【閑話休題 座談会 其の十一】

涼子「恒例の座談会、今回で十一回目となります。私は司会進行の於鶴涼子です。今回は琉璃さん以外は皆さん初めてですね」
他の一同「(こくり)」
涼子「それでは各自自己紹介をお願いします。年齢、職業、格闘スタイルを教えていただけますか? まずは私から。年齢は21歳で、職業は受付嬢です。格闘スタイルは合気道になります。ではステファニーさんからお願いします」
ステファニー(以下ステフ)「Hi! ステファニー・クレイトンデス。ステフと呼んでくだサイ。年齢は17歳で、日本の高校に留学中デス。Fighting−styleはProfessional−Wrestlingデス。夢は<WUP>、<World Unlimited Professional−wrestling>のDivaになることデス!」
涼子「ステフさんは、おばあ様が日本の方です。ですので日本語も堪能ですね」
ステフ「そんなことないデスヨ。まだまだ勉強が足りませン」
涼子「充分上手いじゃないですか。(苦笑)次は夏花さんお願いします」
夏花「宇賀原夏花、同じく17歳高校生です。格闘スタイルは剣道です」
琉璃「八岳琉璃です。私も17歳で高校生です。格闘スタイルは総合格闘技、ということにしておきますわ」
まほろ「次私? 鴉箕まほろ、22歳。美容師で、格闘スタイルはテコンドーよ」
涼子「今回は私とまほろさん以外は三人共17歳の高校生ですね」
ステフ「本当デスネ! 仲良くしてくだサイ!」
夏花「え、あ、はい」
琉璃「ええ、こちらこそ宜しくお願いしますわ」
涼子「ではここで、恒例のバストサイズの発表をさせて頂きます。私が85のD、ステフさん92のF、夏花さん83のD、琉璃さん89のF、まほろさんが87のEです」
まほろ「な、ちょ、なんで胸のサイズ発表してるのよ! しかもトップのサイズって・・・」
涼子「恒例行事ですから」
琉璃「本当にいつもいつも・・・もうやめませんこと?」
夏花「そうですよ! こんな発表なんの意味もないじゃないですか! ステフさんもそう思いますよね?」
ステフ「私は別に構いませんヨ? だって、他の人のSizeを知ることってあまりできないじゃないデスカ。できればUnderと他のThree-sizeも・・・」
夏花まほろ「やめて!」
涼子「スリーサイズはやめておきましょうか。それでは第十一回座談会、始めたいと思います」

涼子「まずは第五十一話、ステフさんの試合からいきます。あら、ステフさんは遥さんと一緒の部活に入ってるんですね。プロレス同好会、でしたか」
ステフ「Yes! 遥とは毎日一緒に練習してマス!」
涼子「ステフさんの対戦相手はミステリオ・レオパルド。ステフさんの衣装は虎柄の片紐ビキニ、のようなものでした」
ステフ「下はスカートでしたカラ、ビキニというとちょっと違う気もしますネ」
涼子「そうでしたか。表現が難しいですね・・・それはともかく、プロレスのステフさんとルチャ・リブレのミステリオ・レオパルドとの試合は技の応酬で進みます。その中でステフさんは虎柄のブラを取られてしまいました」
ステフ「Ah・・・そうでしタ、でも、ランジェリーマッチだと思えば我慢できましタかラ」
涼子「ミステリオ・レオパルドの実力とセクハラに、ステフさんは苦戦します」
夏花「やっぱり、皆厭らしいことされてるんですね・・・」
まほろ「嫌な団体よね」
涼子「最後は口から出血していることに気づいたステフさんが切れ、ミステリオ・レオパルドを力技で失神させてしまいました。更にレフェリーまで病院送りにしてます。普段から血を見ると切れるんですか?」
ステフ「え、普段はキレたりしないデスヨ? だいたい、普段から血を見るたびにキレてたら月一回は・・・」
涼子「はい、そこまで! 女同士でも慎みを持ちましょうね。ステフさんが口を滑らさないうちに次に行きます」

涼子「次は第五十二話、私の試合ですね。対戦相手は阿多森愚螺でした。衣装はいつもの道衣に袴、それにサラシでした」
まほろ「あれ? 貴女だけ普通の道衣?」
涼子「ええまあ。四回目ともなれば、多少の我侭も通じるようです」
まほろ「エロファイトを四回も・・・尊敬していいのか同情すればいいのかわからないわね」
涼子「お気になさらず。レフェリーはいつもの小悪党ではなく、三ツ原凱という男性でした。レフェリーがいつものレフェリーじゃなかったのは、ステフさんが病院送りにしていたからなんですね」
ステフ「あの試合デスけど、最後のほうはよく覚えていないんデス」
夏花「さっき切れた、って言ってたからそれが原因?」
涼子「そうでしょうね。私の対戦相手の阿多森ですが、自分で関節を外すことができるという異能の男でした」
まほろ「それなんてびっくり人間?」
涼子「外すだけでなくて嵌めるのも自由自在だと言ってましたから、確かにびっくり人間ですね。サラシを解かれて道衣を切られましたが、なんとか勝つことができました」
琉璃「えらく端折っていませんか?」
涼子「気のせいですよ(微笑)」
まほろ「ほんと?(ひょこっ) あっ、乳房剥き出しにされて揉まれた、って書いてるじゃない」
涼子「・・・まほろさん、勝手に資料を覗くのは感心しませんね」
琉璃「他人の試合は詳細に語っておいて、自分の恥ずかしい部分を隠すのは卑怯ですわよ」
涼子「確かにそうですね。次からは気をつけます」
まほろ「って今回は逃げるんかい!」
夏花「まほろさんがつっこんだ・・・」
ステフ「あれが『ツッコミ』! 勉強になりマス!」
涼子「ステフさん、誤った日本文化を覚えないでください(ため息)」

涼子「第五十三話は夏花さんのお話です。対戦相手は湖童陣、この試合は武器戦のため、夏花さんは竹刀を、湖童は釵という武器を使って闘います」
ステフ「あれ、夏花の衣装ってなんだったんデスカ?」
涼子「改造剣道着です。袖がなく、脇にも大きく切れ目が入れられていました。袴はスリット入りの膝上丈。だから下着が・・・」
夏花「うわわわわーーーっ!」
まほろ「な、なによ突然」
夏花「だって、だって今・・・」
涼子「下着が見えていたのは事実じゃないですか。それくらいでうろたえないでください」
琉璃「確かに。下着くらいで動揺しては勝てるものも勝てませんわよ」
涼子「琉璃さんの言葉どおり、普段の実力を出せない夏花さんは湖童に敗北してしまいます。湖童に敗れた夏花さんでしたが、もう一戦すればお婆さんの転院と治療費を<地下闘艶場>が負担する、という申し出を受けます」
琉璃「お祖母様が入院されてるんですの?」
夏花「うん、そう、心臓発作で・・・」
涼子「二戦目に移る前に、夏花さんはレフェリーからボディチェックを受けます」
夏花「・・・(思い出して赤面)」
まほろ「どうしたの、赤くなって」
夏花「だ、だって、ボディチェックって言ってたのにあちこち厭らしく触ってきて・・・」
ステフ「夏花もBody−Checkされたんデスネ。あのレフェリー、厭らしくて嫌いデス!」
涼子「好きな人はいませんよ。(断言)夏花さんの二試合目の対戦相手は早矢仕杜丸。ヘタレで有名な男です」
夏花「竹刀が使えれば、あれくらいの男性でも苦戦しなかったのに・・・」
琉璃「? 二戦目は武器戦じゃなかったんですの?」
涼子「そういえば言ってなかったですね。夏花さんの二試合目は普通のプロレスルールで行われました。剣道しか知らない夏花さんは早矢仕に捕まり、レフェリーと二人掛かりでセクハラされます」
夏花「うわーん! 思い出しちゃったー!」
涼子「しかし夏花さんはお爺様の教えである『明鏡止水』を思い出し、面打ちの要領で早矢仕の顔面を打って一撃でKOしました」
夏花「勝てたからよかったですけど、もう二度と闘いたくないです」
琉璃「もし次ご家族の方が倒れるようなことがあれば、私に仰ってください。力になりますので」
夏花「気持ちは嬉しいですけど、琉璃さんに迷惑じゃないですか?」
涼子「琉璃さんはあの八岳グループ総帥のお孫さんですので、かなりの我侭も聞いて貰えると思いますよ」
夏花まほろ「えええっ!?」
ステフ「? 八岳Groupって、そんなに凄いんデスカ?」
まほろ「凄いも何も、日本を代表する複合企業じゃないの! 貴女、とんでもないお嬢様ね」
琉璃「あら、ありがとうございます」
夏花「なんか・・・実感が沸かないんですけど」
琉璃「友人となった以上、遠慮は無用ですわよ。困った際には助け合う、それでいいじゃありませんか」
まほろ「それならね、私今欲しい服があってさ・・・」
涼子「まほろさん、年下の高校生にモノをねだらないでください」
まほろ「じょ、冗談よ。そこまで落ちぶれてないから!」
涼子「全く。では、次に行きます」

涼子「第五十四話、琉璃さんの試合です。対戦相手はプロレスラーの獅子牙タケル、"キング"とも呼ばれる最強クラスの選手ですね」
琉璃「あの方は本当に強かったですわ・・・元橋の小父様には届かないとしても、あと何年かしたら・・・」
涼子「元橋様に敵う人などおりません。琉璃さんの目もたいしたことがありませんね」
琉璃「実際に対戦してみないとわからないこともありますわよ。涼子さんこそ、感情でものを言うのはやめたほうが宜しいですわよ?」
まほろ「ちょっと、司会者が熱くなってちゃ進まないでしょ。貴女もちょっかいかけないの」
ステフ「そうデスヨ。Love&Peaceの精神でGo! デスヨ!」
涼子「・・・ステフさんの言うことはよくわかりませんが、確かに進行者が熱くなってはいけませんね。失礼しました。えっと・・・琉璃さんの衣装は開拓時代の保安官のようなものでした」
ステフ「保安官・・・Sheriffデスネ、私も着てみたいデス」
琉璃「ミニスカートの保安官がいたとでも? 相変わらず闘いにくい衣装でしたわ」
涼子「琉璃さんは動きにくいため、自分でミニスカートを脱いで闘いました」
まほろ「うっわ、随分思い切るのね」
琉璃「勝つためですから。下着姿くらいで恥ずかしがっては、勝つものも勝てませんわ」
涼子「今まで無敗の琉璃さんもタケルには苦戦しますが、最後は元橋様直伝の<自業自縛>という関節技で勝利を得ました」
琉璃「本当に強かったですわ。でも、女性だからということで少し手加減されていた気もします」
まほろ「本当にいい男ってのは、女に優しいものよ」
琉璃「私としては、真剣勝負をしてくれる男性のほうがいいですわ」
涼子「私は年上で素敵な方がいいですね」
夏花「・・・涼子さん、そんな告白していいんですか?」
涼子「!(赤面) つ、次に行きます!」

涼子「次で最後ですね。第五十五話はまほろさんが登場しました。衣装は・・・なんというんでしょうか。ネグリジェのような透け透けですね」
まほろ「あれで衣装って言い張るんだから、<地下闘艶場>って凄いところよね」
涼子「本当に。まほろさんの対戦相手はロックマスク。しかし、正体はまほろさんに振られた大岩憲次という男でした」
まほろ「そうなのよ。こっちは仕事でにこにこしてるってのに、私が好意を持ってるなんて勘違いしちゃってさ。はっきり断ったらこんな姑息な仕返ししてくるんだから」
夏花「まほろさんモテそうですもんね。綺麗だし、格好いいし」
まほろ「まあね。美容師って仕事柄、お洒落にも気を使わないとお客さん付いてくれないから。これでも色々努力してるのよ?」
琉璃「私も日々自分を磨いていますわ。勉学や運動は勿論、エステティシャンにも毎週来て貰っていますし」
まほろ「えっ、自宅に出張エステ!? どれだけのお嬢なのよ貴女」
ステフ「羨ましいデス・・・私もエステ受けてみたいデス!」
琉璃「それでしたら、今度うちに来ますか? 一緒にエステを受けましょう」
ステフ「Wao! ぜひお願いシマス!」
琉璃「他の方もいかがですか?」
夏花「・・・じゃあ、一度だけ」
涼子「私は結構です」
まほろ「私も。エステ受けに行ったら何か負けた気がするし」
夏花「さっき琉璃さんに服をねだろうとしたのに・・・」
まほろ「あ、あれは冗談じゃない!」
涼子「ちょっと脱線しましたね。話を戻します。まほろさんはレフェリーとロックマスクに二人掛かりのセクハラを受け、ブラを取られてしまいます。しかしテコンドーの技術でロックマスクを叩き伏せ、レフェリーにもお仕置きして快勝しました」
まほろ「色々恥ずかしい思いさせられたけど、勝って良かったわ」
涼子「ところでまほろさん、町のテコンドー道場に通っているそうですね」
まほろ「ええそうよ。そこに鬼みたいな女指導者がいてね、鬼のように強いし、鬼のようにシゴくしで、無茶苦茶なところよ。でも、お陰でテコンドーの実力はかなりついたけどね」
涼子「その女指導者については、【特別試合 其の九】をご覧ください」
ステフ「? 涼子サン、一体どういう意味デスカ?」
涼子「わかる人にだけわかればいいことなので、気にしなくて結構ですよ」
まほろ「あー・・・でもこのことが金先生にばれたら、絶対しごかれる! 『もう二度と苦戦しないような実力をつけろ』とか言うのよ、あの鬼!」
琉璃「仮にも自分の先生に向かって、酷い言いようですわね」
まほろ「貴女も金先生にしごかれたら絶対そう思うわよ! 並みのしごきじゃないんだから!」
琉璃「それは面白そうですね。ぜひお会いしたいですわ(微笑)」
涼子「なんだか新たな因縁が生まれそうですが、第十一回の座談会、ここまでとしたいと思います。今日は皆さんありがとうございました」


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