「・・・わかった」

 ゆっくりと立ち上がった恋歌は、胸元と股間を隠したまま、観客席に向かって叫ぶ。

「オレに再試合をさせてくれ!」

 しかし、返ってきたのはブーイングだった。

「おいおい不動選手、ここは<地下闘艶場>だぞ? お願いの仕方が違うな」

「・・・どうしろって言うんだ」

 恋歌の疑問に、レフェリーが厭らしい笑みを浮かべる。

「簡単なことだよ。お客様が望むポーズを取ってお願いするだけだ」

「ポ、ポーズ、って・・・」

「そうだな。両手でおっぱいを下から支える、とかはどうだ?」

「なんだって!?」

 そんなグラビアポーズのようなことはしたくない。それに、今は全裸なのだ。あちこち見えてしまう。

「嫌なら良いんだぞ、不動選手。再試合をしたい、と言ったのは不動選手だからな。できないのならさっさと逃げ帰ってくれ」

「誰が逃げるか!」

 レフェリーに煽られ、恋歌は思わず怒鳴ってしまう。

「なら、どうするんだ?」

 レフェリーのにやけ顔に、唇を噛む。

「・・・」

 恋歌は黙ったまま、両手でFカップの乳房を下から持ち上げる。途端に会場から野次や指笛が飛ばされる。

「こ、これで良いよな?」

 恋歌は乳房から手を放して身体を隠しながら、レフェリーに訊ねる。

「おいおい、たった一回のポーズで再試合などできるわけないだろう?」

 しかし、レフェリーは受け入れない。

「そうだなぁ、次はおっぱいを寄せながら、両腕で持ち上げたらどうだ?」

「・・・チッ」

 舌打ちしながらも、恋歌は両腕を乳房の下で交差させ、支える。これによってFカップの乳房が寄せられ、更に谷間が深くなる。




「こ、これなら・・・」

「やっぱり、あまり代わり映えしないな」

「お前がやらせたんだろ!」

「俺はやったらどうだ、と提案しただけだ」

 恋歌の指摘にも、レフェリーは肩を竦めるだけだ。

「なら、両手を頭の後ろで組んで、胸を逸らすんだ。グラビアで良く見るポーズだから、喜んでもらえるんじゃないか?」

 レフェリーが断言はせず、恋歌に恥ずかしいポーズを強いる。

「くっ・・・」

 一度唇を噛んだ恋歌だったが、レフェリーに言われた通り、両手を頭の後ろで組み、豊かな胸を逸らせる。それだけでFカップの乳房が揺れ、観客席から視線が突き刺さる。

 しかし、それでもまだブーイングが飛んでくる。

(こ、ここまで見せたんだぞ!?)

 反射的に身体を庇った恋歌は、信じられない思いで観客席を見つめる。

「まだお客様は満足してくれないようだな」

 その背に、腹立たしいレフェリーの声が投げられる。

「こ、これ以上どうしろって言うんだよ!」

「そうだな・・・M字開脚なら、お客様も満足してくれるんじゃないか?」

 レフェリーの恥ずかしい提案だったが、当の恋歌は頭の上にはてなマークを浮かべていた。

「なんだよそれ」

「なんだ、M字開脚を知らないのか?」

 意外な返答だったのか、レフェリーが頭を掻く。

「恋歌ちゃん、こうするんだよ」

 何故かマスク・ド・タランチュラがヤンキー座りとなり、その姿勢で背を逸らせようとする。しかしバランスを崩し、後ろに倒れ込んでしまう。

「・・・お前は何がしたいんだ」

「いやー、恋歌ちゃんにお手本を見せようとしたんだけどな。失敗失敗」

 照れ隠しに顎を擦りながら、マスク・ド・タランチュラが座り直す。

「お前のM字開脚を見て誰が喜ぶんだ」

 呆れたレフェリーが、恋歌に向き直る。

「要するに、自分の両脚を使ってアルファベットの『M』を作るんだ。簡単だろう?」

「そ、そんなことをしたら見えちゃうだろ!」

 頬を染めて怒鳴る恋歌だったが、レフェリーは肩を竦めるだけだ。

「嫌なら良いんだ、そのまま退場してくれ。恥ずかしい敗北を喫したまま、な」

 レフェリーの挑発に、恋歌は唇を震わせる。

「そっちが卑怯な手段を取らなけりゃ、オレが勝ってた!」

「なら、一対一で証明すれば良いだろう?」

 何を言っても、今は負け惜しみにしかならない。敗北の屈辱を受け入れることができない恋歌は、ゆっくりと腰を下ろす。

「お、やる気になったか?」

「うるさい・・・」

 恋歌の声は小さい。大きく息を吸い、息を止めたまま、自暴自棄で大きく膝を開く。


(ぉぉぉぉぉ・・・っ)


 その途端、会場がどよめいた。肝心な箇所には何も身に着けていない美少女が、自ら大股開きとなって秘部を露わにしたのだ。忽ち観客たちが野次を、視線を、指笛を飛ばす。

(くそぉ・・・オレのアソコが・・・見られてる・・・!)

 先程の<タランチュラ・ホールド>は、無理やり脚を広げられた。しかし、今は自分自身で股を開き、乙女の大事な部分を見せているのだ。

 恋歌は羞恥のあまり顔を逸らし、目を閉じているが、欲望の視線がわかる。乳房を、乳首を、秘部を舐め回すように見つめられていることを。

 しかし、目を閉じていたため、背後からの手に気づかなかった。

「恋歌ちゃん、もうちょっとサービスしとこうぜ!」

「えっ? お前、なにして・・・ひああぁん!」

 いきなり、マスク・ド・タランチュラが背後から抱きすくめてきたのだ。しかも右乳房、右乳首、秘裂を弄られてしまう。

「やめろぉ、触るな・・・ああぁん!」

「そう言う割には声が甘いよな、恋歌ちゃんは」

 右胸を揉まれ、右乳首を摘み上げられ、秘裂を撫で回され、先程までに溜められた快感が膨らんでいく。

「ほらほら、またアソコが濡れてきたぜ? 乳首も硬くなってるしな」

 マスク・ド・タランチュラは恋歌の左耳を舐めながら、右乳首を転がす。

「あぁ、違う、ちがう・・・うぅぅうっ!」

 否定の言葉も虚しく、恋歌の頬は赤みを増し、全身には汗が滲み、乳首は一層硬く立ち上がり、秘裂からは更に愛液が零れ落ちていく。

「我慢するなよ恋歌ちゃん。そら、イッちまえ!」

「うぁっ、あぁっ、うあわぁぁぁああぁぁぁぁ・・・っ!」

 恋歌は大股開きの体勢のまま、衆人環視の中でまたも絶頂へと至っていた。

「おー、いいイキッぷりだったな、恋歌ちゃん」

 最後に恋歌の両胸を弾ませてから、マスク・ド・タランチュラが恋歌から離れる。達したばかりの恋歌は、荒い呼吸を繰り返すだけだ。

「これくらいサービスしてくれたら、再試合もいいよな?」

「お前が勝手に不動選手を責めたんだろうが。だがまあ、お客さんも大喜びだ」

 恋歌が恥じらいながらポージングをしたこと、その最中に厭らしく責められて達したことで、観客席も大きく沸いている。

「それじゃ、俺は今回これで」

 マスク・ド・タランチュラが右手をピッ、と上げ、リングを降りようとする。

「珍しいな。お前だったら『俺が一対一で相手をするぜ』とか言うと思ったんだが」

「ふっふっふ、今日は本職のお姉さんの出張予約を入れているからな。良い具合にハッスルできそうだぜ!」

 マスク・ド・タランチュラは意味ありげに腰を振り、鼻の下を伸ばす。

「恋歌ちゃん、また遊ぼうな!」

 マスク・ド・タランチュラは去り際に恋歌の右乳房を一揉みし、上機嫌で花道を下がっていく。

「あいつ・・・!」

 去り際にまでセクハラをしていったマスク・ド・タランチュラの背を、恋歌は睨みつける。

「さあ、始めるぞ、不動選手」

 レフェリーが恋歌を急かす。

「ふ、服をくれよ」

「何を言っているんだ、そのままで闘ってもらう」

「ふざけるな!」

「ええいうるさい、ゴング!」


<カーン!>


 恋歌の求めも空しく、全裸のまま艶長戦のゴングが鳴らされた。しかも先程までひたすらセクハラを受け、絶頂までさせられため、余計な体力を消耗している状態でだ。

「へへっ、恋歌、今度は俺一人でたっぷりと楽しませてもらうぜ」

 三人の内、素肌に革ジャンを着た男が恋歌と向かい合う。今までの喧嘩の相手の中で、一番苦戦した男だった。

(いや、前は勝ってるんだ。今度もぶっ倒してやる!)

 そう心の中で誓うものの、恋歌は胸元と股間を隠し、頬を赤く染めている。

「そんなへっぴり腰で闘えるのかよ」

「う、うるさい!」

 そう反射的に返してしまったが、両手を離すことができない。

「それならそれでいいぜ、このまま闘うだけだ」

 男はボクシングのオーソドックススタイルに構え、ステップを踏む。対する恋歌は、身体を庇っているため構えることができない。

「シッ!」

「くぅっ!」

 男の左ジャブを躱す。その分、胸元を庇っていた左腕が僅かにずれた。その隙に、男がガードの隙間から左乳首を突く。

「んうぅっ!」

 たったそれだけで、恋歌の膝が震える。

「へへっ、こっちのほうがお前も嬉しいだろ?」

「ふ、ふざけるな!」

 怒りが羞恥を忘れさせた。全裸にも関わらず、恋歌は構えを取る。

「おっぱいとアソコが丸見えになったな」

「っ!」

 しかし、男の指摘に慌てて隠す。それが隙となった。

「ちっとおとなしくしとけや!」

 男の拳が、恋歌の鳩尾を抉る。

「おぐうぅっ!」

 あまりの痛みに、恋歌は前のめりに倒れてしまう。

「へへへ、これから、お楽しみの時間だぜ」

 男は呻く恋歌を、後頭部と肩がリングにつく逆さ押さえ込みの体勢にする。自分は恋歌の背中を抱えるように座り込むと、恋歌の両肩の上に足を乗せ、恋歌の太ももを開かせ、ヒップを揉みだす。

「お前のアソコがよーく見えるぜ。綺麗な色してるじゃねぇか」

 逆さ押さえ込みの体勢で、男はじっくりと恋歌の秘部を見つめる。

「み、見るな・・・見るなぁ・・・」

 まだ続く腹部の痛みに、恋歌は声を絞り出すくらいしかできない。

「見るだけで終わるかよ」

 男は舌に唾液をたっぷりと乗せ、恋歌の秘裂を舐め上げる。男は恋歌の秘裂を舐めながら、手を伸ばして恋歌のFカップもある乳房を揉む。

「へへっ、うめぇな、お前のアソコ。おっぱいも弾力がすげぇし、乳首もコリコリだぜ」

「オレの身体を、玩具にするな・・・あはぁぁん!」

「嫌なら逃げてみろよ。こんなことされたくなきゃな」

 男は恋歌の秘裂を広げ、奥までじっくりと覗き込む。

「み、見るなぁ!」

「へへへ、膜が見えるぜ、恋歌。お前の処女の証拠がな!」

 男は恋歌の嫌がる声にも興奮を感じるのか、何度も唇を舐める。

「ただ、こいつをぶっすり破っちまうと、俺が殺されちまうんでな」

 男は秘裂を左右に開いたまま、奥まで舐め上げる。

「うああっ!」

 羞恥なのか、快感なのか。恋歌はもう、自分が声を上げる理由がわからなくなっていった。


「うっ、あっ、あぁっ・・・!」

 もうどれだけ逆さ押さえ込みの体勢で嬲られているのか。男を跳ね除けるだけの力が残されていない恋歌は、辱めを受けるしかできない。

「そろそろ、次に行くか」

 男は逆さ押さえ込みを解き、恋歌を寝かせる。太ももを無理やり広げると、自分の腰を恋歌の秘部に密着させる。

「突っ込むのはダメだって言ってたけどよ、これはいいんだよな?」

「ああ、大丈夫だ」

 レフェリーの返答を聞いた男は恋歌の腰を掴むと、自分の硬くなったモノを恋歌の秘裂に擦りつける。

「うああっ! やめろ、やめろぉっ!」

 この疑似性交に、恋歌は喚く。しかし男を振り解く力は残されておらず、屈辱の行為を耐えるしかできない。

「くそっ、本番でヤッてやりてぇ!」

 革ジャン男が舌打ちしながらも、その腰を止めようとはしない。そして恋歌の腰から手を放すと、両方の乳房を鷲掴みにする。




(こんなことまで、されるなんて・・・!)

 乳房を揉まれ、乳首を転がされ、男のモノで秘裂を刺激される。屈辱に震える恋歌だったが、甘い刺激が生じているのも確かだった。

「んっ、あっ、はぁぁ・・・んんぅ・・・」

「なんだなんだ、声が熱っぽいぜ?」

 調子に乗った男は、腰を振りながら淫核を刺激する。

「ああっ! 駄目だそんなとこ、あっ、うああっ!」

「ここが気に入ったのか? なら、そらそら」

「やめっ、んあっ、うぁっ、んんぅあぁっ!」

 またも快感が恋歌の身体の中で膨らんでいく。

 そして。

「うわああああぁぁぁぁぁぁぁぁっ・・・!」

 またも達した恋歌は、意識を失っていた。

「おいおい、起きろよ恋歌」

 男は恋歌の淫核と秘裂を弄り、刺激を与える。

「んああっ!」

 敏感な箇所への責めに、恋歌は意識を取り戻す。

「気持ち良すぎて寝ちまうなんてなぁ。ここまで乱れるとは思わなかったぜ」

 男は恋歌の秘部から愛液を掬い、恋歌に見せつける。

(こんな・・・オレは、違う、気持ち良くなんか・・・させられてないんだ!)

 あまりの羞恥と屈辱に、恋歌は混乱状態に陥っていた。革ジャンの男を蹴り放し、その反動でリング下へと転がり落ちる。

(なにかの間違いなんだ、ここまで恥ずかしいことされたなんて・・・あるわけないんだ)

 恋歌は現状を受け入れられないまま、リングを後にしようとする。

 しかし。

「おいおい、どこに行くんだよ」

「まだ試合は終わってないぜ?」

 リング下へと降りた恋歌を、スキンヘッドの男とリーゼントの男が捕まえる。しかも早速とばかりに両乳房を揉み、未だ硬い乳首を弄りだす。

「あはぁん!」

 元々敏感だった恋歌の乳首は、「ファイティングディーヴァ」での責めで、そして<地下闘艶場>での長時間のセクハラに、更に感じやすくなってしまっていた。

「乳首だけでこんなに声出すなんてなぁ」

「どんだけ欲求不満なんだ?」

 二人の男は勝手なことを言いながら、恋歌の乳首を摘まみ、転がし、つつき、弾く。そのたびに、恋歌の唇からは甘い喘ぎが零れてしまう。

「今度は乳首を舐め回してやるぜ」

「なら、左右一緒に舐めてやるか」

 男二人が頷き、恋歌の乳首へと顔を寄せる。

「この・・・エロ男共!」

 恋歌は力を振り絞り、二人の頭を思い切りぶつける。

「ぐあっ!」

「あがっ!」

 油断していたところに強烈な衝撃を受け、スキンヘッドとリーゼント頭は倒れ込んでしまう。

「う・・・うぅ・・・」

 恋歌はよろめきながらも、花道へと歩を進める。無意識に鉄柵へと手をやったとき、その手首を掴まれた。

「えっ・・・あっ!」

 そのまま、耐える間もなく観客席へと引きずり込まれた。

「まさかこっちに来るとはな」

「役得役得」

 観客たちは口々に勝手なことを言いながら、仰向けの恋歌の肢体を弄(まさぐ)る。

 ピンク髪のツインテールは解かれ、唇を摘ままれ、Fカップの両乳房を揉まれ、立ち上がったままの両乳首を転がされ、引き締まった腹部を触られ、丸みを帯びたヒップを叩かれ、愛液に濡れた秘部を弄られ、淫核を押され、太ももを撫で回される。

 恋歌のあらゆる箇所が観客の玩具とされ、不快感とそれを上回る快感を与えられてしまう。

(あぁ、わからない、なにが、なんだか・・・っ)

 ようやく男たちの手から逃れたと言うのに、今度は観客に捕まってしまった。輝くような裸体は、刺激を与えられるたび勝手に反応し、嬌声を、汗を、愛液を迸らせる。

 普段ならば簡単に振り解けると言うのに、長時間の試合、酷いセクハラ、何度もの絶頂によって、恋歌の体力は限界だった。

 しかも更なるセクハラによって、残り少ない体力までもが削られていく。把握できないほどの幾層の刺激が、不協和音となって恋歌を追い込む。

「あっ、うくっ、くあぁっ・・・!」

 乳首も、淫核も、秘裂も、敏感な箇所は同時に責められている。数え切れぬほどの手が、指が、恋歌の肢体を這いずり回る。

 そして、また。

「うあっ、あうぁっ、ああああぁぁぁぁぁ・・・っ!」

 恋歌は、盛大に絶頂へと達した。

「イッたなぁ、恋歌ちゃん」

「感じやすいっていうのは本当だな」

 観客たちは口々に感想を述べながらも、恋歌の身体の感触を味わい続けた。


 どれほどの時間が経っただろうか。黒服が観客たちを静かに威圧し、恋歌への責めを止めさせる。

 恋歌の全身は汗でしとどに濡れ、ツインテールは解かれたままでロングヘアーとなり、乳首は硬く尖ったまま、淫核は包皮から顔を覗かせ、秘裂からは今も愛液が零れている。

 二人の黒服が恋歌を観客席から軽々と引き上げ、一人がヒップを叩く。

「あいいぃっ!」

 盛大な音がしたと同時に、意識を失っていた恋歌が覚醒する。それを確認した黒服たちは、恋歌をリングに転がし入れた。

「ようやく戻ってきたかよ」

 恋歌の嬲られる姿を楽しんでいた革ジャン男が、恋歌をリングの中央まで引きずる。

「今度は『負けてない』なんか言わせねぇからな」

 革ジャン男は恋歌に馬乗りになり、両乳房を揉みながらレフェリーを見遣る。

「フォールしたぜ、レフェリー」

(このままじゃ・・・負けて、しまう・・・!)

 焦る恋歌だったが、消耗した体力では成す術もなく、身動きすら厳しい。

「よし、ワン、ツー、スリー!」


<カンカンカン!>


 レフェリーがスリーカウントを取り、またも恋歌の敗北が決まる。

「どうだ恋歌、タイマンで負けた気分はよ」

 革ジャンの男は恋歌の乳首を弄りながら、恋歌を嘲笑う。

「うっ、あっ、あはぁ・・・」

 恋歌は身体を震わせるだけで、反論もできない。

「言い返しもしないのかよ」

 男は何かを思いついたのか、唇を歪ませる。

「もう試合も終わったんだし、折角だ、お前らもまざれよ」

 革ジャンの男は、リング下で恋歌の裸体を視姦していた仲間を呼び込む。

「へへ、まだまだ遊び足りないからな。さっきのお返しもしないといけねぇしな」

「恋歌ぁ、お前も嬉しいだろ?」

 スキンヘッドとリーゼント頭が、欲望に目を光らせながらリングに戻ってくる。

「ああ・・・やめろ・・・やめろぉ・・・」

 これから始まる淫らな宴に、恋歌は呻くしかできなかった。


「あっ、ふあっ、ああぁっ・・・!」

 リングの上に、恋歌の嬌声が響く。全裸の恋歌を、男たちが嬲り続けている。

 スキンヘッドの男が、恋歌の左乳房を揉み、左乳首を舐め回す。

 リーゼントの男が、恋歌の右乳房を鷲掴みにし、右乳首を転がす。

 素肌に革ジャンの男が、恋歌の秘裂を弄り、淫核に振動を送る。

 恋歌は敏感な箇所も、そうでない箇所も、撫でられ、揉まれ、つつかれ、弄られ、舐められる。そのたびに快感が押し寄せ、腰が震え、愛液が生じる。

 恋歌が何を言おうとも、男たちは責めを止めようとはしない。逆に、責めが一層激しくなるほどだ。

 リングの上で、勝気な美少女が全裸で嬲られる。恋歌が何度失神しても、男たちは宴を終わらせようとはしなかった。






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