【幕間劇 其の一】
「ほお」
超VIPルームから観戦していた「御前」の口から、掛け値なしの驚嘆の声が洩れる。
カミラ・アーデルハイド・バートリーは強かった。長年柔道の修練を積んだ恵比川相手に、宣言通り投げだけで勝利して見せた。しかも、まだ実力の片鱗すら見せていないのではないか。そう感じられるほどの余裕の勝利だった。
「自分から売り込んでくるだけはあるな」
花道を下がっていくカミラを見つめながら、「御前」は知らず笑みを浮かべていた。
「御前」の奥底で、何かがざわりと蠢いた。
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