【閑話休題 座談会 其の三】

涼子「恒例となりました座談会を、第十五話終了のタイミングで行います。今回は試合がなかったのですが、進行は私、21歳の於鶴涼子が務めさせていただきます。受付嬢の接客スキルを生かした私の進行が評判のようで、またも大役を任されました。では、久遠さんから登場順に自己紹介をお願いします。職業と格闘スタイルも教えてもらえますか」
久遠「天現寺久遠。17歳で、普段はバイトしながら路上で弾き語りをしてる。格闘技はやったことないよ。ってか、なんでこいつがここにいるんだよ!」
美鈴「あらあら、そんなに嫌わなくてもいいじゃない。私は茨木美鈴、年齢は22歳で、普段は『女王様』やってるわ。サンボ経験ありよ」
涼子「美鈴さんがここにいる理由は後でお教えします。では琴音さん、どうぞ」
琴音「沢宮琴音です。26歳で、和太鼓奏者が仕事です。体作りも兼ねてボクシングジムに通ってます」
美鈴「琴音って名前なのに和太鼓叩いてるの? 名が体を現してないわね」
琴音「母が和琴の先生で、私に琴音とつけたんです。和太鼓の道に進むときには喧嘩もしましたけど、今は応援してくれてます。同じ和楽器ですしね」
涼子「いい話ですね・・・では最後に冬香さん、お願いします」
冬香「沢宮冬香です。21歳の大学生で、部活はテコンドーをしてます。琴音義姉さんとは義理の姉妹です。なんであのバカ兄貴にこんないいお嫁さんが来てくれたのか、今でも不思議です」
涼子「今回はこの五名で座談会を行いたいと思います。私以外は皆さん初めての座談会ですね」
久遠「でもさあ、なんでこの『女王様』がいるんだよ。この座談会って犠牲者が集まって慰めあう会なんだろ?」
涼子「座談会に対して若干誤解があるようですが、こちらの美鈴さんも男性と試合をしてるんです。そのときに詳しくお話しましょう」
美鈴「そういうことなのよ久遠ちゃん」
久遠「久遠ちゃんとか呼ぶな!」
涼子「ではここで恒例となったバストとカップサイズの発表をさせていただきます。久遠さんが87のE、美鈴さんが92のF、琴音さんが86のD、冬香さんが86のD、あら、琴音さんと冬香さんは一緒のサイズなんですね。私は85のDです」
冬香「ちょ、ちょっと、なんでそんな発表しちゃうんですか!」
涼子「恒例ですから。皆さん知りたいでしょうし」
美鈴「久遠ちゃん、私の見立て通りEだったのね。どう、もっと大きくしてあげましょうか?」
久遠「さ、触るなバカっ! 放せっ!」
涼子「じゃれるのもそこまでにして、第三回の座談会を始めましょうか」
久遠「じゃれてねぇっ!」

涼子「第十一話は一試合目が久遠さんとサンダー・桝山。二試合目が久遠さんと美鈴さん。<地下闘艶場>初のキャットファイトですね」
久遠「こいつがこんな変態だとは知らなかったからな。知ってたら一試合目で帰ってたよ」
美鈴「ふふ、照れちゃって。かわいい」
久遠「照れてない!」
琴音「二人とも仲がいいですね」
久遠「んなわけあるか!」
美鈴「仲良くしましょうよ久遠ちゃん。私どっちでもいけるから」
久遠「なんの話してるんだお前は!」
美鈴「だからナニ」
涼子「はい、そこまで。冬香さんが固まってるじゃないですか。話を続けます。久遠さんは運営側が用意した衣装は着ずに私服でリングに上がり、一試合目のサンダー・桝山戦をあっさりと終わらせましたね」
久遠「まあね。たいした実力もなかったし」
涼子「私もサンダー・桝山と対戦したときには瞬殺したんですけどね。久遠さんはその後すぐに美鈴さんとの闘いとなりましたが」
久遠「こいつ、女のくせにあたしの胸を触ってきたりしてきたからな。とんでもない奴だ」
美鈴「うふっ、その手の趣味の人って案外多いのよ。知らなかった?」
冬香「(さっきからなんて話してるの、この人・・・!)」
涼子「この試合は、観客からは不評でした」
琴音「あら、なぜですか?」
涼子「あまりセクハラがなかったからです。最後に美鈴さんがレフェリーから責められる場面があったので騒ぎにはなりませんでしたが」
美鈴「あの男だけは許せないわね、今度店に連れてきてくれないかしら。責められる痛みと快感を味あわせてあげるのに、フフフ・・・」

涼子「第十二話は美鈴さん対チャベス・マッコイですね。十一話で久遠さんに見せ場少なく敗れたことから、懲罰的な意味合いが強い試合でした」
久遠「女王様が責められてちゃ話にならないな」
美鈴「ほんとよ。私男を責めるのは好きだけど、責められるの大嫌いなのに」
涼子「このときの衣装はOL風でしたが、『似合わない』との意見が大半でしたね」
美鈴「す、好きで着たわけじゃないし、しょうがないじゃないの。自分で鏡見たとき泣きそうになったんだから」
久遠「はっ、案外羞恥プレイ狙ってそんな衣装にしたんじゃないの」
涼子「一枚ずつ脱がされ、最後はロープに拘束されての絶頂失神KOでした」
美鈴「・・・まぁ、貴重な経験をさせてもらったと思うことにするわ。Mの気持ちがなんとなくわかった気がするし」
冬香「脱がされ・・・拘束・・・絶頂・・・(赤面)」
琴音「冬香ちゃん、大丈夫? 顔真っ赤っかになってるわよ?」
美鈴「うふふ、可愛いわね。お姉さんが色んなこと教えてあげようか?」
久遠「やめんか変態!」
琴音「やめてください!」
美鈴「じょ、冗談じゃないの、やぁねぇ。あんまり可愛いからからかっただけじゃない。私は久遠ちゃん一筋よ?」
涼子「・・・勝手にしてください(脱力)」

涼子「第十三話は琴音さん対蒲生漣次です。衣装はチャイナドレスですね?」
琴音「そうなんですけど・・・胸元と背中に穴は空いてたし、スリットがエグイぐらいに入ってましたから恥ずかしくって・・・」
涼子「<地下闘艶場>に初めて人妻が上がったということで観客も含めて皆興奮してましたね。男って人妻っていう言葉で興奮するんでしょうか?」
琴音「さあ・・・」
久遠「どうなんだ?」
美鈴「知らないわよ、私男じゃないもの」
涼子「さっきから固まってる冬香さんはどう思います?」
冬香「え? は、はい?…(涼子再説明中)…えっと、男ってバカだからそういうこともあるかもしれません。うちの部活の男子も義姉さん見たら目がハートマークになってましたから。まあ、義姉さんが美人だからって理由だからかもしれませんけど(得意気)」
琴音「んもう、冬香ちゃんったら(赤面)」
久遠「へぇ、ホントの姉妹みたいだな。仲がいいじゃん」
美鈴「なんか・・・匂うわね」
涼子「試合は常に蒲生のペースで進みましたが、琴音さんはハイヒールで蒲生の額を殴って流血させてます」
琴音「あ、あれは不可抗力なんです。わざとじゃないんです!」
冬香「そうよ、義姉さんがそんな卑怯なことするわけないもの!」
涼子「わ、わかりました、わかりましたから冬香さん落ち着いて。こほん、試合は琴音さんがチャイナドレスの上半身をはだけられ、ブラをずらされてセミヌードにさせられ、最後はギブアップしています」
冬香「ね、義姉さんそんなことされてたの!?」
琴音「え、ええ・・・それに、すぐにはギブアップをさせてもらえなかったの。ギブアップと言いそうになったら口を塞がれて・・・」
久遠「こんだけエロいフェロモン出してる人妻相手だったからかなぁ」
美鈴「確かに、私でもクラクラきそう・・・琴音さん、今晩どうかしら?」
琴音「え、ええっ!?」
久遠冬香「いい加減に、しろっ!(ドガッ)」
涼子「初めての割には、息の合ったコンビネーションですね。では、次に行きましょう」
美鈴「ひ、一人くらい庇ってくれてもいいじゃないの・・・」

涼子「第十四話は冬香さん対マスク・ド・タランチュラです。衣装は上がライダースーツで、下は超がつくほどのミニスカでした。蹴り技が主体の冬香さんとしては、必然的に熊さんパンツを見せまくりの試合でした」
冬香「た、確かにそうだけど、熊さんパンツは言わなくてもいいじゃないですか!」
涼子「あら、観客からは『熊さんパンツ萌え〜』と評判だったのに。加えてブラはフリルつきの白。冬香さんの乙女趣味が暴露された試合でもありました」
冬香「お、乙女趣味って・・・!」
琴音「あら、いいじゃない、お部屋のぬいぐるみたちも可愛いものばかりだし」
冬香「@%◆*$#!!」
美鈴「・・・まさかお義姉さんにとどめを刺されるなんてね」
久遠「・・・ご愁傷様」
涼子「この試合は初めてリングドクターが登場しました。でもしたことといえばマスク・ド・タランチュラの指の怪我を治したことと、冬香さんのライダースーツの前を開け、乳首を摘まんだことくらいですかね」
冬香「ホントですよ! 私のち、ち、チクビ(小声)を触って、あの、その・・・」
涼子「『ここまでなってはイカせてしまったほうがよいでしょう』という発言ですね。確かに許せません」
冬香「そんなにはっきり言わなくてもいいのにーっ! 涼子さんって意地悪キャラだったんだー!」
涼子「誰が何ですか?(じろり)」
冬香「(びくっ)い、いじ、いじ・・・イジメッコ」
涼子「可愛い子ほど虐めたくなるっていうでしょう?(氷の微笑)」
琴音「可愛いならしょうがないですけど、冬香ちゃんをあまりいじめないでくださいね?」
涼子「こほん、わかってますよ、大丈夫です。次に行きましょうか」

涼子「第十五話は、<地下闘艶場>初めてのバトルロイヤル戦でした。これに琴音さんと冬香さんのお二人が参加してます」
琴音冬香「だって・・・」
琴音冬香「冬香ちゃんの」「義姉さんの」
琴音冬香「変な写真を公開するって言うから仕方なく」
久遠「スゲェ、完璧ハモリ」
美鈴「怪しい・・・これだけ息が合って、お互いがお互いを庇いあうなんて・・・貴方たち、レズの関係ねっ!?」
琴音冬香「・・・え?」
久遠「何を言い出すんだお前は・・・」
琴音「冬香ちゃんは実の妹みたいに思ってますけど、そんなことは・・・」
冬香「た、確かに義姉さんは魅力的だし、憧れだけど、そんな風には思ってないわよ」
美鈴「いいえ、バイセクシャルの私が言うんだから間違いないわ! 二人とも自分の気持ちに気づいてないだけよ!」
久遠「そんな根拠のないことを自身満々に言うなっ!」
涼子「・・・試合の内容に移りますよ。(疲) バトルロイヤル戦は予想通り男達対お二人という構図で進み、苦戦しながらも、最後は琴音さんがマスク・ド・タランチュラ諸共リングに落ちて冬香さんが勝ち残りました。しかしレフェリーは勝ち名乗りを受けるまでは試合を止めないと言い、冬香さんは立ち上がることを許されずに嬲られ続けました。琴音さんもリングに上げられ、男達からセクハラを受けています。災難でしたね」
冬香「あ、あのセクハラ地獄を『災難』の一言で片付けないでくださいよ! ほら、義姉さんも何か言ってやって!」
琴音?「ああ、嫌だけど、嫌だと思うほどに感じちゃって・・・今思い出しても体が火照っちゃって火照っちゃって・・・冬香ちゃん、私を慰めて・・・」
久遠「・・・ってお前は鼻つまんでなにをしてるんだ!」
美鈴「いやあねぇ、琴音さんの恥ずかしい独白を代わりに言ってあげただけじゃない。(ボカッ!)あいた! ちょっとした冗談じゃないの久遠ちゃん」
久遠「見ろ、琴音さんだけじゃなくて冬香さんのほうも固まってるじゃないか!」
美鈴「ごめんなさいね、二人とも。お詫びに今度お店に招待するから」
久遠「ってお前の店ってSMクラブだろ! 二人になにするつもりだ!」
美鈴「だからナニ(ごきっ!)」
涼子「ふぅ。さすがにこれ以上美鈴さんを野放しにすると危なそうですね」
久遠「こいつをあっさりと落とすなんて・・・涼子さん、かなり強いんだな」
涼子「あら、それほどでも。では、オチもついたところで、今回の座談会はここまでと致します。またどこかでお会いできるといいですね」
久遠「落とされてオチに使われるとは、哀れな奴・・・」
冬香「今回の扱いはあんまりよーっ! 責任者出てこーいっ!」
美鈴「それ・・・わたしのせりふ・・・(がくっ)」


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