【特別試合 其の八十二 碧涙英華:合気道】   紹介者:とあるファン様


 犠牲者の名は「碧涙(へきるい)英華(えいか)」。17歳。身長159cm、B85(Dカップ)・W56・H87。

リゾート開発と運営を主とする大企業の社長令嬢。墨を流したような黒髪と健康的な肌色、そして黒目の大きな瞳は見るものの光を吸い込むような深みを持ちつつ、抑えきれない好奇心に煌めくようでもある。小柄で細身ながら股下82cmのスタイルで、自身の提案で初めて水着でPRモデルを務めた際は大反響があった。そこからモデル業も始めている。

 性格は好奇心旺盛、だが天真爛漫なようで意外とドライ。腹黒さは感じさせないまま、自身の優先順位を譲らない頑固さを持つ。危険ながらも大きな謎を秘めた、まるで深海のような奇妙な魅力があり、人の上に君臨できる器として現社長の母と周囲からも期待されている。


 発端は、母の会社が企画した地方のリゾート開発計画だった。

 上層部の意向を無視した古参の役員が、計画を強引に進めようとして、地元の反対運動を引き起こした。その上、このメタボ気味の中年役員は現地の電車内で痴漢を働き、警察に逮捕されるという不祥事をも起こした。当然会社はすぐに解雇したものの、重要な計画は中止の可能性が濃厚になった。

 母の苦心を知る英華のもとに、謎の団体から連絡があった。裏の格闘試合で勝利すれば、計画の成功に協力すると言う。

 母に助力するため、そして好奇心に惹かれ、英華は参戦を決めた。用意された舞台が、淫猥なものだと知ることもないままに。


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「ここまで熱気が届いてきますね。なんだか、邪なものが多い気がしますけど」

<地下闘艶場>控室。ガウン姿の英華は長い黒髪をツインテールにし、ゆっくりと身体を解しながら、そのときを待つ。

「それでは、入場をお願いします」

「はい、承知しました」

 女性黒服の呼び出しに、英華は控室を出た。


「ふわぁ〜、やっぱり邪な方々ばかりですね」

 花道を進む英華には、卑猥な野次、指笛、無遠慮な厭らしい視線など、性的な欲望がぶつけられる。しかし、英華はそれを上回るような興奮を感じていた。持ち前の好奇心が、新しい刺激に疼いているのだ。

「あれあれ? 人数が多くありませんか?」

 リングの上には、かなりの人数が居る。小首を傾げながらも、英華はリングへと足を踏み入れた。


 リングの上で、男性選手二人と女性選手二人が向かい合う。その間に居るのは、いつものレフェリーではない。

 特別レフェリーは、過去に参戦経験もある女性だった。


「未作良(みさくら)美咲(みさき)」。26歳。身長172cm。B93(Gカップ)・W66・H92。

 肩より少し下まで伸ばした黒のセミロングに、大人の女性らしい柔らかさを感じさせる容貌と性格の持ち主。ルージュが映える形のよい唇で浮かべる微笑が色っぽい元プロレスラー。現在は現役を引退し、プロレス団体の経営に関わる立場だ。

<地下闘艶場>に二度参戦させられ、従妹の「未作良(みさくら)悟良(さとら)」共々、徹底的に嬲られた経験を持つ。


 美咲の服装はレフェリーっぽいが、縦縞のシャツはサイズが合っておらず、Gカップの膨らみが強調され、ブラの線が浮き上がってしまっている。下は黒のミニスカートで、美咲の鍛え上げられながらも柔らかな脚線美が露わとなっている。こちらもぴっちりとしたサイズのため、下着のラインがわかる。

 美咲に飛ばされる野次にも表面上は何も反応せず、美咲はじっと立っていた。


「今日はタッグマッチなんですね。初めて知りました。それに、男性が対戦相手だなんて」

 英華の独り言に、タッグパートナーとなる女性が声を掛ける。

「そうなのよ、ここはとんでもな・・・」

「とっても楽しみです!」

 注意を促そうとした女性だったが、英華のずれた反応に固まる。

「・・・あのね、もっと気をつけないと・・・」

「申し遅れました、碧涙英華と言います。今日は宜しくお願いしますね♪」

「え、ええ、宜しく。私は守台灯よ」


 もう一人の犠牲者の名は「守台(もりだい)灯(あかり)」。23歳。身長160cm、B92(Gカップ)・W62・H92。

 出るところはしっかり出ていながら、無駄な筋肉のない人魚のような締まった体を持ち、肩までの天然パーマの黒髪を首の後ろで束ねて垂らしている。海辺の町で生まれ育ち、泳ぐことは勿論マリンスポーツ全般が好きで、短大卒業後地元のプールでスイミングスクールのインストラクターを勤めている。

 担当する小中学生クラスの生徒たちに負けないぐらいの元気さで、勢いで失敗することも多いが、逆に周囲からは明るく面倒見のいいお姉さんとして信頼されている。

 キックボクシングを高校時代に友人に進められて始めたものの、体全体を思い切り動かすことが楽しく周囲や本人自身もが驚くほどのめりこんでいる。

 一度<地下闘艶場>に参戦した経験があり、今回で二度目の参戦となる。


「・・・じゃなくって、ここの試合は酷いから、しっかり注意しておかないと駄目なのよ」

「はい、しっかりと楽しみます!」

 噛み合わない会話に、灯が目元を覆う。

「私は、今日の試合勝たなきゃいけないの。だから・・・」

「貴女も目的があるんですね! 一緒に頑張りましょうね♪」

 英華は灯の両手を掴み、ぶんぶんと振る。

「・・・ええ、頑張りましょう」

 何かを諦めた灯は、冴えない表情で頷いた。


「この試合の特別レフェリーをご紹介します。未作良美咲レフェリーに大きな拍手を!」

 黒服のマイクに、美咲は一礼する。美咲に投げられたのは拍手だけではなかった。

 続いて選手名がコールされる。

「赤コーナー、『フライングモンキー』、猿冠者! & 『チャラ系レスラー』、午上ツィグ!」

 猿冠者(さるかじゃ)は顔に猿を思わせる白と赤のメイクをし、侍を思わせる薄水色の裃と白足袋を身に着けている。仮面を着けているように無表情だが、目だけがぎょろぎょろと動いている。

 午上(うまがみ)ツィグは茶髪に染めた髪にふわりとブローをかけ、目元だけを覆うマスクにフラメンコダンサーに似た衣装を身に着けている。

「青コーナー、『パワフルマーメイド』、守台灯! & 『沈黙の人魚姫』、碧涙英華!」

 名前をコールされた英華と灯は、同時にガウンを脱ぐ。その下からは、お揃いの衣装が現れた。

 両手には白手袋に似せたオープンフィンガーグローブが装着されている。

 衣装は白いレオタードを基調とし、セーラー服の襟と半袖、ミニスカートの装飾がついている。ただ、レオタードの胸元にはV字のカットが入れられており、二人の豊かな胸の谷間がはっきりとわかる。また、レオタードのために下着のラインがくっきりと浮かび上がっている。

 ミニスカートの色は英華が紫色で、灯は黄色だ。

 英華はスカートの裾を摘んで一礼し、可愛く一回転する。

「こんな短いスカート初めてです♪」

「うーん・・・」

 英華の無邪気な行動に、灯は改めて不安になった。


 英華と灯が会話している間、美咲は猿冠者と午上にボディチェックを行っていた。

 まずは猿冠者のボディチェックを行っていくが、背後に回り込んだ午上が、美咲の両胸を揉んでくる。

「・・・レフェリーに触らないで」

「お互いにボディチェックするからいいんで〜す」

 午上は軽く受け流し、美咲の両胸を揉む。

 美咲は取り合っても無駄だと考え、セクハラされながらも猿冠者のボディチェックを行っていく。しかし猿冠者は僅かに体をずらすことで、簡単にはボディチェックを受けようとしない。そのためボディチェックに時間がかかり、美咲がセクハラを受ける時間も長くなってしまう。

「・・・次は、貴方の番よ」

「おっとぉ、僕ちんの番ですか。了解で〜す」

 ようやく美咲のバストから手を放した午上が、美咲にウインクする。それを黙殺した美咲は、午上へのボディチェックを開始する。

 すると猿冠者が、背後からミニスカートを捲り上げた。

「っ!」

「おっ、美咲レフェリーは黒のスケスケ下着! う〜ん、アダルティ〜」

 午上の揶揄にも、美咲は少し頬を染めただけで無視する。こんなセクシー下着を好き好んで穿いていない。この下着は勿論<地下闘艶場>が用意したものだ。

 美咲はミニスカートを戻すが、またも猿冠者がずり上げる。美咲は諦めて午上へのボディチェックを再開するが、猿冠者はいきなり秘部を撫で始めた。

 ぴくり、と身体を震わせる美咲だったが、それでも意志の力で抑え込み、午上へのボディチェックを終えた。

 ようやく男性選手のボディチェックを完了した美咲はミニスカートを戻しながら、英華と灯のボディチェックに移る。

「あの・・・」

「大丈夫ですから。ボディチェックを行います」

 何かを言いかけた灯に頷いて見せ、美咲は女性選手へのボディチェックを始める。

「・・・なるべくセクハラをさせないようにするから。でも、気をつけてね」

 正式なボディチェックを行いながら、美咲が囁く。

「ありがとうございます」

 灯も小声で返し、小さく頷く。

「さあ、英華さんも」

「はい、どうぞ♪」

 英華もボディチェックを受け、美咲はリング中央へと移動する。

「それでは、ゴング!」


<カーン!>


 ゴングが鳴らされ、それぞれ一人ずつがリングに残る。先発は、猿冠者と英華だった。

「宜しくお願いしますね、猿さん♪」

 英華はミニスカートの裾を摘み、猿冠者に一礼する。そのまま、ふわりと左に身を躱す。猿冠者が、予備動作もなしに飛び蹴りを放ったからだ。しかし、英華もその奇襲を躱して見せた。目の肥えた観客からは驚きの声が上がる。

 猿冠者の更なる蹴りが英華を襲うが、英華はすべて躱していく。と、猿冠者の両手が、英華のDカップバストを掴んでいた。

 なぜ、隙をつくるだけなのに触ってくるのか? そんな疑問を覚えながらも、英華は猿冠者の手首を極め、投げを打っていた。

「えっ」

 だと言うのに、猿冠者は自ら飛び、投げを無効化していた。しかも英華の腹部に爪先を叩き込んでくる。

「うぅっ」

 猿冠者の手首を放しながら後方へ飛んだものの、完全には躱しきれなかった。

「代わるわ、英華ちゃん!」

「そうですね、頼みます、灯さん」

 猿冠者と英華では相性が悪いと見て、灯がリングに入る。すると、猿冠者も下がり、午上と入れ替わる。

「灯ちゃん、よろしくで〜す!」

「口数の多い男は嫌いよ!」

 灯のハイキックが、午上の頭部を捉えた、ように見えた。しかし寸前で午上が首を傾け、躱していた。

「灯ちゃんのボインタッチ!」

 しかも、ハイキックの隙に灯の右胸を一揉みして見せる。

「この!」

 左フックを放つ灯だったが、今度は左胸を揉まれてしまう。

 それならば、と接近し、至近距離での膝蹴りを放つ。

「あっぶない! 灯ちゃん、やる〜」

 後方へと飛び下がった午上が親指と人差し指を立て、灯を撃つ真似をする。

「冠者っち、後はよろしくぅ!」

 いつの間にか、猿冠者が灯の背後に立っていた。

「っ!」

 灯は振り向きざまに右ハイキックを放つ。

 しかし、ハイキックは空を切る。猿冠者がリングに腹這いになるほど低い姿勢となったのだ。そのまま猿冠者が灯の軸足を払い、宙に浮かせる。

「しまっ・・・あぐっ!」

 猿冠者の手刀が灯の鳩尾にめり込んだ。その痛みと衝撃に、灯は鳩尾を押さえて呻く。

 猿冠者は灯を自軍のコーナーまで引きずると、灯の手首をロープに挟んでいく。手首だけでは終わらず、足首までもロープに挟む。

「ううっ・・・」

 灯はロープに四肢を拘束され、身動きできなくされてしまう。

「この状態はロープブレイクになります。離れて」

 美咲はレフェリーとして当然の判定を下すが、猿冠者は何の反応もせず、灯の両胸を揉み始める。

「セクハラは止めなさい! この試合は・・・」

「おっとっと、美咲レフェリー、ストップで〜す」

 美咲の背後から、午上が抱きつく。そのままGカップの胸を揉みだす。

「可愛い従妹が困ったことになりますよ〜? お客さんのお楽しみタイム、邪魔しちゃノンノノン!」

「っ・・・」

 午上の囁きに、美咲の動きが止まる。

「それじゃその分、軽めのお仕置きタ〜イム!」

 午上は美咲のTシャツを捲り上げる。小さめのサイズのため、胸元で引っかかるが、午上が無理やり捲り上げる。すると、ブラに包まれたGカップの両胸が大きく揺れる。両胸を覆うのは、こちらもレース部分が多い黒のアダルトブラだった。

 更に午上はミニスカートも捲り、下着を上下ともに露わとする。

「折角のエロ下着、お客さんに見てもらいまショウタイム!」

 午上は美咲の太ももを持ち上げながら広げ、股間が見えるようにする。

「ちょ、ちょっと!」

「隠しちゃダメですよ〜?」

 慌てて股間を隠そうとした美咲だったが、午上の制止の言葉に両手を垂らす。午上は美咲を大股開きの体勢で抱えたまま、四方の観客へと見せつけ始めた。


 午上が美咲を辱めている間、灯は猿冠者からセクハラを受けていた。Gカップバストを鷲掴みにされ、大きく揉み回される。しかも乳首の位置を刺激され続けている。

 やがて、両方の乳首が立ち上がった。灯も美咲程ではないにせよ、前回の試合で嬲られ、感度を上げられている。そのためかはわからないが、バストとヒップがサイズアップしている。

 未だに痛みから回復していない灯は、手足を動かせず、両胸を揉まれ、衣装とブラ越しとは言え、立ち上がった乳首を弄られていた。


 午上は美咲を抱え上げたまま、四方の観客に見えるようにリングの上を歩き回る。

「も、もういいでしょう? 下ろして」

「そ〜ですね〜、うぃ〜でしょう!」

 ようやく午上が美咲を下ろし、美咲は急いで乱れた服装を正す。

「美咲さん、ちょっと宜しいですか?」

「・・・なんでしょうか?」

 それまで黙って成り行きを見ていた英華にいきなり呼びかけられ、美咲は上気した顔のまま英華を見る。

「私も入って良いですよね?」

「・・・ああ、なるほど。ええ、いいわ」

 美咲の許可を得て、英華もリングに入る。

「美咲レフェリー、英華ちゃんも出ちゃって、うぃ〜んですか?」

「貴方たちが先に二人共リングに入りました。なので、このまま試合を続行します」

 英華の質問の意味に気づいた美咲は、午上の言葉を跳ね除ける。

「そ〜ゆ〜ことなら、冠者っち、二人で英華ちゃんを!」

 午上の呼びかけに、灯の右胸と秘部を責めていた猿冠者が、ゆらりと立ち上がる。

 午上と猿冠者が、英華を挟むように位置を変えていく。英華は挟まれないように動いていくが、コーナーへと追い込まれる。

 更に男たちが距離を詰めてくる。英華の足が一瞬、ぴくりと動く。しかし次の瞬間、両手首を掴まれていた。

 午上が右腕を、猿冠者が左腕を掴み、同時に両胸を揉んでくる。ならばと、男二人を一度に投げようと考えた英華だったが、午上の言葉に躊躇してしまう。

「英華ちゃん、うぃ〜のかな? そのまま投げようとしたら、コスチュームが破れて、おっぱいが丸出しになっちゃうかもよ?」

 身体に触られるくらいなら、その隙を衝いて勝利に結びつければ良い。しかし、衆人環視のリングの上で肌を晒すのは、さすがに羞恥を覚えてしまう。

 英華が躊躇している間、午上と猿冠者は英華のDカップバストを揉んでいる。

 すると、いきなり午上が吹き飛んだ。それとほぼ同時に、猿冠者が英華のバストから手を放して飛び下がる。

「灯ちゃん、いきなり襲うのはノンノノン!」

「口数の多い男は嫌い、って言ったでしょ?」

 縛められていた手首と足首を振り、灯は改めてファイティングポーズを取る。美咲が隙を見て、灯をロープの縛めから解いたのだ。

「灯さん、こちらに」

 猿冠者が起き上がるのを見て、英華が灯を呼ぶ。

 リングの上で、二人の男性選手と女性選手が向かい合う。英華は猿冠者と、灯は午上と対峙する。

「灯ちゃん、改めてよろしくで〜す」

「口数の多い男は嫌い、って言ったわよ」

 灯本人としては猿冠者とやり合いたかったが、午上が逃がしてくれない。ならば、午上を速攻で倒すのみだ。

 とは言え、簡単なことではない。午上の実力は灯より上だ。

 ただ、付け入る隙はある。実力差がある故の午上の余裕だ。ならばそこを衝く。

 軽いジャブで牽制した灯は一気に距離を詰め、右ストレートを放つ。

「甘いよ灯ちゃん、おっぱいターッチ!」

 しかし午上はぎりぎりで躱し、またも灯の右胸を揉んでくる。そのとき灯は、灯の右胸を掴んだ午上の手を逆に捕らえる。

「あっ、やば・・・」

「フシッ!」

 そのまま無理やり引き寄せ、頭部を掴んで飛び膝蹴りをぶち込む。咄嗟にガードした午上だったが、ガードの上から脳を揺らされ、灯が手を放すとそのままリングに倒れ込む。

「英華ちゃん、あと一人よ!」

 セクハラで体力を奪われていた灯は、片膝をつき、大きく肩で息をする。呼吸を整えなければ、英華の助勢に行けそうもない。

 灯の檄を機としたかのように、猿冠者が反動も使わずに跳躍した。しかし予備動作もないその飛び蹴りを、英華は見事に躱していた。

 しかも猿冠者の着地際、その足を払う。さすがにバランスを崩した猿冠者に、英華はスカート部分を翻し、体重を乗せた右踵落としを叩き込んだ。

 リングに落ちた猿冠者が、蹴られた腹部を押さえて呻く。その上を、英華が舞った。

 英華の身体が背骨を軸とし、派手に回転しつつ落下する。

「はっ!」

 短い気合いと共に、英華の両踵が猿冠者の、更に午上の急所を捉えた。一瞬体を震わせた猿冠者と午上が、そのまま脱力した。

 男性選手二人が戦闘不能と見て、美咲が大きく両手を交差させる。


<カンカンカン!>


 英華と灯の勝利の鐘が鳴らされ、二人は手を取り合う。

「やったわね、英華ちゃん!」

「はい、私の活躍のおかげですね♪」

「あのね・・・」

「もちろん、灯さんのフォローありきですよ」

「嬉しくないんだけど」

「私は勝ったから嬉しいですよ?」

「いや、それは私も嬉しいんだけど・・・」

 二人の漫才のようなやり取りを、美咲は微笑ましく眺めている。

 そこに、新たな人影が現れた。

「いやー、いい試合だったじゃないか」

 拍手しながらリングに上がってきたのは、いつものレフェリーだった。この男の登場に、美咲と灯は表情を強張らせる。英華だけが涼しい表情のままだ。

「美咲レフェリーもご苦労だったな。肩が凝っただろう?」

 肩、と言いつつ、レフェリーは背後から美咲の両胸を掴む。

「別に凝っているところはないので、これで・・・」

「おいおい、人の行為を無にしていいのか? 困るのはそっちじゃないのか?」

 何故か強気のレフェリーに、美咲は黙ってセクハラを受け入れる。

「もう一度聞くぞ。肩が凝っているだろう?」

「・・・ええ」

 言葉少なに返す美咲に、レフェリーは大きく頷く。

「そうだよな。しっかりと揉みほぐしてやろう」

 レフェリーは背後から美咲の両胸を持ち上げ、そのまま揉みしだく。

「ああ、ここも凝っただろう」

 レフェリーは左手で美咲の左胸を揉みながら、右手をミニスカートの中へと入れる。

「っ!」

「なんだ、濡れているじゃないか」

 パンティの上から秘裂を撫でたレフェリーは、湿り気を指摘する。<地下闘艶場>で徹底的に嬲られてきた美咲は、少ない刺激でも反応するようになってしまっていた。

「まあ、気持ち良くなることはいいことだ」

 レフェリーが美咲の秘部に指で振動を送り込むと、美咲は腰を震わせてしまう。

「これで、身体の凝りも取れただろう」

 そう言いながら、レフェリーが美咲から離れる。美咲は、屈辱に拳を握り締める。

「もうレフェリーは終わったからな、戻っていいぞ」

「・・・」

「ただし」

 無言でリングを降りようとした美咲に、更なる追い打ちが掛けられる。

「レフェリー業務が終わったんだから、レフェリーの衣装を着たままなのはおかしいだろう? ここで脱いで行ってくれ」

「ちょっと、さすがにそれは・・・!」

「灯さん、いいの。ありがとう」

 レフェリーに文句を言いかけた灯を制し、美咲はシャツに手を掛ける。

 サイズが小さめの縦縞のシャツとミニスカートを苦労しながら脱ぎ、黒のアダルト下着姿となった美咲に、またもレフェリーが声を掛ける。

「ああ待て待て、ブラがずれているぞ」

 レフェリーは後ろからブラのホックを外し、カップの隙間から直接美咲の乳房を掴む。

「美咲選手のおっぱいは大きいから、位置を調整しないとな」

 レフェリーは美咲の両乳房を揉みながら、既に硬くなっている乳首を転がす。

「んっ、んんっ・・・」

 自分でも抑えきれぬ吐息を洩らしてしまい、美咲は唇を噛む。

「これで、ホックを留めて、と」

 しかし、まだレフェリーのセクハラは終わらない。

「ついでだ、パンツの位置も調整しておこう」

 そう言うや否や、レフェリーは美咲の黒のアダルトパンティをずらす。アンダーヘアまで見えるほどに下げると、そのまま秘裂を弄り始める。

 美咲の濡れている秘裂に指を這わせ、わざと水音が聞こえるように動かす。

 暫く美咲を辱めていたレフェリーだったが、満足したのか手を放す。

「これでいいだろう」

 パンティを戻したレフェリーが、美咲のヒップを叩く。

 今度こそ、とリングを降りた美咲に、更なる追い打ちが掛けられる。

「それじゃあ美咲選手。お客様へのサービスとして、そのままリングの外を三周してくれ。一周目はそのまま、二週目はブラを脱いで、最後は全裸で、な」

「なぜ、そんなことまで!」

 信じられない要求に、今まで耐えてきた美咲も怒気を放つ。

「お客様へのサービス、と言っただろう? それとも、悟良選手に代わってもらうか?」

 英華と灯は知らなかったが、美咲は共に闘ったこともある従妹の名前を出され、言葉を飲み込む。

「それじゃ、始めてくれ」

「・・・」

 美咲は無言ながら、身体を隠すことなく歩を進める。

「おいおい美咲選手、そんなところを歩いていたらサービスにならないだろう? もっと観客席に近いところを歩いてくれ」

 しかし、レフェリーの命令に、立ち止まってしまう。観客に近づけばどうなるか、想像がつくからだ。

 それでも美咲は俯いた顔を上げ、観客席へと近づく。忽ち観客席から手が伸ばされ、胸を、太ももを、ヒップを、秘部までもを触られてしまう。

 美咲は手の波を掻き分けけながら前へと進む。掻き分けても?き分けても新たな腕が現れ、美咲の肢体を触っていく。

 ようやく一周をしたところで、美咲は観客席から離れて座り込んでしまう。人数の暴力に疲弊したのだ。

「おいおい美咲選手、お客様を待たせないでくれ。ブラを外して二週目に入るんだ」

 しかし、レフェリーが休ませない。美咲はゆっくりと立ち上がり、背中に手を回す。ブラのホックを外し、そのまま脱ぎ落す。美咲は乳房を隠すが、乳首は硬く立ち上がっていた。

「ああ折角だ、脱いだブラを観客席に投げてくれ」

 美咲は黙って片手でブラを拾い、観客席へと投げる。忽ち多くの手が伸ばされ、ブラを奪い合う。

 美咲はまた観客席へと寄り、前へと歩き出す。男たちの手が伸び、露わとなった乳房へと狙いを定める。

 男たちの手を退かすためには、自分の腕を使うしかない。しかし、そうすると乳房の守りが薄くなり、揉まれ、乳首を弄られてしまう。

「んあっ、くっ、ふうぅっ・・・」

 硬くなった乳首を転がされ、美咲は喘ぎ声を漏らす。どうにか手の中を掻き分けて進むが、一周目よりも速度が遅い。そのため、乳房、乳首、秘部への刺激も多くなり、快感を溜められてしまう。

 それでも、ようやく二周目も終わる。座り込んで荒い息を吐く美咲に、レフェリーが無情な声を掛ける。

「さっきも言っただろう? お客様を待たせないでくれ」

 きっ、とレフェリーを睨み上げる美咲だったが、ゆっくりとではあるが立ち上がる。

 そのまま、最後の一枚に手を掛ける。さすがに躊躇するが、それでも覚悟を決め、黒のアダルトパンティを脱ぎ落とす。散々弄られた乳首は立ち上がり、秘裂からは愛液が零れている。

「それじゃ、その染みつきパンティも観客席に投げてくれ」

 レフェリーの皮肉に、美咲は表情を強張らせる。しかし、もう何も言わずにアダルトパンティを観客席に投げる。

「よし、では、最後の一周だ」

 レフェリーの命令に、美咲は躊躇い、身体を庇う。それでもぐっと奥歯を噛みしめ、観客席へと近寄る。その途端、先程よりも尚一層の圧力が掛かってくる。

 美咲は必死に手を、腕を弾き、前へと進む。しかし弾ききれなかった手が乳房を揉み、乳首を撫で、ヒップを叩き、秘裂を弄る。そのたびに快感が全身を奔り、足の動きが鈍くなる。

 美咲は鉄柵を掴み、無理やり前進を続ける。しかし進むたびに新しい手が現れ、美咲の肢体を味わおうとしてくる。

 美咲は喘ぎ声を零しながらも、じりじりと前へと進んでいく。

 しかし、あと少し、と言うところで、遂に観客席へと引き込まれてしまう。忽ち幾多の手が伸ばされ、乳房を、乳首を、ヒップを、秘裂を、淫核を、あらゆる箇所が責めを受けてしまう。

「あっ、ふああっ、いやっ・・・んぐぅっ?」

 顎を掴まれ、唇までも奪われる。その間も、敏感な箇所も、そうでない箇所も欲望のままに弄ばれている。怒涛のような責めに、美咲の体内で快感が暴れ回る。

「んっ、んぐぅぅ、んんんんぅぅぅぅ・・・っ!」

 限界を超えた瞬間、美咲は達していた。秘裂からは愛液が迸り、男たちの手を濡らす。それが男たちの興奮を更に煽り、責めが一層激しくなる。

 敏感な美咲の身体は、観客たちの欲望にも応えてしまう。乳首は一層尖り、腰は震え、愛液は零れる。しかも達したことで、感度が上昇している。観客の手が、舌が動くたび、容易く快感が生じる。

「気持ち良さそうだな、美咲選手。悟良選手にも見てもらったらどうだ?」

 そこに、レフェリーの声が飛ぶ。悟良の存在が心に染み入り、美咲の闘志に火が灯る。

 快楽に流されそうになった体に喝を入れ、鉄柵を掴んでリング下のスペースへと転がり込む。美咲の頬は上気し、乳首はこれ以上ないくらいに立ち上がり、淫核は包皮から顔を覗かせ、秘裂からは尚も愛液が零れ続けている。

「ご苦労だったな、美咲選手。引き上げていいぞ。まだお客様へのサービスがしたいなら、止めないがな」

 レフェリーの声掛けに、美咲の眉が跳ね上がる。音が鳴るほどに奥歯を噛み、ゆっくりとではあるが立ち上がる。

 美咲は両手で身体を隠しながら、それでも下は向かず、花道を退場していく。その太ももの内側を、愛液が彩っていた。


「美咲さん・・・」

 美咲の裸の背を見送りながらも、灯の心中は凍えている。前回<地下闘艶場>に参戦したときにも酷いセクハラを受けたが、美咲ほどではなかった。

 今回の試合はこれだけで終わるのか、という疑問が灯の胸を過(よ)ぎる。

「待たせたな、守台選手、碧涙選手」

 美咲にセクハラを加え続け、辱め続けたレフェリーが、灯と英華に向き直る。

「見事な勝利だったが、本番はこれからだ」

「どういうことでしょう?」

 不思議に思う英華に、レフェリーが説明を始める。


 実は開発対象は灯の地元で、役員を捕まえた痴漢の被害者も灯だった。灯は反対活動にも参加しており、役員はそのときから灯の美貌とスタイルに目をつけていたらしい。

 そして、灯は<地下闘艶場>で勝利を挙げれば、<地下闘艶場>が計画を中止させる、ということで参戦要請に応じた。


「ちなみに、開発を進めていた会社の社長の娘が、碧涙選手だ」

「えっ、英華ちゃん、あの会社の社長令嬢なの!?」

「はい、そうです」

「そして、碧涙選手の要望は計画の推進だ」

「そんな・・・」

 開発中止を求める灯と、開発計画の実行を求める英華。両者の要求は真っ向から対立するものだ。

「だから・・・」

 そこで、レフェリーが厭らしい笑みを浮かべる。

「二人でシングルマッチを闘ってもらう。勝者の要望だけ叶えようじゃないか」

 レフェリーが告げた条件に、灯は押し黙る。先程会ったばかりの英華だが、協力して勝利を挙げた。会話は噛み合わないものの、悪い娘ではないと思える。

 苦悩する灯だったが、英華は涼しい微笑を浮かべていた。

「やるしかありませんね。灯さん、手加減はしませんからね」

「・・・わかったわ。私も退けないから」

 完全に納得はできないが、英華の覚悟を感じた灯はシングル戦を承諾する。

「とは言え、さっき一試合したばかりだからな。インターバルを取るから、休憩しておいてくれ」

 美咲にたっぷりとセクハラをしておきながら、何を言っているのか、と疑問に思う灯だったが、口には出さない。

 そして、リングに二人の人物が上がった。二人共にバニーガールの衣装を着ており、スタイルの良さがわかる。


 一人は「フィアーレスワン(Fearless swan)」。本名は雨久(あめひさ)・正奈(まさな)・フィオーレ。24歳。身長182cm、B109(Hカップ)・W73・H105。

 日伊のハーフ。黄金を思わせる輝く金髪のロングヘアにエメラルドグリーンの瞳を持つが、肌は日本人に近く、ややたれ目で顔立ちも年齢より幼く見える。長身だが決してごつごつした感じではなく、西洋の大柄なモデル体型。

 真面目で礼儀正しく、人に優しい性格。普段はおとなしく人と滅多に争わないが、リングに上がれば凛々しく闘う。幼い頃から母に日本語を学んでいるので流暢に話せ、敬語も読み書きも問題ない。

 普段は白鳥を模したマスクとコスチュームの覆面レスラー。大柄な体に似合わずリング上を軽やかに舞い戦う姿はまさに白鳥を思わせる。プロレスの技術はもちろん、テコンドーやサバット、カポエラの蹴り技を学ぶ。そして幼いころ学んだ新体操やバレエで養ったバランス感覚を基に独特の空中戦を披露する。

 過去に三度<地下闘艶場>に上がり、数々のセクハラを受けている。


 今日のフィアーレスワンは白を基調としたバニーガール衣装で、100cmを超えるバストが零れそうだ。顔には試合時のようにマスクを被っており、妙にエロティックだ。


 もう一人は「堅山栗子」。24歳。身長160cm、B91(Gカップ)・W59・H85。堅山珠希の姉。やや褐色の肌、少したれ気味の目、染めた肩までの茶髪。間延びした喋り方が特徴的な、総合商社に勤める普通のOL。

 両親の影響で、幼い頃から名門のレスリングクラブに通っていた。レスリングの天才的な才能を持ち、学生時代は何度も全国大会で上位に食い込んだ。しかし楽天的かつ飽きっぽいおちゃらけた性格なため、あまり練習に打ち込むようなことはなく、大学卒業後は就職の道を選んだ。

 過去に<地下闘艶場>へと参戦し、多人数を相手に見事な勝利を挙げたが、レフェリーや男性選手から徹底的に嬲られている。


 栗子もバニーガール姿で、色はマロンカラーだ。こちらは胸元が隠されているが、Gカップの谷間と横乳がはっきりと見えるように、前方と左右に菱形の穴が開けられている。


 フィアーレスワンと栗子は、「第二試合」と書かれたパネルを頭上に掲げている。そこだけ見るとラウンドガールのようだが、勿論<地下闘艶場>に於いてそれだけで済む筈がない。

 下卑た笑みを浮かべたレフェリーが、フィアーレスワンに近づく。

「この前は残念だったなぁ、フィアーレスワン選手」

 三度目の参戦時、卑怯な手段で敗北を喫したことをレフェリーがわざわざ言う。唇を噛むフィアーレスワンだったが、それでは終わらなかった。

「リベンジ成功ならず、だったな」

 レフェリーはいきなりフィアーレスワンの衣装の胸元を下げ、109cmを誇る乳房を丸出しにする。

「っ!」

 とっさに隠そうとしたフィアーレスワンだったが、レフェリーの一言で動きが止まる。

「ああ、パネルは挙げたままで頼むぞ。下ろしたらどうなるか・・・わかるな?」

 そう言ったレフェリーは、左手でフィアーレスワンの左乳房を揉みながら、右手をズボンのポケットに入れる。

「あひぃ〜ん」

 妙に間延びした喘ぎ声を出したのは、フィアーレスワンとは反対側に居る栗子だった。

「栗子選手、懐かしいだろう? どうだ、振動装置の具合は?」

「あ〜ん、やめてよ〜」

 栗子のバニーガール衣装には、前回の参戦時と同じように振動する装置が付けられており、レフェリーがそのスイッチを入れたのだ。

「どれ、フィアーレスワン選手にも味わってもらおうか」

「AOOOO!?」

 いきなり股間に強烈な振動が加えられ、フィアーレスワンは喘ぐ。しかしパネルは落とさず、なんとか頭上に掲げる。

「フィアーレスワン選手、そのままパネルを持っていてくれ。落としたらどうなるかは、もうわかるよな?」

 レフェリーはフィアーレスワンの乳房を弾ませると、今度は栗子へと近寄る。

「栗子選手、パネルをもっと上げるんだ」

「あ〜ん、これ〜、止めて〜」

「わかった、そこまで言うのなら止めてやろう」

 レフェリーがスイッチを操作し、栗子の振動装置を止める。しかし、胸元の横に開けられた穴から手を入れ、栗子の乳房を揉みだす。

「いや〜ん、おっぱい触っちゃ駄目だよ〜」

「そんなことを言っていいのか? バイト代はいらないのか?」

「い、いるけど〜」

「それなら文句を言うんじゃない」

 そう言ったレフェリーが、栗子の衣装の首元を触る。

「ああ〜」

 次の瞬間、栗子のバニーガール衣装が首元から垂れ、乳房が剥き出しとなる。

「文句を言うようなら、ペナルティを与えないとなぁ」

 早速栗子の両乳房を揉みながら、レフェリーがにやつく。

「も、文句じゃないの〜」

「そうか、なら、黙っておっぱいを揉まれておくんだな」

 レフェリーが両乳房を揉みながら乳首を刺激すると、徐々に乳首が硬くなっていく。

「文句を言うくせに、乳首は立ったぞ? 栗子選手は嘘吐きだな」

「あ〜ん、嘘じゃないの〜」

「それじゃ、この硬くなったのはなんだ?」

「・・・ち、乳首〜」

「正解だ」

 栗子の乳首を指で弾くと、レフェリーはリング中央に移動する。

「ほら、フィアーレスワン選手も、栗子選手も、ここに来るんだ」

 フィアーレスワンと栗子をリング中央に呼び寄せたレフェリーは、二人の美女の胸を同時に揉みだす。

「ああ、これを忘れていた」

「ひいぃぃん!」

「HAOOOOO!」

 二人の乳房から手を放したレフェリーが、振動装置のスイッチを入れる。股間への振動に、二人の美女は身悶えする。それでも座り込みはせず、必死に耐える。

「悦んでくれてこちらも嬉しいよ」

 レフェリーは栗子のGカップバストと、フィアーレスワンのHカップバストを同時に揉み、乳首を弾く。何度も<地下闘艶場>に参戦経験のある二人は、やはり感じやすい身体となっており、既に乳首が立ち上がっている。

「だが、本番はこれじゃないんでな」

 レフェリーは振動装置を止め、乳房からも手を放す。美女二人の頬は染まり、乳首は硬くなってしまっている。

「そのままリングを降りて、観客席の周りを歩いてくれ。お客様に、おっぱいを触ってもらうサービスをしてもらおう。ああ、衣装はそのまま、おっぱい丸出しでな」

 栗子は眉をへの字に下げ、フィアーレスワンは唇を噛みしめる。

「ああ、パネルは置いていってくれ。お客様を叩かれたら困るからな」

 これも必要か、とパネルを持っていこうとした二人を、レフェリーが止める。フィアーレスワンはパネルをリングの上に置き、栗子はパネルを放り出す。

 乳房を隠しながらリングを降りた美女二人を、欲望の視線が出迎える。

「では、私は右回りで」

「じゃ、わたしはこっちね〜」

 フィアーレスワンは時計回りに、栗子は反時計回りに動くことを決め、観客席へと近づく。その途端、幾本もの手が美女の爆乳に、巨乳にと伸ばされる。

 乳房を揉まれるだけでなく、既に硬くなっている乳首も弄られ、美女の唇から喘ぎが零れる。それでもフィアーレスワンも栗子も唇を噛み、観客の手を払いのけながら進んでいく。

「おいおい、そんなに早足で動かれると、サービスにならないぞ?」

 そう言ったレフェリーが、ポケットから二つの装置を取り出す。そのまま、躊躇することなくスイッチを入れた。

「Nooooo!」「やあぁあん」

 レフェリーが振動装置のスイッチを入れたことで、フィアーレスワンと栗子の動きが止まる。それを幸いとばかりに、手の届く観客たちはフィアーレスワンの爆乳を、栗子の巨乳を揉みしだく。更には、まだ硬いままの乳首をつつき、摘み、転がす。

 二人の股間へと手を伸ばした者も居るが、振動の強さに驚いて手を引っ込めてしまう。

 別の手が、フィアーレスワンのバニースーツに掛かる。と、一気に引き摺り下ろし、秘部を露わにする。

 しかし、それによってフィアーレスワンは振動責めから逃れることができた。

「放して!」

 フィアーレスワンは自分に群がる手を払いのけ、ようやく自由を回復する。

「栗子さん!」

 フィアーレスワンは逃げ出しもせず、栗子の救出へと向かう。衣装が股下までずらされていることで動きにくいが、それでも長い脚を動かして栗子へと走る。衣装を戻せば、また振動に苛まれるからだ。

「栗子さん、こっちに!」

 観客たちによって観客席の中に引き込まれた栗子を、フィアーレスワンは持ち前のパワーを生かして一気に引っこ抜く。何本もの手が栗子の身体に群がっていたと言うのに、それを感じさせなかった。

「大丈夫ですか、栗子さ・・・」

「ふきゅ〜」

 セクハラに体力を奪われた栗子は、フィアーレスワンに縋りつく。 

「ちょ、ちょっと栗子さん、どこを触っているんですか!」

 何故か、フィアーレスワンが焦った声を出す。

「も〜、ダメ〜」

「だ、だから、あぁん、そこは・・・!」

 身長差があるためか、腰砕けとなった栗子の左手が、フィアーレスワンの秘部を抱え込んでいるのだ。振動装置に責められたフィアーレスワンの秘部は濡れており、栗子の指の刺激にフィアーレスワンの口からは喘ぎ声が洩れる。

 偶然始まった美女同士のレズシーンに、観客たちも見入る。

「や、やめ・・・あっ?」

 下ろされていた衣装と秘裂への刺激に、バランスを崩したフィアーレスワンは尻もちをついてしまう。その上に、栗子が覆い被さる。

「危なかった〜、クッションがあって、助かった〜」

「ひ、人の胸をクッション替わりに・・・ちょっと、揉まないでくだ・・・Huaa!」

 立ち上がろうとした栗子の両手が、丁度フィアーレスワンの乳首を刺激する。

「あれれ〜、フィアさん、どうしたんですか〜?」

「だから・・・もういいですから、退いてください!」

 ようやく絡みついていた栗子から離れ、フィアーレスワンがため息を吐く。

「おいおい二人とも、まだサービスの途中じゃないか。勝手に止めないでくれ」

 そこに、レフェリーの声が飛ぶ。

「途中で止めたペナルティだ、バニーガールの衣装だけ脱いでもらおうか。ああ、兎耳は着けたままだぞ」

「ええ〜、そんなの、恥ずかしい〜」

「恥ずかしくても脱ぐんだ。バイト代が出せないぞ」

「それは〜、困るの〜」

 レフェリーと栗子のやり取りに、フィアーレスワンが驚く。

「栗子さん、バイト代のためにこんなことをしてるんですか!?」

「うん、そ〜。美味しいもの食べてたら、お金って、すぐなくなっちゃうから〜」

 栗子の返答に、フィアーレスワンは絶句する。あまりにも価値観が違い過ぎる。

「さあ、栗子選手も納得したところで、お客様へのサービスを再開してもらおうか」

 レフェリーの催促に、唇を噛んだフィアーレスワンは覚悟を決め、バニーガール衣装を脱ぎ落とす。栗子も頬を染めながら、同様に脱いでいく。

 フィアーレスワンは白のタイツも脱ぎ、股間へと巻きつける。ある程度は透けてしまうが、我慢する。

「まあ、それくらいは良いだろう」

 レフェリーも文句はつけず、透けることで逆に卑猥さを増した股間を見つめてくる。

「じゃあ〜、私も〜」

 栗子も同じようにタイツを脱ぎ、マロンカラーのそれを腰に巻く。

 これにより、二人の美女は頭に兎耳の飾りを乗せ、首には付け襟と蝶ネクタイ、手首にはカフス、足元はハイヒール、そして股間に巻いたタイツという格好となった。乳房、乳首、太ももと言った肝心な部分はほとんど隠されておらず、舐めるような視線があちこちから飛ばされる。

「もういいな? それじゃ、再開してくれ。ただし、最初から、な」

 レフェリーの言葉に、フィアーレスワンは唇を噛み、栗子は目を丸くする。それでも二人は大事なところを隠したまま、観客席へと近づく。

 途端に、観客たちがほぼ全裸の美女二人に挙って手を伸ばす。そのうちの一本が、フィアーレスワンの下腹部へと伸ばされた。

「あっ!」

 折角股間を隠したタイツが奪われる。忽ち、愛液に濡れている秘部に指が絡みついてくる。

「Huun・・・Ahaa」

 既に昂らされていたため、フィアーレスワンの唇から喘ぎ声が洩れる。<地下闘艶場>に参戦するまでは初心だった身体は、三度の参戦によって淫らに変えられてしまっている。

 フィアーレスワンの動きが鈍ったことで、更に手が伸ばされ、特にド迫力の乳房へとへばりつく。勿論、ヒップにも、太ももにも、当然のように秘部にも手が張りついている。

 フィアーレスワンは全身に与えられる刺激を堪え、再び前進していく。

「いや〜ん、そんなとこ触んないで〜」

 一方の栗子は、早速腕を掴まれ、両乳房を揉まれ、両乳首を擽られている。乳首への責めで力が抜け、観客の手を振り払えないのだ。

「あ〜、取っちゃダメ〜」

 腰に巻いたタイツも奪われ、ほぼ全裸とされる。驚きに力が更に抜けた瞬間、両手を思い切り引っ張られた。

「あ〜れ〜」

 栗子は、またしても観客席へと引き摺り込まれた。しかもタイツを奪った観客が、栗子の両手を腰の後ろで縛める。

 うつ伏せの状態で手を縛られた栗子は、両乳房を揉まれ、両乳首を抓られ、腹部を撫でられ、ヒップを揉まれ、太ももを叩かれ、秘部を、淫核を弄られる。各所の同時責めに、ここまでセクハラを受け続けてきた栗子は、限界を迎えた。

「あ〜ん、イくぅ、イッちゃう〜!」

 腰を振るわせ、絶頂へと達した。

「ああっ、イッちゃった、また<地下闘艶場>でイカされちゃった・・・」

 いきなり、栗子の口調が変わっていた。先程までののんびりとした口調から一転、栗子は早口で捲し立てる。驚く観客も居たが、責めは止まない。否、一層激しくなる。

「ああっ、駄目だってば、そんなにされたら、また、イッちゃうから・・・いやあぁあっ!」

 栗子は絶頂すると、何故か早口になるという体質だ。それを面白がった観客たちは、更に栗子を責め立てる。

「だっ、駄目って言ってるのにぃ、なんでおっぱいやアソコを触るの・・・あっ、ああああん!」

 裸のバニーガールは、再び絶頂へと達した。

「くっ、栗子、さん・・・んんんぅっ!」

 フィアーレスワンは、身体中を玩ばれながらも、着実に進んでいた。裸身の覆面美女へと多くの手が迫り、掴み、揉み、弄る。その手を振り払って進んでも、また新たな手が現れる。その様は、まるで無限の淫手地獄だ。

 その地獄の中をフィアーレスワンは進み、ようやく一周を終える。

「でも・・・」

 どうにか回り終えたフィアーレスワンだったが、疲れた身体に鞭打ち、再び栗子を観客席からサルベージする。

「栗子さん、しっかりしてください!」

 両手首を縛っていたタイツを外し、軽く頬を叩く。

「ああっ、あっ、もう、無理だからぁ・・・」

 フィアーレスワンの呼びかけにも、半ば意識を失った栗子はうわ言を繰り返す。ぐったりとなったその肢体は力が抜け、汗と誰のものかわからない唾液に塗れ、乳首は硬いままで、秘裂からは愛液が垂れている。

「困るなぁフィアーレスワン選手、お客様の楽しみを奪ったら」

 リングの上から、にやつきを顔に張りつけたレフェリーがフィアーレスワンを咎める。

「罰として、栗子選手の代わりに、残りを回ってくれ」

「えっ・・・」

 レフェリーの更なる辱めの指示に、フィアーレスワンは絶句する。

「嫌なら別に良いんだ。栗子選手に、続きをお願いするだけだからな」

 フィアーレスワンがセクハラを受けなければ、この状態の栗子が再び餌食となる。それを受け入れられるフィアーレスワンではない。

 フィアーレスワンは無言で立ち上がり、裸身を観客席に近づかせる。それを待っていた観客たちが、グラマラスボディへと手を伸ばす。

「くぅうっ」

 今日だけでも散々嬲られてきた身体は、手の動きに、刺激に反応していた。思わず膝の力が抜け、倒れまいと鉄柵を掴む。しかし、その腕を掴まれ、観客席の中へと引っ張り込まれた。

 このままでは拙いと、リング下と観客席を分ける鉄柵を乗り越えようとしたときだった。観客の一人に左足首を持たれ、引っ張られた。

「AOOOOOU!」

 一番敏感な箇所を鉄柵にぶつけてしまい、痛みと、そして僅かな快感に身を震わせる。

 それを好機と見て、観客たちが一斉に手を伸ばす。またもフィアーレスワンは観客席へと引き摺り込まれ、観客たちに捕らわれる。

 乳房が、乳首が、脇腹が、腹部が、臍が、ヒップが、太ももが、膝裏が、秘裂が、淫核が、幾本もの手や指によって触られ、撫でられ、揉まれ、弄られる。

 覆面にだけは手が掛けられないが、顎を掴まれ、唇を奪われた。

「んんんっ!?」

 その行為が、フィアーレスワンを奮起させた。纏わりつく手を振り払い、鉄柵を掴み、牛歩のようではあるが進んでいく。

 当然、進む間にも乳房を、乳首を、背中を、太ももを、ヒップを、秘裂を、淫核を、容赦なく揉まれ、叩かれ、弄られる。

 それでもフィアーレスワンは歩みを止めず、快感に耐え、歯を食い縛って進む。

 ようやく、フィアーレスワンは栗子の分まで周回を終えた。力を振り絞り、鉄柵を乗り越えて仰向けになる。

 そのときにはもう頭の耳飾りも落ち、ハイヒールも脱げ、僅かに付け襟と蝶ネクタイ、そして左手首にカフスという格好だ。

 何度も絶頂させられた栗子は、完全に失神したままだ。

 プロレスラーとしての体力と回復力を見せ、覆面と僅かな衣装のみのフィアーレスワンは、同じような格好の栗子に肩を貸し、ゆっくりとではあるが花道を下がっていく。観客席からは野次、指笛、厭らしい視線が飛ばされるが、前だけを見て歩を進めていった。

 二人の美女の乳首は未だに硬く、内腿は愛液に濡れ光っていた。


 インターバルとは名ばかりのセクハラショーが終わり、英華と灯の直接対決が始まろうとしている。

「赤コーナー、『パワフルマーメイド』、守台灯!」

 赤コーナーに下がった灯は、小さくジャンプをして心身を落ち着かせる。眼前で行われたセクハラの数々に、自分が敗北したときの末路を想像してしまう。

「青コーナー、『沈黙の人魚姫』、碧涙英華!」

 英華は微笑を浮かべたまま、ツインテールにしていた髪を一度解き、ポニーテールに結び直す。それから軽い柔軟運動を行う。

「準備はいいな? では、ゴング!」


<カーン!>


 ボディチェックが行われないまま試合が始まった。それを疑問に思う者も居たが、すぐに試合へと集中していく。

「英華ちゃん。悪いけど、勝たせてもらうから!」

 地元を守るため、灯は英華へ鋭い視線を向ける。開発を進めていたのが英華の親の会社だと知り、複雑な思いだ。しかし勝たなければ、地元をどのように変えられてしまうか、わかったものではない。

「いいえ、勝つのは私です」

 英華は緊張など感じさせず、涼し気に返す。

 地元の景観を守るため。

 母親の会社を守るため。

 目的は違えど、勝利を挙げるために美女と美少女が向かい合う。先程の試合で二人共消耗していたが、セクハラショーが長く続いたため、ある程度体力が回復している。

 初手は灯だった。オーソドックスな構えから、右のローキックを放つ。しかし、英華も最小限の動きでこれを躱す。

 それでも灯の動きは止まらない。右ローキックから左前蹴り、右ミドルキック、左ミドルキックと連続で蹴りを繰り出していく。これを英華もすべて躱すことができず、ガードで凌ぐ。

「シィィィッ!」

 灯のキックが英華を追い込んでいく。上下に打ち分ける灯だったが、英華もしっかりとガードしていく。灯は蹴りをガードされるたび、素早く足を引く。掴まれて投げを打たれないためだ。

 攻めあぐねた灯は、一度距離を取る。ある疑念があり、全力で打ち込めないためだ。

 猿冠者を倒した英華の蹴りを見たとき、灯には疑問が生じていた。明らかに合気道とは違う動きだったからだ。

 と、片足立ちとなった英華が、片足で跳び込みながら横蹴りで突っ込んできた。咄嗟にガードした灯だったが、更に二の矢、三の矢の蹴りが襲いかかってくる。しかもキックボクシングの軌道と違うことで、反応するだけで精一杯だ。

「くっ」

 ガードするだけでは追い込まれる。一瞬で覚悟を決め、灯も蹴り合いに応じる。

 灯の反撃に?み込まれぬように、英華もギアを上げる。


 英華は幼い頃から様々な習い事をしていた。合気道もその内の一つだったが、股下82cmという長い脚のせいで腰高となり、重心が浮きやすいという欠点があった。

 ならば、その弱点を活かせば良い。英華は長い脚を武器とすべく、密かにテコンドーを学び始めた。


 その成果が今、灯と互角の打撃戦を繰り広げる。打ち合いとなったことで、灯が、英華が被弾する。

 鋭さならば灯、リーチならば英華。灯は踏み込みからの攻撃を放ち、英華は巧みに間合いを広げながら攻撃を繰り出す。

 緊迫した打撃戦が、不意に終わりを告げる。両者の膝蹴りが同時に腹部を捉え、同時に倒れ込んだのだ。

「両者ダウン! ワン、ツー、スリー、フォー・・・」

 英華と灯が同時にダウンしたことで、レフェリーがダウンカントを取り始める。

「シックス、セブン、エイト」

 早めのカウントが進むが、二人共立ち上がることができない。

「ナイン!」

 とうとうカウントがナインまで進む。そのとき、英華が、灯が、上半身を起こした。

「テン!」


<カンカンカン!>


 テンカウントが取られ、ダブルノックアウトの裁定が下される。一度リングに倒れ込んだ両者は、やがてゆっくりと起き上がる。

「・・・勝てなかったかー!」

 灯が悔し気にリングを叩く。

「私も。でも、灯さんなら納得です。お強いですね〜」

「ううん、英華ちゃんも強かった。勝てると思ったのにな〜」

 全力を出し切った二人は、どこか満足気な笑みを浮かべている。

「でも・・・この場合、どうなるんでしょうね?」

 英華の疑問に、灯も考え込む。過去の参戦経験や、今回のセクハラショーの数々を踏まえると、悪いほうにしか考えられない。

 どのような裁定が下されるにしろ、碌なことにはならないに違いない。

「まさか、ダブルKOとはな。驚いたよ」

 そう言うレフェリーであったが、その顔はどこか白々しい。

「なのでもう一度、タッグマッチをしてもらおう」

「もう一度・・・?」

 灯の疑問に、レフェリーが頷く。

「二人が勝てば、こちらの働きかけで、開発計画がより良いものになるようにしようじゃないか。もしくは、他の地方でもっと条件の合う場所を紹介する、とかな。どちらにせよ、二人に納得してもらえるようにすると約束しよう」

「その条件を必ず守って頂ける、という確証はあるんでしょうか?」

 英華の質問に、レフェリーが首を横に振る。

「確証はない。だが、お客様の前での約束だ。守らなければ、<地下闘艶場>の格が下がってしまう」

「・・・なるほど」

 英華は客席を見渡し、納得する。下品な野次や指笛を飛ばすような客ばかりだが、着る物や履く物、腕時計といった身嗜みからは上流階級であることがわかる。ならば約束を違えれば<地下闘艶場>の信用が落ちると言うレフェリーの言葉には、一定の説得力がある。

 ただし、それを完全に信じることはできないが。

「勝った場合はわかったわ。だけど、もし負けた場合は?」

 灯の問いに、レフェリーが薄く笑う。

「負けたらどうなるのか、か。二人なら勝つとは思うが、まあ、もしそうなった場合は楽しみにしておいてくれ」

 レフェリーは敗北時のことははっきりとは明かさず、にやにやと笑うだけだ。

「・・・やるしかないわね」

「ええ、そうですね」

 灯も、英華も、残された選択肢がない。負けた場合は悲惨な運命が待つだけだ、ということも薄々気づいている。

 お互いに頷き、タッグマッチを了承した。

「それじゃ、タッグマッチを行う、ということでいいな?」

 レフェリーの確認に、改めて頷く。

「良かった良かった、これでお客様も喜んでくれるよ」

 レフェリーの笑みは、下衆なものだった。

「だが、少し休憩していてくれ。凄い試合をしてくれたからな。またインターバルを取るとしよう」

 レフェリーが言う「インターバル」の内容が予想できてしまい、灯は眉を顰めた。


 僅かに時間が経ち、またリングに二人の女性が上がる。


 一人は「未作良(みさくら)悟良(さとら)」。19歳。身長167cm、B91(Eカップ)・W63・H89。

 初戦にレフェリーを行った未作良(みさくら)美咲(みさき)の従姉妹。昔から実の姉妹のように仲が良く、美咲のことは「咲ねえ」と呼ぶ。

 裏表のない明るい性格だが、意外と照れ屋。肩まではいかない黒のショートヘア。感情に合わせてよく動く丸い目が特徴的な容貌を持ち少年のような印象。顔立ちだけなら男子に間違えられるかもしれない。歯を見せてニカッと笑うと、男子よりも女子の方がドキドキする。

 スタイルのほうも負けずに魅力的で、バストやヒップのみならず、肌そのものに内側からの生命力ではち切れんばかりの張りがある。ただ若さが目立つ分、女性らしいラインはまだみられず、熟す前の青い果実といった印象だ。

 病に倒れた父を救うために、<地下闘艶場>に参戦したが、卑怯な手段を採られて敗北。従姉の美咲と共に全裸にされて嬲られ続けた。


 今日の悟良は、所謂「逆バニー」だった。頭には兎の耳を模した飾り、両腕には二の腕の半ばまである長手袋、下半身には両脚のほとんどを隠すタイツとガーターベルトがあり、足元はピンヒールだ。ただ、胴体は紺色のマイクロビキニのみという凄い露出度だ。


 もう一人は「堅山(かたやま)珠希(たまき)」。19歳。身長165cm、B90(Eカップ)・W63・H91。

 先程バニーガールとして登場した堅山(かたやま)栗子(くりこ)の妹。姉は好きだが、女としても格闘家としてもライバル意識はある。姉同様、褐色の肌にウェーブのかかった鎖骨までの金髪で、闘うときはポニーテールにする。悪戯好きそうな顔立ちや、ツンと上向きのバストとヒップが男からの注目を集める。

 両親は、栗子同様にレスリングを勧めたものの、姉に対抗できうる違う強さを求めて日本拳法へ。真面目に続け強くなるも、年相応におしゃれへの憧れが募っていく。厳格な道場との両立は難しいと考えた珠希は、大学から総合格闘技を習い始めた。

 姉の<地下闘艶場>参戦を知って自らも出場し、嬲られ続けながらも辛うじて勝利を挙げた。


 珠希も悟良同様、逆バニー衣装で、こちらのマイクロビキニはパールカラーだ。


「悟良選手、この前の二戦目は惜しかったな」

 早速悟良のEカップバストを揉みながら、レフェリーがにやつく。


 悟良は美咲とのタッグマッチで敗北した後、父親の治療費を得るために再度シングルマッチで<地下闘艶場>に上がっていた。しかしまたも卑怯な手段で嬲られ、散々辱められた末に敗北を喫した。

 しかも第二戦の試合後、借金の利子の返済と今回の催しまでの待機を名目として、「地下室」での仕事も強要されていた。

<地下闘艶場>側から、父親の治療費の一部を出す代わりに今回の催し物に参加するように強制され、屈辱の出番となった。


 そんな事情があるため、レフェリーのセクハラも黙って耐えるしかない。それを良いことにレフェリーは、衣装の上からとは言え悟良の胸だけでなく、乳首も刺激する。

「珠希選手は久しぶりだな」

 レフェリーは珠希も呼び寄せると、こちらもEカップの胸を揉み、乳首の位置を弄りだす。


 珠希は、栗子が勝手に<地下闘艶場>に参戦し、敗れて捕らえられたと聞かされている。今回の催し物に参加し、頑張って稼げば栗子が解放されると言われ、渋々ながら卑猥な衣装を着ている。

 勿論、栗子がアルバイト感覚で今回の催しに参加したことは知らされていない。


 逆バニーの衣装を着た二人の美少女が、レフェリーからセクハラを受ける。この光景に、観客が盛り上がる。

「さて、こっちはどうかな?」

 レフェリーが胸から手を放し、今度は秘部を弄り始める。

「・・・いつかぶっ殺してやるから」

「おいおい悟良選手、そんなことを言って良いのか?」

「んんっ!」

 レフェリーの右手が、悟良のボトムへと潜り込む。そのまま直接秘裂をなぞり出した。

「なんだ、恐いことを言うくせにもう濡れているじゃないか」

「そ、そんなわけ、ないって」

 悟良は否定するが、顔は羞恥に染まっている。


 悟良は<地下闘艶場>に二度参戦し、しかも二度とも複数試合を科されている。すべての試合で性的な嬲り責めを受け、更に試合前はセクハラボディチェックを、試合後も観客へのサービスと称して全裸で嬲られている。

 更に、二戦目に敗北した後、今回の催しまでの期間は「地下室」に隔離され、利子代わりとして「仕事」もさせられている。


 短期の間に濃厚な性的経験を加えられてしまった悟良は、従姉妹の美咲と同じく、感じやすい身体へと変えられてしまった。そのため、レフェリーからのセクハラだけで濡れてしまっていた。

「この前もたっぷりと感じてくれたじゃないか。もう忘れたのか?」

「う、うるさ・・・んんんっ!」

 どうにか反論しようとした悟良だったが、秘裂への刺激に腰を震わせ、喘ぎ声を上げてしまう。

「どれ、珠希選手はどうだ?」

「あっ、こら〜!」

 レフェリーが珠希のボトムの中にも左手を突っ込み、直に秘裂を弄る。

「完全には濡れていないが、湿り気はあるな」

「ち、違うから、これは、その・・・」

 上手い言い訳も思いつかず、珠希は屈辱と羞恥に口を閉じてしまう。

「くくっ、二人揃ってもう濡らしているとはな。<地下闘艶場>に染まってきたじゃないか」

 レフェリーが欲望に唇を歪めながら、悟良と珠希の秘裂を弄り続ける。セクハラを受ける二人は耐えるしかなく、腰を、膝を震わせる。

 やがて、レフェリーが二人のボトムから手を抜いた。

「ほら、こんなに濡れていたぞ?」

 レフェリーは、手についた愛液を二人の胸元で拭う。否、拭いながら揉み回す。悟良も、珠希も、返す言葉も思いつかずにレフェリーを睨む。

「そ、そんな目つきをしても駄目だぞ」

 そう言いながらも、レフェリーが二人から離れる。それを待っていたのか、リング下の黒服がマイクのスイッチを入れる。

「今から、二人のバニー美女がお客様の下へと伺います。ぜひ、衣装の間にチップを挟んであげてください」

「と言うことだ。さ、リングを降りてくれ。特に悟良選手は、お金が必要だろう? しかも、美咲選手の分も稼がないとなぁ」

 美咲が初戦にレフェリーとしてセクハラを受けただけでなく、その後の罰ゲームを受けさせられたことには触れず、レフェリーが悟良を煽る。

「珠希選手だって、働きが悪ければ栗子選手が解放されないかもしれないぞ?」

 珠希もまた姉のことに触れられ、眉を寄せる。それに気づいた悟良が、珠希に訊ねる。

「貴女も、誰か捕まってるの?」

「・・・お姉ちゃん。ど〜せ、お金に釣られたんだよ、まったく」

 口ではそう言いながらも、珠希は軽く唇を噛む。

「なら、こんな奴らに負けないように」

「うん、頑張ろ!」

 悟良と珠希は、決意の表情で拳を打ち合わせる。

 そのまま鉄柵を乗り越え、観客席へと、否、淫獣たちが待つ檻の中へと身を入れる。既にお札を準備していた観客たちが、二人のガーターベルトに差し入れながら胸を、ヒップを、太ももを、捏ね、撫で、揉む。

 二人はしつこく触れてくる手を払いながら、黒服の指示によって少しずつ移動していく。

 そのとき男の一人が、一万円札十枚を悟良のガーターベルトに差し込む。と、いきなり水着のブラを剥ぎ取った。

「な、なにして」

「十万払ったんだ、これはもらうぞ」

 焦る悟良に、男が冷たく突き放す。

「なら、こっちをもらおう」

 別の男が十万円をガーターベルトに差し込み、なんとボトムまで奪い取った。

「この間は『地下室』で楽しませてもらったよ。慣れていないのが初々しくてまた良かった」

 また別の男が、悟良がさせられた「仕事」の内容に触れ、乳首を転がす。

「やめろ、変なところ・・・はぁっ、触る・・・なはぁっ!」

 直接敏感な箇所に刺激を加えられ、悟良は容易く喘いでしまう。これで動きが止まってしまった悟良を、手の届く範囲の観客がここぞとばかりに嬲っていく。

「なるほど、そういうのもありか」

 悟良の様子に気づいた観客の一人が、珠希のガーターベルトに十五万円を挟むと同時にブラを奪った。

「あっ、ちょっと〜!」

 悟良だけでなく、珠希も水着を奪い取られた。

「早い者勝ちだな!」

 負けじと別の男が二十万円をガーターベルトに突っ込み、ボトムを剥ぎ取った。

「そ、それまで取られたら〜、あっ、こら〜っ、今触るの・・・あああっ!」

 珠希も逆バニーの衣装だけを残した裸体とされ、周囲の観客たちから身体中を弄られてしまう。

 悟良も、珠希も、<地下闘艶場>での闘いで嬲られ続けた経験がある。それが毒のように体に染み渡っており、二人を淫らに喘がせる。

 観客を掻き分けて進む力も、徐々に弱くなっていく。ガーターベルトにはお札が増えていくものの、それだけ厭らしい責めを加えられていると言うことだ。二人の乳首は両方とも尖りきり、秘裂からは愛液が零れる。特に、悟良は太ももまでも愛液が垂れているほどだ。

「うっ、あぁっ・・・」

 先に限界を迎えたのは、参戦経験の多い悟良だった。両手両足、両乳房、ヒップなどを掴まれ、一歩も進めなくなってしまう。

「あぁ〜、もぉ、触んないで・・・うあぁっ!」

 珠希も褐色の半裸体を仰向けにされ、乳首を、秘裂を、淫核を弄られる。

 最早身動きもできない悟良と珠希は、乳房や乳首、秘部と言った敏感な箇所だけでなく、唇、喉、太もも、ヒップなど、あらゆる部位を撫でられ、舐められ、揉まれ、転がされる。

 淫らな逆バニーの美少女たちは、厭らしい箇所を露わにされたまま、観客たちの手で次の観客たちへと送られていく。そしてまた、新たな手で責めを加えられていた。


「それでは、チップのお支払いはここまでとさせて頂きます」

 黒服の合図で、ようやく責めが終わりを告げる。

 セクハラを受け続けた悟良と珠希は、腰が抜けたのか立ち上がることもできない。乳房も秘部も露わな二人は、黒服に抱えられ、ガーターベルトに大量のお札を挟んだまま退場させられていった。


「これでインターバルは終わりだ。二人共、準備は良いな?」

 逆バニー姿の美少女を見送ったレフェリーが、灯を、英華を見つめる。

「ええ」

「はい」

 灯も英華も、言葉少なに応える。

 美咲、フィアーレスワン、栗子、悟良、珠希と、五人の美女、美少女たちが嬲られる姿を見せ続けられているのだ。同性としても不愉快だし、自分たちがあのような目に合わないとも限らない。

 それでも闘い、勝利を得るしかないのだ。


 悟良と珠希が退場させられてから、ほとんど間を置かずに対戦選手が姿を現す。しかし、何故か英華がレフェリーへと鋭い視線を向ける。

「ちょっと待ってください、なぜ三人もこちらに向かっているのですか?」

 英華の指摘に、レフェリーは小さく肩を竦める。

「おいおい、碧涙選手も守台選手も、かなりの実力の持ち主じゃないか。それに、二人分の要求を叶えるんだ。ある程度のハンデは当然だろう?」

「さっき、タッグマッチだって言ってたじゃない!」

「おいおい、タッグマッチは二人組同士が闘うとは決まっていないんだぞ? もっとプロレスを勉強しておいてくれ」

 灯の非難にも、レフェリーはにやつくだけだ。

「まあ、二人が試合を拒む、と言うのなら仕方ない。帰ってもいいんだぞ? その代わり、開発がこの後どうなるか、こちらとしてもわからないがな」

 レフェリー言葉の裏の意味に、灯も英華も口を閉じる。

 試合を蹴ってしまえば、灯の地元も、英華の会社も無茶苦茶にされるだろう。そんな最悪の状況にはできない。

 二人に、選択肢は残されていなかった。


「赤コーナー、"男性連合軍"、大瓦来互 & 草橋恭三 & ロックマスク!」

 大瓦(おおがわら)来互(らいご)、草橋(くさはし)恭三(きょうぞう)、ロックマスクと言った面々がリングに上がる。

 大瓦来互は、頭を角刈りにし、右サイドにだけ星模様を入れている。盛り上がった肩から上腕、下腕までを覆う筋肉も凄まじいが、両手の指も長く、太い。

 草橋恭三は、細身で中背、黒いレスリングタイツを身に着けている。

 ロックマスクは、目、鼻、口の空いた覆面を被り、グレーのTシャツとレスリングタイツ、その下に黒のスパッツを身に着け、足元にはグレーのレスリングシューズを履いている。

「青コーナー、"マーメイズ"、守台灯! & 碧涙英華!」

 既に二戦を闘い抜いた二人は、試合前から疲労の色が濃い。そんな灯と英華には、卑猥な野次や指笛が、男たちには責めの要望が飛ばされる。

 そうなるものかと、美女と美少女はお互いに頷いた。


「今回、女性選手へのボディチェックは、この試合の発案者が行います」

 この放送と共に、メタボ体型の中年男がリングへと上がる。

「「あっ!」」

 男の顔を見て、英華と灯が同時に叫ぶ。

 男は、無理に開発計画を推し進め、痴漢行為を働いて首になった元役員だった。


 今度の計画は、元々<地下闘艶場>の常連客だったこの男が会社と灯を逆恨みして企み、<地下闘艶場>に売り込んだのが発端だ。

<地下闘艶場>からすれば、普段とは違う特別な催しができる。仮に失敗に終わったとしても、この男に責任を取らせ、「処刑」の映像を裏の世界で売れば良い、との判断で準備を進めた。

 今回は通常よりも更に割高なチケットながら、数多くの女性選手が参加させられるとわかると購入者が殺到し、高収益を呼んだ。


 試合外でセクハラを受けた五名の美女、美少女たちもそれぞれの弱みを突かれ、無理やり参加させられた。

 未作良美咲は、<地下闘艶場>から借金を負ってしまった従妹の悟良を助けるため。

 フィアーレスワンは、マスク・ド・タランチュラへのリベンジマッチに挑んだものの、勝利を挙げることができなかったため。

 堅山栗子は、高額のバイト代に目が眩んで。

 未作良悟良は、父親の治療費を稼ぐために<地下闘艶場>の誘いに乗り、二度目の試合でも敗れたため。

 堅山珠希は、姉である栗子が<地下闘艶場>に捕らえられたと騙されて。


 こうして、<地下闘艶場>でも珍しいほどの華が揃った祭りとなったのだ。


 リングに上がった元役員は、ぎらついた視線で灯を、英華を見つめる。

「俺がレフェリーの代わりとして、しっかりとボディチェックするからな」

 男は何度も唇を舐め、レオタード姿の二人をじっくりと見つめる。

「まずは、お前からだ」

 男の目が、灯を捉える。

「守台灯、お前の顔と名前、忘れたことはなかったぞ」

 憎々しげに吐き捨てた元役員の男が、灯の左胸を鷲掴みにする。

「痛っ!」

「痛い? ふん、俺の心はもっと傷つけられたぞ」

 灯の左胸を強く揉みしだきながら、勝手なことを言う。

「まあいい、今回はボディチェックだからな。しっかりと役目を果たすとしよう」

 男は灯の背後に回ると、レオタードのV字カットから右手を差し込む。

「なっ!」

「騒いだり抵抗したりするなよ? 試合が成立しなくなるぞ」

 灯の左胸をブラの上から揉みしだきながら、男が生臭い息を吐く。

「お前が我慢してれば、俺が捕まることもなかった。会社を追われることもなかったんだ」

 勝手なことを言いながらも、男は灯の左胸を揉み続ける。しかも、ブラの中にまで手を入れてきた。

「わかるか? この疫病神が」

 左乳首を転がし、男は灯に責任転嫁する。責めるような口調とは裏腹に、その手つきは粘りついてくる。

「痴漢をしておいて、勝手なことを・・・ううっ!」

 言い返そうとした灯だったが、左乳首を強く潰され、痛みに呻く。

「全部お前が悪いんだ。俺の所為にするんじゃない」

 男はまた左乳房を揉みながら、左乳首を転がす。やがて、灯の乳首が硬くなっていく。

「なんだ、乳首が硬くなってきたじゃないか。触られるだけで悦ぶような女のくせに、俺を痴漢で訴えるとは。とんでもない奴だ」

 すべてを自分の良いように捻じ曲げ、男はボディチェックと言う名のセクハラを続ける。

「ああ、ここも調べないとな」

 元役員の左手が、秘部を弄りだす。

「あのときは、ここを触れなかったからな」

 男は左手で灯の秘部を弄り回し、右手で左乳房と乳首を揉み倒す。更に硬くなったイチモツをヒップに擦りつけ、灯の羞恥を煽る。

「あのとき我慢していれば、こんなことにはならなかったのにな。馬鹿な女だ」

「泣き寝入りなんてしないわ」

 精神的にも屈服してやるものか、と、灯は奥歯を食い縛る。

「ふん、相変わらず気の強い女だ。いけ好かん」

 鼻を鳴らした男は、灯の胸元から右手を抜く。終わったか、と考えた灯だったが、今度は男の左手が胸元から差し入れられた。しかも男の右手が秘部を這いずり回る。

「前と同じように、殴りたかったら殴ってもいいぞ? その後がどうなるか、想像することができないのなら、だがな」

 灯の不快感までもが喜ばしいのか、元役員の男は笑みを浮かべながらボディチェックと言う名のセクハラを続けた。


「まあ、何も隠していないと判断してやろう」

 元役員はようやく灯への責めを止める。灯は自分の身体を庇い、元役員を睨むしかできない。しかし、男はもう灯など見ていない。男が見ているのは、嘗て自分が働いていた会社の社長令嬢だった。

「ああ、やっと、やっと英華お嬢様に触れることができる」

 興奮に息を荒げながら、男は英華へと手を伸ばす。男の様子に身を竦める英華だったが、逃げることはせずにその場で立ち尽くす。

「ああ、これが、英華お嬢様のおっぱい・・・」

 英華のDカップの両胸を揉み回しながら、男が感嘆する。

 英華も、男が役員だったときに邪な視線を向けてくることには気づいていた。しかし、まさかこんな舞台でセクハラを受ける羽目になるとは思いもしなかった。男の欲望の所為か、忌まわしさが強烈だ。

「おっぱいも魅力的だが・・・」

 元役員は英華の胸から手を放し、しゃがみ込む。そして英華の秘部を凝視する。

「ああ、これが、お嬢様のアソコの匂い・・・」

 男は英華のヒップを鷲掴みにし、秘部に鼻を押しつけ、陶然とした表情となる。

 あまりの羞恥と悍ましさに、英華は鳥肌を立てていた。それでも逃げることはせず、じっと耐える。

「ああ、良い香りだ。いつまでも嗅いでられる」

 男は何度も鼻で呼吸しながら、英華の香りを堪能する。しかも、両手で英華のヒップを揉み立てながらだ。

「ううっ・・・」

 憎むべき男から与えられる恥辱に、英華は頬を染めながらも耐える。

「・・・ああ、いかんな、しっかりと仕事をしないと」

 英華の秘部から鼻を離した男だったが、今度は秘裂を弄り始める。

「お嬢様が凶器を隠したりはしないと思いますが、今日はボディチェックが仕事なんですよ」

 あくまでもボディチェックと言い張り、男は英華の秘部の感触を楽しむ。衣装の上からでも、乙女の秘所を好き勝手に弄られることは屈辱であり、羞恥だ。

「柔らかい・・・だが、何も隠していないようですね」

 元役員の男が立ち上がりながら、英華の太もも、腰、鳩尾と撫で上げていく。そして、Dカップのバストの形を確かめるように、その縁をなぞっていく。

「ああ、やはり、こうやって調べないと」

 元役員は英華の背後に回り、V字カットの隙間から右手を差し込む。そのまま、英華の左胸を揉み始める。

「ここは、やはり直接・・・」

 男の手がブラの中に侵入する。

「っ!」

「ああ、直接触れると、形の良さがよくわかる」

 男は息を荒げながら、ズボンの下で硬くなっている自分のモノを英華のヒップに擦りつける。英華は悍ましさに顔を強張らせ、鳥肌を立たせている。

「こ、今度は、反対側を・・・」

 男は息を荒げながら、衣装の隙間から左手を差し込む。そしてブラの隙間から右乳房と右乳首を弄り回していく。

 英華は声も出せず、震えながら男から加えられるセクハラを耐える。

「そ、そうだ、ここも、もっとしっかり調べないといけませんね」

 男は右腕を下ろし、またも英華の秘部を撫でる。左手で英華の右乳房と右乳首を弄りながら、右手で英華の秘裂を撫で回す。

 ここまでされても、英華はじっと耐えるのみだった。


「ああ、お嬢様、おっぱいの感触が良過ぎて、手が離れませんよ」

 男は英華の顔を凝視しながら、両胸を揉み続ける。英華は顔を背け、ただひたすらにセクハラボディチェックが終わることを祈っている。

「ちょっと時間を掛け過ぎだ」

 レフェリーが元役員を制止する。元役員は舌打ちをしながらも、ようやくセクハラボディチェックを終える。

「さすがお嬢様だ。何も隠してはいなかったですよ。おっぱいの感触も良かった。もちろん、ブラの感触もね。かなり高級な物なんでしょうね」

 そう言い置いて、男が英華に欲望の視線を向けたままリングを降りた。英華の耳には届かないほどの声量で、何かを呟きながら。

「さて、それじゃ試合を・・・」

 そう言いかけたレフェリーだったが、わざとらしく首を傾げ、灯と英華を交互に見遣る。

「二人共、もしかして下着を着けてきたのか?」

 レオタードの上からでもわかると言うのに、レフェリーが言葉で確認してくる。

「着けるに決まってるじゃない」

「着けてます」

 何を言うのか、と返す灯と英華だったが、レフェリーが信じられないことを言い出した。

「おいおい、契約書には、『<地下闘艶場>の用意する衣装のみを着用する』とあった筈だ」

「だから、こうやって衣装を着けているじゃない」

 灯はそう反論しながらも、レフェリーの狙いを想像してしまう。

「もう一度言うが、こちらの用意した『衣装のみ』だぞ?」

「待ってください、もしかして・・・」

 思わず英華は確認していた。

「契約違反だ、下着を外してもらおうか」

 レフェリーの発言に、灯も英華も言葉を失う。

 レオタードを脱がなければ、下着を脱ぐなどできはしない。それは、男たちに見られながら全裸となる、ということだ。

「下着は最初の試合から着けてたじゃない! 今頃そんなこと・・・」

「嫌ならいいんだ、お帰り願おう。こちらは何も困らないからな」

 二人の躊躇を知りながら、レフェリーはにやつくだけだ。

「あ、灯さん・・・」

 蒼褪めた表情で、英華が灯を揺する。灯はきつく唇を結び、レフェリーを睨む。

「・・・わかったわ」

 それでも、灯は頷いた。ここまで来れば、どんな条件でも受け入れるしかない。でなければ、灯の故郷を、英華の会社を守ることができない。

「灯さん!」

「英華ちゃん、お母さんのためよ」

 灯はしっかりと英華の目を見つめ、言い聞かせる。もう、自分たちに選択肢はないのだ、との思いを込めて。

「・・・わかり、ました」

 母親を持ち出されては、英華も頷くしかない。

「それじゃ、早速脱いでくれ。時間も押しているしな」

 数々のセクハラショーでたっぷりと時間を使っておきながら、レフェリーが二人を急かす。灯も英華も口を閉じたまま、レオタードに手を掛ける。

 美女と美少女が、自らレオタードを脱いでいく。リングで行われるストリップショーに、観客席が沸く。

 灯は水泳で鍛えられ、絞られながらも豊満な肢体。

 英華は合気道とテコンドーで鍛えられ、絞られながらも出るところは出ている肢体。

 二人に共通しているのは、見事なプロポーションだ。

 灯は不快感から、英華は羞恥から身体を隠す。

「先に脱いだ衣装をもらおうか。たっぷり汗を?いて気持ち悪いだろう? 新しい衣装を用意する」

 レフェリーの要求に、灯は英華の分もレオタードを拾って渡す。

「やっぱりだ、汗まみれじゃないか」

 レオタードを持ったレフェリーは、匂いを嗅ぐ。

「ちょっと!」

「やめてください!」

 汗の匂いを嗅がれ、二人共羞恥の声を上げる。

「ああ、悪かった」

 まるで悪びれる様子もなく、レフェリーが二人の脱いだ衣装をリング下の黒服に渡す。二人に顔を戻したレフェリーが小首を傾げる。

「どうした? 下着を脱いでくれ」

「待って、衣装がまだ・・・」

「すぐに届くさ。下着を脱ぐのが先だ」

 レフェリーは灯の言葉を遮り、更に急かす。

「い、嫌です、皆さんに見られているのに!」

 英華は思わず叫んでいた。下着姿でも既に恥ずかしいのだ。この上、下着までも脱ぐなど考えただけで卒倒しそうだ。

「なら、追加試合はなしだ。そのまま帰ってくれ」

 しかし、レフェリーは動じない。二人の下着姿を眺めながら、リング下を指差す。

「・・・私から脱ぐわ」

 英華の前に出た灯が、レフェリーを睨む。その言葉通り、ブラのホックを外す。そのままブラを脱ぎ捨て、両手で乳房を隠す。

「いい脱ぎっぷりだな、守台選手。だが、まだ一枚残っているぞ?」

「・・・わかっているわ」

 灯は腰を屈めながら右手だけでパンティを脱ぎ落とし、すぐに両手で身体を隠す。

「これでいいでしょう?」

 下着をすべて脱いだ灯はレフェリーに鋭い視線を突き刺す。しかし両手で身体を庇い、頬を染めていては迫力も半減している。

「それじゃ、下着はこちらにもらおうか」

「・・・」

 灯は黙ったまま、身体を隠しながら下着を拾ってレフェリーに渡す。

「・・・くくっ」

 灯から下着を受け取ったレフェリーが、いきなり観客席へと放り込んだ。

「ちょっと! なにしてるのよ!」

「お客様へのサービスじゃないか。下着代は倍にして返すよ」

「そんな問題じゃないわ!」

 レフェリーの卑怯な手段の数々に、灯は怒りのまま叫んでいた。

「そんなに大切な下着なら、取り返しに行ったらどうだ? やめておいた方が良いとは思うがな」

「・・・」

 もしレフェリーの挑発に乗って下着を取りに行けば、どうなるか。数々のセクハラショーを見ていれば簡単に予想がつく。

「なんだ、取りに行かなくていいのか?」

「・・・いいわよ。その代わり、下着代はしっかりもらうから」

「それは約束する」

 頷いたレフェリーが、英華に顔を向ける。

「守台選手は脱いだぞ、碧涙選手」

「私・・・そんなこと・・・」

 下着姿で身体を庇う英華は、顔を蒼褪めさせている。

「碧涙選手が下着を脱げないと言うなら、守台選手だけで闘ってもらおうか」

 全裸のまま待つ灯を見遣って、レフェリーが唇を歪める。

「ただし、その格好のままで、な」

「ま、待ってください! それは酷すぎます!」

 レフェリーの言葉を遮ったのは、灯本人ではなく英華だった。

「おいおい、酷いのは碧涙選手だろう? 守台選手はもう裸になったのに、一人で勿体ぶって脱ごうとしないんだからな」

「少しくらい待ってもいいでしょう?」

 灯が英華を庇うと、レフェリーが薄く笑う。

「そうだな。俺も鬼じゃない。碧涙選手の気持ちが固まるまで待ってもいい。だが、ただ待つのも退屈だ」

 レフェリーの視線が、灯の裸体を往復する。

「待つ間、守台選手の身体で遊ばせてもらおうか。どういう意味かは・・・わかるな?」

 レフェリーの欲望の視線を、灯は唇を噛みながら跳ね返した。

「・・・好きにすればいいじゃない」

「なら、そうさせてもらおう」

 レフェリーは舌舐めずりしながら、灯へと歩み寄る。

「両手を下ろすんだ」

 レフェリーの命令に、灯は唇を噛みながらも乳房を隠していた手を下げ、代わりに股間を隠す。

「相変わらず綺麗なおっぱいじゃないか、ええ?」

 そう言ったレフェリーが、灯が股間を隠したことで両腕によって寄せられ、より盛り上がりを増したGカップバストをじっくりと眺める。そして、徐(おもむろ)に鷲掴みにする。

「感触もいい。それに、おっぱいの大きさも変わったんじゃないか?」

「・・・」

 レフェリーの指摘に、灯は何も返さなかったが事実だった。

 前回の試合ではFカップだったバストは、Gカップへとサイズアップしている。<地下闘艶場>で嬲られた所為か、キックボクシングに打ち込んだ所為かはわからない。

「それに、ちょっと触っただけで乳首が尖りだしたぞ?」

 レフェリーは灯の乳房を揉み立てながら、親指と人差し指で乳首を扱く。

「んくっ」

 不意打ちに声を洩らしてしまい、灯は悔しさに唇を噛む。

「やっぱり気持ち良いんだろう? 我慢しなくても良いからな」

 灯の反応に気を良くし、レフェリーがにやける。しかし灯は顔を背け、拳を握り込んでセクハラを耐える。

 灯が次の試合で勝利するには、英華の助力が必須だ。<地下闘艶場>での試合は、必ず卑怯な手段を採ってくる。今の体力が少ない灯一人ではすぐに捕らえられ、辱めを受けるだろう。

 だが、タッグマッチという試合形式を活かして英華と交代しつつ闘えば、勝利を挙げることも不可能ではないだろう。勿論英華自身に闘う意志がなければ仕方がないが、羞恥心を捨てられないだけで、試合自体は行いたいようだ。

 ならば、灯が身体を張って時間を稼ぐ。地元の無茶な開発を止めたい、と言う目論見もあるが、英華自身の望みも叶えてあげたい、という気持ちもある。

 全裸で両乳房を揉まれ、乳首を弄られながら、それでも灯は耐える。

「どうやら、まだ碧涙選手は闘う気にならないらしいな」

 乳房を揉み回していたレフェリーが、灯の両方の乳首が中央に位置するように乳房を寄せる。そして、そのまま同時に両乳首を舐め始めた。

「ふぁっ、んぅっ、くぅっ・・・」

 敏感な乳首への責めに、喘ぎ声が洩れそうになる。ぎゅっと唇を結び、跳ねそうになる腰を抑える。

「・・・れろっ、ぷふぅ。くくっ、良い具合に立ち上がったじゃないか、ええ?」

 今度は乳首を捏ねながら、レフェリーが灯の顔を覗き込んでくる。逆方向に顔を背けた灯に、レフェリーが信じられないことを言い出す。

「そうだなぁ、次は・・・よし、脚を開け」

 その言葉が意味することに、灯は蒼褪める。

「ま、待って、そこまでするのは・・・」

「なら、今から試合を始めるか? その場合は素っ裸のまま、守台選手だけで闘ってもらうけどな」

「・・・」

 全裸でなど、闘えるわけがない。しかし、全裸で脚を開くなど羞恥の極みだ。

「さあ、どうするんだ守台選手?」

 乳房を揉み回しながら、レフェリーがにやつく。

 ここまでくれば、灯に選択肢は残されていない。せめても、と乳首を隠しながら、太ももを広げていく。

「どれどれ・・・」

 しゃがみ込んだレフェリーが、灯の秘部を見上げる。

「おおっ、こいつは絶景だ」

 レフェリーが舌舐めずりをしながら、吐息を漏らす。勿論、それだけでは終わらせない。

「えっ、ちょっと!」

 なんと、レフェリーが灯の秘裂に指を当て、左右に広げたのだ。

「ううぅっ・・・」

「綺麗な色をしているじゃないか、守台選手。だが、見るだけじゃ勿体ないからな」

 レフェリーが灯のヒップを抱え、股間に顔を埋める。そのまま、秘部を舐め回し始めた。

「うっ、くっ・・・」

 不快感に、灯は声を洩らす。レフェリーはわざと音を立てながら、灯の秘部を唾液で濡らしていく。

「愛液が美味いぞ、守台選手」

 そう言ったレフェリーが、音を立てながら啜り上げる。

「ああっ、いやぁっ!」

「あ・・・灯、さん・・・」

 オープンフィンガーグローブだけを許された灯が、レフェリーからセクハラを受け続けている。嫌悪と望まぬ快感を耐える灯に、英華は自分の姿を重ねていた。

 下着を脱げば、裸身を晒せば、自分もああなるのか。自分もあのようにされるのか。

 数々の女性選手の辱めを見せられてきた英華は、自分が置かれた立場を、今ようやく本当の意味で理解していた。

「・・・ぷはぁ、ご馳走様」

 灯の秘部から顔を離したレフェリーが立ち上がる。そのまま灯の背後に回ったレフェリーが、灯の首筋を舐めながら、左乳房を揉み、秘部を弄る。

「んあっ、はっ、ひふぅ・・・っ」

「守台選手、息が荒くなってきたぞ?」

 水泳で鍛えた灯だとは言え、連戦と長時間のセクハラ、精神的な疲労が膝を震わせる。

「はっ、はぁっ・・・」

「おっと、危ない」

 疲労で膝の力が抜けた灯をレフェリーが支え、座らせる。背後から密着したレフェリーが、灯の両足を広げる。

「そんな・・・」

「守台選手、わかっているな?」

「・・・」

 反射的に足を閉じようとした灯だったが、レフェリーの言葉の真意を悟り、そのまま我慢する。

「そうそう、碧涙選手が脱いでくれるまで、こちらの指示に従ってくれよ」

 灯の左乳首と秘裂を弄りながら、レフェリーが笑う。

 責められる灯を見ても、英華の手は動かない。動かせない。

 そのときだった。

「英華ちゃん、お母さんのことを思い出して!」

 灯の叫びで、英華の脳裏にある光景が蘇る。


 元役員が起こした問題の所為で、昼夜を問わずに解決のために奔走する社長である母親。若々しい美貌も、さすがに精神的な疲労にやつれていた。

 母親を助けるために<地下闘艶場>に上がったのではなかったか。その想いもまた蘇る。


「・・・」

 強く手を握り締めた英華は、震える手を背中に回し、普段なら簡単に外すことのできるブラのホックを、ようやく外す。

「やっと脱ぎ始めてくれたか、碧涙選手」

「うぅっ・・・」

 しかしその間にも、灯は大股開きの体勢のまま、レフェリーから乳房を揉まれ、乳首を転がされ、秘部を弄られている。刺激され続けた乳首は立ち上がったままで、秘裂からは愛液も生じている。

 早く脱いで、灯を解放しなければ。覚悟を決めた筈なのに、手が動かない。自分が自ら裸身を晒そうとしていると言う事実が、重く圧し掛かる。

「どうした碧涙選手、脱がないと困るぞ? それとも、こっちに脱がして欲しいのか?」

 灯にセクハラを続けながら、レフェリーが揶揄する。


 英華が裸になることを極端に嫌がる理由。それは、英華の生い立ちにあった。

 社長令嬢として育った英華は、自分を着飾ることで他者に隙を作らないよう教育された。

 他者の視線を誘引するため、胸元を出すのは良い。脚を出すのも良い。しかし、肝心なところはしっかりと隠し通す。それが淑女の嗜み。

 そんな教育を幼い頃から受け続けた英華は、いつしか他人に裸体を晒すことが過大な恐怖にまで育っていた。


 それでも、灯のため、何より社長である母親のため、英華は自分の手で下着を脱ごうとする。

 ふと気づき、ポニーテールにしていた髪を解き、胸の前に垂らす。英華の長い髪が乳房を隠してくれることで、僅かに安堵する。

 肩紐をずらしながら左手で胸の前を押さえ、ブラを脱ぎ落す。途端に観客席から卑猥な野次や指笛が飛ばされ、動きが鈍ってしまう。

「おいおい碧涙選手、そんなにもたもたしていて良いのか? まあ、守台選手の身体が気持ち良いから、待つのも苦じゃないけどな」

「ひああっ!」

 座らせたままの灯の両乳首を摘み上げ、レフェリーが皮肉に笑う。

「・・・っ!」

 レフェリーの下卑た表情に、反発心が湧いた。最後の一枚を脱ぎ落とし、乳首と秘部を庇う。

 遂に、英華も全裸となった。肝心なところは隠されているものの、逆に言えば乳房、乳首、秘部以外は隠せていない。

「放して」

 灯はレフェリーの手を振り払うと、自分も全裸であるのにも関わらず、英華の前に立って欲望の視線から遮る。当然灯に視線が集中するが、頬を染めながらもじっと耐える。

「やっと脱いでくれたか、碧涙選手。では、衣装が届くまでもう少しだけ待ってくれ」

 レフェリーが英華の下着を拾い、またも観客席に投げ込む。

「あっ・・・」

 英華は止めることもできず、高価な下着を諦めるしかなかった。

 リングの上に、全裸の美女と美少女が居る。二人は自分の手で恥ずかしい箇所を隠しながら、リング内外から放たれる欲望の視線を耐え続けている。

 早くこの時間が終わって、との願いは、中々果たされなかった。


 二人にとっては長い時間が過ぎ、ようやく衣装が届けられる。

「待たせて悪かったな、新しい衣装だ」

 レフェリーが、灯と英華に衣装を差し出す。セーラー服の襟と半袖がついた白のレオタードにミニスカートと言う、先程まで来ていた衣装と変わらないように見える。

「・・・」

 二人が片手で身体を隠しながら衣装を受け取った瞬間、レフェリーが二人の乳房を揉んだ。

「なっ!」

「いやっ!」

 灯も英華も衣装を取り落し、身体を庇う。

「おいおい、緊張を解そうとしただけじゃないか」

 レフェリーがわざとらしく肩を竦め、下がる。

「さあ、早く着てくれ。お客様を待たせるわけにはいかないからな」

 レフェリーの勝手な言い草に、灯も、英華も、怒りを浮かべる。しかしそれも一瞬で、裸よりはましだと衣装を拾いあげる。

「英華ちゃん、私が隠しておくから、手早く着て」

「灯さん、ありがとうございます」

 灯の好意に乗り、英華は手早くレオタードを身に着けていく。

「灯さん、今度は私が」

「ええ、お願い」

 灯もセーラー服の装飾がなされたレオタードを拾い、素早く着ていく。

 ようやくオールヌードから解放された灯と英華だったが、薄いレオタード生地は二人の肢体に張りつき、乳房の形を、乳首の位置を教えてくれる。それでも、全裸よりはましだ。そうでも思わなければ闘えない。

 しかしそこで、またもレフェリーが信じられないことを言い出す。

「それじゃ、ボディチェックを受けてもらおうか」

「人を裸にさせておいて、まだ触ろうっていうの!?」

 灯の怒りを、レフェリーは軽く受け流す。

「さっき、守台選手が碧涙選手を隠していたからな。その間に凶器を用意したかもしれないだろう?」

「そんなこと、できるわけないでしょ!」

 因縁をつけてくるレフェリーに、灯が怒鳴り返す。

「嫌ならいいんだぞ? 没収試合にするだけだ」

 レフェリーは下卑た笑みを浮かべたまま、二人の胸元を交互に見遣る。

「・・・卑怯者」

 結局、二人共にレフェリーの要求を断ることはできない。灯はレフェリーを睨み、英華は視線を逸らし、身体から力を抜いた。

「それじゃ、碧涙選手から・・・いや、二人同時に受けてもらおうか」

 レフェリーが二人を並ばせ、灯の右胸と英華の左胸を同時に掴む。

「おっ、やっぱり下着がないと感触が違うな」

 レフェリーが乳首の辺りを引っ掻きながら、二人の胸を揉む。灯も英華もびくりと身体を震わせるが、それ以外の反応はしない。しないように耐える。

「どれ、今度はこっちのおっぱいだ」

 レフェリーが、灯の左胸と英華の右胸を揉んでいく。

「やっぱり、ここも調べておかないとな」

 レフェリーが胸揉みを止めたかと思うと、二人の秘部を撫でてくる。

「くぅっ・・・」「・・・っ」

 必死に声を堪える灯と英華だったが、それでも僅かに洩れてしまう。

「おいおい、ボディチェックで感じたりしないでくれよ?」

 レフェリーが嘲笑を浮かべながら、秘部を刺激する。レフェリーから嘲られながらも、灯と英華は必死にセクハラを耐える。それを良いことに、下卑た笑みを張りつけたレフェリーは、自分の欲望のままにセクハラボディチェックを行っていった。


「うん、何も隠していないようだ」

 最初からわかっていただろうに、レフェリーはわざとらしく頷いて二人から離れる。

「それでは最終戦、ゴング!」


<カーン!>


 二人の運命が決まる試合が始まった。

 英華も灯も、全力で二試合を闘っている。しかもストリップをさせられ、酷いセクハラボディチェックまで受けさせられたことで、体力と精神の消耗が激しい。

 一歩踏み出したのは、灯だった。

「私が先に行くわ」

「でも灯さん、もう体力が残っていませんよね?」

 コーナーポストに寄りかかりながら、英華が問う。

「水泳のインストラクターを舐めないで。もう回復したから」

 灯はそう言い、笑って見せる。勿論やせ我慢だ。それでも年下の英華をセクハラから守るため、先発を買って出る。

「そうですか・・・では、お願いします」

 英華も灯の気遣いを受け入れ、コーナーへと下がる。

「最初はお前さんか。宜しくな」

 男性連合軍の一番手は、大瓦だった。その両手は分厚く、大きい。

「・・・」

 灯は何も返さず、オーソドックススタイルで構える。無言を貫くことで、少しでも体力を温存するためだ。

「なんだ、礼儀を知らないお姉さんだな」

 鼻を鳴らした大瓦が、その右手を振る。

「っ!」

 その風圧と風切り音に、灯の顔から血の気が引く。まともに食らえばどうなるかが想像できてしまったからだ。

 万全の灯ならば、苦も無く躱し、カウンターすら入れて見せただろう。しかし、二試合を全力で闘い、英華の下着を脱ぐ時間を稼ぐためにレフェリーに身を任せ、セクハラボディチェックまでも受けさせられたのだ。もうほとんど体力が残っていない。

「どうやらお疲れのようだな、守台選手。これはサービスだ」

 いきなり、ヒップを振動が襲った。

「んあああっ!?」

 凄まじい振動に振り返った灯の視界に、手の平サイズの円盤を持ったレフェリーが入る。

「今、何をしたの!?」

「ああ、これは振動を発生させるマッサージ器だ。気持ち良かっただろう?」

 にやつくレフェリーを睨みつける灯だったが、試合中にするべき行動ではなかった。

「捕まえたぜお姉さん!」

 突進してきた大瓦に、両腕で胴を抱えられてしまう。同時に、強烈なベアハッグで締め上げられる。

「あがぁ、んぐぅぅ・・・!」

「おっぱいの感触が堪らねぇぜ」

 大瓦は灯の胸に顔を埋め、柔らかくも弾力のある感触を味わう。

「おい大瓦、力を入れ過ぎだ。守台選手が壊れる」

「おっと、しまった」

 眉を上げた大瓦が力を抜き、灯はやっと大きく呼吸ができた。

「随分と消耗したようだな、守台選手。サービスだ」

 レフェリーが振動装置を秘部に当て、スイッチを入れる。

「ああああっ!」

 レオタードの上から敏感な秘部へと振動を加えられ、灯が絶叫する。

「こ、こんな凶器使って・・・ひああぁっ!」

「これは健康器具だぞ? 守台選手の疲労が酷いから、試合中なのに回復してやろうという親切心じゃないか」

 ベアハッグに捕らえられたままの灯を、レフェリーが振動装置で責め続ける。

「あっ、はっ、はぐぅ・・・っ!」

 逃げることもできずに秘部へと振動を加えられ続け、灯の快楽係数が急上昇する。

 そして。

「あっ、いやっ、いやぁっ、ああぁぁぁぁぁあんっ!」

 そのまま絶頂へと達してしまった。

「おっ、イッたか、守台選手」

 レフェリーが振動装置を止め、大瓦がベアハッグを解くと、灯はリングに倒れ込んでしまった。

「そろそろ楽しみ時かな」

 そう言った大瓦のごつい手が、レオタード衣装の胸元に掛かる。次の瞬間、簡単に破り取られていた。

「な、何を・・・」

 灯が呻いたときには、両乳房を揉みくちゃにされていた。

「大瓦、力加減に気をつけろよ」

「ああ、わかってるよ」

 煩げに吐き捨てた大瓦が、ゆっくりとした手つきで、灯の乳房の感触を確かめる。

「これくらい大きいと、揉み甲斐があっていいな」

 大瓦が、灯のGカップバストににやける。

「乳首も硬いままだしな」

 大瓦が左乳首を弾き、更ににやける。疲労から反論も言葉にできず、灯は浅い呼吸を繰り返す。

「レフェリー、そいつを貸してくれ」

 そのとき、大瓦がレフェリーに顔と右手を向ける。大瓦の狙いに気づいた灯は、両手で乳房を隠す。

「おいおい、こいつは健康器具なんだろ? 遠慮するなよ」

 にやつく大瓦が、容易く灯の両手首を掴み、頭上に押さえつける。その右手には、灯を絶頂に追い込んだ振動装置がある。

「それじゃいくぞ」

「んあぁぁぁああぁっ!」

 剥き出しとされた乳房と乳首に振動装置が直接当てられ、先程よりも更に強い振動が灯を襲う。振動によって更に乳首が硬さを増し、より振動を受け止めてしまう。

「やっぱり反応がすげぇな」

 振動装置を止めた大瓦が、それを見つめる。そこで何かを考えついたのか、レフェリーに下卑た笑みを向ける。

「レフェリー、両手を押さえといてくれ」

「・・・まあ、いいだろう」

 一瞬不服そうな表情となったレフェリーだったが、灯の両手を頭上で押さえつける。

「生のおっぱいですげぇ反応だったんだ、こっちはどうだろうな」

 左手と右膝で灯の太ももを押さえつけた大瓦が、灯の秘部を撫でる。

「嘘、そこは止めて!」

「嘘なんか吐かないぜ」

 大瓦は、レオタードの股間部分をあっさりと破り取った。

「ああっ、そんな!」

 一番隠したい秘部まで晒され、灯は悲鳴を上げる。しかし、羞恥だけでは終わらない。

「それじゃ、一番敏感なところで感じてくれ」

「嘘、待って、無理よ!」

 必死に首を振る灯だったが、両手両足を押さえられていては逃れる術もない。

「そう遠慮するなよ」

 にやけた顔の大瓦が、灯の秘裂へと振動装置を当てる。

「いやぁぁぁぁぁぁぁっぁぁぁぁぁ・・・っ!」

 直接秘裂に加えられる暴力的な振動に、灯は叫ぶ。だが、それと同時に快感を得ているのも確かだった。

「守台選手、ギブアップか?」

 レフェリーが灯のGカップの乳房を両方共揉みながら、ギブアップの確認をしてくる。しかし、強烈な振動に晒されている灯にはそれどころではなかった。

「ああっ! ああっ! ひぎいぃぃっ!」

 乳房と秘部を露わにされたまま責められる灯は、その衣装と相まって、囚われた敗北ヒロインが、敵の本拠地で淫らな拷問を受けているかのようだ。

「凄い乱れっぷりだな」

「ああ、乳首もビンビンだ」

 大瓦の感想に、レフェリーが灯の両乳首を転がしながら返す。

「はあっ、はぁっ、はっ・・・はああぁぁぁぁぁぁっ・・・!」

 ぴんっ、と手足を硬直させた灯が、一気に脱力する。

「うお、こいつは凄い」

 大瓦が振動装置を放すと、べっとりと愛液が付着していた。

「ふ・・・ぁぁ・・・」

 あまりの無慈悲な振動責めに、灯は意識を失っていた。

「ここで終わったら、お客様も欲求不満だろう」

 レフェリーが合図し、大瓦に灯を抱えさせる。そして失神した灯を、コーナーに居る英華の前に寝かせる。

「さあ、碧涙選手、リングインしてくれ。そうでなければ、負けとなるぞ」

 硬い表情でリングインした英華は、レオタードに着いているミニスカートを下ろし、灯の両手を胸元と股間を隠すように動かす。そして、大瓦を鋭い視線で射抜く。

「この試合、負けるわけにはいきませんから。覚悟してくださいね」

「おっと、悪いが交代だ。他の奴にも楽しませてやらないと、恨まれちまうんでね」

 英華の闘志を避けるように、大瓦は草橋とタッチする。

 草橋のリングインを待ち、英華はテコンドーの構えを取る。一時とは言え、裸身を晒した恥ずかしさとセクハラボディチェックを受けさせられた怒りが、打撃技を選ばせたのだ。

 英華の構えを見た草橋が、じりっ、と間合いを詰める。

「はっ!」

 ミニスカートを翻し、気合いと共に放たれた右トルリョ・チャギ(廻し蹴り)が、草橋のガードに阻まれる。それが英華を苛立たせる。


 テコンドースタイルを選択したことが、英華の勝機を遠ざけていた。

 合気道は相手の力を利用するため、体力の消費が少ない。しかしテコンドーは蹴り技が中心のため、体力の消費が大きいのだ。


 アプチャ・プシギ(前蹴り)、ヨプチャ・チルギ(横蹴り)も躱され、体勢が不十分なままネリョ・チャギ(踵落とし)を出した瞬間だった。

「あっ!?」

 軸足を刈られ、アキレス腱固めに捕らえられていた。

「くぅっ」

 痛みを堪え、長い右足で草橋の左肩口を蹴る。草橋の力が緩んだ隙に左足を抜き、後方回転から立ち上がる。

「はぁっ、はぁっ、はぁっ・・・」

 それだけで息が切れていた。改めて構えた英華だったが、草橋の膝を刈るようなタックルで再び寝技へと引き込まれる。

 今まで寝技の経験がない英華にとって、逃れるのは至難の業だ。それでも草橋の寝技から逃れようと、草橋の体の下で暴れる。しかし、練習をしたこともない寝技、今までの試合、数多のセクハラによって、気持ちに体力がついてこない。

 それでももがく英華だったが、寝技に残り少ない体力を奪われ、汗だくになる。

「よしよし、透けてきたな」

「・・・えっ!?」

 レフェリーの言葉が耳に入り、英華は視線を落とす。そして、自分の乳肌が透けていることに気づいてしまった。


 新しく用意されたレオタードは、水分によって肢体に張りついただけでなく、透けて英華の柔肌を露わにしていく。

 肌を見られることを極端に恥じる英華にとって、最悪の衣装だ。そのため、英華の動きが鈍っていく。


「抵抗が弱くなってきたな」

 英華の状態を見て、レフェリーが一人頷く。

「よし、草橋、碧涙選手の両足を広げろ」

「だ、駄目です、そんなことをされたら・・・!」

 レオタードの布地は透けているのだ、もし足を広げられれば、ほとんど丸見えとなってしまう。

「お客さんは喜んでくれるからな」

 英華の危惧など無視し、レフェリーが草橋に頷く。草橋が両腕を英華の右脚に、両脚を英華の左脚に絡め、大きく広げた。


 一方、失神したままの灯に、ロックマスクが圧し掛かっていた。

「くくっ、おっぱいとアソコだけが見えてる、っていうのがエロいぜ」

 ロックマスクは灯のGカップバストを揉みながら、左右の乳首を舐めしゃぶる。

「こっちは大洪水だしな」

 一度秘部を撫でたロックマスクは、手についた愛液を舐める。

「・・・んっ・・・んぅ・・・」

「気を失ってても、気持ち良いのはわかるのか? エロいねーちゃんだな」

 勝手なことを言いながらも、ロックマスクは灯の肢体を楽しむ。

 灯の唇を舐め、喉を舐め、左右の乳房を舐め、左右の乳首を舐め、胸の谷間を舐め、下腹部を舐め、淫核を舐め、秘裂を舐める。

 更に太ももを舐め、膝を舐め、膝裏を舐め、脛を舐める。

「これだけやっても起きないとはな」

 含み笑いを洩らしたロックマスクは、灯の両乳房に顔を埋め、マスク越しでの感触を楽しみだした。


「いやぁぁぁぁっ!」

 草橋に両足を広げられ、英華は絶叫していた。必死に手を伸ばし、胸元と秘部を庇う。

「おいおい、碧涙選手、お客様へのサービスは大事だぞ?」

 しかしレフェリーが、胸元を庇っていた英華の右手首を掴む。

「あっ!」

 そのまま引き剥がされてしまう。そのため、汗で透けた乳首を見られてしまう。英華はせめてもと左腕を動かし、左乳首と秘部を隠す。

「なんだ、碧涙選手は右おっぱいを触って欲しいのか」

 勝手な解釈をしたレフェリーが、英華の右胸を捏ね、右乳首を擽る。

「そんな訳が・・・あっ、そんな!」

 英華は更に焦った声を出す。草橋が、左手で英華の秘部回りを触りだしたのだ。勿論、右腕で英華の右脚を抱えたままだ。英華の伸ばしきった左手では草橋の手を止められず、右胸と秘部が玩具にされてしまう。

「碧涙選手のおっぱいは弾力が凄いな。ボリュームがもう少しあるともっと良かったんだが」

 レフェリーの勝手な言い草に、英華は思わず左手でレフェリーの手を弾いていた。

「おいおい、レフェリーに攻撃をするんじゃない」

 しかし、逆にレフェリーから左手を掴まれ、両手共にレフェリーの膝で押さえられてしまう。

「さあ、たっぷりとおっぱいで楽しませてもらおうか」

 汗に透けた両胸が、レフェリーに鷲掴みにされる。乳首を転がされながら、両胸を揉み立てられる。更には、草橋の左手が秘部、ヒップ、太もも、下腹部などを不規則に撫で回しくる。

「あっ、くぅっ、んんぅ・・・っ!」

 英華は男たちを跳ね除けようと身を捩るが、残り少ない体力を浪費するだけだった。


「なかなか目を覚まさないな」

 灯の両乳房を揉み上げながら、ロックマスクが呟く。好き勝手出来るのは良いのだが、抵抗が皆無なのも物足りない。

 灯から離れたロックマスクが、草橋に声を掛ける。

「草橋さん、悪いが代わってくれよ。レフェリーもな」

「・・・まあ良いだろう」

「・・・」

 レフェリーは不服そうに、草橋は無表情のまま、英華から離れる。

「悪いね」

 ロックマスクの言葉に首を横に振った草橋は、未だ失神したままの灯へと向かった。

「はっ、はっ、はっ・・・」

 今が好機だとはわかっていたが、英華は立ち上がることもできない。それだけの体力も残っていないのだ。

「英華ちゃんだったか、黒髪美人さんだよな」

 ロックマスクが英華の上半身を起こし、その後ろに座る。英華の胴を両足で絞めながら密着し、英華の右頬を舐めながら両胸を揉みだす。

「乳首も立って、それが見てもわかるしな」

 英華の右胸を揉みながら持ち上げ、背後から覗き込む。特殊な生地のレオタードは英華の汗で透け、硬くなった乳首をはっきりと誇示させている。

「うっ、うぅっ・・・」

 あまりに体力を消耗した英華は、ロックマスクの手を振り払おうとしても、力なく触るくらいしかできない。

 すると何かを思いついたのか、レフェリーがロックマスクに指示を出す。

「大岩・・・っと、ロックマスク、一旦ストップだ」

「おい、本名で呼ばないでくれよ。萎えるぜ」

「ああ、悪かった。それでな・・・」

 まったくそうとは思えぬ口調で鼻を鳴らしたレフェリーの指示に従い、ロックマスクが英華をフルネルソンに極め、そのまま寝転ぶ。

「あちこち透けて見えるのが色っぽいなぁ、碧涙選手」

「ああ、まったくだ」

 もう良いだろうとまたリングに入ってきた大瓦も頷く。

「ただ、なぁ」

 そこで言葉を切ったレフェリーが、にやりと笑う。

「守台選手もおっぱいとアソコを見えるようにされたんだ。タッグパートナーである碧涙選手も、同じ目に遭わないと不公平だよなぁ?」

「そんな・・・嫌です、止めてください!」

 こんな大勢の前で、肌を晒したくない。何より、粘りつくような視線で視姦してくる元役員には見られたくない!

 しかし、大瓦が容赦なくレオタードの胸元を掴む。次の瞬間、英華の祈りも虚しく、レオタードの布地が破り取られた。

「ああっ!」

 英華の形の良いDカップバストが、またも異性の目に直接晒された。しかも今度は隠すこともできず、凝視されてしまう。

「着替えのときには、髪の毛で隠されてしまったからなぁ・・・おっ、そうだ」

 一人呟いたレフェリーが英華の長い髪を掴み、毛の先で乳首を擽る。

「あっ、んっ、ふぅん・・・」

 そのやるせないような刺激が、むず痒さを生じさせる。英華は、知らず腰を揺らめかせていた。

「おっ、碧涙選手は髪の毛責めがお気に入りか」

 レフェリーが乳首を髪の毛で擽るたび、英華の乳首が硬さを増していく。

「それじゃあ、こんなのはどうだ?」

 レフェリーが英華の左乳首に英華の髪の毛を巻きつけ、しごいていく。

「おっぱいも良いが、脚も良いな」

 英華の長い脚を、大瓦が下から上まで舐め上げていく。

「こうしてるだけで、英華ちゃんの尻が当たって、たまんねぇぜ」

 ロックマスクは寝ころんだまま、英華のヒップの感触に舌舐めずりする。

 男たちは抵抗できない英華の肢体を、それぞれのやり方で楽しむ。

「ああそうだ、大瓦」

「ん? ああ、わかった」

 レフェリーの視線に気づいた大瓦は、何かを取り出した。

「それじゃ、お嬢さんにも味わってもらおうか」

 そう言った大瓦の手に、灯を失神に追い込んだ振動装置があった。

「あっ、ああっ・・・」

 その威力は、先程の灯の反応で想像できる。できてしまう。

「さ、行くぜ」

 大瓦が振動装置を秘部に当て、スイッチを入れた。

「ああああああっ!」

 英華の絶叫が、リングに響き渡る。薄い布地越しに、秘部への振動が加え続けられる。初めての強烈な刺激に、ただただ叫ぶしかできない。

「大瓦、一旦ストップだ」

 大瓦が振動装置を止め、秘部から離す。英華の愛液はレオタードを透けさせただけでなく、振動装置までも濡らしていた。

「へえ、こいつは良い。透けるのもエロいな」

 大瓦が、英華の透けた秘部をじっくりと視姦する。

「それも良いが、碧涙選手のアソコを、はっきりと見ようじゃないか」

「もうちょっと見ていたい気もするが・・・」

 そう言いながらも、大瓦の分厚い手が、英華の秘部へと伸ばされる。

「だっ、駄目、それだけは・・・!」

 透けて見えるのと、直接見えるのでは、やはり羞恥の度合いが違う。どうにか阻止したい英華だったが、フルネルソンに捕らえられている体勢では何もできない。

 次の瞬間、布地が裂ける音が英華の耳に届いた。

「いやっ、いやぁぁっ!」

 とうとう、秘部が露わとされた。忽ち視線が集中する。

「・・・こいつは綺麗だ」

 思わず、と言った様子でレフェリーが呟く。英華の秘部はぴたりと閉じ、性的経験の無さをアピールしている。

 しかし、ここは<地下闘艶場>だ。レフェリーの血走った目での合図に、同じく目を血走らせた大瓦が頷く。

 そして、また振動装置を、隠すものもない英華の秘部へと当てた。

「ひぎぐぅぅぅ・・・っ!」

 秘裂に直接加えられる暴力的な振動に、英華は喉を仰け反らせて歯を食い縛る。

「お嬢さんには、ちょっと強過ぎるか」

「そうかもしれないな。少し出力を落とすか」

 レフェリーが大瓦に調整方法を教え、大瓦が再び英華の秘裂に当てる。

「んっ、あっ、ひううぅっ・・・!」

 英華の声は、先程とは明らかに違っていた。嫌悪だけではなく、どこか甘いものも含まれていたのだ。

「その強度で丁度良さそうだ」

「ひあぁっ、そんなこ・・・てはぁっ、はひぃぃぃん!」

 英華の腰が、思い切り跳ねていた。

「可愛い声で喘ぐじゃないか、ええ?」

 息を荒くしたレフェリーが、英華の右乳房を揉む。右乳首を転がす。

「ひあっ、ああっ、そっ、んああっ!」

 乳首からの刺激も、秘部からの刺激も、英華は快感として捉えてしまっている。長時間の責めが、英華の身体を変えてしまっていた。

 それに気づいたとき、身体が、浮遊感に包まれる。そこから、意識だけが吹き飛ばされた。

 碌に性経験もない英華は、今日初めて、絶頂というものを味わっていた。初の絶頂の衝撃を逃す術も知らず、英華は深い失神へと陥っていた。

「おや、碧涙選手は気絶したか」

 それに気づいたレフェリーが、下卑た笑みを浮かべる。それにも気づかず、英華はぐったりと横たわっていた。


 リングの上で、灯と英華が並んでいる。否、仰向けのままで寝かされ、押さえつけられている。

「そろそろ起きて欲しいものだが・・・」

 そうごちたレフェリーが、二人の乳首へと手を伸ばし、乳房を揉みながら弄る。

「・・・んっ・・・んんぅ・・・?」

 先に目覚めたのは灯だった。重たげに瞼を開け、リングライトの眩しさに目を瞬かせる。

「良く寝ていたなぁ、守台選手。安心しろ、試合は終わっていないぞ。今はまだ、な」

 相変わらず灯と英華の乳房と乳首を弄りながら、レフェリーがにやつく。

「・・・えっ・・・あっ!」

 ようやく現状を把握したのか、灯が身を捩る。しかし、男たちに押さえられた身体は動かず、レオタードから飛び出させられたGカップの乳房が揺れるくらいだ。

「まあもうちょっと待っててくれ。碧涙選手が寝ているんでな」

 レフェリーが灯の、英華の乳房を揉んだまま、下卑た笑みを浮かべる。

「・・・んんぅ・・・ふぁ・・・?」

「碧涙選手も目が覚めたか」

 英華の目覚めに、レフェリーが気づく。

「それじゃあ、説明といこうか」

 二人の乳房に悪戯しながら、レフェリーが告げる。

「守台選手と碧涙選手が負けたら、ペナルティを受けてもらう」

 一度立ち上がったレフェリーが、位置を変えながら二人の肢体を目で楽しみながらにやける。

「どんなペナルティか、楽しみにしておいてくれ」

 その言葉と同時に、レフェリーが二人の秘裂を、淫核を撫で回す。

「それじゃあ、さっき言った通りにしてくれ」

 立ち上がったレフェリーが男たちに合図し、大瓦が灯の右手と右足と英華の左足を、草橋が灯の左手と左足を、ロックマスクが英華の右手と右足を押さえる。

 両足を無理やり広げられた二人は、秘部同士をくっつけられた。その間に、二人を追い込んだ振動装置が挟まれる。

「さあ、極楽に行ってくれ」

 思い切りにやついたレフェリーが、振動装置のスイッチを入れる。

「あああああああっ!」「いやぁぁああああああっ!」

 二人の絶叫が、空気を震わす。どんなに叫んでも、身を捩っても、抑え込まれた二人は逃れることができず、秘裂を振動に責められ続ける。

 灯の、英華の全身から汗が吹き出し、身を捩るたびに乳房が揺れ、乳首は硬く立ち上がり、秘裂からは愛液が飛び散る。余りの汗の量に、レオタードはほぼ全身が透けてしまっている。

「もっ、もう、もう・・・っ!」

 先に絶頂したのは灯だった。

「ああっ、いやっ、もう・・・ああああぁぁぁぁっ・・・!」

 灯に遅れて、英華も絶頂へと達する。

 二人が達しても、レフェリーは振動装置を止めようとはしない。

「ぁっ・・・ひぎっ、あいぃぃぃぃっ!」

 強烈な振動を受け続け、灯は再び絶頂へと叩き込まれる。

「あはぁっ、もう・・・いやぁぁぁぁあぁっ・・・っ!」

 灯に遅れ、英華もまた絶頂する。

 リングの上で男たちに押さえ込まれ、乳房と秘部を露わにされ、会場中から欲望の視線を浴びせられながら、灯と英華は絶頂し続けた。


 振動装置によって何度も絶頂へと叩き込まれた英華と灯は、意識を失っていた。

「ここまでにしておくか」

 レフェリーが振動装置のスイッチを切り、男たちを見渡す。

「それじゃ、試合を決めてくれ」

 レフェリーの合図に、男たちが同時に灯と英華へと手を伸ばす。意識を失ったままの灯の、英華の足を大きく広げ、秘部をより露わにしてしまう。

 乳房を、秘部を露わとされた美女と美少女が、大股開きの体勢で同時にフォールされた。

「ワン!」

 何度もの絶頂に達せられた二人は、ぴくりとも動かない。

「ツー!」

 ツーカウントで、灯が身じろぎする。しかし、それだけだった。

「スリーッ!」


<カンカンカン!>


 遂に、敗北のゴングが鳴らされる。長々と嬲られ続けた英華の、灯の肢体が、更なる玩具とされるペナルティが決定した瞬間だった。

 ゴングを聞いた男たちは名残惜しげに二人から離れ、リングを後にした。それと入れ違いに、黒服の一人がマイクを持ってリングに上がる。

「試合終了までお付き合い頂き、誠にありがとうございます。本日は、より一層皆様に楽しんで頂ける催しを用意しました」

 この発表に、観客席がざわめく。

「その発表の前に、あちらをご覧ください」

 黒服が指し示したのは、花道だった。やがて、何かが姿を現す。

 花道を通り、五つのストレッチャーが運ばれてくる。台の一つ一つに、美女が、美少女が載せられている。全員英華や灯が着ていたのと同じレオタード衣装を着用している。しかも抵抗されないためか、大の字の姿勢で拘束されている。

 リング下へとストレッチャーで運ばれた美女、美少女は、全員がセクハラショーで辱められた面々だった。眠っているのか、気を失っているのか、その目は閉じられている。

 リングの上で未だに意識を失い、身体を震わせる灯と英華を加えると、七人の美女と美少女が揃った。

 ストレッチャーがリング下に到着すると、黒服の群れがリング内外に散らばり、美少女を、美女を抱える。そのまま、事前に決められた場所へと移動させる。

 七人の内、四人がコーナーポストの場外側に吊り下げられ、三人がリング内でロープに磔とされた。

 コーナーポストには、フィアーレスワン、栗子、悟良、珠希の四人。

 リング内には、英華、灯、美咲の三人。

 七人の美女、美少女が拘束された光景は、まるで敗北したヒロインが囚われ、刑罰を待つ身であるようだ。

 リング内外に咲く華を見つめていた観客を、黒服のマイクが引き戻す。

「これより、オークションを行います。三十分間、こちらの美女たちを好きにできる権利です」

 この発表に、怒号染みた歓声が爆発する。

「ただし、碧涙英華選手だけは予約済です」

 黒服の発表に不満の声が上がる。英華を狙っていた観客からだろう。

「もう一つ。今回闘っていない選手の衣装ですが、特殊な生地を使っています」

 一息置いた黒服が、会場を見渡す。

「どう特殊なのかは、試合の最中でおわかりになっていると思います」

 この説明だけで、観客たちは理解する。そして頭の中で、どの美女、どの美少女で楽しむかを妄想し始める。

「まずは、今日大活躍してくれた守台灯選手からいきましょう。百万からスタートです」

「二百!」

「三百!」

「五百!」

 熱狂が渦を巻いて会場を支配する。

 例え落札しても、本番行為が禁止なのは皆理解している。しかし、本番行為など、金さえあれば(相手を選ばなければ)簡単に解決できる。大事なのは、今しか欲望をぶつけることができない女が居る、という事実だ。

「五千!」

「五千五百!」

「五千五百、他にありませんか?」

 黒服が会場を見回し、もう値段をつける者が居ないことを確認する。

「では、守台灯選手は五千五百万をつけた方が落札されました」

 落札者の下に黒服が向かい、「守台灯」と書かれた札を渡す。

「次は、未作良美咲レフェリーです。同じく百万スタートです」

「一億!」

 いきなり、第一声から一億の声が飛んだ。これには他の観客も気勢を削がれ、後が続かない。

「他にはありませんか? ・・・では、未作良美咲レフェリー、一億で落札です」

 満足気に手を上げた男を見て、他の観客たちは納得する。外食チェーン店を全国展開する会長だったからだ。彼にとっては、一億などたいした額ではないのだろう。

 落札者が「未作良美咲」と書かれた札を受け取ったのを見て、黒服がマイクを握り直す。

「次は、フィアーレスワン選手です。百万スタートです」

「一千!」

「一千二百!」

「二千!」

「三千!」

 先程の一億落札の影響か、高額の入札が続く。

「八千!」

「九千!」

「九千五百!」

「・・・九千八百!」

 最後に上がった声を最後に、入札が止まる。

「九千八百、九千八百です。ありませんか?」

 黒服は会場を見渡し、大きく頷く。

「ありません! 九千八百万でフィアーレスワン選手を落札です」

 フィアーレスワンを落札した中年男の視線は、衣装を内側から押し上げる100cmを超えるバストへと注がれていた。


 同様に堅山栗子、未作良悟良、堅山珠希のオークションが行われる。

 栗子は、四千万。

 悟良は、八千三百万。

 珠希は、六千六百万。

 今回のオークションだけでも、<地下闘艶場>の収益は凄まじいものがあった。


 オークションが終わり、落札者がそれぞれ美女の、美少女の元へと案内される。ゆっくりと歩を進める者、足早に進む者、前屈みで歩く者など様々だが、欲望に目をぎらつかせているのは全員に共通している。

 英華の前に出てきたのは、例の元役員だった。これにはなるほどと思う者も居るが、納得はできない。自然とブーイングが起こるが、当の元役員は英華の肢体へと集中し、耳に入っていない。

「皆さんお揃いになりましたね? では、これより三十分のお楽しみとなります。それでは・・・開始です!」

 黒服の合図と共に、男たちが美女へ、美少女へと手を伸ばした。


 元役員は、欲望に任せ、英華の衣装を引き裂いていく。

「ああ、英華お嬢様、お綺麗ですよ。いつか、永遠に俺のモノにしてあげますからね」

 元役員は英華の頬を舐め上げ、愛液に濡れた秘裂を刺激する。

「そのときには、ここに、俺のモノを入れてあげます。お嬢様のここが、俺の形になるまでね。いや・・・そこからが本番だな」

 処女膜に傷をつけないように、元役員は秘裂の中に指を埋める。もしリングの上で処女を奪えば、人生が文字通り終わりを迎える。英華の身体を堪能し続けるためにも、それはできない。

「んっ・・・」

 秘部への刺激が気つけとなったのか、英華の瞼が薄っすらと開いた。

「ここ、は・・・あ、ああっ!」

 度重なる絶頂による失神でぼんやりとしていた英華だったが、元役員の顔に気づいた瞬間、すべてを思い出していた。そして、自分が、灯が、敗北を喫した事実にも気づいてしまう。

「お目覚めですか? お嬢様、一緒に楽しみましょうね」

 元役員の男が英華の左頬を舐め上げ、右乳首を転がす。

「ああっ、やめて! 貴方なんかに、触られたくはありません!」

 母親に多大な苦労を掛けた男に辱められる。英華にとって、肉体的にも、精神的にも、極度の負荷だ。

 しかし最も高いストレスは、元役員から快感を与えられているという事実だった。乳房を揉まれ、乳首を摘まれ、淫核をつつかれ、秘裂を弄られ、ヒップを撫でられ、そのたびに身体は快感を得てしまっているのだ。

「くくく・・・嫌よ嫌よも好きの内、ですか。お嬢様も、男心を擽る方法を知っていますね」

 英華の喉を、耳を舐めながら、元役員が悦に入る。

「嫌なものは、嫌です! 触らないで!」

「ほぉ、ならば、これは・・・なんでしょうね?」

 男は英華の秘裂から、愛液を掬う。それを、英華の目の前で広げて見せる。

「そ、それは・・・」

 反論も思いつかず、英華は顔を背ける。

「これは愛液と言って、女性が気持ち良くなったときに出てくるものですよ。つまり、お嬢様が感じている証拠ですよ」

 元役員は愛液を英華の唇に塗り込み、羞恥を煽る。

 英華の真向かいでは、灯が嬲られている。胸と秘部の箇所を破られたレオタードはそのままで、ミニスカートの奥の秘裂をひたすら舐め回されている。その姿が、自分の置かれている状況を客観的に教えてくれる。

「余所見はいけませんね、こちらだけを見てください」

「っ!」

 顎を掴まれたかと思うと、唇に吸いつかれていた。

「んんぅっ、んんんんん・・・・っ」

 英華の呻きなど気にも留めず、元役員は英華の唇を奪いながら、腰を振る。そしてその合間に、うわ言のようにひたすら呟く。

「必ず突っ込んでやる、必ず突っ込んでやる、必ず・・・」

 そしてまた英華の唇を無理やり塞ぎ、唾液塗れの舌で口内までも犯す。

 抵抗する力も、手段も残されていない英華の頬を、涙が一筋流れ落ちた。


 会場を、熱気と欲望が渦巻いている。

 渦の中心である舞台に於いて、ある者は衣装を破られ、ある者は衣装を濡らされ、美女たちが肢体を露わとされていく。


 美咲は、水鉄砲でレオタードを濡らされ、柔肌を透けさせられた状態でねっとりとした責めを受け、何度もの絶頂に追い込まれている。


 フィアーレスワンは、美女たちの中で一番の質量を誇る乳房を丸出しにされ、揉まれ、捏ねられ、乳首に吸いつかれている。


 栗子は、男に貸し出された振動装置によって、透けさせられた衣装の上から責められ、早口で喘いでいる。


 悟良は、襟部分、スカーフ、スカート部分だけを残して衣装を破り取られ、じっくりと昂らされた上で嬲られている。


 珠希は、衣装を背中だけ破られてから尻を突き出す姿勢にさせられ、ヒップを揉み立てられながら背中を舐められている。


 灯は、乳房と秘部だけを露わとされた格好のまま、乳首と秘裂を舐められている。


 英華は、元役員の男から全裸に剥かれ、欲望と屈辱を与えられ続けている。


 どの美女も、美少女も、望まぬ刺激に、望まぬ快感に、苦鳴を、喘ぎ声を洩らす。

 美しい生贄の狂宴は、未だ終わりを見せなかった。



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