【閑話休題 座談会 其の五】

涼子「毎回五話分が終わった時点で行う座談会、今回も於鶴涼子の司会で進めさせていただきます。回を重ね、座談会も五回目となりました。では皆さん、名前、年齢、職業、格闘スタイルを含めた自己紹介をお願い致します。まずは私から。21歳で、職業は受付嬢。格闘スタイルは合気道です。ではメイさんから、登場の順にお願いします」
メイ「押忍、藤嶋メイ、18歳、高校で空手やってます」
瑞希「稲角瑞希、17歳、高校生で、格闘スタイルはジークンドー」
ニナ「ニナ・ガン・ブルトンです。インド出身の18歳で、日本の高校に留学中です。格闘スタイルはムエタイです」
咲夜「鈴代咲夜、18歳です。女子高に通ってます。格闘スタイルは一応キックボクシングです。とは言っても二年以上練習してないんですけどね」
エキドナ「・・・エキドナです」
涼子「エキドナさん、それだけですか?」
エキドナ「・・・はい」
涼子「マスク取りませんか?」
エキドナ「・・・」
涼子「仕方ありませんね、それでは座談会を始めたいと思います。いいですよね美緒さん?」
エキドナ「はい・・・あ!」
涼子「(くすっ)美緒さん、マスクを取って皆さんに挨拶しましょうよ。初対面の方もいらっしゃいますから」
メイ「えっ、エキドナって美緒さんだったの!?」
ニナ「驚きですね」
エキドナ改め美緒「ああん、もう、折角誰も気づいてなかったのに!(マスクを脱ぎ捨て)栗原美緒、19歳、大学生で、レスリングをベースに打撃技も練習してます。マスタラの奴にリベンジするために、マスクを被ってエキドナのリングネームで闘いました」
涼子「マスタラとはマスク・ド・タランチュラのことですね。詳しい内容はまた後で。あら? メイさん、ニナさん、咲夜さんが18歳、瑞希さん17歳、美緒さんも19歳、ですか。今回は私以外の皆さんは十代ですね。ちょっと疎外感がありますが・・・」
美緒「そんなこと言わないでくださいよ涼子さん。私と二つしか違わないじゃないですか」
涼子「ありがとうございます美緒さん。そうですね、今回はお姉さん気分で進行して行きましょう。ではここで恒例となっているバストサイズとカップを発表します。私が85のD、メイさんが84のD、瑞希さん86のD、ニナさん91のF、咲夜さん86のC、美緒さんが87のE。瑞希さんと咲夜さんが同じサイズでカップ数が違うのは身長のせいですね。それに、Cカップの女性は初めてですね」
咲夜「あの、なぜバストサイズの発表が恒例なんですか? 女同士とはいえ、ちょっと恥ずかしいんですが・・・」
涼子「毎回行っていることなので、どうか気にしないでください。では、今度こそ第五回目の座談会を始めましょう」

涼子「第二十一話はメイさん対恵比川福男。メイさんは空手着、恵比川は柔道着です」
メイ「私を引きずり出すために、道場の先輩を狙って怪我させたというのが許せませんでした。しかも、次は女の子の後輩が襲われるかもしれない、と招待状に書かれていたので、已む無く参戦したんです。対戦相手は先輩たちを怪我させた本人だというのもありましたし」
涼子「試合は恵比川の有利で進み、メイさんは道衣の上を取られ、Tシャツを破かれ、ビスチェをずらされ、乳房と乳首を晒されました。前回と同じくセミヌード披露ですね」
咲夜「そ、そうなんですか(真っ赤)」
瑞希「想像しちゃうね・・・」
メイ「りょ、涼子さん、そこまで詳しく言わなくてもいいでしょう!」
涼子「あら失礼」
ニナ「そういえば、メイさんって前回もビスチェじゃなかったですか? ビスチェ好きなんですか?」
メイ「だって、普通のブラだと胸が揺れるじゃないか。だから練習とか試合のときはビスチェなんだ」
瑞希「じゃあさ、可愛い系のブラも持ってるの? 今はブラなんでしょ?」
メイ「い、いいじゃないかそんなことは!」
涼子「(後でチェックしましょうか)メイさんは恵比川のタフさと投げ技、寝技に追い詰められたものの、最後は膝への前蹴り、顔面への後ろ回し蹴り、頭頂部への踵落としでKOしています」
メイ「さすがに打たれ強かったですね。あれで懲りるといいんですけど」
涼子「勝利で得たファイトマネーを、怪我した先輩方のために使ったそうですが?」
メイ「そのつもりだったんだけど、ファイトマネーを先輩たちの治療費や入院費に使ってもらおうと思ったら、全額補償されてたんですよ。あれはやっぱり<地下闘艶場>が手を回してたのかな」
涼子「おそらくそうでしょうね。メイさんを引っ張り出すために先輩方を襲ったのだから、目的が達成された以上ちゃんとフォローする、といったところでしょうか」
メイ「だから、先輩たちが退院したら派手に快気祝いをしたいと思います」
瑞希「うわぁ、楽しそうだね! ボクも混ぜてくれない?」
メイ「え? なんで関係ないのに混ぜなきゃならな・・・」
ニナ「あ、じゃあ私もいいですか?」
美緒「折角だから、ここにいる皆呼んでよ」
メイ「だから、皆道場の先輩たちとは関係ないでしょうが!」
涼子「先輩方とはいっても、どうせ男ばかりでしょう? 綺麗どころが揃ったほうが、先輩も喜んでくれると思いますよ」
メイ「そうなのかなぁ・・・って涼子さんも乗り気なんですか!?」
咲夜「・・・皆行くなら私も参加していいですか?」
メイ「好きにしなよ(がっくり)」
美緒「じゃあ、日取りが決まったら教えてよ」
涼子「皆おめかしして行きましょうね。そうだ、合コン形式にしたらどうですか?」
ニナ「合コン! 私行ったことないんですよ〜」
咲夜「実は私も・・・」
瑞希「ボクは飲み食いできればそれでいいから」
メイ「あぁぁ、私を置いてけぼりにして話がどんどん進んで行く・・・先輩たちになんて言おう・・・」
瑞希「そんなに心配なら、お色気たっぷりの格好していけば? 先輩たちの視線独り占め♪」
メイ「んなことするかぁっ! なに勘違いしてるんだっ!」
涼子「メイさんが本気で怒る前に、次に行きましょうか」

涼子「第二十二話は瑞希さん対アシュタルト・デフォー。瑞希さんは白のビキニとTバックに、エプロンですね」
瑞希「あれは恥ずかしかったよ・・・前から見たら何も着けてないようにも見えるし、お尻は丸出しに近かったし」
涼子「この試合は武器戦で、瑞希さんはヌンチャク、アシュタルトは杖を使用しました。瑞希さんが押し気味で進みましたが、本気を出したアシュタルトに瑞希さんはダウンを奪われます。しかし一瞬の隙をつき、フォール勝ちしています」
瑞希「う、ま、まあね」
メイ「どうしたの、歯切れが悪いけど」
涼子「アシュタルトからキスされた、とは言いにくいですものね」
咲夜「ええっ、キ、キスされたんですか?」
瑞希「うわぁーーーっ、涼子さん言っちゃったーーーっ!」
美緒「(さすが涼子さん、いじめっ子気質は変わってないのね)」
涼子「それだけじゃありませんよ。瑞希さん、試合中にアシュタルトからプロポーズされましたが、その後進展はありましたか?」
メイ「プ、プロポーズ!?」
美緒「ほ、ほんと!?」
咲夜「(ドキドキ)」
ニナ「うわぁ、おめでとうございますぅ」
瑞希「ちょ、ちょっと待ってよ、ボクはプロポーズなんか・・・」
涼子「されてますよね?」
瑞希「さ、されたけど、結婚するとは一言も・・・」
咲夜「でも、名前がアシュタルトさんってことは、外国の方なんですよね?」
涼子「はい、フランス人です。フランス人でありながら日本の時代劇が好きで、現在日本でフランス語講師として働いています。情報によると、瑞希さんの自宅に押し掛けて来たそうですが」
瑞希「な、なんで知ってるのさ!」
美緒「うわぁ、熱烈なアタックね。さすが自由と恋愛の国の人。一歩間違えればストーカーだけど」
メイ「でもさ、そんな怪しげな外人が突然来たら、ご両親が追い返すんじゃないの?」
瑞希「それが・・・母さんがお人よしでさ、ボクの知り合いだからって家に上げちゃって、父さんは父さんでアシュタルトが時代劇マニアだから話が合っちゃって・・・しかもアシュタルトが入り婿でもいいなんていうから、二人とも乗り気なんだよっ!」
ニナ「いいじゃありませんか、それ程熱心に求愛してくれる方は滅多にいませんよ? 憧れちゃいますぅ」
瑞希「じゃあ代わってよ、ボク結婚する気なんてないもん」
咲夜「それなら、まずはお付き合いしてみればどうですか? 結婚云々は別にして」
美緒「そうよ、そうしなさい。そうすれば良いとこ悪いとこ見えてくるから、それからお断りしてもいいんだし」
瑞希「なんで皆そんなに楽しそうなんだよ! 他人事だと思って!」
美緒「だって他人事だもん」
咲夜「いいなぁプロポーズ・・・私もいつか・・・」
ニナ「そうですよね〜。乙女の永遠の憧れですぅ」
瑞希「むきーっ! 皆ボクをダシにして楽しんでるだけじゃん! 腹立つーっ!」
涼子「前回の座談会で、久遠さんに向かって『対戦相手と付き合うなんてバカなことはしたくないっ!』っと発言したのが巡り巡って帰ってきたんでしょうね」
瑞希「だからボクは付き合う気なんてないって言ってるじゃん! 皆なんで人の話聞かないのさ!」
涼子「女性にとって恋愛話と結婚話は一番盛り上がる話題ですからね。諦めましょう」
瑞希「そんなぁ・・・がっくり」
メイ「天罰、なのかなぁ・・・」

涼子「第二十三話はニナさん対虎路ノ山でした」
瑞希「え、虎路ノ山って、元相撲取りの虎路ノ山?」
涼子「そうです、よく知ってますね。虎路ノ山はスパッツとまわしを身に着け、ニナさんの衣装は巫女服でした」
ニナ「あれ巫女服って言うんですか? サイズが全然合ってなくって、胸が見えそうだったんです」
涼子「胸が見えそう、ではなく、乳首が見えそうなくらいのサイズだったようですが」
ニナ「う・・・実はそうなんです。普通の状態でも胸の谷間が見えちゃうし、発注ミスですよね、あの服」
涼子「・・・多分わざとそういうサイズにしたんだと思いますが」
ニナ「えぇ〜っ、なんでそんな意地悪したんでしょうね?」
美緒「あのねぇ、ニナ。<地下闘艶場>がどんな目的で行われてるか考えたらわかるでしょ? 男達がHな目的でそんな衣装を用意したに決まってるじゃない! 相変わらず天然さんなんだから!」
メイ「前回でその辺のことわかったんじゃないの? なんでまた<地下闘艶場>に出たりしたの。私みたいに身近な人が酷い目に遭わされたとか?」
ニナ「いえ、『日本の民族衣装を着てお客さんの前に出るだけでバイト代あげるから』、って言われて」
他の一同「(絶句)」
涼子「ニナさん・・・素直なのはいいことなんですが、もう少し人を疑うということを覚えた方がいいですよ」
瑞希「そうだよ、そのうち変な男に騙されるよ?」
ニナ「大丈夫ですよ、私身持ちが固いですから。男性と食事には行っても部屋には行きませんし、自分の部屋にも絶対入れませんから」
メイ「心配だなぁ。お酒飲もうなんて誘われても行っちゃだめだよ?」
ニナ「・・・今度から気をつけます」
美緒「って行ったことあるの!? 大丈夫だった?」
ニナ「折角楽しく飲んでたのに、相手の方が先に寝ちゃったんです。だから一人で帰っちゃいました」
咲夜「酒豪なんですね・・・」
涼子「それ以前に、日本ではお酒は二十歳からですよ。皆さん発言には気をつけてください」
他の一同「・・・はーい」
涼子「随分話が逸れましたが、試合は虎路ノ山のペースで進み、ニナさんは巫女服の前を広げられ、紡錘形のバストと乳首を観客に晒されてしまいました」
ニナ「そ、そうなんですけど、言わないでください、恥ずかしいです・・・」
涼子「しかも虎路ノ山とレフェリーの二人掛かりで・・・」
ニナ「りょ、涼子さん、具体的には言わないでいいですから!」
涼子「そうですか? では結果だけ。最後は切れたニナさんが、金的蹴りから顔面へのサッカーボールキック、立ち上がった虎路ノ山の膝側面へローキック、側頭部へハイキック、とどめは顎への飛び膝蹴りでKOです」
美緒「うわ、えぐぅ」
メイ「容赦ないね、ニナ」
ニナ「だ、だって、厭らしいことを延々とされて、本当に嫌だったんです」
咲夜「その気持ちはわかりますよ。私だってあんなこと・・・」
涼子「では、そんな咲夜さんの試合を振り返ってみましょうか」

涼子「第二十四話、咲夜さん対チャベス・マッコイ。咲夜さんの衣装はナース服でした」
咲夜「スカート丈が物凄く短くて、ちょっと動いただけで下着が見えちゃいそうで困りました。白のナース服だったから、スポットライトでブラが透けちゃうし」
美緒「ナース服って、男が興奮するコスチュームの一つだって聞いたことあるけど」
瑞希「あ、それ聞いたことある! クラスのバカ男子も、『付き合うならナースだよなー、あの服でHしてぇ』なんてこと言ってた!」
メイ「なんだろ、癒されたいって願望があるのかな?」
ニナ「白衣の天使って響きですかね?」
美緒「最近は看護婦じゃなくて看護士って言うし、スカートじゃなくてズボンのところも多いっていうのにね」
涼子「ナース談義はまた別の機会にしてくださいね。試合はチャベスだけでなく、セコンドの小男も積極的に乱入していました」
咲夜「そうなんです。レフェリーもまったく反則を取ろうとしないし・・・」
涼子「咲夜さんは上着を破かれ、ブラがはっきり見えてしまいました。しかも二人、いえ、レフェリーも含めた三人掛かりでの責めに追い詰められますが、一瞬の隙に連続攻撃を叩き込み、チャベスをKOしました。しかし、レフェリーにもう一試合して勝てばお父様の転院を世話すると言われ、小男との延長戦を行いました」
美緒「え、お父さん入院してるの?」
咲夜「はい・・・この前脳梗塞で倒れてしまって。手術は成功したんですが、意識が戻らなくて・・・あ、でも今は意識もはっきりしているし、リハビリができるくらいに回復してますから」
ニナ「それは良かったですね。お父さんか・・・しばらく会ってないなぁ」
美緒「ニナのお父さんってインドにいるんだもんね。久しぶりに帰国したら?」
ニナ「そうですね・・・でももう少しで卒業なんで、それまでがんばってみます」
涼子「では話を戻しますよ? 小男との試合ですが、咲夜さんは右足を痛めたこともあり、小男とレフェリーから押さえ込まれ、ひたすらセクハラされました。最後は一瞬の隙をつき、小男をKOして勝利です」
咲夜「(思い出して赤面)と、とにかく勝ててよかったです。父さんもいい病院に転院できましたし。リハビリがうまくいけば退院して職場に復帰できるかもしれないって、お医者さんが言ってたんですよ」
メイ「そっか・・・苦労したんだね」
涼子「ところで咲夜さん・・・どなたか気になる方がいらっしゃるとお聞きしたんですが?」
咲夜「え・・・えぇぇぇっ! い、いませんよ、誰ですか、そ、そんな、根も葉もないデマを流したのは」
美緒「思いっきり動揺しまくってるわね」
瑞希「ボクもあることないことばらされたんだからさ、咲夜さんも白状しなよ! 不公平だよ」
咲夜「不公平って、そんな・・・」
美緒「白状し・ちゃ・え♪ 白状しないと・・・泣くまでくすぐるわよ?」
咲夜「えぇっ、そんな・・・涼子さん、助けてください!」
涼子「私も聞きたいですね、咲夜さんの想い人」
咲夜「りょ、涼子さんまで・・・」
ニナ「可哀想咲夜さん・・・もうこうなったら、白状してすっきりしたらどうですか?」
咲夜「ニナさんまで! ああん、四面楚歌・・・」
美緒瑞希「あっきらっめて♪ はっくじょう♪」
涼子「なんですかそれ・・・さぁ、咲夜さんも覚悟を決めて、言っちゃいましょう」
咲夜「ううっ、わかりましたよ・・・実は、その、学校の先生なんですけど・・・」
瑞希「うわーーーっ!」
美緒「禁断の関係ね・・・」
咲夜「ち、違いますよ、先生と私は付き合ってもないし、その、告白もしてないですから・・・」
メイ「なんだ」
ニナ「片思いなんですか・・・切ないですね」
涼子「でも、気をつけたほうがいいですよ。女子高に通っていると、身近な男性が運命の人だと勘違いしやすいですから」
咲夜「そう・・・なんですか?」
美緒「涼子さん、なんか実感こもってませんか? もしかして、女子高出身で先生に憧れた口とか?」
涼子「・・・想像にお任せします」
咲夜「で、でも先生優しいんです。皆にも優しいんですけど、特に私の相談に乗ってくれたり、生徒会に差し入れしてくれたり・・・」
メイ「それだけじゃホントに優しいのか、タラシの手口なのかわからないね」
美緒「まさか他の女生徒だけじゃ飽き足らず、学校一の美形の咲夜ちゃんに狙いを定めたとか」
瑞希「実はゲイの気があって、咲夜さん見てボーイッシュなこの子なら大丈夫だと思ったとか」
咲夜「先生を悪く言わないでください! 酷いです皆!」
美緒「うおっと、これは完全に、恋する乙女が憧れの人を悪く言われたときの反応ね」
ニナ「咲夜さん、みなさんは咲夜さんのことを心配してくれてるんですよ。それはわかりますよね?」
咲夜「でも・・・美緒さんとか瑞希ちゃんの言うことがあんまり酷いから、つい・・・」
美緒「えっと・・・ごめんね、確かによくわからないで言ったことは謝るわ。ほら、瑞希ちゃんも」
瑞希「うー・・・ごめん、さっきチャカされたことで頭にきてて。本心じゃないからさ、そんなに怒んないで」
ニナ「なんにせよ、先生とお付き合いできるのは卒業してからですね。それまでは教師と生徒の関係を越えたら駄目です」
咲夜「そう・・・ですね。ニナさんの言うとおりです。卒業まで、先生を少し覚めた目で見てみようと思います。でも、それでも私の気持ちに変化がなかったら、そのときは・・・」
メイ「あぁあぁ、勝手にしなよ」
美緒「あれ? でも先生に首ったけの割には、なんでメイちゃんの先輩たちとの合コンに行こうと思ったの?」
咲夜「あの・・・少しでも男性に慣れておこうかな、って。先生の前じゃ緊張しちゃって、余りよく話ができないんです」
メイ「・・・人の先輩を練習台扱い」
ニナ「まーまー、これくらいは許してあげましょうよ」
涼子「さて、咲夜さんの想い人もわかったんですが・・・咲夜さん背も高いし、髪形もショートカットだから黙っていると美男子に見えるんですよね。よく言われませんか?」
咲夜「美男子はともかく、男ですかとはよく言われます。友達と二人で歩いてたらカップルに間違えられることもしょっちゅうですし」
美緒「確かに美少年って雰囲気あるわよね。宝塚の男役ってこんな感じなのかな? 学校女子高だったら、下級生からモテるんじゃない?」
咲夜「あはは・・・たまにラブレター貰ったりはありますね。あとバレンタインデーの日はチョコ貰ったりとか・・・」
瑞希「うわー、女子高ってホントにそんなことあるんだね」
咲夜「でも、なんでそんなに男に見られるんでしょうか・・・」
美緒「・・・わかった。咲夜ちゃん、ブラのサイズが合ってないでしょ」
咲夜「え、見ただけでわかるんですか!?」
メイ「言われてみれば確かに」
ニナ「何て言うんでしょうか、バストの形が歪んでますもんね」
涼子「サイズの合っていないブラをし続けたらバストの形がおかしくなりますよ・・・外しなさい」
咲夜「う・・・わかりました、後でちゃんと・・・」
涼子「今に決まってるでしょう! 皆さん、咲夜さんを押さえつけてください」
美緒「そうね、暴れちゃだめよ」
メイ「咲夜のためだもんね」
咲夜「ちょ、皆酷いです! やめて、いやぁぁぁ・・・!」

涼子「ほら、バストを無理にブラに詰め込んでるから、サラシを巻いたみたいになってたじゃないですか。しばらくそのままでいましょう」
咲夜「でも、ノーブラが恥ずかしいです・・・(胸元隠し)」
涼子「今みたいに胸元が膨らんでいたら、誰も咲夜さんを男だなんて思いませんよ」
瑞希「性転換に成功した人に見えるかもね」
咲夜「(ずーん)」
美緒「瑞希ちゃん、何てこと言うの! 咲夜ちゃんが本気で落ち込んじゃったじゃない!」
メイ「まったく、ちゃんと謝りなよ」
瑞希「ほんの冗談だったのに・・・」
ニナ「でもほら、これで先生の見る目も変わるかもしれませんよ?」
咲夜「そ、そうですか? それなら、これからは胸を張っていきます!」
メイ「現金だね・・・」
美緒「まったく、夢見る乙女は簡単に諦めないんだから」
涼子「美緒さんの言うとおりですね。では、次は美緒さんの試合を振り返りましょうか」

涼子「第二十五話、エキドナこと美緒さん対マスク・ド・タランチュラ。美緒さんはマスクを被り、蛇をモチーフにしたプロレスラーっぽいコスチュームでした」
美緒「エキドナって、ギリシャ神話に出てくる蛇女ゴーゴンの姉なんです。だから、マスクもコスチュームも蛇をモチーフにしました。蜘蛛を食べる、って意味も込めてたんです」
涼子「折角のコスチュームも破かれてしまいましたけどね」
咲夜「え、じゃ、じゃあ全裸にさせられた、ってことですか?(赤面)」
美緒「違うわよ! ちょっと胸が見えちゃっただけで・・・」
涼子「正確に言えば乳首まで、ですね。ですが試合を通してずっと主導権を握り続け、最後はローリングネックドロップとでも言うんでしょうか? 危険な投げ技でマスク・ド・タランチュラをKOしています」
美緒「あの技は<ローリング・エクスキューショナー>って名付けました。下手したら相手の首折っちゃいそうで恐いですけど。でも、三戦目にしてやっと勝てました・・・これで、ぐっすり寝れます」
涼子「しかし、よく短期間であれだけの打撃技を身に付けましたね。猛練習したんじゃないですか?」
美緒「そりゃもう、前回も負けたのが悔しくて悔しくて、痣が何日も残るくらい練習しましたよ」
メイ「へぇ・・・それじゃ、今度お手合わせお願いしようかな」
ニナ「それいいですねぇ。私ともお願いしますぅ」
瑞希「あ、それじゃ私も!」
美緒「ちょ、ちょっと、なんで皆と闘わなきゃならないのよ、嫌よそんなの! ねぇ涼子さん?」
涼子「え、私が一番最初でいいんですか?」
美緒「なに言ってんの涼子さん! そのいじめっ子気質なんとかしてくださいよ!」
涼子「いじめっ子とは酷いですね美緒さん・・・大丈夫、優しくしますから」
美緒「その他人が聞いたら誤解しそうな発言もやめてください! ほら、ニナが引いてるじゃないですか!」
ニナ「え、お二人ってそんな関係じゃないんですか? なんだ、ちょっとがっかりです」
美緒「この子は・・・レディースコミックの読み過ぎじゃないの?」
涼子「では美緒さん、誰からお相手致しましょうか?」
美緒「だーかーらー、闘う気はないって言ってるでしょーっ!」
瑞希「ふーん・・・逃げるんだ」
美緒「(ぶちっ)そこまで言うんなら今ここでやってあげようじゃないの!」
瑞希「へへっ、一番手もーらいっ」
涼子「美緒さん落ち着いて。瑞希さんも冗談に乗っからないでください。はいはい、二人とも深呼吸して」
美緒瑞希「すーっ・・・はーっ・・・」
涼子「それじゃあ、落ち着いたところで・・・」
ニナ「じゃあ、私が一番手でいいんですね?」
他の一同「そんなわけあるかーっ!」

涼子「では、今回の座談会はこれまでと致しましょう。この後は、咲夜さんの下着選びに行きましょうか」
美緒「そうね、折角の機会だし。私も新しいの買おうかな」
咲夜「そう言われても、今持ち合わせがなくて・・・」
ニナ「大丈夫、貸してあげますから。さっ、行きましょー!」
瑞希「メイさんはどうすんの?」
メイ「・・・これも縁だから。付き合うよ」

美緒「ほーら、ちゃんとサイズの合ったブラ着けたら全然違うじゃない!」
咲夜「確かに胸が楽ですね。こんなことならもっと早く買えばよかったです」
涼子「90のE、ってとこですか?」
瑞希「寄せて上げたんじゃないの?(もにゅん)うあぁ、柔らかい・・・」
咲夜「ちょ、ちょっと瑞希ちゃん!」
涼子「メイさん、やっぱりブラは可愛い系でしたね」
メイ「い、いいじゃないですか別に。私だって女なんだし・・・」
美緒「水玉柄ねぇ・・・思い切ってもっと少女趣味なのにしてみたら?」
ニナ「皆さん、このブラってどうですか?」
メイ「ニ、ニナ、なんてもの持ってきてんだ!」
ニナ「可愛いでしょ?」
瑞希「可愛いって言うより、エロいよね」
美緒「やっぱりニナってどこかずれてるわよね。なによそのスケスケのブラ・・・」
ニナ「ちゃんとニプルは見えないようになってますよ? これで男性も悩殺ですよ!」
メイ「見せる相手もいないくせに・・・」
ニナ「わかりませんよ? メイさんの先輩方と合コンするんですから、そのとき素敵な出会いがあるかも・・・きゃーっ♪」
瑞希「呑気って言うかなんて言うか・・・」
涼子「さすが婚約者がいる人は余裕ですね」
瑞希「だれが婚約者持ちだっ!」
メイ「瑞希、店で大声出すなよ」
瑞希「だって、涼子さんが・・・」
涼子「あら、瑞希さんが羨ましくて言っただけなのに・・・酷い勘違いですね」
メイ「(ホントかなぁ涼子さん・・・)」
美緒「(絶対嘘でしょうね・・・)」
咲夜「(涼子さん、優しいのか意地悪なのかわからないです・・・)」
涼子「聞こえていますよ皆さん(にっこり)」
メイ「うわっ!」
咲夜「ひっ!」
美緒「涼子さん・・・冗談だってわかってますよね?」
涼子「当然じゃないですか。それに、お店で暴れるわけにもいきませんものね(微笑)」
咲夜「(涼子さん怒ってますよー)」
美緒「こうなったら・・・皆! 涼子さんにも新しい下着を選んであげましょう!」
涼子「え? いえ、私は・・・」
瑞希「あ、そういうこと?」
ニナ「涼子さん、遠慮しなくていいですよ〜」
メイ「そうそう、涼子さんだったらこういうのも似合うと思うな」
涼子「いえ、だから・・・!」
美緒「涼子さん、お店で暴れるのはよくない、ですよね?」
涼子「それはそうなんですけど・・・ちょっとニナさん、どこ触ってるんですか!」
ニナ「どこって、服を脱がなきゃ下着も着られませんよ」
瑞希「それもそうだね、ほら涼子さん、脱いで脱いで!」
咲夜「(皆楽しそう・・・涼子さん、本気で怒らなきゃいいけど・・・)」
美緒「涼子さん色白い・・・確かに白も似合うけど、黒だと肌の白さが映えますよ」
涼子「そんなごまかしは・・・!」
美緒「元橋さんが見たらどんな感想持つかな〜」
涼子「え・・・?」
メイ「メロメロになっちゃうかもね。『涼子さん、セクシーだ・・・』なんて言って!」
涼子「そ、そうかしら・・・」
咲夜「(涼子さん丸め込まれてる!)」
ニナ「それならこっちのなんかどうです? カップの縁がすっきりとしてかっこいいですよ」
瑞希「これにしなよ涼子さん! Tバックの悩殺使用!」
涼子「さすがにそれは・・・」
美緒「元橋さん、こういう色っぽいのに弱いかもね〜」
涼子「そ、そんなものなのでしょうか・・・」
咲夜「(涼子さん、満更でもない表情してる・・・)」

美緒「ほらほら、瑞希ちゃんも下着選んで。折角見せる相手がいるんだから、いいやつ買おうね?」
瑞希「そんな相手いないって何度言えば・・・!」
メイ「だからニナ、そんなエロエロな下着買うなって!」
ニナ「ええ〜、可愛いのに・・・」
涼子「元橋様・・・これ気に入ってくれるかしら」
咲夜「えっと・・・収まりがつかなくなったので、今回はこれで終わり、だそうです。え? 次回また会いましょう、ですか? はぁ・・・ではまた次回、です」


【座談会 其の四】へ   番外編 目次へ   【座談会 其の六】へ

TOPへ
inserted by FC2 system