幕間劇 其の三

 全ての試合が終わった会場を超VIPルームから見下ろしながら、「御前」が呟く。
「今日も予想通りの結果だったが・・・」
 一つ予想外があったとすれば、王美眉の実力だった。チャベス程度に負けることはないだろうと思っていたが、まさかあそこまでの完勝だとは。
 まだ洋子は戻って来ない。王美眉の素性を調べるのに手間取っているのだろう。推薦者である田芝を通さないとなると、時間が掛かるのは仕方がない。
(田芝め・・・王美眉を推薦した理由はなんだ?)
 ただ「御前」を驚かせようとしただけなら良い。しかし、何かが「御前」の胸に引っ掛かった。
「・・・どうするかの」
 意図せぬ呟きが口から零れていた。
「『御前』、私も動きましょうか?」
 ナスターシャが耳元に囁いてくるが、「御前」は首を振った。
「否、今は良いわ。それに、他の用事があるしの」
 「御前」はナスターシャの腕を取って引き寄せ、服の上から胸を弄る。
「そ、そういう用事でしたら、ぜひ・・・」
 ナスターシャの吐息が「御前」の耳をくすぐった。
 吐息は、直に喘ぎに変わった。


 二回戦組み合わせ
  第一試合 八岳琉璃 対 ミステリオ・レオパルド
  第二試合 藤嶋メイ 対 天現寺久遠
  第三試合 ビクトリア・フォレスト 対 虎路ノ山
  第四試合 本多柚姫 対 ダークフォックス
  第五試合 元橋堅城 対 沢宮冬香
  第六試合 王美眉 対 エキドナ
  第七試合 稲角瑞希 対 ジョーカー
  第八試合 マスク・ド・タランチュラ 対 於鶴涼子


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